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女王のおさめる国にて
勝利とその先
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王位奪還作戦において、僕らの立ち位置は脇役だった。僕らが食堂へ辿り着いた時、女王はすでに息絶えていた。
錆びた鉄の匂いがわずかに流れる部屋へ入ると、豪華に飾られた机は大きく歪み、買えば何万とする椅子幾つも倒れている。
同じく豪華な絨毯のその上で、うつ伏せになり倒れる女王の遺体。
背中に切り傷、そこからとめどなく血が流れていたのだろう。辺りが、真っ赤だ。
傍らに若い男の遺体が、目をカッと開いてた状態で死んでいる。手に剣を持って。
ゾルトが「この男は、女王を守って死んだ。この数に怖気付きもせずに、好きな女を守って死んだ。名誉な事だ」
だが、女王は彼の遺体前に、ゾルトから逃げたのだろう。彼の恋は報われなかったかもしれない。
いや、彼の恋の形は彼にしかわからない、下世話な詮索はするべきではない。
「女王の遺体は、こちらで埋葬する」
そう、知らない騎士は言った。
「首は、飾らないのか?」
「私たちの新たな王に、死者の首は似合わない。だろ?」
「ああ、そうだな」
ゾルト達はそう言うと部屋から出て行った。
僕らも彼に続いて、死者の趣味、生きざま、愛が詰まった部屋から外へ出た。
歩く僕は、人の居なくなった時を見計らい、ルイスに聞く。
「彼女を、生き返らせようとする者はいないの?」
「居ませんね。たぶん……。彼女を今、生きかしても得はありません。もう、時代はもうウイッシュ王子や彼のまわりの人々の時代です」
そこまで言うと、彼は少しためらいながら話しの続きを話す。
「私はハヤト、貴方がもし死んだなら生き返らせますが、それはハヤトが勇者だからです。ですが、死は運命なのです。生に救いはありますが、未来を変えてしまう事でもあります。10人生き返らせて、その結果30人死ぬ時はあるのです。誰かの復活を望む者、行う者はその結果を受け入れねばいけません。そして私が貴方を生き返らせる話に戻りますが、もし、貴方がただのハヤトなら、私は貴方を生き返らせないでしょう。貴方は貴方ですが、勇者と言うこの世の免罪符がなければ、貴方の運命は私の手に余るのです。貴方の助けた王子の血、彼は賢王になるかもしれません。では、50年後は? 100年後は? 1000年後彼の子孫が何をなすか? そこにただの貴方を復活させた私ならば、恐怖感じずにはいられなかったでしょう」
「それなら僕は、勇者で良かった。まぁ、これは僕の強欲や色欲から出る言葉だけれど、それに僕が何をしても世界は大きく変わるなら、今見える、みんなが喜ぶ結果を目指すよ」
「勇者、当事者はそれしか言う事は出来ないかもしれませんね……」そう言ってルイスは僕を見た。また、何か難しい事を考えているのだろう。
僕は彼の背中をバンバンと、軽く叩き。彼に対してニカッっと笑った。感じに見れたらいいな、って思いながら。
城の外へ出ると、皆が新しい王を祝っていた。群衆がウイッシュの帰還を喜び。右手を突き上げ「ウイッシュ王万歳! 新しき時代万歳!」と、口々に言う。
「私は一つ国を救いましたね」ルイスはそう僕に言う。
「……」
「ハヤト?……」
「ルイス、なんだろう。この国を、本当に救いたいなら、オリエラも、ぬいぬいも、そして君にもここに残るべきだと思うよ」
「そうですね。私もずっとそれについて、考えていました。でも、貴方がそう言うのなら……さよならです。私の勇者……」
そして彼は歩き出した。新しい主のもとへ。
――ああぁ……。僕は正しい事をしたんだ。僕の旅は僕の恋を成就させるための旅。国の発展のためとは、大義が違うんだ。
ルイスは、いきなりUターンして帰って来た。
「私に対して言う事は?」彼は真剣だった。
「すみませんでした……」僕は頭をさげる。
「ウイッシュの国の復興を望むなら、まずは貴方、自らこここへ残り働くべきです」
「はい……まったくもってその通りです」
「私は貴方の執事を母国には依頼されましたが、貴方について行くかどうか私の決める事です。ですが、貴方の意見もわかります。だが、なぜ私がこんなに怒っているかわかりますか? 私にはわかりません。だからはらただしいのです」
「ルイスはたぶん、僕の無神経さを怒っていると思うよ」
「そうでしょうか? この私が? う……ん」
そう言って彼は考え込んでしまった。
「ルイス、至らない僕ですが、これからもよろしくお願いします」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
ルイスは、怒りの原因を探ろうとして、結構、上の空で僕の挨拶に返事をした。
「そうですね。ハヤト、貴方の意見もわかります。うん。わかっているんですよ私は。でも、そこに息づく人々の力を信じるべきですと言うと思うのです」
「ルイス、気持ちを掘り起こすと、僕への怒りが出て来ると思う。それは、友情を軽視発言に対しではないかな?」
「友情、友人……」彼の深い森の緑の様な瞳が、透明度をます。そんなに悩む事?
「やはりあの若い王子を1人にする事が心配たった……わかっている。ウッリマリアがいる事。うんうん。だから心配だった。騎士もいる。彼の祖父も、ゾルトもいる。でも彼らには、立場がある。でも、1番彼に寄り添ったのはオリエラであり、君だった。そして彼を支える為には長時間必要だろう。そして僕の旅の目的は恋の成就で、少し遠慮してしまっただけ、旅について軽く考えていただけだから、そんな悩ませるとは思わなかったんだ」
「ハヤト、私が悩んで居るのは、仕事に私情を持ち込んでいないか? って事です。執事の仕事も私のライフワークなので、そこはこだわらせていただきますが、それは休み時間にいたしましょう。失礼しました」
そこで彼は、いつもの様に華やかに笑う。
「ハヤトの言うもわかります。ですが、見てくださいウイッシュには、ウイッシュの民がいます。そして彼は彼らの王になる事を望んでいる。なら、彼の旅路を祝福するのが大人です」
ルイスは、凄い軌道修正能力を見せ、ウイッシュの事について話しだした。まったく。
ウイッシュと、オリエラ、ぬいぬい、ミッシェルとシルエット、そしてマントを被った。僕の彼女が歩いてくる。
「おい!ハヤト、ウンディーネは、どうしたんだ?」
「うん……。隠し通路がいろいろ無理だったみたいで……いま、幌馬車待機組みと一緒に残って貰いましたが….」
早く迎えに行かないとヘソ曲げそうですね。と、ミッシェルが言う。ウンディーネが居ないとミッシェルも言うなぁ。
その後、城へ入るっても僕とルイスはムーンドルイの未来について話していた。やはりある程度軌道に乗るまで出発は出来ないだろうから。
ルイスの話によると、ミィニャの情報から前国王の時代から何人もの政治家が、牢獄に入れられていたらしく、政治はひっちゃかめっちゃらしい。
たぶんルイスは、そちらに自分もでしゃばる事になるだろうと言ってる。しかし所詮よそ者、大鎌はふるえないらしく長時間必要らしい。
そしてこの相続争いがおわったらもう、魔界か……。とか、思っていた僕自身も、ここでもエクストラのギルドクエストを行うべき仕事が残されていると知った。
僕は、頭を抱えた。
しばらくの休みの後、ギルドクエスト山盛りになりそだ。
こんな事なら、チーム黄昏がやって来て、ギルドクエストを手伝って欲しい。以前の街には、もうクエストないはず? だから来る事を願ってやまない。
続く
錆びた鉄の匂いがわずかに流れる部屋へ入ると、豪華に飾られた机は大きく歪み、買えば何万とする椅子幾つも倒れている。
同じく豪華な絨毯のその上で、うつ伏せになり倒れる女王の遺体。
背中に切り傷、そこからとめどなく血が流れていたのだろう。辺りが、真っ赤だ。
傍らに若い男の遺体が、目をカッと開いてた状態で死んでいる。手に剣を持って。
ゾルトが「この男は、女王を守って死んだ。この数に怖気付きもせずに、好きな女を守って死んだ。名誉な事だ」
だが、女王は彼の遺体前に、ゾルトから逃げたのだろう。彼の恋は報われなかったかもしれない。
いや、彼の恋の形は彼にしかわからない、下世話な詮索はするべきではない。
「女王の遺体は、こちらで埋葬する」
そう、知らない騎士は言った。
「首は、飾らないのか?」
「私たちの新たな王に、死者の首は似合わない。だろ?」
「ああ、そうだな」
ゾルト達はそう言うと部屋から出て行った。
僕らも彼に続いて、死者の趣味、生きざま、愛が詰まった部屋から外へ出た。
歩く僕は、人の居なくなった時を見計らい、ルイスに聞く。
「彼女を、生き返らせようとする者はいないの?」
「居ませんね。たぶん……。彼女を今、生きかしても得はありません。もう、時代はもうウイッシュ王子や彼のまわりの人々の時代です」
そこまで言うと、彼は少しためらいながら話しの続きを話す。
「私はハヤト、貴方がもし死んだなら生き返らせますが、それはハヤトが勇者だからです。ですが、死は運命なのです。生に救いはありますが、未来を変えてしまう事でもあります。10人生き返らせて、その結果30人死ぬ時はあるのです。誰かの復活を望む者、行う者はその結果を受け入れねばいけません。そして私が貴方を生き返らせる話に戻りますが、もし、貴方がただのハヤトなら、私は貴方を生き返らせないでしょう。貴方は貴方ですが、勇者と言うこの世の免罪符がなければ、貴方の運命は私の手に余るのです。貴方の助けた王子の血、彼は賢王になるかもしれません。では、50年後は? 100年後は? 1000年後彼の子孫が何をなすか? そこにただの貴方を復活させた私ならば、恐怖感じずにはいられなかったでしょう」
「それなら僕は、勇者で良かった。まぁ、これは僕の強欲や色欲から出る言葉だけれど、それに僕が何をしても世界は大きく変わるなら、今見える、みんなが喜ぶ結果を目指すよ」
「勇者、当事者はそれしか言う事は出来ないかもしれませんね……」そう言ってルイスは僕を見た。また、何か難しい事を考えているのだろう。
僕は彼の背中をバンバンと、軽く叩き。彼に対してニカッっと笑った。感じに見れたらいいな、って思いながら。
城の外へ出ると、皆が新しい王を祝っていた。群衆がウイッシュの帰還を喜び。右手を突き上げ「ウイッシュ王万歳! 新しき時代万歳!」と、口々に言う。
「私は一つ国を救いましたね」ルイスはそう僕に言う。
「……」
「ハヤト?……」
「ルイス、なんだろう。この国を、本当に救いたいなら、オリエラも、ぬいぬいも、そして君にもここに残るべきだと思うよ」
「そうですね。私もずっとそれについて、考えていました。でも、貴方がそう言うのなら……さよならです。私の勇者……」
そして彼は歩き出した。新しい主のもとへ。
――ああぁ……。僕は正しい事をしたんだ。僕の旅は僕の恋を成就させるための旅。国の発展のためとは、大義が違うんだ。
ルイスは、いきなりUターンして帰って来た。
「私に対して言う事は?」彼は真剣だった。
「すみませんでした……」僕は頭をさげる。
「ウイッシュの国の復興を望むなら、まずは貴方、自らこここへ残り働くべきです」
「はい……まったくもってその通りです」
「私は貴方の執事を母国には依頼されましたが、貴方について行くかどうか私の決める事です。ですが、貴方の意見もわかります。だが、なぜ私がこんなに怒っているかわかりますか? 私にはわかりません。だからはらただしいのです」
「ルイスはたぶん、僕の無神経さを怒っていると思うよ」
「そうでしょうか? この私が? う……ん」
そう言って彼は考え込んでしまった。
「ルイス、至らない僕ですが、これからもよろしくお願いします」
「はい、こちらこそ宜しくお願いします」
ルイスは、怒りの原因を探ろうとして、結構、上の空で僕の挨拶に返事をした。
「そうですね。ハヤト、貴方の意見もわかります。うん。わかっているんですよ私は。でも、そこに息づく人々の力を信じるべきですと言うと思うのです」
「ルイス、気持ちを掘り起こすと、僕への怒りが出て来ると思う。それは、友情を軽視発言に対しではないかな?」
「友情、友人……」彼の深い森の緑の様な瞳が、透明度をます。そんなに悩む事?
「やはりあの若い王子を1人にする事が心配たった……わかっている。ウッリマリアがいる事。うんうん。だから心配だった。騎士もいる。彼の祖父も、ゾルトもいる。でも彼らには、立場がある。でも、1番彼に寄り添ったのはオリエラであり、君だった。そして彼を支える為には長時間必要だろう。そして僕の旅の目的は恋の成就で、少し遠慮してしまっただけ、旅について軽く考えていただけだから、そんな悩ませるとは思わなかったんだ」
「ハヤト、私が悩んで居るのは、仕事に私情を持ち込んでいないか? って事です。執事の仕事も私のライフワークなので、そこはこだわらせていただきますが、それは休み時間にいたしましょう。失礼しました」
そこで彼は、いつもの様に華やかに笑う。
「ハヤトの言うもわかります。ですが、見てくださいウイッシュには、ウイッシュの民がいます。そして彼は彼らの王になる事を望んでいる。なら、彼の旅路を祝福するのが大人です」
ルイスは、凄い軌道修正能力を見せ、ウイッシュの事について話しだした。まったく。
ウイッシュと、オリエラ、ぬいぬい、ミッシェルとシルエット、そしてマントを被った。僕の彼女が歩いてくる。
「おい!ハヤト、ウンディーネは、どうしたんだ?」
「うん……。隠し通路がいろいろ無理だったみたいで……いま、幌馬車待機組みと一緒に残って貰いましたが….」
早く迎えに行かないとヘソ曲げそうですね。と、ミッシェルが言う。ウンディーネが居ないとミッシェルも言うなぁ。
その後、城へ入るっても僕とルイスはムーンドルイの未来について話していた。やはりある程度軌道に乗るまで出発は出来ないだろうから。
ルイスの話によると、ミィニャの情報から前国王の時代から何人もの政治家が、牢獄に入れられていたらしく、政治はひっちゃかめっちゃらしい。
たぶんルイスは、そちらに自分もでしゃばる事になるだろうと言ってる。しかし所詮よそ者、大鎌はふるえないらしく長時間必要らしい。
そしてこの相続争いがおわったらもう、魔界か……。とか、思っていた僕自身も、ここでもエクストラのギルドクエストを行うべき仕事が残されていると知った。
僕は、頭を抱えた。
しばらくの休みの後、ギルドクエスト山盛りになりそだ。
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