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第一章 惑星クリスタにて
十・夏の一日
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僕がこの世界にやって来てから十ヶ月が経過し、この地方に初夏が訪れた。
その間、神殿からろくに出かけず、勉強と少しの息抜きぐらいしかしていない。
人生のクオリティの意味では残念なものの、それでも色々と進展したこともある。
まず、適度な休憩を取っていたことで、体の具合が良くなった。ロックの修行に付き合うのはまだ無理だけど。
白の治癒魔法と灰色の防御魔法を、中級レベルのものまで複数扱えるようになった。黒魔法は波動が荒くて体にさわりそうなので、念のためにまだ手出ししていない。
その代わりに龍神としての力を、ある程度操れるようになった。
まずは、変身がスムーズにできるようになった。龍神の属性である水を思い通りに操るのも、とても簡単に行えた。
そしてこの星クリスタに龍神のコアがあることで親和性が高くなった、この星自体の生命力にリンクできるようになった。
星の生命力は、水と同じ感覚で操れる。主にレーザー光線みたいに飛ばして敵に攻撃する使い方が有用とかで、ここ最近は水鉄砲以上に表現されるように頑張って修行している。
そんな修行、勉強、療養の繰り返しの日々の中。
とある良く晴れた日の昼過ぎに、ロックが僕の部屋を訪ねてきた。
大きな花柄の黄色いシャツにジーンズの短パン。ビーチサンダル装備に手には空気で膨らませるタイプのボールを持ち、サングラスを頭に飾っている。
「ノイエ君に質問です」
「答えは海水浴?」
「何故分かった!」
「いや分かるっての」
「ということで、夏が来たのでプライベートビーチに行きます。準備しましょう」
「プライベートビーチって……!」
そんなものまである龍神様ステキと思いつつ、この手のやりとりをいつも阻害し続けてきたクロフォードさんの方をチラリと見てみた。
しかし普通の表情で僕らを見るので、これは行っていいのだとテンション上げた。
僕の水着一式も既に準備されていた。
即座にそれに着替え、足取り軽くお出かけした。
プライベートビーチって言うんだから傍にリゾートホテルかなにかあるだろうという漠然とした期待を胸に、歩くロックの後ろからただひたすらついていった。
そして乗り物に乗らないまま到着してしまったのは、いつも変身訓練でお世話になっている神殿隣の国の建物の庭だった。
見慣れた職員さんと神官さんが整備してくれているという真っ白な砂浜は、確かにプライベートビーチだが、隣にあるのは神殿だ。
プライベートビーチというのは、女子を自分で調達すべきなのだ。
がっかりした僕に、ロックが寄ってきた。
「少年、がっかりするのはまだ早い。俺がなんの手も打たないとでも?」
「はっ!」
調達してたのか!
それに気付いてなさそうな引率のクロフォードさんが、僕を水泳訓練に行かせようとしてきた。
しばらく浜辺を満喫したいという僕の意向は尊重された。なので、木陰で座って待った。
そしてある瞬間、背後が賑やかになった。
期待百パーセントで振り向くと、予想はしていたルーチェ姫が、ベージュ色っぽいお淑やかイメージのワンピース水着を着て、笑顔で手を振ってくれていた。
その背後に、僕の白魔法の先生セレナさんがいて、前に何度かルーチェ姫が連れて来たことのある彼女付きの可愛いメイドさんたちもいた。
「……紐!」
僕は叫び、胸に手をやった。なんたることかそこは耐え切れたのに、赤い染みが砂浜に広がった。
しばらく後。
木陰で横になり、ハンカチで鼻を押さえる僕の視線の先には、龍神でバナナボートを行う楽しげな女子たちの姿がある。
その無礼過ぎる光景を止めたいらしいクロフォードさんは、要介護の僕の隣で座って怒りに震えている。
でもそのうち、クロフォードさんが僕の逆側の方を、チラチラ見ていることに気付いた。
そこには、全てを見守る大人としての色気を醸し出す、大人な水着のセレナさんが座っている。
最初は嘘だろと驚いたものの、お似合いかもなと思えた。セレナさんとクロフォードさんは独身だし、付き合っちゃえばいい。
自分にとっては遠い話だ……と黄昏れていても悲しいだけなので、鼻血が止まったところでお堅い話を振ってみた。
「龍神同士の決闘ですか?」
いきなりそんな話を振った僕の意図を理解しているらしいクロフォードさんは、デレるのを止していつものエリート光線を放ち始めた。
「はい。教科書に載っているかと思って調べたんですが、これに関してはどこにも情報が無くて」
「ええ、その……ネットでも規制されている情報ですので、こうして口伝でなくては知ることもできないでしょう」
ということは、あったということか。
「ノイエ様も、いつかは知るべきことでした」
この出だしで始まったクロフォードさんの話は、僕の予想の遥か上にあった。
一番最初の決闘は、なんてことか始祖の龍神様と、その息子。
後々の子孫のために星に力を与え、結果としてかなり弱体化した龍神様は、段々と精神を病んでいった。
子供たちに犠牲が出るまでになり、その時に龍神の姿に変身できるようになった息子が始祖を退治した。
表向きの歴史では、この事実は無いことにされている。けれども今も、数多くの民が知っている。
結果として龍神には狂う力もあるとされ、それが龍神たちを尊敬しつつ畏怖する原因の一つになっている。
「幸運なことに、それ以降、精神を酷く病む龍神様は一人として存在していません。ただ……」
クロフォードさんが口ごもった原因は、知っている。
龍神の寿命は、平均的なバンハムーバ人よりもずっと長い。普通のバンハムーバ人でも長生きして二百歳という長寿があるものの、龍神は短めになってきたとはいえ三百歳を普通に越える。
子供時代に知り合い、共に生きた人たちをどんどんと亡くしていってしまう人生。
歳を取るごとに寂しさが募ってゆく。長寿の龍神は、晩年はその寂寥感との戦いで衰えて死ぬとされる。
以前、アレンデール様に伝えられたことがある。彼はもう二百歳を超え、母星の龍神様はそれ以上。まだ子供のロックはそのうち、仲間の龍神も失い一人きりになる運命だった。
龍神の誕生は、先代が亡くなったからといってすぐに次が生まれる訳じゃない。才能のあるバンハムーバ人がいないといけない。
過去、二千年ものあいだ龍神が不在だった歴史があるという。だから下手をすればロックは、たった一人で数百年を生きる可能性もあった。
だから僕はアレンデール様に感謝された。仲良くなり友人になったことを、自分のことのように喜んでいた。
十年間、親代わりで面倒を見たロックはああだけど寂しがりやで、きっと僕がいなくちゃ早死にしただろうとも言った。
僕はそれで、僕が生きているだけで世界を救える可能性の一つに気付いた。僕は敵と戦わないけれど、長生きできたロックが、その敵をやっつけるんじゃないかって。
そういうのは悪くないと思う。だから、ずっと一緒に生きていこうと決めた。
僕が物思いに浸ってしまった間に、クロフォードさんは過去の龍神同士の決闘事件について話し続けていた。
気がついた時には一番最近の話になっていた。たった二千年前の実話だという。
「このクリスタの中央神殿にて、二者の戦いがありました。なんたることか片方は、龍神になりすました偽物であり、恐ろしいことに本物の龍神様を殺害したのです」
いまここにその偽物がいるかのごとく、クロフォードさんは怖いぐらいの気迫でなにも無い場所を睨み付けた。
「なりすますことなど、出来るのですか?」
「その時は、バンハムーバ人である以上少しは持つ龍神の気配を、何かしらの魔法で増幅させていたようです。そうして気配を龍神のものとして神殿に入り込み、利益を貪ったのです。そんな冒涜が今あれば、この私が命をかけても始末します! 絶対にやってやります!」
違うスイッチが入ったクロフォードさんに、本物の話を振った。
「で、その偽物はどうなったんです? 本物の龍神様が退治なさったんでしょう?」
「ええ、もちろんですとも。ただ偽物を退治したのは、先に殺された龍神その人でした。彼は命を二つ持っていたのです」
「え……」
ドキッとした。
「生き返ったのですか? 魔法で?」
「魔法と言うよりも、かの龍神様は生まれた時から命が二つあったのです。それが判明したのは殺されて復活された時でした。龍神様は、殺される前は麒麟であり、死んでから龍神として蘇ったのです」
「麒麟? キリンって……」
僕が悩むと、クロフォードさんの向こうで姿がチラチラと見えるセレナさんが、顔を出して僕に話しかけてきた。
「ノイエ様、まだご存じではありませんか? どこかの星にいるという、珍妙な動物の方ではありません。全ての生命体を愛し、決して傷つけることのない神獣様です」
「あ、一応理解できました」
地球にも伝説があるキリンだなと。
セレナさんが話に入ったことで一気に上機嫌になったクロフォードさんに、もっと重要なところも聞いた。
この世界のキリンとは、どこ出身の民族のものでもなり得る魔法的な生命体で、遥か遠くのユールレム支配空域にある一つの星を本拠地にしている。
惑星一つの生命体全てを、時間さえあれば一人で浄化できる白魔法の結晶のような存在。
ただ、それ故に血を見ることに弱く、敵が目前にいても傷つけることができない。悪意のある流血じゃないとしても、血そのものに耐えられない。
「それで、そのキリンであった故に、一度死んだのに生き返れたのですか?」
「そのようです。それに、死んでから覚醒したのが幸運だったとも言います。完璧たる龍神様といえども、残念なことに復活の魔力は持ち合わせていませんので」
「……」
ノイエ本人に会い転生した頃のことを思い出した。確かノイエは、死ぬ前に龍神に覚醒したはず。
もしかしたらほんの数秒遅ければ、仮死状態で龍神ベースの体となって強化され、止まった心臓が癒されて、彼が彼として復活できていたのかも。
「運命とは、複雑なものですね」
僕が呟くと、二人とも頷いてくれた。
その間、神殿からろくに出かけず、勉強と少しの息抜きぐらいしかしていない。
人生のクオリティの意味では残念なものの、それでも色々と進展したこともある。
まず、適度な休憩を取っていたことで、体の具合が良くなった。ロックの修行に付き合うのはまだ無理だけど。
白の治癒魔法と灰色の防御魔法を、中級レベルのものまで複数扱えるようになった。黒魔法は波動が荒くて体にさわりそうなので、念のためにまだ手出ししていない。
その代わりに龍神としての力を、ある程度操れるようになった。
まずは、変身がスムーズにできるようになった。龍神の属性である水を思い通りに操るのも、とても簡単に行えた。
そしてこの星クリスタに龍神のコアがあることで親和性が高くなった、この星自体の生命力にリンクできるようになった。
星の生命力は、水と同じ感覚で操れる。主にレーザー光線みたいに飛ばして敵に攻撃する使い方が有用とかで、ここ最近は水鉄砲以上に表現されるように頑張って修行している。
そんな修行、勉強、療養の繰り返しの日々の中。
とある良く晴れた日の昼過ぎに、ロックが僕の部屋を訪ねてきた。
大きな花柄の黄色いシャツにジーンズの短パン。ビーチサンダル装備に手には空気で膨らませるタイプのボールを持ち、サングラスを頭に飾っている。
「ノイエ君に質問です」
「答えは海水浴?」
「何故分かった!」
「いや分かるっての」
「ということで、夏が来たのでプライベートビーチに行きます。準備しましょう」
「プライベートビーチって……!」
そんなものまである龍神様ステキと思いつつ、この手のやりとりをいつも阻害し続けてきたクロフォードさんの方をチラリと見てみた。
しかし普通の表情で僕らを見るので、これは行っていいのだとテンション上げた。
僕の水着一式も既に準備されていた。
即座にそれに着替え、足取り軽くお出かけした。
プライベートビーチって言うんだから傍にリゾートホテルかなにかあるだろうという漠然とした期待を胸に、歩くロックの後ろからただひたすらついていった。
そして乗り物に乗らないまま到着してしまったのは、いつも変身訓練でお世話になっている神殿隣の国の建物の庭だった。
見慣れた職員さんと神官さんが整備してくれているという真っ白な砂浜は、確かにプライベートビーチだが、隣にあるのは神殿だ。
プライベートビーチというのは、女子を自分で調達すべきなのだ。
がっかりした僕に、ロックが寄ってきた。
「少年、がっかりするのはまだ早い。俺がなんの手も打たないとでも?」
「はっ!」
調達してたのか!
それに気付いてなさそうな引率のクロフォードさんが、僕を水泳訓練に行かせようとしてきた。
しばらく浜辺を満喫したいという僕の意向は尊重された。なので、木陰で座って待った。
そしてある瞬間、背後が賑やかになった。
期待百パーセントで振り向くと、予想はしていたルーチェ姫が、ベージュ色っぽいお淑やかイメージのワンピース水着を着て、笑顔で手を振ってくれていた。
その背後に、僕の白魔法の先生セレナさんがいて、前に何度かルーチェ姫が連れて来たことのある彼女付きの可愛いメイドさんたちもいた。
「……紐!」
僕は叫び、胸に手をやった。なんたることかそこは耐え切れたのに、赤い染みが砂浜に広がった。
しばらく後。
木陰で横になり、ハンカチで鼻を押さえる僕の視線の先には、龍神でバナナボートを行う楽しげな女子たちの姿がある。
その無礼過ぎる光景を止めたいらしいクロフォードさんは、要介護の僕の隣で座って怒りに震えている。
でもそのうち、クロフォードさんが僕の逆側の方を、チラチラ見ていることに気付いた。
そこには、全てを見守る大人としての色気を醸し出す、大人な水着のセレナさんが座っている。
最初は嘘だろと驚いたものの、お似合いかもなと思えた。セレナさんとクロフォードさんは独身だし、付き合っちゃえばいい。
自分にとっては遠い話だ……と黄昏れていても悲しいだけなので、鼻血が止まったところでお堅い話を振ってみた。
「龍神同士の決闘ですか?」
いきなりそんな話を振った僕の意図を理解しているらしいクロフォードさんは、デレるのを止していつものエリート光線を放ち始めた。
「はい。教科書に載っているかと思って調べたんですが、これに関してはどこにも情報が無くて」
「ええ、その……ネットでも規制されている情報ですので、こうして口伝でなくては知ることもできないでしょう」
ということは、あったということか。
「ノイエ様も、いつかは知るべきことでした」
この出だしで始まったクロフォードさんの話は、僕の予想の遥か上にあった。
一番最初の決闘は、なんてことか始祖の龍神様と、その息子。
後々の子孫のために星に力を与え、結果としてかなり弱体化した龍神様は、段々と精神を病んでいった。
子供たちに犠牲が出るまでになり、その時に龍神の姿に変身できるようになった息子が始祖を退治した。
表向きの歴史では、この事実は無いことにされている。けれども今も、数多くの民が知っている。
結果として龍神には狂う力もあるとされ、それが龍神たちを尊敬しつつ畏怖する原因の一つになっている。
「幸運なことに、それ以降、精神を酷く病む龍神様は一人として存在していません。ただ……」
クロフォードさんが口ごもった原因は、知っている。
龍神の寿命は、平均的なバンハムーバ人よりもずっと長い。普通のバンハムーバ人でも長生きして二百歳という長寿があるものの、龍神は短めになってきたとはいえ三百歳を普通に越える。
子供時代に知り合い、共に生きた人たちをどんどんと亡くしていってしまう人生。
歳を取るごとに寂しさが募ってゆく。長寿の龍神は、晩年はその寂寥感との戦いで衰えて死ぬとされる。
以前、アレンデール様に伝えられたことがある。彼はもう二百歳を超え、母星の龍神様はそれ以上。まだ子供のロックはそのうち、仲間の龍神も失い一人きりになる運命だった。
龍神の誕生は、先代が亡くなったからといってすぐに次が生まれる訳じゃない。才能のあるバンハムーバ人がいないといけない。
過去、二千年ものあいだ龍神が不在だった歴史があるという。だから下手をすればロックは、たった一人で数百年を生きる可能性もあった。
だから僕はアレンデール様に感謝された。仲良くなり友人になったことを、自分のことのように喜んでいた。
十年間、親代わりで面倒を見たロックはああだけど寂しがりやで、きっと僕がいなくちゃ早死にしただろうとも言った。
僕はそれで、僕が生きているだけで世界を救える可能性の一つに気付いた。僕は敵と戦わないけれど、長生きできたロックが、その敵をやっつけるんじゃないかって。
そういうのは悪くないと思う。だから、ずっと一緒に生きていこうと決めた。
僕が物思いに浸ってしまった間に、クロフォードさんは過去の龍神同士の決闘事件について話し続けていた。
気がついた時には一番最近の話になっていた。たった二千年前の実話だという。
「このクリスタの中央神殿にて、二者の戦いがありました。なんたることか片方は、龍神になりすました偽物であり、恐ろしいことに本物の龍神様を殺害したのです」
いまここにその偽物がいるかのごとく、クロフォードさんは怖いぐらいの気迫でなにも無い場所を睨み付けた。
「なりすますことなど、出来るのですか?」
「その時は、バンハムーバ人である以上少しは持つ龍神の気配を、何かしらの魔法で増幅させていたようです。そうして気配を龍神のものとして神殿に入り込み、利益を貪ったのです。そんな冒涜が今あれば、この私が命をかけても始末します! 絶対にやってやります!」
違うスイッチが入ったクロフォードさんに、本物の話を振った。
「で、その偽物はどうなったんです? 本物の龍神様が退治なさったんでしょう?」
「ええ、もちろんですとも。ただ偽物を退治したのは、先に殺された龍神その人でした。彼は命を二つ持っていたのです」
「え……」
ドキッとした。
「生き返ったのですか? 魔法で?」
「魔法と言うよりも、かの龍神様は生まれた時から命が二つあったのです。それが判明したのは殺されて復活された時でした。龍神様は、殺される前は麒麟であり、死んでから龍神として蘇ったのです」
「麒麟? キリンって……」
僕が悩むと、クロフォードさんの向こうで姿がチラチラと見えるセレナさんが、顔を出して僕に話しかけてきた。
「ノイエ様、まだご存じではありませんか? どこかの星にいるという、珍妙な動物の方ではありません。全ての生命体を愛し、決して傷つけることのない神獣様です」
「あ、一応理解できました」
地球にも伝説があるキリンだなと。
セレナさんが話に入ったことで一気に上機嫌になったクロフォードさんに、もっと重要なところも聞いた。
この世界のキリンとは、どこ出身の民族のものでもなり得る魔法的な生命体で、遥か遠くのユールレム支配空域にある一つの星を本拠地にしている。
惑星一つの生命体全てを、時間さえあれば一人で浄化できる白魔法の結晶のような存在。
ただ、それ故に血を見ることに弱く、敵が目前にいても傷つけることができない。悪意のある流血じゃないとしても、血そのものに耐えられない。
「それで、そのキリンであった故に、一度死んだのに生き返れたのですか?」
「そのようです。それに、死んでから覚醒したのが幸運だったとも言います。完璧たる龍神様といえども、残念なことに復活の魔力は持ち合わせていませんので」
「……」
ノイエ本人に会い転生した頃のことを思い出した。確かノイエは、死ぬ前に龍神に覚醒したはず。
もしかしたらほんの数秒遅ければ、仮死状態で龍神ベースの体となって強化され、止まった心臓が癒されて、彼が彼として復活できていたのかも。
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