MAXコーヒーから始まる糖度MAXなこじらせ魔法使い達

琉水 魅希

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第1章 MAXコーヒーが繋いだ奇跡

第18話 一度は言われたいセリフ「帰っちゃやだ」いただきましたー

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 今なら某幼女の気持ちがわかる。

 「どうしてこうなった。」

 ただ今越谷真人(30)は、今日友達になったばかりの、それも異性で憧れのレイヤー・金子友紀さんの家…

 …の布団の中にいる。

 ここで誤解しないで欲しいのだが、決して同じ布団の中ではない。断じてない。

 友紀さんは自分のベッドの布団の中。

 そして俺はそのベッドの下で布団です巻き…になってるわけではなく。

 普通に布団で寝ていた。

 正確には布団で横になっていた。眠れるかっ童貞舐めるなっ

 頭の中の自分でもわかるようにもう一度、参拝後から振り返ってみよう。


☆☆☆☆☆


 
 「素敵な出会いをありがとうございますって。」

 「神様にお礼を言いました。」


 そう言った友紀さんの笑顔は眩しかった。

 比喩でもなんでもなく、輝いてみえた。

 俺がゾンビだったら昇華していたと思う。

 小説だったら挿絵になっている事間違いなし。

 ゲームだったらイベントスチル間違いなし。

 カードゲームに採用するならここで間違いなし。


 「あ、大吉だ。」

 友紀さんがおみくじを見せてくる。

 「昨年ネットで引いたおみくじが大凶だったんです。散々だったんです。」
 「待ち人、来るかもしれないし来ないかもしれない。恋愛、甘い甘いだからお前はアホなのだぁ。金運、ぼちぼちでんなぁ。健康、入院するような事はない。」

 それ、恋愛のところ、東方不敗が書いただろ。
 というか全体的に舐めてるだろ、おみくじ引く人の事を舐めてるよね、何のネタおみくじ?

 「そのおみくじ、ソースは何?ツッコミ所が満載で。」

 「ネットのおみくじだからどこのサイトかまでは覚えてないけど…どのサイトで引いても凶か大凶だったんです。」

 それも凄いな。

 「おみくじなんて当たるも八卦当たらぬも八卦というじゃないですか、だからおみくじの結果通りになってたまるかーと思って過ごしました。」

 「その結果良い事がありました。真人さんとお友達になれた事です。」

 満面の笑顔で言ってきた。

 「俺は去年も今年も吉。神社によっては吉と中吉の位置は違うから自分は上から2番目と解釈することにしてる。」

 中吉が出た時は中吉が2番目と言い張るのだけど。

 「じゃぁ、2番目って事で大吉で1番目の友紀さんを俺が支えるって構図ですかね。」

 ボンッ

 友紀さんが爆発した。

 そして俺も爆発した。

 なんかもうプロポーズの一説みたいだ。

 そりゃ爆発する、作者も爆発する。

 しかしすぐに冷却される、だって大晦日だよ、風吹いてきたよ、寒いんだよ。

 ほら、周りの人達も寒いと言ってるよ。

 「車に戻りますか、冷えてきたし。」

 黙って友紀さんは頷いて俺の後ろをついてくる。

 戻る途中で少し目に入ったけど、某らき○すたの絵馬がたくさん奉納されてあった。

 描いた人凄いけど、凄いけども…

 うーん。権現堂の桜の時も彼らは来るのだろうか。

 車に戻っては来たがエンジンかけてエアコンを入れたからといっても、直ぐに暖まるはずもなく。

 「大丈夫ですよ、身体は冷えてますが心は温かいので。」

 「そうは言うけど寒いよ。」

 吐く息は白いしさ。

 数分のうちに暖かくなる。

 「帰りますか。家に帰るまでがコ○ケです~って。」

 
 まさかそれがフラグになっているとも知らずに。

 その時はヲタの常識を口にしただけだったのに。

 鷲宮神社から車で15分は掛からない程度のところにそのアパートはあった。

 残念だけど、アパートに駐車場はなく、近隣の24時間最大○○○円の駐車場に止めるしかない。

 とは言っても駐車場からアパートまでは然程距離があるわけでもなく、団地の人が専用のごみ捨て場に行くような距離感ではあった。

 自分の荷物は車の中に置きっぱなしにし、友紀さんのキャリーケースを引いていく。

 アパートの隣には、少し広めの土地の一軒家があった。

 まぁ恐らくこのアパートの大家さんなのだろう。

 「あ、うちは3階です。」

 「かしこまりましたお嬢様ー」

 「お、おじょ…」

 再び赤面フリーズ

 「か、からかわないでください。もー」

 その「もー」が可愛く見せてるんだけどな、とは言えない。多分やぶへびだから。
 友紀さんは鍵を取り出しシリンダーに鍵を差して回す。
 がちゃっ

 ドアを開けて先に友紀さんは入って行った。。

 明かりをつけてすぐ戻ってきた。

 「ど、どうぞ。」

 あれ?なんか普通に招かれてる。

 「お邪魔します。」
 邪魔するなら帰れとか言われなくて良かった。

 「キャリーケースは玄関で良いですよ。中身は明日片付けますので。」

 じゃぁなぜ招き入れるのだろう。

 「それで、荷物も持ってもらいましたし、駅でも言いましたがお礼の一つもさせてください。暖かい飲み物用意しますので。」

 「お茶とMAXコーヒーどちらが良いですか?」

 何そのチョイス。面白いんだけど。

 「MAXコーヒーで。」

 コ○ケと参拝の列並びで身体は疲れている、糖分を欲しているのだ。駅で買ったやつ結局飲んでないし。

 「やっぱり好きですよね、MAXコーヒー。」

 「まぁ甘いの好きだし個人的にはちょうどいい味わいというか。」

 友紀さんは鍋に給湯器からお湯を注ぎ、さらにコンロの火を点ける。
 しばらくしてそこにMAXコーヒーを2缶投入した。

 「ただ、高校の頃はドクターペッパーとかメッコールのネタ度が高くてそっちにいってたんだよね。大人になって随分久しぶりだったよ。」

 そのせいで3度目の出会いに15年を要したわけだけど、二人ともその事実は知らない。

 「麦茶コーラと言われるあの伝説の…って私も大宮のメ○ト(アニ○イトの事)に行った時はつい飲んでましたね。」

 ラーメン屋の2階にアニ○イトがあった頃、すぐ近くにメッコールが売っている自販機があった。
 そういえば気付いたらなくなってたけれど。

 案内されたのはリビングにあるこたつ。
 既にスイッチは入っており少しだけ暖かくなっていた。
 でも良いのかな。悪い意味で臭い籠りそうだけど。

 「お待たせしました。程よく暖かいと思います。」

 「ではありがたくいただきます。」

 ぷしゅっ

 「うぉっ 熱すぎず温すぎず…まさかの55度くらい?」

 「多分そのくらいです。」

 電車に乗るサラリーマンが、電車に乗る前に飲むのにちょうど良い温度が55度らしい。

 熱すぎないから一気とは言わないが、すすーと喉に入れられる温度がそのくらいがちょうど良い温度だとテレビで言っていた。

 それからしばらく他愛のない話をしていると、こたつのなかで二人の足がぶつかる。

 「っ」

 「あ、ごめん。態勢かえようと思って。」

 「あぁああ、そ、そんな気にしないで。驚いただけですから。」

 友紀さんの家に着いてから30分くらいになるが、流石にコ○ケ疲れもあり眠くなってきていた。

 ちょうどコーヒーも飲み終わっていた。

 「じゃぁ、そろそろ遅いし俺は帰るね。」

 そういって立ち上がり缶をどこに捨てればいいか考えていると

 「缶は私が片付けるのでそのままで良いですよ。」

 と返された。確かに家の中の事は住人が一番知っている、適当に物色するわけにもいかないので任せる事にした。

 俺は靴を履き玄関に向かった所で背中に何かが当たった。

 両腹の下の裾が僅かに引っ張られるのを感じた。

 「まだ…帰っちゃやだ。」

 うおおおおい。

 童貞センサーには引っかかってないけど何か危険な香りがするぜ。

 こんな時なんて言っていいのか童貞にはわからなーい。

 背中に当たったのは友紀さんのおでこ。

 話してからどんどん幼くなってやしませんかね。

 俺が言葉を選んでいると…

 「1年の最後と始まりを独りで過ごしたくない。」

 そこで俺の返事は…

 「正直、もう眠いし、それは多分友紀さんも同じだと思う。朝から行動していたんだし…」

 「お風呂沸かすし、布団も来客用のがある…」

 そういう問題では…

 り、理性の問題が…一応男子ですよ。

 「寂しいのはもう…ぃや。」

 泣いてはいなかったけど、心の中で泣いていたと思う。

 正直自分にはどうして友紀さんがこういう行動をとったのか理解出来ないけど。

 それでも信頼して頼ってくれてるんだと思う。

 ここで据え膳喰わぬは~とか言う奴はテーブルの角に足の小指ぶつけたら良い。

 「わかった。今日はここにいるよ。だから…哀しまないで。」

 くさくさくっさー

 そしてなんとなくほっとしたような感覚が伝わってきた。

☆☆☆

 「先に入りますか?後に入りますか?」

 それとも一緒に入りますかとか言ってる奴、お前らエロゲとラノベのやり過ぎ読み過ぎ。

 ラッキースケベも逆ラッキースケベも期待しちゃダメ。

 「それは家主である友紀さんが先に入るのが筋では?」

 「それを言ったらお客さんである真人さんが先では?」

 「「どうぞどうぞどうぞ」」

 何のコント見せられてるのか。

 「大丈夫ですよ、変な事は考えてないし。強いて言えば…色々頭の中で情報を整理する時間が欲しい。」

 「では先に入ります。あまり時間かけるわけにはいかないですし、30分くらいで出ます。少しこたつで横になってても大丈夫ですよ。」

 自分の部屋に着替えを取りに行ってしまった。

 そういや俺着替えがない…まぁ明日帰ってから着替えるか。

 着替えを持ってきた友紀さんはそのまま風呂場へ向かう。そして振り向き

 「覗いても良いんですよ。」

 「良いんかいっ」

 「冗談です。」

 てへっと舌を出し、そう言った友紀さんは少しだけ元気が出たようだった。

☆☆☆

 あー悶々とする。

 冗談でもあんな事言うから意識しちゃうじゃんかー

 今頃一糸纏わぬ姿だとか、まっぱだとか、すっぽんぽんだとか(どれも意味は一緒)意識しちゃうじゃんかー

 チャン・カ○イだったら惚れてまうやろーと言ってしまうぞ。

 マジで童貞の想像力舐めるなー

 沈まれ、俺のマグナム…お前の出番は今日じゃない。人の弱った所とかに付け込んで好意を得ても意味はない。

 ちょっと中二病っぽく説明してみた。別にナニかが反応していたというわけでもない。

 ただ、そうやって余計な事を考えてないと、風呂場の中の事を意識しちゃうんだって。

 何が整理する時間が欲しいだ、余計こんがらがってきたわ。

 ちょうどピザ屋の出前が到着するくらいの時間が過ぎた。

 がちゃっ

 風呂のドアが開く音。

 時計の音がうるさい。

 恐らく身体を拭いて着替えを装着しているはず。ドキドキするなぁもう。


 「…上がったのでお次にどうぞ。」

 湯上りの友紀さんは綺麗だった。そしてパジャマ姿可愛かった。

 多分口をぽかーんと開けてしまっているに違いない。

 「洗面台に妹の旦那さんが泊まる時用の寝巻を用意しておいたので使ってください。年に数えるくらいしか使わないので遠慮はいりません。」


 今さらっと気になる発言。

 妹の旦那さん?キャラが増える予感しかしない。

 でも、普段着のままというわけにもいかないのでお言葉に甘えよう。

 「ありがとうございます。それでは行ってきます。」

 どこに行くんだよ、もう。

☆☆☆

 俺はいま脱衣所に来ている。

 先程聞いた寝巻は確認した。問題ない。

 ねぇ、バスタオル1枚しかないんだけど。

 どうも使用済っぽいよ、多分友紀さん使ったやつだよね。

 これは俺にどうしろと?

 それにそこには魅惑の洗濯機が…

 GOKURI

 いやいやだめだ、俺はバカか。

 伸ばしかけた右手を左手で掴む。

 何か中二病の人みたい。俺の右手が~って
 
 パシンッ

 頬を叩いた。いかん。信頼とか信用とか落としてどうするんだ。

 せっかく仲良くなれたんだ。こんな目先の欲望に負けたらだめなんだ。よしもう何も考えない。

 そうしてばばばっと服を脱ぎ洗面所の脇に置きささっと浴室に入った。

 何も考えずに頭と身体を洗う。

 だって何か考えちゃったら…

 この身体洗うタオルだってもうやばいじゃん。

 流石にこれは無理、使うわけにはいかない。

 だから手で洗いましたよ。

 洗い流して湯船にどぼん。

 「あー生き返るぅ」

 ここでも余計な事考えたらだめだ。お湯を飲もうとか考えた奴、お茶とメッコール差し替えるからな。

 怒涛のようにさーと流したけど、これでも15分くらいは入ってる。

 「そういや、人の家の風呂なんて久しぶりだな。って従兄妹の家以来じゃないか?多分。」

 湯船から上がり浴室の扉に手をかける。

 そろ~っと開ける。

 ラノベ的ラッキースケベ・逆ラッキースケベを回避するためだ。

 ラノベだとこういう時、異性は浴室の外にいる場合が多い。
 
 ちらっちら?と少しだけ開けた浴室のドアの隙間から確認する。

 「よし行こう。」

 流石に浴室内のタオルは使えないが、濡れたまま穿くわけにもいかない。

 逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ… 

 覚悟を決めてバスタオルを手に取る。

 …頭を拭いて、そのままおでこを拭いて…鼻にかかった所で…

 ダメだ考えたらだめだ。えぇい。

 無心だ。そうだ、自分の家の中だと思えばいい。


 よし。なんとか拭き終わった。

 その後は早い、ぱんつ穿いてシャツを着て借りた寝巻を着るだけだ。

 ふいぃなんか戦争一つ終わったくらいの気力を使ったよ。

 もードキドキだけは止まらない。

 ガラガラガラ…風呂から上がりリビングに戻ると…

 こたつからはみ出し友紀さんは眠っていた。

 「風邪引いちゃうよな。おーい友紀さん、風邪引いちゃうよ。眠るなら自分の布団で寝ないと。」

 身体を揺すって起こそうとするが起きる気配がない。

 「…で。」

 ん?よく聞き取れなかった。

 「…んで、…まで。」

 はい?寝ぼけてるよね。

 「運んで、ベッドまで。」と聞こえた。

 「もう、仕方ないな、風邪引いても大変だし。」

 んしょっと友紀さんを抱きかかえる。はい、お姫様抱っこです。まさか自分がすることになろうなんて。

 部屋の場所はさっき見たから問題ないけど、女子の部屋ってそんなおいそれと入っていいものだろうか。

 「軽い…な。」

 実際今でもたまに野球するために運動してなければきつかったと思う。

 寝息を立ててる友紀さん可愛いし唇色っぽいんですけどぉ

 だめだ、心のシャッターくらいしか押しちゃだめだ。

 脳内保存脳内保存。

 何とか友紀さんを布団の中に寝かせる事に成功した。

 だけどなんだろう、リビングの電気消しに行こうと思ったんだけど…

 無意識なのか友紀さんの右手が俺の左手を放さない、なぜ?

 「行っちゃやだぁ」

 寝ぼけてるんだよね?

 仕方ないのでそのまま自分のために敷いてくれたのだろう、友紀さんのベッドの横に布団が敷いてあった。

 これ、万一寝相悪くてベッドから落ちてきたらフライングボディアタック喰らう寸法ですよね。

 左手を犠牲に布団に入る事にした。

 電気はあとで消せば良いだろう。

 眠いよ俺も。

 そんな体勢だから中々寝付けない。



 「どうしてこうなった。」

 しかしそんな俺にも睡魔はしっかり襲ってくる。風呂に入って少し覚めたけれど、勝てなかった。

 そして俺は意識を手放した。


 俺達が次に目を覚ましたのは元日のお昼だった。

 それも…

 「友紀おねーちゃんがいちゃいちゃしながらねてるー」

 という幼児の大きな声によって睡眠は強制終了させられた。


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