魔王がやって来たので

もち雪

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ホイルトツェリオ魔法学校

ふくろうのいる食器店

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 花が咲き乱れる様な風景も、ホイルトツェリオの城下町の中心部に近づいてくると、そのいろどりにレンガのオレンジの色が加わる。

 魔法学校の同じような建築様式の建物を多く見かけるようになってくる。建物群は、道路のすぐ横に建ち歩行者へ、迫らんばかりの勢いである。街中に一人立つと、前後、左右すべてがおしゃれで、大きな窓枠や屋根に至るまで、イギリスを連想させる装いで。

(無料で、イギリス観光ありがたい)と、思わずにいられない……。

 僕が、そう感慨深げに、辺りを見回す内に……。

 ぬいぬいは、「こっちだ」と、目標の店へ入って行く。それに続くオリエラの声が店先で、彼を呼びとめ――。

 「ハヤトが、まだ街並みに感動してた立ってるよ」

 と、いうオリエラが少しとがめる声で言と、ぬいぬいの「この街を間近で見た者は、みんなそうなる。俺もそうなった。だからしばらくほっといてやれ」と、言うの声が、ここまで聞こえてくる。

 ルイスは、僕の横で今後の予定を、ノートで確認してるし……。改めて、我々の個性が強すぎ問題が、僕のなかで再浮上してくる。僕は、建物屋根の眺めていた、あごを上げた状態のまま横を向きルイスに、ぬいぬいが入った建物は何か問いかける。

「あそこは、食器の店ですよ」と、ルイスが答えるが……。僕が少しカッコいいのでは?と思いおこなったポーズについては、コメントを言うのは、意図して差し控えたられたように思う。少し浅はかな考えで、実行した自分が恥ずかしい……穴は、無いので店に入ろう。

 僕達の入った店は、店の外からはわからないが、結構大きい店で、入ってすぐの所にはふくろうが居る。彼は、こっちらを少し怪しむ様な目つきで、僕達をにらむ。少し見つめていると、オリエラがやって来て……「このふくろう、かわいいよね」と、言って近寄ると……。すると、ふくろうはまんまるの目で、「きゅいゥィ~」って、愛想をふりまいて鳴きだした。

「このふくろうは、賢いから人を見て態度を、変えるんですよ」定員と思われる男性が言いだす。

(看板ふくろうお前もか!)と、言う気持ちならざるおえない。きっと、使い魔と言う属性が、異世界のふくろうをおもしろキャラにするのだろう。たぶん。

 僕達は、オリエラについてぬいぬいのところまで行くと――。
 
 食器のお勧めらしきスペースに、ステンレスの様な素材の食器や、『割れないように、魔法にて材質を変えてあります』と書かれた紙の置かれた陶器もあった。

 旅行へ持って行くような割れないもので、お勧めのものをぬいぬいに尋ねると、やはりステンレスぽいものか、魔法の処理済みのものを進められる。ほぼ値段は同じなので、物珍しさも手伝って魔法の物がいいかな?とも、思ったがここは、ぬいぬいも入れて多数決をする事にした。結果は、やはり魔法の方がいいという結果になり、魔法の食器を6セットと同じ数、スプーンとフォークのセットなどもろもろ買うと――。看板ふくろうが片方のつばさを上げ、まんまるおめめでウィンクしている皿を貰った。

 帰りに、看板ふくろうの前を通ったら、にらむばかりでなく、軽快にステップ踏んでいたですが……。戦い前の、景気づけのダンスですか?それは。

 
 つづく
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