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第12話
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机に突っ伏していた私の頭の上にドスンと何かが乗っけられた。なにが乗っけられたのか手で掴んで確認すると自分のカバンだった。
「カバン忘れて授業受けようとするなんてアホなんちゃう」
「…うるさい、色々あったんだよ」
そういえば体育館に置きっぱなしにして飛び出してきたことを思い出した。
「なんで金本が持って来たんだ?」
「朝バスケ部の入部届け出そう思て職員室寄ったら、体育館の鍵を返しに来てた先輩達に会ったんや。そしたらこれ小田さんに渡してくれって火山先輩が。朝体育館行ったん?」
「まあ、少しだけ。一応確認するけど昨日金本も勿論体育館にいたよな?」
「そりゃ勿論おるやろな。案の定、入学早々小田さんに追っかけファンがついたみたいやな。アンチ専門やけど」
後ろを振り返って金本の表情を見るとニタニタと楽しそうな表情をしていた。顔を見て改めて思ったがこいつもゲーム内に普通にいたわ。
「金本には純粋に応援してくれるファンがついたみたいで羨ましい限りだわ。まじ女って怖ぇよ」
「自分女のくせに他人事みたいな口ぶりやな」
あながち間違いでもないのでツッコむ気にもならなかった。
これはもうこの一年間ぼっちになるということがほぼ確定した。せっかく女の体に生まれたのだから女の子達とキャッキャウフフしながら楽しんでやろかと思っていたが、昨日一日の出来事でほとんどの女の子を敵にしてしまっただろうと思った。
しばらくするとチャイムがなり、担任の先生が来てホームルームが始まった。
「今日はまずみんなに順番に自己紹介をしてもらう。その後は委員会決めだ」
自己紹介、もしかしたらここで良い印象を残せれば少なくともこのクラスの女子達は友達になってくれるんじゃないだろうか。もしかしてこの自己紹介、俺の運命の分かれ道なんじゃないか!!
廊下側から出席番号順に自己紹介が始まる。俺は5番目だ。前の人達は好きなことやこれから入る部活など無難なことを言っている。女であって女でない今の自分は男共からどう思われようとどうだっていい、ただ女子の友達がほしい!キャッキャウフフがしたい!
そして俺の番になり気合いを入れて立ち上がった。
「小田秋穂!好きな食べ物は唐揚げと生クリーム、特技は運動全般とモノマネ!てなわけで今から得意なニワトリのモノマネします!」
これに全てがかかってる。これで俺のスクールライフが決まる。
一度深呼吸をし、俺は全力のニワトリのモノマネを披露した。
そして全員の自己紹介が終わったところで一時間目の半分が終わった。
「流石にあれはドン引きやで」
「あ~、ぼっちで便所飯確定だ~」
机に顔を伏せてシクシクと泣いた。
どうやらあまりにもクオリティが高すぎてみんな逆にドン引きしたらしい。昔妹に見せた時は大ウケだったんだが何がいけなかったんだろうか。
「自己紹介が終わったところで次は委員会決めだ。まずはクラスの学級委員を男女一人ずつ決め、その後学級委員に進行してもらう。やりたいやつは挙手してくれ」
教室内はシーンとしていて誰も手を上げる気配がない。やはり学級委員が面倒臭いという立ち位置なのは現実でもゲームでも変わらないらしい。ここでもし手を上げればみんなのヒーローになって人気者になれるかもしれないという僅かな望みをかけ、俺は渋々手を挙げた。
「お!お前らがやってくれるのか。進んでやってくれるなんて良い心がけだ。助かるぞ」
先生はお前らと言ったが辺りを見渡す限り自分以外手を挙げてる人が見当たらない。
「じゃあ後の進行はお前らに任せるぞ、小田金本」
金本?!びっくりして後ろを振り返るといつも通り気だるそうな顔をした金本が立ち上がる。
「なにぼさっとしてんねん。自分も学級委員やろ」
「え、なんで。お前絶対にこういうのやらなそうじゃん」
「別に。内申稼ぎや」
二人で教壇まで移動する途中女子達から私もやればよかったー、良いなぁという声がちらほら聞こえてくる。良かれと思って立候補したはずがまた変に目立ってしまった。
「ほな小田さん書記で…って上の方届かんか」
「届くわ!」
金本が前に立つと女子の方は流れるようにすらすらと決まっていった。ふくらはぎがつりそうになりながらも思いっきり背伸びをして私は板書した。
すると金本が教壇を降り、1番前の座席の男子の机にバンッと手を着いた。
「ほな、この調子で男子もさっさと決めよか」
と全然目が笑ってない笑顔と全然笑ってない声のトーンで言った。
そして金本のおかげであっという間に委員会も決まり、残った時間は好きに過ごしていた。
「いやぁ金本のおかげで助かったわ。サンキューな」
「…あんな背伸びしたら一番前の席のやつにパンツ見られるで」
「え?」
突然教壇を降りた時はどうしたのかと思ったがどうやら俺のスカートの中を隠してくれてたらしい。
「いやいや、スパッツはいてるし大丈夫だろ!」
「はぁ、そういう問題ちゃうやろ。男心的にはスパッツでもなんでも、スカートの中が見えたもん勝ちやん」
自分が女になってからはあまり気にしていなかったが、確かに男だった時は見えそうで見えないスカートやたまたま見えてしまったパンチラがとても魅力的だったのを思い出した。こんなイケメンでもそう思うとは、男がすけべなのは全世界共通なんだなと思った。
「金本もイケメンのくせにすけべなんだなぁ」
「なんでそうなんねん、どつくぞ」
「カバン忘れて授業受けようとするなんてアホなんちゃう」
「…うるさい、色々あったんだよ」
そういえば体育館に置きっぱなしにして飛び出してきたことを思い出した。
「なんで金本が持って来たんだ?」
「朝バスケ部の入部届け出そう思て職員室寄ったら、体育館の鍵を返しに来てた先輩達に会ったんや。そしたらこれ小田さんに渡してくれって火山先輩が。朝体育館行ったん?」
「まあ、少しだけ。一応確認するけど昨日金本も勿論体育館にいたよな?」
「そりゃ勿論おるやろな。案の定、入学早々小田さんに追っかけファンがついたみたいやな。アンチ専門やけど」
後ろを振り返って金本の表情を見るとニタニタと楽しそうな表情をしていた。顔を見て改めて思ったがこいつもゲーム内に普通にいたわ。
「金本には純粋に応援してくれるファンがついたみたいで羨ましい限りだわ。まじ女って怖ぇよ」
「自分女のくせに他人事みたいな口ぶりやな」
あながち間違いでもないのでツッコむ気にもならなかった。
これはもうこの一年間ぼっちになるということがほぼ確定した。せっかく女の体に生まれたのだから女の子達とキャッキャウフフしながら楽しんでやろかと思っていたが、昨日一日の出来事でほとんどの女の子を敵にしてしまっただろうと思った。
しばらくするとチャイムがなり、担任の先生が来てホームルームが始まった。
「今日はまずみんなに順番に自己紹介をしてもらう。その後は委員会決めだ」
自己紹介、もしかしたらここで良い印象を残せれば少なくともこのクラスの女子達は友達になってくれるんじゃないだろうか。もしかしてこの自己紹介、俺の運命の分かれ道なんじゃないか!!
廊下側から出席番号順に自己紹介が始まる。俺は5番目だ。前の人達は好きなことやこれから入る部活など無難なことを言っている。女であって女でない今の自分は男共からどう思われようとどうだっていい、ただ女子の友達がほしい!キャッキャウフフがしたい!
そして俺の番になり気合いを入れて立ち上がった。
「小田秋穂!好きな食べ物は唐揚げと生クリーム、特技は運動全般とモノマネ!てなわけで今から得意なニワトリのモノマネします!」
これに全てがかかってる。これで俺のスクールライフが決まる。
一度深呼吸をし、俺は全力のニワトリのモノマネを披露した。
そして全員の自己紹介が終わったところで一時間目の半分が終わった。
「流石にあれはドン引きやで」
「あ~、ぼっちで便所飯確定だ~」
机に顔を伏せてシクシクと泣いた。
どうやらあまりにもクオリティが高すぎてみんな逆にドン引きしたらしい。昔妹に見せた時は大ウケだったんだが何がいけなかったんだろうか。
「自己紹介が終わったところで次は委員会決めだ。まずはクラスの学級委員を男女一人ずつ決め、その後学級委員に進行してもらう。やりたいやつは挙手してくれ」
教室内はシーンとしていて誰も手を上げる気配がない。やはり学級委員が面倒臭いという立ち位置なのは現実でもゲームでも変わらないらしい。ここでもし手を上げればみんなのヒーローになって人気者になれるかもしれないという僅かな望みをかけ、俺は渋々手を挙げた。
「お!お前らがやってくれるのか。進んでやってくれるなんて良い心がけだ。助かるぞ」
先生はお前らと言ったが辺りを見渡す限り自分以外手を挙げてる人が見当たらない。
「じゃあ後の進行はお前らに任せるぞ、小田金本」
金本?!びっくりして後ろを振り返るといつも通り気だるそうな顔をした金本が立ち上がる。
「なにぼさっとしてんねん。自分も学級委員やろ」
「え、なんで。お前絶対にこういうのやらなそうじゃん」
「別に。内申稼ぎや」
二人で教壇まで移動する途中女子達から私もやればよかったー、良いなぁという声がちらほら聞こえてくる。良かれと思って立候補したはずがまた変に目立ってしまった。
「ほな小田さん書記で…って上の方届かんか」
「届くわ!」
金本が前に立つと女子の方は流れるようにすらすらと決まっていった。ふくらはぎがつりそうになりながらも思いっきり背伸びをして私は板書した。
すると金本が教壇を降り、1番前の座席の男子の机にバンッと手を着いた。
「ほな、この調子で男子もさっさと決めよか」
と全然目が笑ってない笑顔と全然笑ってない声のトーンで言った。
そして金本のおかげであっという間に委員会も決まり、残った時間は好きに過ごしていた。
「いやぁ金本のおかげで助かったわ。サンキューな」
「…あんな背伸びしたら一番前の席のやつにパンツ見られるで」
「え?」
突然教壇を降りた時はどうしたのかと思ったがどうやら俺のスカートの中を隠してくれてたらしい。
「いやいや、スパッツはいてるし大丈夫だろ!」
「はぁ、そういう問題ちゃうやろ。男心的にはスパッツでもなんでも、スカートの中が見えたもん勝ちやん」
自分が女になってからはあまり気にしていなかったが、確かに男だった時は見えそうで見えないスカートやたまたま見えてしまったパンチラがとても魅力的だったのを思い出した。こんなイケメンでもそう思うとは、男がすけべなのは全世界共通なんだなと思った。
「金本もイケメンのくせにすけべなんだなぁ」
「なんでそうなんねん、どつくぞ」
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