魔王がやって来たので

王の命

パーティーの事務組のふたり

　蜂との攻防から幾日か過ぎ。とうとう中級の上級の階級テストが、今日執り行われる。

　中級試験のテスト内容は、今までのギルドクエスト実績と受験者同士の勝ち抜き戦で、審査員の判定のもと必要定員の人数のみ合格される。

　それに対し上級試験は、モンスター決められた数だけ狩る事が出来れば合格となる。上級、中級申し込み者は、上級を基本受ける事になるが、もしここで落第しても、今までのギルドクエストクリアー実績が落第者の中からベスト５内であれば中級試験には合格となる。当然強いパーティに入っていればそれだけ有利であるが、そこに在籍出来るほどの実力とみなされる様だ。

　うちのギルド受付嬢はシルテスさんと言うのだが、今までの上級試験・中級兼任受験者の落第者の復活記録を考慮して、実地テストで大きな波乱が無ければ上級テストを失敗してしまった場合でも、中級の合格はて大丈夫でしょうとはアドバイスは貰っている。この試験前にも、以前の階級テストのデーターちゃん用意してくれたりしていていろいろお世話になっていたし。
　すみれ色の瞳の片目メカクレで、大きくウェーブのかかった黒い髪に、巨乳の女の子にそう言われると……。

「でも、上級テスト合格を目指しているので、試験に合格してシルテスさんに合格の報告をしますね」って言ってしまっても仕方ない。まぁ……知り合いには全員にそう言ったからセーフか……。


　中級試験の概要は、クリアー基準は日が暮れるまでに各自２０匹の指定されているエリアで魔物を倒す事だ。討伐目標が達成されたものから各自、次の面談などの試験に移行していく。
　仲間と協力するもよし、単独でも良しである。テストエリアは、当日発表される。

　ちなみに基本当日までに発覚しなかったずるい行為も明記されていないが階級が剥奪される事はない。階級テストでアウトな事と言ったら他人の魔物、魔石を奪う行為と妨害、死亡とそれに準ずる状態になる事、しかし仲間内で回復すればその限りではない。これはギルド側優良な人材を逃したくない為だけの理由と明記されて、ペナルティもある。

　この試験とは直接関係ないが、パーティー内のおしあげと言う行為。能力に達してない者を意図的にランク合格させ、安い賃金で相手をこき使うと言うのはこの場では罰する事はないが、そういう情報はギルド受付嬢の担当に共有されギルドの方針でパーティ内から離脱の強制が執行されるおそれやいろいろなペナルティある様だ。


　今回、この試験を受けるのは、僕、オリエラ、ミッシェル。

　ミッシェルは最初、「えっ？、僕は上級からは内勤じゃないんですか？　上級パーティからは発注面や税金関係とか管理しないと大変ですよ？」　と、言っていたが――。

「試験の費用はうちもちなので、無料で取れるか資格は取って置かないと……。冒険者と違い内勤の事務仕事は、ギルドの受付嬢が兼ねてしうので残った仕事は想像より少ないと思いますよ。なので1つのパーティーとの専属契約だけでは食べていけませんよ？」

「でも、勇者パーティーだから……」

「勇者パーティーでも、です。なので……、内勤、事務仕事でも、食べていけるだけの顧客の数を実践後にゲットしてください！　カニのクエストの時はちゃんと、逃げてきたパーティーと名刺交換してきましたか？」

「でも……」

「していない様なら、今度から行ってください。顧客を掴んだら今度は、ギルドの受付嬢の方へこちらから推薦状をだしますので、ギルドの事務仕事を兼任する事も夢ではありません。冒険者の栄光はいつまでも続きませんが、事務仕事はやりように様によっては続くのです。頑張ってください」

　って会話を、ギルドのど真ん中でルイスとミッシェルしていていてほんと居たたまれなかったが……。ミッシェルもやる気になった様だ。しかし試合開始前に名詞を配ろうとして……。

「そう言うのは、冒険者が、もうろうとして思わず受け取ってしまってしまう、帰り際に話しかけて受け取らさせないといけません。そして渡すのは３人まで、有能そうな方をに厳選して、勇者パーティーですが、皆さんと仲良くしたいなぁと言う気持ちを込めて渡すのです。繰り返しますが、営業丸出しでなくあくまでも、奢るでもなく、一冒険者として名詞を渡してください。受け取るか受け取らないかは、今日の活躍に掛かっています。頑張ってください！」

　冒険者パーティー組んで数日しかたっていないが、この二人未来に向けて生きてるな……。


　　　　　　　　　　　　　　　つづく