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しおりを挟む妹専用のお城は、本邸の横に建てられた小さな『白いお城型の別邸』で、妹が選んだ使用人しか入れない為に5人にも満たない使用人達だけが管理していました。
そんな“選ばれた使用人”も、妹が少しでも機嫌を損ねればお城から追い出されてしまう為に、直ぐに入れ替わります。しかも妹が元々居る使用人たちの殆どを嫌ってしまった所為で、入れ替えには新しい使用人を外から新しく雇い入れなければいけません。何度も何度もそんなことを続けていた所為で、雇い入れる使用人の質も今ではあまり優秀ではない者になってしまっていました。
そんな人たちが管理するお城なので……今のお城は妹の目に映らないところは管理の行き届いてはいない、薄汚れた外見のお城となっていました。
本来ならば妹の側に居る母が管理すべきところなのですが、母の側を離れたがらない妹の為に母は常に妹の側で妹の相手をしています。父は仕事があるので本邸に戻っては来ますが、妹が呼ぶので仕事が無い時間は妹の居る別邸へと急いで駆けて行きます。
……なら、別邸で仕事をすればいいのでは、となりますが、妹がそれを嫌がり、何より父の側近などが『自分のお城』に入ることを嫌がる為に、父は本邸と別邸の行き来を毎日何往復もしなければならなくなっていました。
そんな両親が別邸の外見や妹の知らない場所まで細かく目を行き届けることは出来る訳もなく、妹の為の『煌びやかな自慢のお城』は、わたくしから見れば『とても羨ましく思う場所』ではありませんでした。
両親は妹の為に大変苦労している様でした。妹の我が儘に応え、妹の気持ちを満たし、妹の笑顔を守る為に自分を犠牲にする。それが『両親の望んだ事』でした。
だから両親は、常に疲れた顔をしていましたが、とても幸せそうでした。
わたくしは両親から放置されてはおりましたが、昔から居る邸の使用人たちに守られ、親の愛が無い以外は、とても平凡に成長できたと思います。
わたくしの家は侯爵家です。
当主である父は妹への異常な愛情はありましたが、それ以外は極々平凡にちゃんと『侯爵家当主』をしておりました。
わたくしの事を『次期当主』と認め、必要な教育も受けることができました。
そして、両親から愛される妹は……
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