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砂漠で盗賊と砂嵐とオアシスとにめぐりあう偶然
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「…どんな使い方するとそんな昼夜問わずなんてできるようになんのよ。」
「青扉ルカス・ホラの説明ですね。いいですがあまり大声は出せませんよ。」
「そうゆうのいいから!大丈夫、聞こえてるから。ほら、はじめる!」
まったくいちいち細かいことにうるさい。
「青扉ルカス・ホラ。こちらは結論からいうと、時空を操ることが可能な道具となっております。つまり、時間と空間。この二つはこれまで別物と考えられてきました。今とここ、これを時間と空間、とするならば、今が例えば昨日になっても、ここはここで変わりなくあるものだと。しかし私共の研究によりこの二つは別々に存在しうるものではないことがわかりました。つまり…」
「つまり、今が昨日になったら、ここはここじゃあない、ってこと?」
「そのとおりです。素晴らしい。」
「お世辞はいいから、つぎ続けて…。」
その後も長々と説明は続いてたけど、私にはたった一言がとても衝撃だった。今が昨日になっても、ここはここ。そう思っていたのに、そうじゃないなんて…。
「…というわけで、ホラの力を集めることに成功したわけです。なのでその効果は、例えば同じ動きを数日間連続で繰り返さなければならない時などに役立ちます。この力を使用してたぶんあのお方は馬車を連続移動させていたのでしょう。中にいる私達や、御者台のあのお方だけは別にして。」
「ちょっとまって!馬は?あの子たちはそんな無理させられて大丈夫だったの?」
「はい、そこも抜かりなかった様子。馬たちはちゃんと一定時間ごとに休ませながら移動していたみたいです。ごはんや水は、載せられる限り荷台に載せておいたんですが、さっき降りるとき確認したらしっかりと一週間分がなくなっていました。まず間違いありません。」
ほっと安心した。安心したら今度は別の疑問がわいてくる。
「あんたさ、馬車から降りるとき、荷物を確認できるくらい余裕があったってこと?」
「はい。」
やっぱり、と思った。
「あんた今、縛られてないの?」
「はい、そうですよ。」
…これも当たりなんだ。
「じゃあさ、目の前に縛られてる私がいるわけでしょ?どうも思わないの?」
「大変痛ましいなと、心を痛めています。」
「そうじゃないでしょ!なんで、私のこの縛られているロープとかほどいてあげようって思わないでいるのよ!?」
「だってそれ、縛ったの僕ですから。暴れられると困るなって思って。」
「これ、あんたがやったの!?だから動けないのか!」
「ほら、声があんまり大きいと、口もふさがないといけなくなるんでお願いします。」
言うが早いか、口を布が覆った。
「いずれにしても、あの方が交渉を成功させて戻ってくるまでの間だけです。すみませんが、よろしくお願いします。」
このお子様め!あとで思いっきり叱って罵倒して泣き顔を見てあげるから覚悟してなさいよ!
「青扉ルカス・ホラの説明ですね。いいですがあまり大声は出せませんよ。」
「そうゆうのいいから!大丈夫、聞こえてるから。ほら、はじめる!」
まったくいちいち細かいことにうるさい。
「青扉ルカス・ホラ。こちらは結論からいうと、時空を操ることが可能な道具となっております。つまり、時間と空間。この二つはこれまで別物と考えられてきました。今とここ、これを時間と空間、とするならば、今が例えば昨日になっても、ここはここで変わりなくあるものだと。しかし私共の研究によりこの二つは別々に存在しうるものではないことがわかりました。つまり…」
「つまり、今が昨日になったら、ここはここじゃあない、ってこと?」
「そのとおりです。素晴らしい。」
「お世辞はいいから、つぎ続けて…。」
その後も長々と説明は続いてたけど、私にはたった一言がとても衝撃だった。今が昨日になっても、ここはここ。そう思っていたのに、そうじゃないなんて…。
「…というわけで、ホラの力を集めることに成功したわけです。なのでその効果は、例えば同じ動きを数日間連続で繰り返さなければならない時などに役立ちます。この力を使用してたぶんあのお方は馬車を連続移動させていたのでしょう。中にいる私達や、御者台のあのお方だけは別にして。」
「ちょっとまって!馬は?あの子たちはそんな無理させられて大丈夫だったの?」
「はい、そこも抜かりなかった様子。馬たちはちゃんと一定時間ごとに休ませながら移動していたみたいです。ごはんや水は、載せられる限り荷台に載せておいたんですが、さっき降りるとき確認したらしっかりと一週間分がなくなっていました。まず間違いありません。」
ほっと安心した。安心したら今度は別の疑問がわいてくる。
「あんたさ、馬車から降りるとき、荷物を確認できるくらい余裕があったってこと?」
「はい。」
やっぱり、と思った。
「あんた今、縛られてないの?」
「はい、そうですよ。」
…これも当たりなんだ。
「じゃあさ、目の前に縛られてる私がいるわけでしょ?どうも思わないの?」
「大変痛ましいなと、心を痛めています。」
「そうじゃないでしょ!なんで、私のこの縛られているロープとかほどいてあげようって思わないでいるのよ!?」
「だってそれ、縛ったの僕ですから。暴れられると困るなって思って。」
「これ、あんたがやったの!?だから動けないのか!」
「ほら、声があんまり大きいと、口もふさがないといけなくなるんでお願いします。」
言うが早いか、口を布が覆った。
「いずれにしても、あの方が交渉を成功させて戻ってくるまでの間だけです。すみませんが、よろしくお願いします。」
このお子様め!あとで思いっきり叱って罵倒して泣き顔を見てあげるから覚悟してなさいよ!
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