乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ

文字の大きさ
13 / 14

──13──

しおりを挟む




「何の事でしょうか……?」

 突然わたくしに頭を下げてきたヒロインネフィーさんにわたくしは心から不思議そうな顔をして首を傾げた。
 学園の教室で突然始まった騒ぎに友人たちがわたくしの側に寄って来てくれる。わたくしはそれに目でお礼を伝えて口を挟まないでいてもらった。
 とぼけたわたくしにネフィーさんは一瞬傷付いた顔をしたけれど直ぐにまたわたくしに向かって頭を下げた。

「っ……!分かっています!
 私が浅はかだったのです!
 完全に調子に乗ってました!
 リゼリーラ様の事をちゃんと考えてませんでした!!
 があると思ったんです!!
 【聖真せいしん】なら私に有利だって思っちゃったんです!!
 馬鹿でした!!理解しました!!
 もう変な事しないので、もう許して下さい!!!」

 ネフィーさんはその美しい声を張り上げて謝罪する。勢いのままに発言している様でいて、言葉の内容は他の人には全く理解出来ないものになっている。これを聞いてを非難する人はいないでしょう。
 だって完全に奇行です。
 わたくしはどちらかと云えば『おかしな人に絡まれた人』でしょう。

「……困ったわ……
 わたくしはただ平穏に暮らしたいだけなのに……」

「わかります!!私も平穏がいいです!!」

 噛み合わない会話に周りに居る学友たちが困惑した表情をする。わたくしもあまり会話を続ける訳にもいかないのでネフィーさんの言葉を信じてみようかと思った……。

「……【聖真せいしん】誠意、神殿でお祈りされれば許されると聞きましたわ……?
 ネフィー様は聖女様ですもの……きっと神がその御心を解きほぐしてくださいますわ」

 周りでわたくしたちのやり取りを見ているみんなに向けて困った様に苦笑した表情をしてネフィーさんにそう伝える。周りで聞いている人にはネフィーさんの発言に困って当たり障りのない返事をした様に、ネフィーさんにだけわたくしが言いたい事が何となく伝わる様に。

「はい!
 私は聖女として生きていきます!!」

 そこまで求めていたつもりはなかったのだけれど、わたくしの言いたい事を汲み取ってくれたネフィーさんは下げていた頭を上げると真剣な顔でそう宣言して教室から出て行った。
 教室の扉から出て行く時に教室内を振り返って「皆様、お騒がせして申し訳ありませんでした!」と頭を下げてから出て行かれましたわ。

 その後わたくしは教室中のみんなから質問攻めにされましたけれど、「わたくしにも何も分からない」で通しましたわ。
 だって言えませんもの。
 最近ネフィーさんが悩まされていた『見えない何か』がわたくしの魔法だった、なんて、ねぇ……。

 友人たちは「ネフィー様って不思議な方ですのね……」と言って無理やり納得されてましたけれど、ヘリオッド様が
「侯爵令嬢のリゼにあの態度はなんだ!?聖女だからと言って許されていいのか!?」
と言って怒ってしまわれたのでそちらを宥めるのが大変でしたわ。
 まぁヘリオッド様はわたくしがじっと目を見て話しかけ続ければ機嫌が良くなるので時間はそこまで取られませんでしたけれど。



しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

転生したら、乙女ゲームの悪役令嬢だったので現実逃避を始めます

山見月あいまゆ
恋愛
私が前世を思い出したのは前世のことに興味を持った時だった 「えっ!前世って前の人生のことなの。私の前の人生はなんだろう?早く思い出したい」 そう思った時すべてを思い出した。 ここは乙女ゲームの世界 そして私は悪役令嬢セリーナ・グランチェスタ 私の人生の結末はハーッピーエンドなんて喜ばしいものじゃない バットエンド処刑されて終わりなのだ こんなことを思い出すなら前世を思い出したくなかった さっき言ったこととは真逆のことを思うのだった…

無事にバッドエンドは回避できたので、これからは自由に楽しく生きていきます。

木山楽斗
恋愛
悪役令嬢ラナトゥーリ・ウェルリグルに転生した私は、無事にゲームのエンディングである魔法学校の卒業式の日を迎えていた。 本来であれば、ラナトゥーリはこの時点で断罪されており、良くて国外追放になっているのだが、私は大人しく生活を送ったおかげでそれを回避することができていた。 しかしながら、思い返してみると私の今までの人生というものは、それ程面白いものではなかったように感じられる。 特に友達も作らず勉強ばかりしてきたこの人生は、悪いとは言えないが少々彩りに欠けているような気がしたのだ。 せっかく掴んだ二度目の人生を、このまま終わらせていいはずはない。 そう思った私は、これからの人生を楽しいものにすることを決意した。 幸いにも、私はそれ程貴族としてのしがらみに縛られている訳でもない。多少のわがままも許してもらえるはずだ。 こうして私は、改めてゲームの世界で新たな人生を送る決意をするのだった。 ※一部キャラクターの名前を変更しました。(リウェルド→リベルト)

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた

22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします

タマ マコト
ファンタジー
革命前夜の王国で、公爵令嬢レティシアは盛大な舞踏会の場で王太子アルマンから一方的に婚約を破棄され、社交界の嘲笑の的になる。その瞬間、彼女は“日本の歴史オタク女子大生”だった前世の記憶を思い出し、この国が数年後に血塗れの革命で滅びる未来を知ってしまう。 悪役令嬢として嫌われ、切り捨てられた自分の立場と、公爵家の権力・財力を「運命改変の武器」にすると決めたレティシアは、貧民街への支援や貴族の不正調査をひそかに始める。その過程で、冷静で改革派の第二王子シャルルと出会い、互いに利害と興味を抱きながら、“歴史に逆らう悪役令嬢”として静かな反撃をスタートさせていく。

処理中です...