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4>> 習い事とあだ名
しおりを挟むアリシュアとその婚約者であるセッドリー様のお茶会は毎回キゥーズダム伯爵家て行われる。
セッドリー様はアリシュアとの仲を深めると同時に、キゥーズダム伯爵家の勉強もしていくのだ。
でも毎回忙しく勉強させられる訳ではない。
年頃の男子は勉強だけではなく剣術も覚えなければいけない。
セッドリー様はキゥーズダム伯爵家の騎士から時々剣術を習った。
そこにわたくしの婚約者のカハル様も参加する事があった。
一人で剣を振り回すより歳の近い子と一緒にやる方が楽しいと言って参加するようになった。剣術指南役にキゥーズダム伯爵家の騎士の他に、カハル様の護衛として付いてくるシェイロズ侯爵家の騎士も加わった事で、セッドリー様とカハル様の剣の腕はどんどんと伸びていった。
2人は本当に楽しそうに剣を振っていた。その姿は本当の兄弟のようで微笑ましかった。
男子が剣を振り回している間にわたくしと妹は刺繍などを習った。
大変だったけれど、みんなが居ることが楽しかった。
「ハル兄、勝負だ!」
「来い、セッド!」
「あら、いつのまにお二人はそんなに親しくなられたの?」
あだ名で呼びあった2人に、わたくしは声を掛けた。
そんなわたくしに2人は剣で打ち合うのをやめずに返事をする。
「今日からかな!」
「短い方が呼びやすい!」
カン、カンっと木刀が打ち合う音が響く。
2人の言葉を聞いてアリシュアが手を止めて2人を見た。
「まぁそれは素敵ですわ!ぜひわたくしも仲間に入れてくださいな!」
「じゃあアリシュアはアリーだな!」
セッドリー様が言う。
「ならティナリアはリアだな!」
カハル様が答えた。
「ティナリア姉様ならティナじゃないか?」
「そうなのか?」
「ティナの方が可愛いと思う!」
「じゃあティナだな!」
セッドリー様とカハル様のやり取りが楽しくてわたくしは笑った。わたくしの横でアリシュアも嬉しそうにはしゃぐ。
わたくしたちはどんどん仲良くなった。
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