魔王がやって来たので

それでも少しずつ歩む日々

かぼちゃの経済

　かぼちゃ畑は、思った以上に大きかった。　

　土から生えて来た棒の様な人間が、ふゎふぁ～と歩いて来る。その棒人間が、かぼちゃに前屈する様な感じで、その棒の頭をくっつけると、キツツキの様に器用にかぼちゃに穴を空けていく。

　出来上がったパプキンヘッドを棒人間がその両手で頭にかぶると、身長と何故か手の長さまで短くなって、可愛いデフォルメされたかわいさのあるパプキンヘッドになった。

　ミッシェルが、捕まえようとすると、テケテケと言う感じに、逃げてしまう。

「可愛いけど、知ってるパプキンヘッドと違う……」

　よく見るといろいろ顔のパプキンヘッドがあるようで、可愛いのや、怖いの、号泣している顔に対しては、どうした話聞こか？　と思わずなりそうになる。

「これどうやって捕まえるの？」

　馬車では、それらのパプキンヘッドを捕まえて貰います。としか言われてないので、悩むところだ。

「そこは異世界から来た、勇者様の独創性でいっぺんに捕まえる方法を考えてください」

「落とし穴は？」

「そんな土壌を破壊する様な事は、止めてください」

　やはりルイス返答が普通に冷たい。

　フィーナは、きれいに植物の蔓で、パプキンヘッドをからめとっている。

　しかし僕はそこら辺の力の強弱がうまく出来ていないので、切り刻んでしまう可能性もある。と、考えこんでいると虫取り網を、ルイスが手渡すのでみんなと同じ様に、畑から出たところを虫取り網でかぼちゃを追うのである。

　待て、待て――！とばかり追いかける。３匹ほど捕まえたところで、ルイスの所まで駆け寄る。

「ルイス、この魔物の使用方法を教えて！」

「かぼちゃは装飾用ですが、棒人間の方は抹殺対象です」

「ありがとう！」

「いい案思い浮かびましたか？」

「聞いた内容からは思い浮かばなかったけど、まず僕とウンデーネが角を作る。その細い道へ追い立てれば捕まえやすいかもしれない」

　僕は地面に書きながら説明した。　　　｜　　｜
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「わかりました。とりあえずやってみましょう！」

　やってみた結果は、凄くと言うわけではないが、ミッシェルがある程度浮かした水の魔法で追い立ててもいるので、先ほどよりは少し効率が上がっている様だ。

　そしてやっと夕方、大雑把なダンボール何個分かによる、今回の報酬結果報酬も決定し、今回のギルドミッションも終了となる。

　他所の畑で働いていたであろう全の冒険者が、村の広場に集められる。そしてモンスターとは別のかぼちゃで、かぼちゃのシチューを作ってくれていたようで、パンと一緒にみんなに振舞われた。

　そこではお酒も、ビールも売っていて、冒険者はどんどん飲めや歌えの大騒ぎである。

「凄い回収システムですね。これは見らな分ければ」と、ミッシェルがつぶやく。僕はもしかして……。

　狐の里で、経済戦で勝敗決まる事があるのなら、もしかしてその鍵を握るのはミッシェルではないか？と、ふと思う。

　そんな異世界転生の経済的な俺つえええじゃないんだから……僕は、自分の考えを否定する。


　……いや、なんかそんな事を、考えている噛ませ犬のキャラ、結構アニメで見たような？　そんな事を考えながらミッシェルを、見てたら「そんなに欲しいならあげますよ」と言ってかぼちゃのケーキを貰った。

「ありがとう……」

「ハヤトさんは、そんなところが本当に子どもなんですから」

　うん……何年か前までは成人じゃなかった年齢だからね。法改正して成人になったって事になったけど……。その時ふと思った。法改正して、ハーフ成人式はどうなったんだろう……。

　そんな事をのんきに考えながら、今日の日はおわりを迎えようとしている。……かぼちゃ饅頭を、フィーナが買ってる……。僕も行かなきゃ！


　　　　　　　　つづく