231 / 292
新しい若き王とともに
荷物の動きから導き出される
しおりを挟む
ギルドを出て、町から戻り城の仮住まいに戻ると、ウッリマリアが待っていた。
もしかしたらウッリマリアは僕の出入りを待っている、ただの出待ちのファンかボディーガードかもしれない。
彼女は僕の顔を見るまでは、厳しい顔をしていたが、僕の顔を見てその顔を緩めた。
彼女は僕らがクエストで部屋を開けた昨日の外泊中もここに居て、今日もその苦労が報われない覚悟していたのだろうか?
だから僕らと接する機会のあるメイドさんなりを通して、連絡してから来てって言ってる!
そして彼女はいきなり、今回事件の核心を話しだす。
「今回の一連事件には、魔界が深く関係しているかもしれない」
……僕は昨日は、夜中駆け回り、遠くから馬車に乗って帰って来た。その事について考慮されずにウッリマリアの話しが始まった……。いつもの事だしなれましたよ。
「ウッリマリアは僕は疲れているんだ。だからせめて、座れる場所へ行こう」
「わかった、では失礼する」
彼女はそう言って、僕の部屋に招待される気でいる。
「わかってない! 兵士も使っている食堂いくよ!」
「そんな事してみろ、内容が内容だけにパニックになる」
「だけど、こちらとしても、この部屋はみんなで使っている部屋なので、君を勝手に招待出来ない。そして魔界に関するレベルの話しになると、僕一人で聞くべきことでないと思うよ」
「わかった、部屋は、私の方で用意しよう。そこでの夕食も私に任せろ」
ウッリマリアは腰に手をおき、うなだれながら考え、言った。うんうん、と思うがそれが正解なのかもわからない。僕は確か疲れているって言ってたはず。
「待って、会食のドレスコードはどうなるの?!」
「兵士の会議みたいなものだ、その格好で構わん。一応、女性陣にも別に連絡を入れよう」
「一応、こっちの男性陣にも連絡入れて、うちは結構自由に歩き回るから連絡取りずらいんだよ」
「わかった、わかった」そういって手をひらひらしていってしまう。
☆
そして始まった会議は、夕食より先だった。
「うーん勇者も交えての会議なら、口を出さないから参加させろとまず、副騎士団長が言い、王子と王子祖父のユメラ殿がいい。ゾルト殿は夕食も食べて帰るそうだ」
結構な大事になっていた。そして時間の関係から夕食の時間は後になり、僕はお腹が減った。そしてやはり僕は疲れてるって言ってなかったのかな? と思いだした。
「まず行った事だが、フィーナ殿の言う通り屋敷の者に話しを聞くところから始めた。全てでは途方もない量になってしまうので、最近始めた取引で、梱包された不審な物や当主独自で行っていた荷物の梱包に関し、調べその頻度の高いものから調べてみた」
「それで何か出たわけだな?」
「出たと言うか、当主がなくなった夜から、先程上げた品物の出荷先について調べて行くと多くが不審死や失踪事件に行き当たってしまった。しかも行動が早いどんな伝書鳩を使ったとしても早すぎるのだ」
「勇者の召喚を知らせる時の様に、祝砲をの様なものを上げているのでは? 例えば狼煙とか?」
「ここら辺ならいざ知らず、ホイルトツェリオ城でもおこっているのだ、あそこら辺りなら誰かは気付くだろうが誰も見ていない、知らないと言う事だった」
ウッリマリア以外、押し黙ってしまっている。
「それでは搬入先について調べてみた、他国に問い合わせ先程の死亡者から我が国への輸出品について調べてみたが、他国から来た品物に関しては今はまだ不審な点は見つかって居ない」
「なら近隣の村ですね。少なくとも検問を通らない近隣の」
「もちろんそうかもしれない。しかし防衛を司る兵士長が魔界との国境で不審な足跡を見かけたり、何かの痕跡を見つけたりする事件が多発しているようで、その日付と館に不審な荷物が届けられた日と関連性が有りそうなのでは? といいだしたのだ」
会議では一時騒然となった。何せ僕たちの存在は魔界の活性化と切り離せない。
「なぜそれを私たちに、知らせないのですか?」
ウィッシュ王子が、ウッリマリアに声をかけた。
「国を揺るがす一大事だからです。それを今の様に大勢の集まる会議で容易に発言する事は難しいと考え私が止めました」
そうサイル騎士団副長が、ウッリマリアの代わりに答えた。
「では、ハヤトとルイスはどう思うのですか?」
僕がそこで立ちあがろうとした時、隣のルイスがガバッと立ち上がった!
「時は、来た……。それだけです」
信頼の厚いルイス卿がそう言ったのだから、辺りは騒然とする様子に拍車がかかる。
しかし彼の近場に座る僕らだからわかる。
ルイスはその後、優雅に座り、テーブルに肘をつき、手を組み口元を隠して前を見つめいるが、あの手の下はめっちゃ笑顔なはず……。
そしてミッシェルも引いている。僕らは見つめ合いどうすればいいの? この勇者オタク……。と、視線を交わした困惑していた。
そう……思っていたが、まわりには僕らは言葉も無く、唖然としているように見えた様で、会議は一度お開きとなった。
ちなみにうちの彼女は彼女で、今の自体を魔王に伝える義務があり少し慌てていたようだ。
つ続く
もしかしたらウッリマリアは僕の出入りを待っている、ただの出待ちのファンかボディーガードかもしれない。
彼女は僕の顔を見るまでは、厳しい顔をしていたが、僕の顔を見てその顔を緩めた。
彼女は僕らがクエストで部屋を開けた昨日の外泊中もここに居て、今日もその苦労が報われない覚悟していたのだろうか?
だから僕らと接する機会のあるメイドさんなりを通して、連絡してから来てって言ってる!
そして彼女はいきなり、今回事件の核心を話しだす。
「今回の一連事件には、魔界が深く関係しているかもしれない」
……僕は昨日は、夜中駆け回り、遠くから馬車に乗って帰って来た。その事について考慮されずにウッリマリアの話しが始まった……。いつもの事だしなれましたよ。
「ウッリマリアは僕は疲れているんだ。だからせめて、座れる場所へ行こう」
「わかった、では失礼する」
彼女はそう言って、僕の部屋に招待される気でいる。
「わかってない! 兵士も使っている食堂いくよ!」
「そんな事してみろ、内容が内容だけにパニックになる」
「だけど、こちらとしても、この部屋はみんなで使っている部屋なので、君を勝手に招待出来ない。そして魔界に関するレベルの話しになると、僕一人で聞くべきことでないと思うよ」
「わかった、部屋は、私の方で用意しよう。そこでの夕食も私に任せろ」
ウッリマリアは腰に手をおき、うなだれながら考え、言った。うんうん、と思うがそれが正解なのかもわからない。僕は確か疲れているって言ってたはず。
「待って、会食のドレスコードはどうなるの?!」
「兵士の会議みたいなものだ、その格好で構わん。一応、女性陣にも別に連絡を入れよう」
「一応、こっちの男性陣にも連絡入れて、うちは結構自由に歩き回るから連絡取りずらいんだよ」
「わかった、わかった」そういって手をひらひらしていってしまう。
☆
そして始まった会議は、夕食より先だった。
「うーん勇者も交えての会議なら、口を出さないから参加させろとまず、副騎士団長が言い、王子と王子祖父のユメラ殿がいい。ゾルト殿は夕食も食べて帰るそうだ」
結構な大事になっていた。そして時間の関係から夕食の時間は後になり、僕はお腹が減った。そしてやはり僕は疲れてるって言ってなかったのかな? と思いだした。
「まず行った事だが、フィーナ殿の言う通り屋敷の者に話しを聞くところから始めた。全てでは途方もない量になってしまうので、最近始めた取引で、梱包された不審な物や当主独自で行っていた荷物の梱包に関し、調べその頻度の高いものから調べてみた」
「それで何か出たわけだな?」
「出たと言うか、当主がなくなった夜から、先程上げた品物の出荷先について調べて行くと多くが不審死や失踪事件に行き当たってしまった。しかも行動が早いどんな伝書鳩を使ったとしても早すぎるのだ」
「勇者の召喚を知らせる時の様に、祝砲をの様なものを上げているのでは? 例えば狼煙とか?」
「ここら辺ならいざ知らず、ホイルトツェリオ城でもおこっているのだ、あそこら辺りなら誰かは気付くだろうが誰も見ていない、知らないと言う事だった」
ウッリマリア以外、押し黙ってしまっている。
「それでは搬入先について調べてみた、他国に問い合わせ先程の死亡者から我が国への輸出品について調べてみたが、他国から来た品物に関しては今はまだ不審な点は見つかって居ない」
「なら近隣の村ですね。少なくとも検問を通らない近隣の」
「もちろんそうかもしれない。しかし防衛を司る兵士長が魔界との国境で不審な足跡を見かけたり、何かの痕跡を見つけたりする事件が多発しているようで、その日付と館に不審な荷物が届けられた日と関連性が有りそうなのでは? といいだしたのだ」
会議では一時騒然となった。何せ僕たちの存在は魔界の活性化と切り離せない。
「なぜそれを私たちに、知らせないのですか?」
ウィッシュ王子が、ウッリマリアに声をかけた。
「国を揺るがす一大事だからです。それを今の様に大勢の集まる会議で容易に発言する事は難しいと考え私が止めました」
そうサイル騎士団副長が、ウッリマリアの代わりに答えた。
「では、ハヤトとルイスはどう思うのですか?」
僕がそこで立ちあがろうとした時、隣のルイスがガバッと立ち上がった!
「時は、来た……。それだけです」
信頼の厚いルイス卿がそう言ったのだから、辺りは騒然とする様子に拍車がかかる。
しかし彼の近場に座る僕らだからわかる。
ルイスはその後、優雅に座り、テーブルに肘をつき、手を組み口元を隠して前を見つめいるが、あの手の下はめっちゃ笑顔なはず……。
そしてミッシェルも引いている。僕らは見つめ合いどうすればいいの? この勇者オタク……。と、視線を交わした困惑していた。
そう……思っていたが、まわりには僕らは言葉も無く、唖然としているように見えた様で、会議は一度お開きとなった。
ちなみにうちの彼女は彼女で、今の自体を魔王に伝える義務があり少し慌てていたようだ。
つ続く
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
婚約破棄&濡れ衣で追放された聖女ですが、辺境で育成スキルの真価を発揮!無骨で不器用な最強騎士様からの溺愛が止まりません!
黒崎隼人
ファンタジー
「君は偽りの聖女だ」――。
地味な「育成」の力しか持たない伯爵令嬢エルナは、婚約者である王太子にそう断じられ、すべてを奪われた。聖女の地位、婚約者、そして濡れ衣を着せられ追放された先は、魔物が巣食う極寒の辺境の地。
しかし、絶望の淵で彼女は自身の力の本当の価値を知る。凍てついた大地を緑豊かな楽園へと変える「育成」の力。それは、飢えた人々の心と体を癒す、真の聖女の奇跡だった。
これは、役立たずと蔑まれた少女が、無骨で不器用な「氷壁の騎士」ガイオンの揺るぎない愛に支えられ、辺境の地でかけがえのない居場所と幸せを見つける、心温まる逆転スローライフ・ファンタジー。
王都が彼女の真価に気づいた時、もう遅い。最高のざまぁと、とろけるほど甘い溺愛が、ここにある。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる