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「さあさて、俺を陥れようとした黒幕は分かったわけだが」
そう言って見下ろす王子の眼下には、彼を裏切ろうとした側近達が何人も横一列に、正座をして並んでいた。あ、ネミア王妃だけは立場が立場だけに一応小綺麗な椅子に腰掛けているけど。
「ラフェリト、俺達を売った裏切り者め……」
目の合った一人が俺に向けて呟いた。そう言われましても。大体、裏切ったというより王子が背後で会話を耳にしただけですし。偶然。たまたま。
「悪いね」
俺は愛想笑いを浮かべて彼らに言った。
「でもさ、最後に正義が勝つってのはお約束パターンだろ? 俺は悪役なんてやりたくないのよ」
「くそっ……」
王子を裏切ろうとしていた側近達は悔しそうに拳を固く握った。
「それで王子」
俺は首を傾けながら尋ねる。
「この人達どうするんですか? そりゃ黒幕を捕まえたとはいえ、それで満足、無罪放免にはできないでしょうし……」
王子は腕を組み、難しい顔をした。
「うーん、まあ普通に考えて処刑だよな」
「……」
まあやっぱりそうなるよな……と俺は思った。勿論殺されるのは王妃に与していた側近達だ。ただなんというか、それであっさり人が殺されるってのも後味が悪いんだよな。
顎に手を当ててそんな事を考えていた俺の顔をいつの間にか王子がじっと見つめていた。
「王子、どうし……」
「……よし、ラフェリト」
「え?」
「お前にこいつらの処遇を任せる」
「お、俺に?」
「そうだ」
王子はさも当然、といったふうに頷いた。待って。なんで。
俺は「ええー」と内心抗議の声を上げていた。だって相手の一人に王妃いるぞ? 俺が判断できる相手じゃなくないか?
だから素直に言った。
「無理ですって」
「でもさっきお前、『殺すのはちょっとなー』って顔してただろ」
「う……分かったんですか」
「分かるよ」
王子は口元を緩めフッと笑った。
「大体、未遂とはいえ、お前だって元々はこいつらと共謀していただろ?」
「そ、それはそうですけど」
「じゃあお前にも何かしらペナルティが無きゃな」
「……はあ」
そう言われてしまっては反論する言葉もない。
俺はやれやれと肩を落として、王子に向き合った。
「分かりましたよ、やりましょう」
「よろしくな」
「はいはい」
側近達のほうを向き直り、俺は告げた。
「王子に変わって処罰を言い渡します」
王子が見守る中、側近達は俺に頭を下げたのだった。
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