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「あっ!」
失言に気付いた詩諺が慌てて自分の口を手で押さえた。
だけど今更。
私の耳は確かに聞いた。
「……信じらんない……最低だよ……」
「ちがっ、……凛子!」
青褪めた詩諺の顔を私は睨んだ。
どれだけクソ女だろうとも、殴った人を私は許せない。
「貴方はそんな人じゃないって思ってた……
今のが一番イヤだった。
変な動画送られてきたり、弟が居るって嘘吐かれたことよりも……」
「話聞いてくれよ、凛子!
殴ったのは俺じゃなくて弟なんだ!!」
「…………そう……」
「っ! そうなんだ!! だから……っ」
「じゃあ弟のリオンさんと一緒に私の前に来てくれたら信じるよ」
「えっ!?!」
私は冷え切った視線を細めて詩諺を見た。
一度は真剣に向き合った人。
初めて付き合った人。
だけどもう無理。
「私もう詩諺のこと信じられない。
別れましょう。
キララさんに宜しく。
……リオンさんを連れてくるまで貴方のこと嘘吐きだって思うから」
そう言って私は踵を返して走り出した。家の前に詩諺が居たから家に帰れなかった。
もう詩諺の顔を見ていたくなかった。
ストレス解消にカラオケに行って喉を枯らして帰ったら、さすがにもう詩諺は居なかった……
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「あっ!」
失言に気付いた詩諺が慌てて自分の口を手で押さえた。
だけど今更。
私の耳は確かに聞いた。
「……信じらんない……最低だよ……」
「ちがっ、……凛子!」
青褪めた詩諺の顔を私は睨んだ。
どれだけクソ女だろうとも、殴った人を私は許せない。
「貴方はそんな人じゃないって思ってた……
今のが一番イヤだった。
変な動画送られてきたり、弟が居るって嘘吐かれたことよりも……」
「話聞いてくれよ、凛子!
殴ったのは俺じゃなくて弟なんだ!!」
「…………そう……」
「っ! そうなんだ!! だから……っ」
「じゃあ弟のリオンさんと一緒に私の前に来てくれたら信じるよ」
「えっ!?!」
私は冷え切った視線を細めて詩諺を見た。
一度は真剣に向き合った人。
初めて付き合った人。
だけどもう無理。
「私もう詩諺のこと信じられない。
別れましょう。
キララさんに宜しく。
……リオンさんを連れてくるまで貴方のこと嘘吐きだって思うから」
そう言って私は踵を返して走り出した。家の前に詩諺が居たから家に帰れなかった。
もう詩諺の顔を見ていたくなかった。
ストレス解消にカラオケに行って喉を枯らして帰ったら、さすがにもう詩諺は居なかった……
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