MAXコーヒーから始まる糖度MAXなこじらせ魔法使い達

琉水 魅希

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第1章 MAXコーヒーが繋いだ奇跡

第7話 こすぷれいやーは見た!(友紀視点)

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 更衣室で着替えとメイクを終えて自分のスペースへと向かった。
 昨年から始めたコスプレCD-ROMの販売。
 一人でやっているためそんなに部数も多くないし、スペースの飾り気も少ない。

 そして内容としてもそんなに過激なポーズもないし、周囲のレイヤーさん達程流行の最先端の作品でないのは自覚している。

 さらに言えばスタジオ撮りしたROM用を売る人が多い中、自分のはイベントで撮影したものを編集しているだけ。

 開始から2時間も経過すると、そんな自分が用意したROMの販売部数は完売に近いくらい売れていた。

 ちょっと嬉しい。

 貴重品を持ち、自分のスペースには外出しておりますの張り紙を掲示して西4階へと向かう。

 広場でいつも通り好きなキャラやこれは!と思ったレイヤーさんの撮影をしていると声をかけられた。

 「すいませーん、撮影良いですかー?」
 私は振り返りながら返事をした。

 「あ、はい。どぶじょ」
 振りかえると2か月程前公園で会った彼が、変わり果てた姿で撮影を求めてきたのだ。
 そりゃ噛んでも仕方ないでしょ。

 なんでわかったかって?
 声が同じだったから。
 え?なんで同じってわかるかって?

 あなたは声を聴いて声優さんが誰かわかる事に疑問を抱くのか?と問いたい。
 古○徹然り、池○秀一然り、野○雅子然り、挙げたらキリがないけど。
 素人では「かな○みか」と「こお○ぎさとみ」の区別はつかないかも知れないけど。
 え?区別つく?あ、そうですか。

 と、まぁMAXコーヒーのイメージが強かったのもあってなんとなく覚えてたといのもあるけど。
 なんて意識し始めたらなんか恥ずかしくなってきた。
 今日はやかま進藤たんのコスなのにおとな進藤たんになってきた。

 それから何枚か撮ってもらい、これも何かの縁と思い切って声をかけてみた。
 「あ、あの、私も撮影良いですか?」
 あれ?なんか言い回しナンパっぽくなってないよね?
 って飛躍しすぎか。こういうパターン何度もあったし。

 彼はKan○nの美○栞のコスをしていた。
 どうも知り合いと数人で参加して合わせをしていたようだった。
 それにしても今日デビューって言ってたけど再現半端なくない?
 男の人でこのクオリティってベテランの域だよ。
 もしくは日常から男の娘じゃないと…
 その謎は少し経ってから判明するんだけどこの時は知りようもなかった。

 その後名刺交換をしたんだけど、そこには当日撮影した写真にCNが書かれているだけの簡素な名刺だった。
 今日デビューしたんじゃc○reとかコス○カとかレイヤーサイトに登録なんてしてないよね。

 そういえば去年も撮影して名刺渡してなかった?
 今思い出したけれど…

 まぁコスプレ名刺は撮影するたびに種類増えるから、一人に何種類も結果的に渡す事もよくあるんだけれど。
 もしかしたらその名刺でHP見て今日の参加知ってって事は…ないよね。
 何意識しちゃってるんだか。そもそもそういう人いっぱいいるじゃんね。
 去年一昨年も撮影したとか、今日は○○のコスなんですねとか、、何度かリピーターになってくれているレイヤーさんやカメコさんもいるし。

 確か去年は、To He○rtのマ○チコスの名刺を渡してたっけ。
 あの時は他になかったんだけど。
 って何意識してるのぉー
 同一人物かの確証もないし妙に自意識過剰になっちゃってるし。

 あ、今日はWhite An○elのカ○ンだ。ねこみみメイド好きなのかな。
 って何言ってるのぉぉー
 そういやマル○も耳はあれだ…

 10代女子じゃあるまいし何を変に意識してるんだか。
 (注:10代女子はえろゲーなんてしません、できません。男子でもダメです。)

 また(イベントで)会う機会があれば相互撮影のやりとりをして別れた。
 時間も時間だしそろそろ自分のスペースに戻ろう。


 スペースに戻ってからも落ち着かなかった。
 今まで誰に撮影されても特に意識もしていなかったのに、なぜか今日は撮られた事が恥ずかしい。
 声が同じと思っただけでそもそもこないだのMAXコーヒーの人と決まったわけじゃないし。
 同じなら同じで、違うなら違うでどうすればいいのー

 その葛藤に対する答えは、意図せず帰る時に唐突に訪れるのだが…

 戻ってから悶々としている間に更衣室の締切30分となったので慌てて着替えにいった。
 独身とはいえそこは女性、メイク落としからの通常メイクはお手の物で、着替えも時間かからずに済んだ。

 自分のスペースに戻り、どうにか持参した分は1枚を残し売れた。
 1枚はどうしても売りたくなかった、手元に残しておきたかった。
 自分の予備としてではなく…

 ぴんぽんぱんぽーん
 ただいまの時刻を持ちまして、第○○回、コミッ○マーケットを閉会します。
 ぱちぱちぱちぱち…
 会場に残った人達で終了のお疲れ様拍手が響いた。

 「さて、帰りますか。誰も待ってない我が家に。」
 言ってて空しい。
 世間は大晦日、年越しカウントダウンとかカウントダウンライブとかあるのに。
 鷲○神社とかまだ人凄いんだろうか。
 商工会の人もちょっと間違ったのか、瞑想してるよなーと思う。
 人は多少呼べてるとは思うけど、東京に比べたら不便な場所だしね。

 旅行鞄に全ての荷物を詰め込みガラガラと引いて駅へと向かう。
 りんかい線から新木場で日比谷線に乗り換え、北千住から東武線へと乗り換える。
 しかしここで思わぬ不運に見合う。
 りんかい線と東武線が人身事故で止まり、駅は外まで人で溢れ、タクシー乗り場も相当の列となっているのを目にした。
 近隣のホテルからタクシーを呼ぶなんて邪道を使うわけにもいかず。
 そもそもこういう時近隣のホテルは埋まってるだろうし。
 ホテルの利用者に迷惑かけるし。

 どうやって帰ろう、そもそも島(有明地域)から脱出しよう。
 駅と会場とをきょろきょろ見ていたら突然声をかけられた。

 「あれ?貴女は…」

 あ、違います、いえ人違いです。
 とは言えず。
 声をかけてきた人を見ると…

 少し直しているのだろうが、恐らくはウィッグネットで髪がべたついた跡が残っている…先日のMAXコーヒーの人だった。
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