605 / 865
第605話
――さぁ、見せて! もっと!
ふわわは表には出さないが非常に興奮していた。
ヨシナリは銃を構えた。 つまりは逃げずに向かって来る事を意味している。
接近戦は機体のコンディション的にも技量的に不利と分かっているのに勝つつもりで向かって来る。
明らかに策を用意しているのは明白。
なら自分がやる事はその全てを粉砕する事で接近戦では敵わないと分からせる事。
こちらはハクサンゴンゲンと武装の大半を失ったが、得物はまだ残っている。
それで充分。 対するヨシナリは両腕、片足を失っている。
エーテルで補填している上、パンドラを全力で稼働させている以上はもう長くない。
接近戦に応じる理由の一つだろう。 だからと言って油断は禁物だ。
マシンスペックは機体の寿命を燃やしている分、ヨシナリの方が圧倒的に上。
加えて得意距離での戦闘なので総合力は互角。 どちらが勝ってもおかしくない勝負だ。
ヨシナリがバースト射撃しつつ銃身にセットされたエネルギーブレードを展開。
それを見てふわわは我慢できずに突っ込む。
ヨシナリは上昇しつつも逃げる気はないのか迎え撃つつもりだ。
間合いを即座に潰し、両手に小太刀を構えて右で斬りかかろうとしたが、それよりも早くヨシナリはエーテルで補填した片腕をブレードに変化させての刺突。
上体を僅かに傾けて躱し、そのまま懐に入るが銃撃。 エネルギーウイングを用いての旋回。
背後を取るのに合わせてヨシナリも旋回。 蹴りが飛んでくる。
壊れていない方の足。 またクレイモアを狙っているのは明らかだ。
攻撃範囲は既に把握している。 何の問題もない。
傾けながら膝を当てて跳ね上げようとしたのだが、膝を当てた瞬間に千切れ飛んで真横へ。
事前に切断してエーテルの鎧で隠していたようだ。 起爆。
咄嗟に旋回で回避行動。 躱しきれずにあちこちに被弾するが、ふわわも既に攻撃に入っていた。
コックピット部分を狙った刺突。 エーテルで構成された手の平で受け止められる。
刃が中ほどまで突き刺さった所で拳を握られて固定された。
銃口を向けられるが、巻き取る動き――モタシラがやった動きそのままに手首を落とす。
お返しとばかりに膝が飛んでくるが、馬鹿正直に喰らってやる訳には行かない。
ヨシナリの機体はエーテルを操作する事で形状を自在に変化させられる。
つまりは接触部分をブレード等に変化させてそのまま致命傷に繋がる危険があるのだ。
――殺気が漏れとるよ。
膝が持ち上がる前に残った小太刀で切断。 同時に固定された小太刀は諦めて手放す。
四肢はエーテルで補填する事で再生は可能だが、重要パーツが集中している胴体はそうはいかない。
狙うのは胴体のみ。
ジェネレーターかコックピット部分を破壊すれば終わりなのはヨシナリ本人が誰よりも理解しているはずだ。
決めてやると思いつつもどう凌ぐのかを期待している自分が居た。
エーテルの鎧を厚くして致命傷を避ける? それとも躱す?
袈裟の一撃はブレードに変形させた腕で受けずに巻き取ろうとしてきた。
モタシラの動きの模倣。 オリジナルに比べるとクオリティは低いが充分に通用するレベルだ。
これに関してはトルーパーであるなら簡単な処理方法があった。
腕の関節――肘をロック。 これで小太刀は抜けない。
太刀筋が安定しなくなるが、カウンターは無効化できる。
ブレードがふわわの腕に引っかかるように止まった。 そのまま小太刀を振りきる。
刃はホロスコープの肩から入って斜めに両断――手応えがおかしい。
どうしてといった疑問は置き去りに機体の奥から溢れる殺気に反応して上半身を傾ける。
ホロスコープの胴体を突き破るようにブレードが突き出されたからだ。
肩を僅かに掠める。 現れたのは二機目のホロスコープ。
それを見て正体を悟った。
ベリアルが使っていた分身の応用でエーテルの鎧だけを前に出して本体はその真後ろに居たのだ。
気付かなければ今ので終わっていた。 その事実にゾクゾクとしたものが背筋から脳へと突き刺さる。
気が付けばふわわは声を上げて笑っていた。
ヨシナリが脱ぎ捨てたエーテルの鎧からブレードを剥ぎ取って投げつけ、再度斬撃。
旋回で躱してくるが足を失っているので姿勢が安定していない。
先回りして刺突を繰り出す。 肩を捉えるが、致命傷には至っていない。
ヨシナリは両腕をブレードに変形させて斬撃で返す。 技量を手数で埋める気だ。
パンドラでブーストしているだけあって回転が異様に早い。
右の斬撃、左の刺突、右足での薙ぎ、旋回しながら左での後ろ回し蹴り。
斬撃を躱し、刺突をいなし、薙ぎは切って落とし、回し蹴りは上体を傾けて躱す。
ヨシナリの気配から僅かな焦りを感じる。 パンドラの制限時間、当たらない攻撃。
焦るなという方が無理な話だが、ふわわは知っていた。 こんな時にこそヨシナリは強く輝くのだと。
闇雲に攻撃を繰り出す? 焦っている今ならなくはないが、ヨシナリであるなら当てる為の何かを仕込んでいるはずだ。 それを読み切った時、自分の勝ちが確定する。
攻撃の切れ目がないので迂闊に反撃できないが、徐々に動きに目が慣れて来た。
後、三手ほどでこちらから仕掛ける。 その前に何を狙っているのかを確かめないと。
以前、接近戦に自信はないと言っていたが、今のヨシナリの動きはふわわに通用するレベルだった。
モタシラだけでなくベリアルとの特訓にも力を入れていたというだけあってかなりの物だ。
刺突と巻き取りの動きはモタシラから、機動を活かした全身を武器として使う挙動はベリアル、エネルギーウイングを使って体全体を回転させて斬撃の威力に乗せるのはツェツィーリエの動きを参考にしたのだろう。
一つ一つの繋ぎは甘いが、個々のクオリティは高い。
単純な物真似で終わらない点もふわわからすれば評価に値する。
――それに切り札があるのもウチも同じやしな?
三手。 狙いは読み切れないが時間切れだ。
動きの速さに目も慣れた。 名残は惜しいが決着をつける。
ヨシナリの近接の組み立ては堅実で比較的、隙の少ない両腕のブレードによる斬撃を防がせた後に大きな動きでの攻撃を繰り出す。
狙うのはここ。 左の刺突をわざと大きな動きで躱す。
反撃はないと判断したヨシナリが機体を旋回させて蹴りを繰り出そうと動いた瞬間。
――ここ!
合わせてカウンター。 回って足が出る瞬間に飛び込んで体ごと小太刀を突き出す。
胸に飛び込む形になるがこれで――
ふわわは表には出さないが非常に興奮していた。
ヨシナリは銃を構えた。 つまりは逃げずに向かって来る事を意味している。
接近戦は機体のコンディション的にも技量的に不利と分かっているのに勝つつもりで向かって来る。
明らかに策を用意しているのは明白。
なら自分がやる事はその全てを粉砕する事で接近戦では敵わないと分からせる事。
こちらはハクサンゴンゲンと武装の大半を失ったが、得物はまだ残っている。
それで充分。 対するヨシナリは両腕、片足を失っている。
エーテルで補填している上、パンドラを全力で稼働させている以上はもう長くない。
接近戦に応じる理由の一つだろう。 だからと言って油断は禁物だ。
マシンスペックは機体の寿命を燃やしている分、ヨシナリの方が圧倒的に上。
加えて得意距離での戦闘なので総合力は互角。 どちらが勝ってもおかしくない勝負だ。
ヨシナリがバースト射撃しつつ銃身にセットされたエネルギーブレードを展開。
それを見てふわわは我慢できずに突っ込む。
ヨシナリは上昇しつつも逃げる気はないのか迎え撃つつもりだ。
間合いを即座に潰し、両手に小太刀を構えて右で斬りかかろうとしたが、それよりも早くヨシナリはエーテルで補填した片腕をブレードに変化させての刺突。
上体を僅かに傾けて躱し、そのまま懐に入るが銃撃。 エネルギーウイングを用いての旋回。
背後を取るのに合わせてヨシナリも旋回。 蹴りが飛んでくる。
壊れていない方の足。 またクレイモアを狙っているのは明らかだ。
攻撃範囲は既に把握している。 何の問題もない。
傾けながら膝を当てて跳ね上げようとしたのだが、膝を当てた瞬間に千切れ飛んで真横へ。
事前に切断してエーテルの鎧で隠していたようだ。 起爆。
咄嗟に旋回で回避行動。 躱しきれずにあちこちに被弾するが、ふわわも既に攻撃に入っていた。
コックピット部分を狙った刺突。 エーテルで構成された手の平で受け止められる。
刃が中ほどまで突き刺さった所で拳を握られて固定された。
銃口を向けられるが、巻き取る動き――モタシラがやった動きそのままに手首を落とす。
お返しとばかりに膝が飛んでくるが、馬鹿正直に喰らってやる訳には行かない。
ヨシナリの機体はエーテルを操作する事で形状を自在に変化させられる。
つまりは接触部分をブレード等に変化させてそのまま致命傷に繋がる危険があるのだ。
――殺気が漏れとるよ。
膝が持ち上がる前に残った小太刀で切断。 同時に固定された小太刀は諦めて手放す。
四肢はエーテルで補填する事で再生は可能だが、重要パーツが集中している胴体はそうはいかない。
狙うのは胴体のみ。
ジェネレーターかコックピット部分を破壊すれば終わりなのはヨシナリ本人が誰よりも理解しているはずだ。
決めてやると思いつつもどう凌ぐのかを期待している自分が居た。
エーテルの鎧を厚くして致命傷を避ける? それとも躱す?
袈裟の一撃はブレードに変形させた腕で受けずに巻き取ろうとしてきた。
モタシラの動きの模倣。 オリジナルに比べるとクオリティは低いが充分に通用するレベルだ。
これに関してはトルーパーであるなら簡単な処理方法があった。
腕の関節――肘をロック。 これで小太刀は抜けない。
太刀筋が安定しなくなるが、カウンターは無効化できる。
ブレードがふわわの腕に引っかかるように止まった。 そのまま小太刀を振りきる。
刃はホロスコープの肩から入って斜めに両断――手応えがおかしい。
どうしてといった疑問は置き去りに機体の奥から溢れる殺気に反応して上半身を傾ける。
ホロスコープの胴体を突き破るようにブレードが突き出されたからだ。
肩を僅かに掠める。 現れたのは二機目のホロスコープ。
それを見て正体を悟った。
ベリアルが使っていた分身の応用でエーテルの鎧だけを前に出して本体はその真後ろに居たのだ。
気付かなければ今ので終わっていた。 その事実にゾクゾクとしたものが背筋から脳へと突き刺さる。
気が付けばふわわは声を上げて笑っていた。
ヨシナリが脱ぎ捨てたエーテルの鎧からブレードを剥ぎ取って投げつけ、再度斬撃。
旋回で躱してくるが足を失っているので姿勢が安定していない。
先回りして刺突を繰り出す。 肩を捉えるが、致命傷には至っていない。
ヨシナリは両腕をブレードに変形させて斬撃で返す。 技量を手数で埋める気だ。
パンドラでブーストしているだけあって回転が異様に早い。
右の斬撃、左の刺突、右足での薙ぎ、旋回しながら左での後ろ回し蹴り。
斬撃を躱し、刺突をいなし、薙ぎは切って落とし、回し蹴りは上体を傾けて躱す。
ヨシナリの気配から僅かな焦りを感じる。 パンドラの制限時間、当たらない攻撃。
焦るなという方が無理な話だが、ふわわは知っていた。 こんな時にこそヨシナリは強く輝くのだと。
闇雲に攻撃を繰り出す? 焦っている今ならなくはないが、ヨシナリであるなら当てる為の何かを仕込んでいるはずだ。 それを読み切った時、自分の勝ちが確定する。
攻撃の切れ目がないので迂闊に反撃できないが、徐々に動きに目が慣れて来た。
後、三手ほどでこちらから仕掛ける。 その前に何を狙っているのかを確かめないと。
以前、接近戦に自信はないと言っていたが、今のヨシナリの動きはふわわに通用するレベルだった。
モタシラだけでなくベリアルとの特訓にも力を入れていたというだけあってかなりの物だ。
刺突と巻き取りの動きはモタシラから、機動を活かした全身を武器として使う挙動はベリアル、エネルギーウイングを使って体全体を回転させて斬撃の威力に乗せるのはツェツィーリエの動きを参考にしたのだろう。
一つ一つの繋ぎは甘いが、個々のクオリティは高い。
単純な物真似で終わらない点もふわわからすれば評価に値する。
――それに切り札があるのもウチも同じやしな?
三手。 狙いは読み切れないが時間切れだ。
動きの速さに目も慣れた。 名残は惜しいが決着をつける。
ヨシナリの近接の組み立ては堅実で比較的、隙の少ない両腕のブレードによる斬撃を防がせた後に大きな動きでの攻撃を繰り出す。
狙うのはここ。 左の刺突をわざと大きな動きで躱す。
反撃はないと判断したヨシナリが機体を旋回させて蹴りを繰り出そうと動いた瞬間。
――ここ!
合わせてカウンター。 回って足が出る瞬間に飛び込んで体ごと小太刀を突き出す。
胸に飛び込む形になるがこれで――
あなたにおすすめの小説
ホスト異世界へ行く
REON
ファンタジー
「勇者になってこの世界をお救いください」
え?勇者?
「なりたくない( ˙-˙ )スンッ」
☆★☆★☆
同伴する為に客と待ち合わせしていたら異世界へ!
国王のおっさんから「勇者になって魔王の討伐を」と、異世界系の王道展開だったけど……俺、勇者じゃないんですけど!?なに“うっかり”で召喚してくれちゃってんの!?
しかも元の世界へは帰れないと来た。
よし、分かった。
じゃあ俺はおっさんのヒモになる!
銀髪銀目の異世界ホスト。
勇者じゃないのに勇者よりも特殊な容姿と特殊恩恵を持つこの男。
この男が召喚されたのは本当に“うっかり”だったのか。
人誑しで情緒不安定。
モフモフ大好きで自由人で女子供にはちょっぴり弱い。
そんな特殊イケメンホストが巻きおこす、笑いあり(?)涙あり(?)の異世界ライフ!
※注意※
パンセクシャル(全性愛)ハーレムです。
可愛い女の子をはべらせる普通のハーレムストーリーと思って読むと痛い目をみますのでご注意ください。笑
局地戦闘機 飛電の栄光と終焉
みにみ
歴史・時代
十四試局戦 後の三菱雷電J2Mとして知られるこの戦闘機は爆撃機用の火星エンジンを搭載したため胴体直径の増加、前方視界不良などが続いたいわば少し残念な機体である この十四試局戦計画に地方の無名メーカーが参加、雷電を超える高性能機が誕生し、零戦の後継として太平洋戦線を駆ける これは設計者、搭乗員の熱く短い6年間を描いた物語だ
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
ダンジョンのある生活《スマホ片手にレベルアップ》
盾乃あに
ファンタジー
進藤タクマは25歳、彼女にフラれて同棲中の家を追い出され、新しい部屋を借りたがそこにはキッチンに見知らぬ扉が付いていた。床下収納だと思って開けたらそこは始まりのダンジョンだった。
ダンジョンを攻略する自衛隊、タクマは部屋を譲り新しい部屋に引っ越すが、そこにもダンジョンが……
始まりのダンジョンを攻略することになったタクマ。
さぁ、ダンジョン攻略のはじまりだ。
スーパーのビニール袋で竜を保護した
チー牛Y
ファンタジー
竜は、災害指定生物。
見つけ次第、討伐――のはずだった。
だが俺の前に現れたのは、
震える子竜と、役立たず扱いされたスキル――
「スーパーのビニール袋」。
剣でも炎でもない。
シャカシャカ鳴る、ただの袋。
なのにその袋は、なぜか竜を落ち着かせる。
討伐か、保護か。
世界の常識と、ひとりの男の常識が衝突する。
これは――
ビニール袋から始まる、異世界保護ファンタジー。
52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった
よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】
皆様の熱い応援、本当にありがとうございます!
ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です!
【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】
電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。
気がついたら異世界召喚。
だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。
52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。
結論――王都の地下下水道に「廃棄」。
玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。
血管年齢は実年齢マイナス20歳。
そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。
だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。
下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。
捨てられた魔道具。
長年魔素を吸い続けた高純度魔石。
そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。
チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。
あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。
汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。
スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。
この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。
魔力は毒である。代謝こそが命である。
軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。
でも、だからこそ――まず1話、読んでください。
【最新情報&著者プロフィール】
代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作!
◆ 2月に待望の【第2巻】刊行!
◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中!
◆ 【コミカライズ企画進行中】!
すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!
森のカフェしっぽっぽ
森のカフェしっぽっぽ
ファンタジー
五十代後半の初老――サトルが営むのは、就労支援B型事業所を兼ねた猫カフェ「森のカフェしっぽっぽ」。
一階には利用者が作った木工小物や布雑貨が並び、
猫たち(イチ・きな・トラ・チビ・そして極度の臆病猫ジル)が自由気ままに接客(?)をしている。
しかしこの店には、誰も知らない“もう一つの顔”があった。
地下の倉庫兼店舗は異世界と繋がっている。
ただし、異世界人は地球には来られない。
行き来できるのはサトルだけ。
向こう側には|蜥蜴人族≪リザードマン≫の商人、
頑固な|鉱人族≪ドワーフ≫の職人、
静かな|森人族≪エルフ≫たちがいて、
サトルは彼らから“ちょっとだけ現実を楽にする品”を仕入れている。
仕事に疲れた会社員。
将来に迷う若者。
自信をなくした人。
サトルは客の空気を読み、異世界の商品をさりげなく勧める。
そして、棚の影で震えるジル。
怖がりで、音にびくつき、すぐ隠れる。
それでも店からは逃げない。
その姿が、なぜか人の心を少しだけ軽くする。
これは――
福祉と商売と猫と異世界が、ゆるく混ざり合う物語。
震えながらでも前に立つ者が、
今日も小さく世界をつなぐ。