87 / 292
王の命
上級試験 開会式
しおりを挟む
湿地帯のある平原の前の高台に僕らはいた。高台の下は魔物が歩いている様子が目視出来る。
本部テントと救護テントがあるけれど、終わり間際まで受験者は使う事は、出来ないとルイスから聞いた。
今回の受験者は100名位。近場の別のギルドの連中も来ている様だが、こんなものだろうか?
始まる前に、僕達のパーティーに声をかける人物がいた。
「おいどんも、御一緒していいですか?」
彼は、やたらめったらが体格が良くて、とても優しい顔をしている男で、背中には、大きなリュックをしょっている。
「いつも、フリーで荷物運びをしてますが、今回、運悪く便乗するはずのパーティーが、受付に遅刻してしまったようで……お願いできないでしょうか?」
「駄目です、一人20匹で、うちのチームだけで60匹狩らなければならないのに、80匹になるなんてハンデーにしかなりません。」
そうミッシェルが、言い切ってしまう。
「でも、ミッシェル……」
「ハヤトさんの頼みでも駄目です! パーティーで、一人でも反対するものがあればその話は持ち越しでしょう? 今回は、間に合いません。」
ミッシェルは、胸の所で、バイバイする様に手を動かす。見た目はクルマのワイパーみたいに少しおもろかわいい動作だが、言っている事は可愛くない。
「ミッシェル、私はいいと思うな~人手があった方が、安全だよ?」
オリエラも同行を求めるがどうも駄目な様だ。さっきのバイバイ姿勢のまま――。
「彼は、補助職で戦闘では役にたちませんし、討伐数の証明の為の中級以上の魔物から出る魔石は、僕達で持てる大きさですよ。彼を入れるのは、合格率を下げるだけですので無理です」
仕方ない……この手は使いたくなかったが、使うか。
「ミッシェル、彼はフリーの中級職と考えると、この階級を受けられるだけの実績もある。と言う事は、多くのパーティーと親しい間柄なはず。親しくなると……少なくとも2パーティーと親しくなれるチャンスがあるはずだ。そして彼に投資することによって……未来の上級パーティーとも……」
そう言って僕は、彼の言葉を待つ。
「お近づきになれる可能性を秘めている。わかりました。ハヤトさんがそこまで言うならパーティーを組みましょう!」
しかしすぐ後ろの話題の彼には、丸聞こえだけどな……顔がとても戸惑っているし……。
「なんかすみません、ありがとうございます。 スドウと言います」
やはり聞こえてた様で、僕は少し心が痛かった。
「こちらこそ、よろしくお願いします。ハヤトです」 「オリエラです」 「ミッシェルです。よろしくお願いします」
スタートまでのあき時間、各自、受付時に配られた地図を見る。
確実に数を稼げるならアリ、安全を取るなら魚、基本に戻ってスライムでもいいが、ここのスライムは毒があるらしい。アリは当たりの年は、各パーティー連携を取ってサクサクいけるらしいが……、はずれの年は横でモグモグされているの見ながらだから士気が、おおいに下がるらしい。
昨日に、ルイスから聞いた知識なんだが……。
上級には合格定員数などないから……みんなで連携するよな? よな??
「人数が居るから数の勝負のアリへ行こうか?」
「そうですね、立ち位置とアリの巣を壊さない様にすればいいと聞きますし」
ミッシェルは、さすがこういう時の台詞は安定している。
「楽しみだぁ~合同戦になるかもしれないでしょう? 授業でもやったけど実際はどうな風になるんだろう」
「皆さんなんかういういしくっていいですね」
スドウさんは、そう言って笑顔をみせる。
「あのスドウさん、荷物運びって戦闘中どんな感じの配置なんですか?」
「そうですね……人によりますけど……おいどんはだいたい後衛の位置にいますね。いつでも、荷物を持っているので――戦う事は、出来ませんが――見張りの様な立ち位置で居る事がおおいでござわす」
「わかりました。うちでは、ミッシェルの隣ですねよろしくお願いします」
「スドウさん、お互いがんばりましょうね」
ミッシェル、キャラが、変わっている……。 お金にかかわる時でも、ちょっとなまいきな後輩をつらぬいてくれ!
いや……むしろ、今のままがいいのか?
キ――ィ――ンマイク特有のあの反響音がなった。
「やーみんな初めての人もいるかな? ここホイルトツェリオ城のギルド長を、務めるレン ホルンだ」
キタ――――!! 異世界のブラックギルドの犠牲者レン ホルンさん。上級試験のテストが、ギルドの公での最終テストだから来るのはわかるが……。そうかそうなのか……。
今日の彼女はやはりおかっぱで、切れ目のあるタイトスカートにやっぱり、異世界風ポンチョみたいな服をざっくり着ている。
「と言うわけで、事故やけがなどあればすぐに助けに行く事は出来ない。無理のある行動は避ける様に心がける様に、後、死体を見つけた場合、配った布で覆って欲しい。いろいろな効果があるからね。じゃ――みんな、頑張って!始め!」
上級試験が始まった。この階級になるとみんな歴戦の猛者だろう……。そう思ってた僕の横を、アウトロー風の男達が走って、アァァァァァ――――――!一人、足を滑れせ下に落ちていった……。
辺りが騒がしくなるなか、「行こうか」と僕は、左手で頭を抱えながら歩き出す。
つづく
本部テントと救護テントがあるけれど、終わり間際まで受験者は使う事は、出来ないとルイスから聞いた。
今回の受験者は100名位。近場の別のギルドの連中も来ている様だが、こんなものだろうか?
始まる前に、僕達のパーティーに声をかける人物がいた。
「おいどんも、御一緒していいですか?」
彼は、やたらめったらが体格が良くて、とても優しい顔をしている男で、背中には、大きなリュックをしょっている。
「いつも、フリーで荷物運びをしてますが、今回、運悪く便乗するはずのパーティーが、受付に遅刻してしまったようで……お願いできないでしょうか?」
「駄目です、一人20匹で、うちのチームだけで60匹狩らなければならないのに、80匹になるなんてハンデーにしかなりません。」
そうミッシェルが、言い切ってしまう。
「でも、ミッシェル……」
「ハヤトさんの頼みでも駄目です! パーティーで、一人でも反対するものがあればその話は持ち越しでしょう? 今回は、間に合いません。」
ミッシェルは、胸の所で、バイバイする様に手を動かす。見た目はクルマのワイパーみたいに少しおもろかわいい動作だが、言っている事は可愛くない。
「ミッシェル、私はいいと思うな~人手があった方が、安全だよ?」
オリエラも同行を求めるがどうも駄目な様だ。さっきのバイバイ姿勢のまま――。
「彼は、補助職で戦闘では役にたちませんし、討伐数の証明の為の中級以上の魔物から出る魔石は、僕達で持てる大きさですよ。彼を入れるのは、合格率を下げるだけですので無理です」
仕方ない……この手は使いたくなかったが、使うか。
「ミッシェル、彼はフリーの中級職と考えると、この階級を受けられるだけの実績もある。と言う事は、多くのパーティーと親しい間柄なはず。親しくなると……少なくとも2パーティーと親しくなれるチャンスがあるはずだ。そして彼に投資することによって……未来の上級パーティーとも……」
そう言って僕は、彼の言葉を待つ。
「お近づきになれる可能性を秘めている。わかりました。ハヤトさんがそこまで言うならパーティーを組みましょう!」
しかしすぐ後ろの話題の彼には、丸聞こえだけどな……顔がとても戸惑っているし……。
「なんかすみません、ありがとうございます。 スドウと言います」
やはり聞こえてた様で、僕は少し心が痛かった。
「こちらこそ、よろしくお願いします。ハヤトです」 「オリエラです」 「ミッシェルです。よろしくお願いします」
スタートまでのあき時間、各自、受付時に配られた地図を見る。
確実に数を稼げるならアリ、安全を取るなら魚、基本に戻ってスライムでもいいが、ここのスライムは毒があるらしい。アリは当たりの年は、各パーティー連携を取ってサクサクいけるらしいが……、はずれの年は横でモグモグされているの見ながらだから士気が、おおいに下がるらしい。
昨日に、ルイスから聞いた知識なんだが……。
上級には合格定員数などないから……みんなで連携するよな? よな??
「人数が居るから数の勝負のアリへ行こうか?」
「そうですね、立ち位置とアリの巣を壊さない様にすればいいと聞きますし」
ミッシェルは、さすがこういう時の台詞は安定している。
「楽しみだぁ~合同戦になるかもしれないでしょう? 授業でもやったけど実際はどうな風になるんだろう」
「皆さんなんかういういしくっていいですね」
スドウさんは、そう言って笑顔をみせる。
「あのスドウさん、荷物運びって戦闘中どんな感じの配置なんですか?」
「そうですね……人によりますけど……おいどんはだいたい後衛の位置にいますね。いつでも、荷物を持っているので――戦う事は、出来ませんが――見張りの様な立ち位置で居る事がおおいでござわす」
「わかりました。うちでは、ミッシェルの隣ですねよろしくお願いします」
「スドウさん、お互いがんばりましょうね」
ミッシェル、キャラが、変わっている……。 お金にかかわる時でも、ちょっとなまいきな後輩をつらぬいてくれ!
いや……むしろ、今のままがいいのか?
キ――ィ――ンマイク特有のあの反響音がなった。
「やーみんな初めての人もいるかな? ここホイルトツェリオ城のギルド長を、務めるレン ホルンだ」
キタ――――!! 異世界のブラックギルドの犠牲者レン ホルンさん。上級試験のテストが、ギルドの公での最終テストだから来るのはわかるが……。そうかそうなのか……。
今日の彼女はやはりおかっぱで、切れ目のあるタイトスカートにやっぱり、異世界風ポンチョみたいな服をざっくり着ている。
「と言うわけで、事故やけがなどあればすぐに助けに行く事は出来ない。無理のある行動は避ける様に心がける様に、後、死体を見つけた場合、配った布で覆って欲しい。いろいろな効果があるからね。じゃ――みんな、頑張って!始め!」
上級試験が始まった。この階級になるとみんな歴戦の猛者だろう……。そう思ってた僕の横を、アウトロー風の男達が走って、アァァァァァ――――――!一人、足を滑れせ下に落ちていった……。
辺りが騒がしくなるなか、「行こうか」と僕は、左手で頭を抱えながら歩き出す。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
婚約破棄&濡れ衣で追放された聖女ですが、辺境で育成スキルの真価を発揮!無骨で不器用な最強騎士様からの溺愛が止まりません!
黒崎隼人
ファンタジー
「君は偽りの聖女だ」――。
地味な「育成」の力しか持たない伯爵令嬢エルナは、婚約者である王太子にそう断じられ、すべてを奪われた。聖女の地位、婚約者、そして濡れ衣を着せられ追放された先は、魔物が巣食う極寒の辺境の地。
しかし、絶望の淵で彼女は自身の力の本当の価値を知る。凍てついた大地を緑豊かな楽園へと変える「育成」の力。それは、飢えた人々の心と体を癒す、真の聖女の奇跡だった。
これは、役立たずと蔑まれた少女が、無骨で不器用な「氷壁の騎士」ガイオンの揺るぎない愛に支えられ、辺境の地でかけがえのない居場所と幸せを見つける、心温まる逆転スローライフ・ファンタジー。
王都が彼女の真価に気づいた時、もう遅い。最高のざまぁと、とろけるほど甘い溺愛が、ここにある。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる