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2>>両親の選択
わぁわぁと泣き出したグランを沈痛な面持ちで連れ帰った家族はその日、お通夜の様な夜を過ごした。
グランはご飯も食べずに泣き続け、泣き疲れて眠ってしまった。
その日からリファージ男爵家から笑顔が消えた。
家族全員がグランを腫れ物の様に扱い、両親は毎日遅くまで話し合っている様だった。
グランはなんとか自分のスキルを活かす道はないかとスキルを使っていたが生えてくる草は毎回一本だけだった。庭が雑草だらけになって両親に怒られてからは部屋でこっそり床に草一本生やしては抜くを繰り返した。それも抜いた草の山を母に見られてからは禁止になった。
優しかった兄たちはグランの役に立たないどころかゴミを産み出すスキルを嫌がり邪険にし始めた。
グランはその度に泣いた。
その事がまた家族に疎まれる原因となった。
グランのスキルが【草】だと判明してから半年、両親は遂に決断した。
「グラン、お前をリファージ男爵家から勘当する」
「え!? そんな!?」
悲痛に歪む10歳の末っ子の顔を見ていられなくて顔を背けた父アランはそれでも考えを改める気はなくグランに酷い言葉を投げかける。
「平民ならまだしも、お前のスキルは貴族としてはそんなスキルを持っている事自体が醜聞だ。
既に私たちは周りから、お前のスキルの所為で馬鹿にされている。これから兄たち2人の将来の事もある。そんな恥しかないスキルを持っているお前がこの家に居れば、家族全員がまともに生きてはいけないんだ。まだ小さいお前にこんな事を言うのは酷だと思うが、まだお前が小さいからこそ、早くから平民となり生きていく方が良いだろうと私たちは考えた。
これはお前の為でもあるんだ。
お前は今日からリファージ男爵家を出て、ただのグランとなる。
私の知り合いの商人に話をつけたからそこで成人までは面倒を見てもらいなさい。
それから、お前のスキルはこれから【努力】とでも言いなさい。決して【草】などと言うんじゃない。リファージ男爵家の三男がそのスキルだと世間に知れ渡っているからな。平民となったお前が元貴族だと知られてもお前が生きづらくなるだけだぞ。
分かるだろう?
これもお前の為だ。
……息子の将来を思う親の気持ちを考えてくれるよな」
グランはただ泣いて言う事を聞くしかなかった。
その日の内にグランは大きな鞄を2つほど持たされて商人の馬車に乗せられた。
見送りは父だけだった。
グランは遠ざかる生家を見えなくなるまでずっと見つめていた。
「……スキルが変わってたってだけで子供を捨てるとか貴族様ってのはなんでこう極端なんだろうなぁ……」
馬車を操縦していた男がグランを慰め様としたのかそんな事を言ったので、グランは悲しくて更に泣いた。
親に捨てられたのだと、その時やっと実感したのだ……。
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