青春系乙女ゲームに転生した可愛い少女は元激強ヤンキーでした

蛍。

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第21話

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「はあーーーーーーーーー」


「くそデカため息やめぇや」


今日は遠足当日、学校からバスで現地まで向かうため学校の敷地内でみんながわらわらと集まり始めている。

今日は制服ではなく私服で遠足に行くため珍しくみんなの私服が見れるイベントに女子達がキャッキャ言いながら遠目で金本を見てる。

「スカした服着やがって」

「どこがやねん、普通やろ」

金本の私服は白Tに黒のスキニーパンツと本人の髪色にもよく似たエメラルドグリーンのシャツに黒のリュックといういたってシンプルなものだった。

周りを見れば金本と似たようなファッションの人もちらほらいるが、ずば抜けてかっこよく見えるのは生まれ持った産物であるスタイルの良さと顔面力のせいだろう。

「…お前は神様と親に感謝した方が良いぞ」

「なんやねんさっきから、素直に似合ってるなら似合ってるって褒めれんのかい」

「他の男子が可哀想…」

「どういう意味や。てか、そういう自分の服装だってどうなん」

金本が俺の服装を見定めるように上から下までゆっくりと見る。

今日の俺の服装は胸元にワンポイントのくまちゃんが入ってる半袖の白のTシャツと黒のショートパンツにスニーカーを合わせた動きやすさ重視の服装だ。

「いや、小学生かて」

「ぶっ飛ばすぞ。お前と色合いほぼ変わんねぇだろうが」

制服とパジャマ以外まだ服を選んだことのない俺にとって私服選びは本当に難しかった。家を出る時弟に渋い顔をされたのは多分金本と同じことを思ったんだろう。

しばらくすると先生達も集合しクラスごとにバスに乗り込んだ。

バス内の俺の隣の席は班で唯一同じ女子である薬師寺(やくしじ)さんだ。まだ出発前だと言うのにすでに気分が悪そうな顔をしてる。

「あー、薬師寺さん。今日は楽しもう、ね?」

「あっ、は、はい…お互い無事生きて帰りましょうね」


これから遠足に行く人とは思えない台詞だった。


今日の遠足のスケジュールとしてはまずキャンプ場に向かい同じ施設内にある牧場に移動して乳しぼり体験をする。その後昼食の時にデザートととして食べるアイスクリーム作りを体験してその後キャンプ場に戻り、定番の班ごとにカレー作りをしてお昼ご飯を食べたら班ごとに自由時間となっている。

「…なんで乳しぼり?」

「私の兄が三年生にいるんですけど、この学校の毎年の定番みたいですよ。この牧場をお借りして数頭学校で育ててる乳牛がいるとかで」

「へー、てか薬師寺さんお兄さんいるんだ」

「はい。家の事情で苗字は違うんですけど、たまにメールしたり勉強も教えてくれたり、優しくてかっこいい自慢のお兄ちゃんなんです」

お兄さんの話をしてる薬師寺さんはとても楽しそうで先程の沈んでた顔が嘘かのように可愛らしい笑顔で笑っていた。

「薬師寺さんがそんな笑顔になるくらいだから、良いお兄さんなんだね」

「え、あ、すいませんつい」

2人で楽しく話をしていると前の座席の金本がひょこっと頭をだして後ろを振り返ってきた。

「なに」

「いや2人で楽しそうやなー思って、このお菓子食う?」

「食べるけどお菓子食べすぎたらご飯入らなくなるぞ」

「オカンかて」

ぷはっと笑いながら金本はまた前を向いて座った。俺達の隣の列の女子達からの目線がすごく痛かったのはきっと気の所為じゃない。

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