魔王がやって来たので

もち雪

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攻略!謎の塔

階層攻略 その7

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 僕にはスフィンクスの気持ちはわからない。

 だから僕は、彼の新しいパパと名のり彼と共に暮らす。

 いつかちびスフに本当の父を殺し、その座に居座った事をなじられたとしても、僕は彼に殺される事は出来ない。

 そしてちびスフが、成長し人間とも生きられるようになるまでは、必要だと思うので、必要なくなるまでは、新しいパパの座からも降りない。
 
 だから彼の両親の死の秘密を出来る限り、秘密として守り抜く。彼に人殺しの業は負わせない。チビスフにとっては実に、勝手と思われる言い分だが、これが僕の思う正義なのだから仕方ない。
 
 それと同時に、僕のこれから成長はとても大切になってくる、ちびスフの為に。

 彼がもし真実を知り怒りを爆発させた時、僕が彼を殺さぬ未来、彼の生存への未来の扉。それを開けてる為の鍵の1つが、僕の強さもなのだから。

 力が足りなければ、野生の敏捷さを持ったあの子を大きなチカラで息の根を止めなければいけない。
 
 勝手な理由だが、それを防ぐために誰よりも強くなりたい。

 その為の第一歩として、12階層にいるオーガを倒す。
 
 オーガ、ただの大男に見える。人間よりのモンスター。

 額ににはつのにも見える、こぶがある。それが3人いや3匹と言った方が精神衛生いいだろう。
 
 「オーガか……」ぬいぬいは、そう言った後、悩んでいる様だ。

 ルイスを見ると代わりに解説をしてくれる。

 オーガは大男な分、パワーがある。なので壁役やタンクと言われるかたい前衛が、彼らの攻撃を一身に受け、その背後から攻撃にたけた仲間が、オーガの体力を削るのがセオリーですが……。

 うちの前衛は、ハヤト、オリエラ、ミッシェル、皆さんみな軽量級でオーガを、支えきれないでしよう。

 しかし魔法で落とすにしても、塔と言うスペースでは……。

「仕方ない……アレやるか? 水責め、ウンディーネがいれば楽勝だろう」
 ぬいぬいが、苦肉の策って感じで案をだす。

 僕の横で、ウンディーネが、目をぱちくりさせて居る。
 
「ウンディーネ出来る?」

「出来ない、アレとこんな狭いところで、一緒に水の中は無理」

「無理か……」

「え?!」ミッシェルが声をあげたが、ウンディーネが少しチンピラみたいな顔をすると、彼は黙ってよそを向いた。

 気まぐれな大精霊の機嫌を、損ねてもいい事はないと、彼も知っているのだ。

 「ハヤトのウンディーネが、そうならうちのウンディーネも使えないか……。地道に戦うか。」

「その前に非暴力か、確かめませんか?」

「そんな幸運は何度も続かん、必然ならない事はないがな」

 その後、だいたいの作戦をつめ、戦いは執り行われる。

「は……なんで、僕がまず、おとりが僕なんですか!? も……。では、行きますよ――!」

 そう愚痴をいいながらも、準備運動をする。ミッシェル。

 彼は、しばらく待ってオーガの一匹が近場に来た時を見計らい、階段を登りきると、円形状になっている右の壁づたいに、その1匹を誘導する。

 その間も彼は、オーガ相手に「こんにちは、お邪魔します」など、言い続けている。効果は無い様だ。

「だめだな、行くぞ」ぬいぬいもこれは無いと判断しいい頃合いなので、攻撃をスタートさせた。

 「「はい!」」

 まず、オリエラが階段から飛び出し、ミッシェルに巨大な棍棒を振りかぶっているオーガもとまで向かうと、そいつの足のケンを切る。それと同時、ミッシェルは、身を床に転がりこみ、オーガの棍棒を避けた。

 そして僕、僕はミッシェルの方へ向かい緩慢かんまんに、歩みを進める。2匹目のオーガの頭部に魔法で強化をした槍をぶち込み。オーガの全身ごとそのまま数メートル引きずり、奥の壁に槍が、刺さり壁を破壊しつ槍の動きは止まった。そいつに動きがない事を確認したのち、見回す……1匹目はオリエラとミッシェルが、3匹目も、他のメンバーが既に仕留めた後だった。

「う……ん、これ引き抜くと、大変な事になりそうなので、微生物くん先に使いますよ!」

「わかった!」「はい」
 
 微生物くん、錬金術師グループアジアフロントのメンバーが、なんかわからないが手にしてしまった。よくわからい生き物。

 魔物の体を土にへと返す微生物くんを、うちでは1匹購入し2匹で、稼働中だ。

 ――でも、ここで土にされたら『マンドラゴラ』の畑になりそうではある。しかし不衛生なままに、しておくわけにもいかなかった。

 僕が槍の確保と微生物くんが下の階へ行かない様に、ぼぉ――っと12階層で待っていると、ウンディーネがやって来た。

「主様、13階層には、魔物が居なかったよ」

「やっぱりか……、もう僕の知っている不吉な数字はもう無いから6階層倒せば、ボスだな」

「う――ん、そうかも?」

 カラァ――ン
 
「はぁ……後は、帰りにやるか。」

 僕は、オーガの頭部からこぼれ落ちた槍と、飴をつかって微生物くんを回収した。

 そして僕とウンディーネへ14階層へ向かうのだった。

          続く
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