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32-2 ケジメ
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扉は若干開いていた。ダミアンがノックもなく入っていくので、アデレードも従う。
ペイトンとその奥にクリスタの姿を確認すると、アデレードは瞬時にクリスタの方へ焦点を合わせた。
泣いているせいか目が潤んで、初対面の時より幼く見える。
美人だな、と思った。
死ぬほど軽蔑するし、不快で嫌いで仕方ないのに美しいと感じるのは、本当に綺麗だからだろう。が、
「ダミアン!」
クリスタの表情が花開いたみたいな笑顔に変わったことに相容れなさを感じた。
この状況で、まるで味方が来たみたいな態度にでられることが理解できない。
会話を聞かれていると知らないにしても、さっきまでの自分の発言に罪悪感を抱いたりしないのか。
憤りが足先から湧き上がってくるが、アデレードは余計なことは一切言わないと決めたので、黙って成り行きを見ていた。
「聞いてよ! ペイトンったらひどいのよ」
「全部、聞いていたよ」
「そ、そう、聞いていたの……」
クリスタは、流石に狼狽えて口篭った。
次の言葉を探している。
クリスタの肩を持つつもりなど毛頭ないのに、なぜか胃がキリキリするほど緊張してきた。
ダミアンに対して「よし言ってやれ!」という気持ちが驚くほど起きない。
クリスタが、ダミアンに荒唐無稽な暴言を吐くのじゃないかという不安に動悸が止まらない。
そんなのは耐えられない。
クリスタには、下手な言い訳はせず素直に謝って心底反省して欲しい。
お願い、お願い、と懇願するように思っている。怒りとは真逆の場所にいる自分の感情が不思議だった。
「何よ。貴方がペイトンを好きでもいいって言ってプロポーズしたんでしょ」
アデレードの願い虚しく一番嫌な展開へ空気が流れていった。
手に汗握って二人の動向を追っていると、
「君、顔色が悪いが大丈夫なのか?」
ペイトンがダミアンと入れ替わりに傍に来て言った。
視界の端に動く影は捉えていたけれど、二人の邪魔をしないように下がってきたのだと思っていたから、声を掛けてくるとは予想していなかった。
私の顔色はそんなに良くないだろうか、と僅かに考えたけれど、
「大丈夫です」
それどころではなさすぎて、アデレードは視線をクリスタに固定させたまま答えた。
ペイトンがまだごにょごにょ言ってくるが全く頭に入ってこない。
というか、他人事みたいな顔をしているが、長年ダミアンとクリスタの間に暗い影を落としてきた元凶ではないか。
何故式当日に花嫁と二人で会うのか。ダミアンに頼まれたと言っていたが断るべきだったのでは? とペイトンの軽率な行動に不信感を覚えた。
「大体、立ち聞きなんて趣味が悪いわ」
クリスタが、一言の謝罪もなく、申し訳ない態度もなく、ダミアンを非難する言葉を吐いている。
怒るだけ無駄、反論するだけ損。もういいじゃないか。早く決別して今すぐここから出よう、とアデレードは息を殺して念じた。
だが、ダミアンは一言も発さないし、立ち去る気配もない。アデレードからは後ろ姿で表情も見えなかった。
「何よ。なんとか言ったら? 貴方っていつもそうよね。自分の意見がまるでないのよ。もういいわ。そろそろ準備をしないといけないし。着付けがかりを呼んできてくれない?」
いよいよ本気でどうかしている。この異常な関係をどうにかして欲しくて、アデレードが隣に立っているペイトンを見上げると、
「え」
ことのほか目が合って小さく声が漏れた。一瞬変な間ができて、ペイトンが何か言いかけたタイミングで、
「俺が何も言わないのは、君に嫌われたくなかったからだよ」
ダミアンが口を開いたので、アデレードの意識はそっちへ飛んだ。
怒っている様子はまるでない声音。クリスタは、面倒くさそうに聞いている。
「俺は自分が君を諦められないから、君もそうであってよいと思っていたんだ」
「そうよ。貴方がいいって言ったのでしょ」
クリスタは勝ち誇った顔で胸糞悪い相槌を打つ。しかし、
「でも、君は俺を尊重する気はなかったんだね」
ダミアンが続けるとクリスタは明らかに戸惑いを見せた。
「皆はいろいろ言うけど、君といることは楽しかった。いい思い出も沢山ある。俺は人に対してあれこれ言うのが苦手だから、明け透けな発言をする君の奔放さに惹かれたし、助けられてきた。君は覚えてないだろうけど、俺は小さい時に君に庇ってもらったことがあったんだよ」
(もうやめてよ)
ケジメをつける、とは別れることではないのか。ガツンと言ってやるのではないのか。
この期に及んで何故そんな下手に出るのか。
これじゃあ、まるで愛の告白ではないか。アデレードは、逃げ出したくてたまらなくなった。
見ていたくない。それでもダミアンに見届けろと言われたことがネックになって動けなかった。
「再会した時にすぐにわかって、どうにか振り向いてもらえるよう努力してした。俺は君の望みならなんでも叶えてあげたいと思ったし、実際大抵のことは叶えてきたつもりだ。でも、君は俺の気持ちを考えてくれたことがあったかな?」
クリスタは黙っている。どういうことなのか。「そんなの当たり前でしょ」と嘘でもいいから言い返せとアデレードは思った。
「君はペイトンが告白を受け入れると本気で思った? 万が一の奇跡に掛けたんだろ? 叶うわけないって思いながら、式の当日に告白した。駄目だとわかっているなら、俺のために諦めてくれていいようなゼロに近い確率だった。俺のことを僅かにでも考えていたら、こんなことしたかな?」
「だから、それは貴方がいいって言うからよ!」
ヒステリックにクリスタが答える。ダミアンはそれに同調して激しい口調になることはなく、過去の嫌だったことを、あれこれ語った。
「何よ、そんな昔のことを持ち出すなんて!」
「だったら、結婚指輪を買った時は? 家の調度品を決めた時は? ペイトンに選ばせたよね」
「だから、今更文句言われても知らないわよ!」
許容はしたが、別に推奨していたわけじゃない。
いいよと言われても、実際にやったら駄目なことがある。人としてできないことがある。
アデレードはそう思うが、この場合、やっぱり許したダミアンが悪いのか。「だったら最初からいいなんて言うな」が罷り通るのか。横暴なんじゃないか。だって、
「嫌われたくないから、我慢しようと思ったんだ」
ダミアンの返答にアデレードは唇を噛んだ。
これくらいのことは大丈夫。きっと機嫌が悪かっただけ。ほら、今は笑ってくれている。よかった。自分の中の「好き」が消えないように、気持ちを流す感覚。
言わなかったのではなく、言えなかっただけ。本当はいつもずっと言いたかった。私は傷ついたってこと。
「でも、もうそんな風に思えなくなってしまった。君が好き勝手するなら、俺も自分の好きなようにしようと思った。君は俺を甘く見ているけど、結婚後、領地に戻って、君に屋敷から出ることを禁止して生活させることはとても簡単なことだ」
「ちょっと! 冗談じゃないわ。そんなんじゃ貴方と結婚する意味なんてない」
叱られた子供みたいに不貞腐れた顔のクリスタの表情が変わる。ダミアンを非難する目つき。
「……そうだね。君は嫌がると思った。それにいくら自分の望みといえ、そんな軟禁生活を人に強いることはできない。俺は君とは違うから」
ダミアンはとても落ち着いた声で一音一音丁寧に言った。
「この結婚は白紙に戻すよ。クリスタ、君を好きだったよ。さようなら」
心が完全に壊れるのを見た気がした。「自由な生活ができなくても貴方と結婚したい」そう言えば、ダミアンは全て許したような気がする。
最後に差し出したダミアンの気持ちをクリスタが踏みつけた。
クリスタが蒼白になって、ギャアギャア騒ぎ始めたけれど、きっともう届かない。
(見なければよかった)
アデレードは、その場に立ち尽くしたまま、ひたすらに思った。
ペイトンとその奥にクリスタの姿を確認すると、アデレードは瞬時にクリスタの方へ焦点を合わせた。
泣いているせいか目が潤んで、初対面の時より幼く見える。
美人だな、と思った。
死ぬほど軽蔑するし、不快で嫌いで仕方ないのに美しいと感じるのは、本当に綺麗だからだろう。が、
「ダミアン!」
クリスタの表情が花開いたみたいな笑顔に変わったことに相容れなさを感じた。
この状況で、まるで味方が来たみたいな態度にでられることが理解できない。
会話を聞かれていると知らないにしても、さっきまでの自分の発言に罪悪感を抱いたりしないのか。
憤りが足先から湧き上がってくるが、アデレードは余計なことは一切言わないと決めたので、黙って成り行きを見ていた。
「聞いてよ! ペイトンったらひどいのよ」
「全部、聞いていたよ」
「そ、そう、聞いていたの……」
クリスタは、流石に狼狽えて口篭った。
次の言葉を探している。
クリスタの肩を持つつもりなど毛頭ないのに、なぜか胃がキリキリするほど緊張してきた。
ダミアンに対して「よし言ってやれ!」という気持ちが驚くほど起きない。
クリスタが、ダミアンに荒唐無稽な暴言を吐くのじゃないかという不安に動悸が止まらない。
そんなのは耐えられない。
クリスタには、下手な言い訳はせず素直に謝って心底反省して欲しい。
お願い、お願い、と懇願するように思っている。怒りとは真逆の場所にいる自分の感情が不思議だった。
「何よ。貴方がペイトンを好きでもいいって言ってプロポーズしたんでしょ」
アデレードの願い虚しく一番嫌な展開へ空気が流れていった。
手に汗握って二人の動向を追っていると、
「君、顔色が悪いが大丈夫なのか?」
ペイトンがダミアンと入れ替わりに傍に来て言った。
視界の端に動く影は捉えていたけれど、二人の邪魔をしないように下がってきたのだと思っていたから、声を掛けてくるとは予想していなかった。
私の顔色はそんなに良くないだろうか、と僅かに考えたけれど、
「大丈夫です」
それどころではなさすぎて、アデレードは視線をクリスタに固定させたまま答えた。
ペイトンがまだごにょごにょ言ってくるが全く頭に入ってこない。
というか、他人事みたいな顔をしているが、長年ダミアンとクリスタの間に暗い影を落としてきた元凶ではないか。
何故式当日に花嫁と二人で会うのか。ダミアンに頼まれたと言っていたが断るべきだったのでは? とペイトンの軽率な行動に不信感を覚えた。
「大体、立ち聞きなんて趣味が悪いわ」
クリスタが、一言の謝罪もなく、申し訳ない態度もなく、ダミアンを非難する言葉を吐いている。
怒るだけ無駄、反論するだけ損。もういいじゃないか。早く決別して今すぐここから出よう、とアデレードは息を殺して念じた。
だが、ダミアンは一言も発さないし、立ち去る気配もない。アデレードからは後ろ姿で表情も見えなかった。
「何よ。なんとか言ったら? 貴方っていつもそうよね。自分の意見がまるでないのよ。もういいわ。そろそろ準備をしないといけないし。着付けがかりを呼んできてくれない?」
いよいよ本気でどうかしている。この異常な関係をどうにかして欲しくて、アデレードが隣に立っているペイトンを見上げると、
「え」
ことのほか目が合って小さく声が漏れた。一瞬変な間ができて、ペイトンが何か言いかけたタイミングで、
「俺が何も言わないのは、君に嫌われたくなかったからだよ」
ダミアンが口を開いたので、アデレードの意識はそっちへ飛んだ。
怒っている様子はまるでない声音。クリスタは、面倒くさそうに聞いている。
「俺は自分が君を諦められないから、君もそうであってよいと思っていたんだ」
「そうよ。貴方がいいって言ったのでしょ」
クリスタは勝ち誇った顔で胸糞悪い相槌を打つ。しかし、
「でも、君は俺を尊重する気はなかったんだね」
ダミアンが続けるとクリスタは明らかに戸惑いを見せた。
「皆はいろいろ言うけど、君といることは楽しかった。いい思い出も沢山ある。俺は人に対してあれこれ言うのが苦手だから、明け透けな発言をする君の奔放さに惹かれたし、助けられてきた。君は覚えてないだろうけど、俺は小さい時に君に庇ってもらったことがあったんだよ」
(もうやめてよ)
ケジメをつける、とは別れることではないのか。ガツンと言ってやるのではないのか。
この期に及んで何故そんな下手に出るのか。
これじゃあ、まるで愛の告白ではないか。アデレードは、逃げ出したくてたまらなくなった。
見ていたくない。それでもダミアンに見届けろと言われたことがネックになって動けなかった。
「再会した時にすぐにわかって、どうにか振り向いてもらえるよう努力してした。俺は君の望みならなんでも叶えてあげたいと思ったし、実際大抵のことは叶えてきたつもりだ。でも、君は俺の気持ちを考えてくれたことがあったかな?」
クリスタは黙っている。どういうことなのか。「そんなの当たり前でしょ」と嘘でもいいから言い返せとアデレードは思った。
「君はペイトンが告白を受け入れると本気で思った? 万が一の奇跡に掛けたんだろ? 叶うわけないって思いながら、式の当日に告白した。駄目だとわかっているなら、俺のために諦めてくれていいようなゼロに近い確率だった。俺のことを僅かにでも考えていたら、こんなことしたかな?」
「だから、それは貴方がいいって言うからよ!」
ヒステリックにクリスタが答える。ダミアンはそれに同調して激しい口調になることはなく、過去の嫌だったことを、あれこれ語った。
「何よ、そんな昔のことを持ち出すなんて!」
「だったら、結婚指輪を買った時は? 家の調度品を決めた時は? ペイトンに選ばせたよね」
「だから、今更文句言われても知らないわよ!」
許容はしたが、別に推奨していたわけじゃない。
いいよと言われても、実際にやったら駄目なことがある。人としてできないことがある。
アデレードはそう思うが、この場合、やっぱり許したダミアンが悪いのか。「だったら最初からいいなんて言うな」が罷り通るのか。横暴なんじゃないか。だって、
「嫌われたくないから、我慢しようと思ったんだ」
ダミアンの返答にアデレードは唇を噛んだ。
これくらいのことは大丈夫。きっと機嫌が悪かっただけ。ほら、今は笑ってくれている。よかった。自分の中の「好き」が消えないように、気持ちを流す感覚。
言わなかったのではなく、言えなかっただけ。本当はいつもずっと言いたかった。私は傷ついたってこと。
「でも、もうそんな風に思えなくなってしまった。君が好き勝手するなら、俺も自分の好きなようにしようと思った。君は俺を甘く見ているけど、結婚後、領地に戻って、君に屋敷から出ることを禁止して生活させることはとても簡単なことだ」
「ちょっと! 冗談じゃないわ。そんなんじゃ貴方と結婚する意味なんてない」
叱られた子供みたいに不貞腐れた顔のクリスタの表情が変わる。ダミアンを非難する目つき。
「……そうだね。君は嫌がると思った。それにいくら自分の望みといえ、そんな軟禁生活を人に強いることはできない。俺は君とは違うから」
ダミアンはとても落ち着いた声で一音一音丁寧に言った。
「この結婚は白紙に戻すよ。クリスタ、君を好きだったよ。さようなら」
心が完全に壊れるのを見た気がした。「自由な生活ができなくても貴方と結婚したい」そう言えば、ダミアンは全て許したような気がする。
最後に差し出したダミアンの気持ちをクリスタが踏みつけた。
クリスタが蒼白になって、ギャアギャア騒ぎ始めたけれど、きっともう届かない。
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アデレードは、その場に立ち尽くしたまま、ひたすらに思った。
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