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{ 皇太子編 }
67. 切なる願い
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あぁ……泣いているんだ私は……。
目頭は痛みを感じるほど熱く……でも、心は無痛に凍てついていた……。
「ふふっ」
理由もなく可笑しくなった。
そこに描かれた大陸地図……中心に引かれた濃く太い国境線は涙で滲むも、明確な存在感を放って南北を分断していた。
この馬鹿げた世界に囚われて……いつも悲観するしか出来ず……ただ状況を受け入れて……自分の弱さに甘んじて、無力だからと諦めて…………私こそが、馬鹿だった。
ゆっくりと顔を上げて、その人を見た。
「どうして……私に微笑むのですか? 私に対しては、無理して笑顔を装う必要などないでしょう……」
「…………お前は……何を言っている?」
その表情が僅かに崩れ、不快を示す。
「……私の笑みは本心だ……」
「………いいえ。……また、気まぐれに構って、飽きれば捨て去るのではないですか? 幼少期も……そうだったではないですか。今度は私はあなたの愛玩動物ですか? 人形ですか?」
「お前は……そんな事を、思っていたのか?」
「側妃となり、子を産んで、用済みとなれば……雑木林のあの小屋に捨てられるのでしょう? いつもあなたは、私を罰して捨て去るではないですか」
発する言葉に含んだ毒と……それがもたらす不都合な結末に思い至るも……なんら後悔は湧かない。
まるで、私では無い、誰か他人が代弁しているような。
この世界の全てが絵空事に思えた。
私は……何故、前世の記憶を持ったまま、この世界に産まれたの?
前世で綴った物語とは、既に大きく道を外れた世の流れ。
私は死なず、戦争も起きず……主人公も現れない。
なのに私は……この世界でも……何も果たせず、何も得ず……何も叶えられない。
思考の先に、唐突に思い浮かんだその答え……。
理解した。……そう……これは私の罰なんだ。こんな残酷な世界を書き綴った罰として……私の背負った業なんだ……。
……もう……終わりに……したい……。
「何を言う。いや……そんな事はしない。誓おう……。スティーリア、いずれお前は皇后となるだろう。……お前は、何を望む?お前が望むなら、私の手で何でも叶えてやる」
(望み?)
冷めた心に、何の期待も抱かぬまま……だが、心に深く根付いた欲求は、言葉になった。
「それではっ……私を放っておいてください。 私は何もいりません。ただ……自由にしてください。」
「……放っておく?…………何を、白々しい。お前は自由があれば……逃げるだろう?」
「何故! 何故逃げてはいけないのですか?……そうまでして……あなたはあなたの信念を曲げてまで、私を受け入れなければならないのですか?……あなたはいつも、私を蔑み見下して、他の人には見せない顔で私を痛ぶってきたではないですか! 私はそうなって当然の人間です。母の命を奪って、父を貶めて生まれた罪の子です。あなたには相応しくないでしょう。だからどうか、私を追い出して、この皇城から私を逃して。そうすれば、あなたも私を側妃になどする必要がなくなるのですから、どうかお願いです……!」
男は、黙ったまま……その口元を手で覆う。
考え込むように、こちらを眺めて……次第に手が離れ、現れた口元には薄く笑みが浮かんでいた。
「お前は……大きな勘違いをしている。お前は、私に望まれて妃となるのだ」
「……何を……言っているのですか?私を……望む?あなたが?」
「私は、お前を昔から欲していた。お前のことを好んでいた。しかしそれは決して許される事では無かった。……だが、今は違う。それだけだ」
私の震える声とは反対に……男は落ち着き払いながらも、到底理解できない事を口にする。
「う、嘘を言わないでっ! あなたが私を好んでいたと?昔から欲していたと?そんな事は……あり得ない」
口を衝いて出た否定の言葉にも……男は何ら感じた様子もなく、私を真っ直ぐに見つめる。その眼差しに……混乱する。
「なら……何故? あなたは……あなたは私を……痛めつけたのですか? だって、私の肌を焼いたのは、あなたではないですか! 何を、今更!!」
瞬間、男は眉根を寄せて、ため息を吐きながら……ゆっくりと……首を振った。
「誤解だ。あの時私は、お前を竜の国に行かせたくはなかった。……ああするより他に、自分の気持ちを抑える方法はなかったのだ。あの時から、今ここに至るまで、お前を想う気持ちは変わらない」
まるで痛みを感じたように、目を逸らし、険しさを増したその横顔からは、後悔の念さえ窺える。
じわじわと、心が不快に泡立つ……これは、怒りか悔しさか。
「違う! あなたは笑っていた! 私を傷つけて自らの鬱憤を晴らして、その嗜好を満たすためにあなたは私を物のように扱って、私を壊した!!」
「何を言う。私がお前を傷つけ、笑っただと?」
まるで、それがありもしない事のように……その顔には、困惑と否定が浮かぶ。
「ええ。あなたは私を罰した後も、私の部屋を何度も訪れたではないですか? 痛みに耐えながら……はっきりと覚えています!」
焼け爛れた皮膚は、一切の手当てもされず……膿み腐り異臭を放った。……無数の針で突き刺されるような痛みが延々と続く中……気を失っては、痛みで目を覚ます。そして何度も何度も……混濁する意識の中で……あなたが部屋を訪れる足音が、警笛のように頭で響き、意識を覚醒させた。
「あなたは……癒えない傷跡をその指先でなぞって眺めていた……! 忘れたのですか?……まるで他人事のように、憐れんで……時に悪魔のように、蔑んで……私を……苦しめたじゃないですか……」
まざまざと蘇った当時の苦痛に、堪えきれず嗚咽が漏れる。そう……あの時、本当に痛みを感じていたのは心だった……その苦痛を身体の痛みに紛らわせて……私はあの地獄を耐えたんだ。
途端、男は全てを否定するように、きつくその目を閉じた。
「いや、それでも……私は、ただお前を愛していた。欲していた……。お前が、私を許す事はないのだろうか? あの伯爵家の男でさえ、お前を攫って苦しめたあの男でさえお前は許したではないか……。なぜこれほど、お前を愛し、お前に全てを捧げようとする私を……許さぬのだ? 罰なら受けよう……お前と同じ罰を受ければ……お前は、私を、許してくれるか?」
「嫌、やめて! 聞きたくない! 愛していた? 欲っしていた? そんな……そんな事信じられない。今までの仕打ちを許せるわけ……ないじゃないですか? もう……お願いだから、解放して……私を! 私の居場所は、ここじゃない……」
私が今世で初めて心から欲した、決して諦めきれない……たった一つの望み。
それが叶うなら、何だって出来る……命さえ、惜しくない。
「どうすれば、逃がしてもらえますか?」
椅子から立ち上がり、膝をつく。……手を伸ばせば、その頬に触れそうなほどの距離……見上げたその表情は強張ったまま、何も読み取れない。
「あなたが私を好むなど……そんなこと、あり得ません……それは、あなたが何より分かっているはずです。でも……私を少しでも、憐れに思ってくれるなら……私をどうか、逃がしてください」
その足元に平伏して、額を地に付け懇願する。
「どうか……どうか……」
「……立ちなさい」
その声に、訳もわからず背筋が冷えていく……。
「お、ねがい、します……皇太子さま……」
身体は強張り、まるで力の入れ方が分からない。顔を上げることもままならず……声を震わせ、必死に言葉を絞り出した。
目頭は痛みを感じるほど熱く……でも、心は無痛に凍てついていた……。
「ふふっ」
理由もなく可笑しくなった。
そこに描かれた大陸地図……中心に引かれた濃く太い国境線は涙で滲むも、明確な存在感を放って南北を分断していた。
この馬鹿げた世界に囚われて……いつも悲観するしか出来ず……ただ状況を受け入れて……自分の弱さに甘んじて、無力だからと諦めて…………私こそが、馬鹿だった。
ゆっくりと顔を上げて、その人を見た。
「どうして……私に微笑むのですか? 私に対しては、無理して笑顔を装う必要などないでしょう……」
「…………お前は……何を言っている?」
その表情が僅かに崩れ、不快を示す。
「……私の笑みは本心だ……」
「………いいえ。……また、気まぐれに構って、飽きれば捨て去るのではないですか? 幼少期も……そうだったではないですか。今度は私はあなたの愛玩動物ですか? 人形ですか?」
「お前は……そんな事を、思っていたのか?」
「側妃となり、子を産んで、用済みとなれば……雑木林のあの小屋に捨てられるのでしょう? いつもあなたは、私を罰して捨て去るではないですか」
発する言葉に含んだ毒と……それがもたらす不都合な結末に思い至るも……なんら後悔は湧かない。
まるで、私では無い、誰か他人が代弁しているような。
この世界の全てが絵空事に思えた。
私は……何故、前世の記憶を持ったまま、この世界に産まれたの?
前世で綴った物語とは、既に大きく道を外れた世の流れ。
私は死なず、戦争も起きず……主人公も現れない。
なのに私は……この世界でも……何も果たせず、何も得ず……何も叶えられない。
思考の先に、唐突に思い浮かんだその答え……。
理解した。……そう……これは私の罰なんだ。こんな残酷な世界を書き綴った罰として……私の背負った業なんだ……。
……もう……終わりに……したい……。
「何を言う。いや……そんな事はしない。誓おう……。スティーリア、いずれお前は皇后となるだろう。……お前は、何を望む?お前が望むなら、私の手で何でも叶えてやる」
(望み?)
冷めた心に、何の期待も抱かぬまま……だが、心に深く根付いた欲求は、言葉になった。
「それではっ……私を放っておいてください。 私は何もいりません。ただ……自由にしてください。」
「……放っておく?…………何を、白々しい。お前は自由があれば……逃げるだろう?」
「何故! 何故逃げてはいけないのですか?……そうまでして……あなたはあなたの信念を曲げてまで、私を受け入れなければならないのですか?……あなたはいつも、私を蔑み見下して、他の人には見せない顔で私を痛ぶってきたではないですか! 私はそうなって当然の人間です。母の命を奪って、父を貶めて生まれた罪の子です。あなたには相応しくないでしょう。だからどうか、私を追い出して、この皇城から私を逃して。そうすれば、あなたも私を側妃になどする必要がなくなるのですから、どうかお願いです……!」
男は、黙ったまま……その口元を手で覆う。
考え込むように、こちらを眺めて……次第に手が離れ、現れた口元には薄く笑みが浮かんでいた。
「お前は……大きな勘違いをしている。お前は、私に望まれて妃となるのだ」
「……何を……言っているのですか?私を……望む?あなたが?」
「私は、お前を昔から欲していた。お前のことを好んでいた。しかしそれは決して許される事では無かった。……だが、今は違う。それだけだ」
私の震える声とは反対に……男は落ち着き払いながらも、到底理解できない事を口にする。
「う、嘘を言わないでっ! あなたが私を好んでいたと?昔から欲していたと?そんな事は……あり得ない」
口を衝いて出た否定の言葉にも……男は何ら感じた様子もなく、私を真っ直ぐに見つめる。その眼差しに……混乱する。
「なら……何故? あなたは……あなたは私を……痛めつけたのですか? だって、私の肌を焼いたのは、あなたではないですか! 何を、今更!!」
瞬間、男は眉根を寄せて、ため息を吐きながら……ゆっくりと……首を振った。
「誤解だ。あの時私は、お前を竜の国に行かせたくはなかった。……ああするより他に、自分の気持ちを抑える方法はなかったのだ。あの時から、今ここに至るまで、お前を想う気持ちは変わらない」
まるで痛みを感じたように、目を逸らし、険しさを増したその横顔からは、後悔の念さえ窺える。
じわじわと、心が不快に泡立つ……これは、怒りか悔しさか。
「違う! あなたは笑っていた! 私を傷つけて自らの鬱憤を晴らして、その嗜好を満たすためにあなたは私を物のように扱って、私を壊した!!」
「何を言う。私がお前を傷つけ、笑っただと?」
まるで、それがありもしない事のように……その顔には、困惑と否定が浮かぶ。
「ええ。あなたは私を罰した後も、私の部屋を何度も訪れたではないですか? 痛みに耐えながら……はっきりと覚えています!」
焼け爛れた皮膚は、一切の手当てもされず……膿み腐り異臭を放った。……無数の針で突き刺されるような痛みが延々と続く中……気を失っては、痛みで目を覚ます。そして何度も何度も……混濁する意識の中で……あなたが部屋を訪れる足音が、警笛のように頭で響き、意識を覚醒させた。
「あなたは……癒えない傷跡をその指先でなぞって眺めていた……! 忘れたのですか?……まるで他人事のように、憐れんで……時に悪魔のように、蔑んで……私を……苦しめたじゃないですか……」
まざまざと蘇った当時の苦痛に、堪えきれず嗚咽が漏れる。そう……あの時、本当に痛みを感じていたのは心だった……その苦痛を身体の痛みに紛らわせて……私はあの地獄を耐えたんだ。
途端、男は全てを否定するように、きつくその目を閉じた。
「いや、それでも……私は、ただお前を愛していた。欲していた……。お前が、私を許す事はないのだろうか? あの伯爵家の男でさえ、お前を攫って苦しめたあの男でさえお前は許したではないか……。なぜこれほど、お前を愛し、お前に全てを捧げようとする私を……許さぬのだ? 罰なら受けよう……お前と同じ罰を受ければ……お前は、私を、許してくれるか?」
「嫌、やめて! 聞きたくない! 愛していた? 欲っしていた? そんな……そんな事信じられない。今までの仕打ちを許せるわけ……ないじゃないですか? もう……お願いだから、解放して……私を! 私の居場所は、ここじゃない……」
私が今世で初めて心から欲した、決して諦めきれない……たった一つの望み。
それが叶うなら、何だって出来る……命さえ、惜しくない。
「どうすれば、逃がしてもらえますか?」
椅子から立ち上がり、膝をつく。……手を伸ばせば、その頬に触れそうなほどの距離……見上げたその表情は強張ったまま、何も読み取れない。
「あなたが私を好むなど……そんなこと、あり得ません……それは、あなたが何より分かっているはずです。でも……私を少しでも、憐れに思ってくれるなら……私をどうか、逃がしてください」
その足元に平伏して、額を地に付け懇願する。
「どうか……どうか……」
「……立ちなさい」
その声に、訳もわからず背筋が冷えていく……。
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