17 / 40
17>> 応接室・4
-
「なっ! アリーチェ!!」
「貴女まだそんな事をっ!!」
両親は怒りとも焦りともつかない顔で驚いていた。しかしそんな二人を気にすることなくルナリアはアリーチェを見る。
「お姉様がお父様の血を引いていない?
どういう事ですの?」
「ルナリア! この子の戯言を聞かなくていいの!」
サバサが青褪めた顔でヒステリックに声を荒らげる。しかし二人の娘はそんな母に視線を向ける事すらしなかった。
アリーチェはルナリアと目を合わせたままで、困ったように自分の頬に手を添えた。
「言葉通りの意味よ。
貴女も一度はおかしいと思ったんじゃないかしら? お母様がなんでこんなにもわたくしに冷たいのかって」
「それは……」
ルナリアの言葉にサバサが被せるように反論する。
「厳しくしたのはっ」
しかしアリーチェはそれを無視する。
「“当主にする必要も無い娘”に、何故こんなにも冷たく、キツく当たるのか考えた時に、“わたくしがお父様の血を引いていないと考えれば”、一番しっくりくるのよ」
アリーチェは悲しげに目を伏せた。
そんな娘にサバサは違うと反論する。目には薄っすらと涙が浮かんでいた。
「貴方の妄想だわ!!」
何度も言わせないで!
とサバサが思ったところでアリーチェには届かない。
「それに……」
一度言い淀んだアリーチェは、意を決したかのように一度全員の顔を見回して言葉を続けた。
「それにわたくし見たのです。
まだ小さい頃に。
“自分にそっくりな若い男性”を」
「はぁ?!」
「なっ?!?!」
「まぁ……!」
青天の霹靂の様なアリーチェの爆弾発言に全員が口を開けて驚いた。
「わたくしも驚きましたわ。
まだ小さかったですし、相手の男性がなんで自分をジッと……愛おしそうに見てくるのか最初は分からなくて、でもよく見ればその方はお父様よりもわたくしに似ている気がして驚きましたの」
「嘘よっ!! 嘘よ嘘よ嘘よ!!!
アリーチェ! なぜそんな嘘を吐くのっ!!」
-
「なっ! アリーチェ!!」
「貴女まだそんな事をっ!!」
両親は怒りとも焦りともつかない顔で驚いていた。しかしそんな二人を気にすることなくルナリアはアリーチェを見る。
「お姉様がお父様の血を引いていない?
どういう事ですの?」
「ルナリア! この子の戯言を聞かなくていいの!」
サバサが青褪めた顔でヒステリックに声を荒らげる。しかし二人の娘はそんな母に視線を向ける事すらしなかった。
アリーチェはルナリアと目を合わせたままで、困ったように自分の頬に手を添えた。
「言葉通りの意味よ。
貴女も一度はおかしいと思ったんじゃないかしら? お母様がなんでこんなにもわたくしに冷たいのかって」
「それは……」
ルナリアの言葉にサバサが被せるように反論する。
「厳しくしたのはっ」
しかしアリーチェはそれを無視する。
「“当主にする必要も無い娘”に、何故こんなにも冷たく、キツく当たるのか考えた時に、“わたくしがお父様の血を引いていないと考えれば”、一番しっくりくるのよ」
アリーチェは悲しげに目を伏せた。
そんな娘にサバサは違うと反論する。目には薄っすらと涙が浮かんでいた。
「貴方の妄想だわ!!」
何度も言わせないで!
とサバサが思ったところでアリーチェには届かない。
「それに……」
一度言い淀んだアリーチェは、意を決したかのように一度全員の顔を見回して言葉を続けた。
「それにわたくし見たのです。
まだ小さい頃に。
“自分にそっくりな若い男性”を」
「はぁ?!」
「なっ?!?!」
「まぁ……!」
青天の霹靂の様なアリーチェの爆弾発言に全員が口を開けて驚いた。
「わたくしも驚きましたわ。
まだ小さかったですし、相手の男性がなんで自分をジッと……愛おしそうに見てくるのか最初は分からなくて、でもよく見ればその方はお父様よりもわたくしに似ている気がして驚きましたの」
「嘘よっ!! 嘘よ嘘よ嘘よ!!!
アリーチェ! なぜそんな嘘を吐くのっ!!」
-
あなたにおすすめの小説
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
妹のことが好き過ぎて婚約破棄をしたいそうですが、後悔しても知りませんよ?
カミツドリ
ファンタジー
侯爵令嬢のフリージアは婚約者である第四王子殿下のボルドーに、彼女の妹のことが好きになったという理由で婚約破棄をされてしまう。
フリージアは逆らうことが出来ずに受け入れる以外に、選択肢はなかった。ただし最後に、「後悔しないでくださいね?」という言葉だけを残して去って行く……。
お姉様のお誕生日を祝うのが、なぜ我儘なの?
月白ヤトヒコ
ファンタジー
健康で、元気なお姉様が羨ましかったの。
物心付いたときから、いつも体調が悪かった。いつもどこかが苦しかった。
お母様が側にいてくれて、ずっと看病してくれた。お父様は、わたしのお医者様の費用やお薬代を稼ぐのが大変なんだってお母様が言ってた。
わたし、知らなかったの。
自分が苦しかったから。お姉様のことを気にする余裕なんてなかったの。
今年こそは、お姉様のお誕生日をお祝いしたかった……んだけど、なぁ。
お姉様のお誕生日を祝うのが、なぜ我儘なの?
※『わたくしの誕生日を家族で祝いたい、ですか? そんな我儘仰らないでくださいな。』の、妹視点。多分、『わたくしの誕生日を~』を先に読んでないとわかり難いかもです。
設定はふわっと。
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
【完結】何でも欲しがる妹?お姉様が飽き性なだけですよね?
水江 蓮
ファンタジー
「あれは…妹が…アンリが欲しがったから…渡すしかなかったんです…。お父様、新しいドレスをお願いします。ドレスも宝石も欲しいと言われたら…姉として渡すしかなくて…」
お姉様は泣きながらお父様に伝えております。
いえ…私1つも欲しいなんて言ってませんよね?
全てはお姉様が要らなくなっただけですよね?
他サイトにも公開中。
妹を見捨てた私 ~魅了の力を持っていた可愛い妹は愛されていたのでしょうか?~
紗綺
ファンタジー
何故妹ばかり愛されるの?
その答えは私の10歳の誕生日に判明した。
誕生日パーティで私の婚約者候補の一人が妹に魅了されてしまったことでわかった妹の能力。
『魅了の力』
無自覚のその力で周囲の人間を魅了していた。
お父様お母様が妹を溺愛していたのも魅了の力に一因があったと。
魅了の力を制御できない妹は魔法省の管理下に置かれることが決まり、私は祖母の実家に引き取られることになった。
新しい家族はとても優しく、私は妹と比べられることのない穏やかな日々を得ていた。
―――妹のことを忘れて。
私が嫁いだ頃、妹の噂が流れてきた。
魅了の力を制御できるようになり、制限つきだが自由を得た。
しかし実家は没落し、頼る者もなく娼婦になったと。
なぜこれまであの子へ連絡ひとつしなかったのかと、後悔と罪悪感が私を襲う。
それでもこの安寧を捨てられない私はただ祈るしかできない。
どうかあの子が救われますようにと。
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
妹に全て奪われて死んだ私、二度目の人生では王位も恋も譲りません
タマ マコト
ファンタジー
【高評価につき21話〜43話執筆も完結】
第一王女セレスティアは、
妹に婚約者も王位継承権も奪われた祝宴の夜、
誰にも気づかれないまま毒殺された。
――はずだった。
目を覚ますと、
すべてを失う直前の過去に戻っていた。
裏切りの順番も、嘘の言葉も、
自分がどう死ぬかさえ覚えたまま。
もう、譲らない。
「いい姉」も、「都合のいい王女」もやめる。
二度目の人生、
セレスティアは王位も恋も
自分の意思で掴み取ることを決める。
だが、物語はそこで終わらない。
セレスは理解している。
本当の統治は、即位してから始まる。
壊れた制度の後始末。
王太子という肩書きの再定義。
影で生きてきた者たちの行き先。
腐敗を一掃した後に残るものを、どう生かすか。
それを選ぶのが、女王セレスティアの次の戦いだった。