魔王がやって来たので

もち雪

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新しい若き王とともに

お土産を買いに行っちゃおう

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 ムーンドイルの街並みは、城から街へ降り立つと大通りがありその両側には、ギルドや街役場、他国の領事館が並ぶ。

 高級店などは、それらの施設の横を通る道に並び建つている。

 ギルドの前の大通りを通ると、城下町の中心であり、この国の特色である市場へ出る。

 そこを円の中心が広場になり、大道芸人や小さな舞台も置かれている。ちなみにウィッシュ王子とオリエラが演説したのもここだ。

 そこを円で囲うように様々な出店が出ている。

 羊などの動物も売り買いされてたり、さまざまなものが買えるのだ。

 それを踏まえてのここで問題になる。

 魔王へのお土産は何がいいか? そう街へは出たのだがこの街のお店はいろいろカオス過ぎてただ街を散策するのみになっていた。

「よしのは小型ナイフでいいんじゃない?」
 そうシルエットが言った。

「そう、それだ! それにしよう!」
 迷い過ぎてついつい、人の案に乗ってしまった。

「ハヤトも初めて会うのですよね?」
 しかししっかり者の僕の彼女は、ちゃんとつっこみが入る。

「はい、そうです……」

「一応、私たちと魔王とは微妙な立ち位置ですし、そんな方々に刃物を送るのはどうかと……」

「大丈夫です。よしのさんはたぶん自分が欲しいか、欲しくないかなので。でも、そうですねぇ……鳥用のブランコや、鏡もいいと思います」フィーナがそう、力強く言う。

 「魔王には絨毯がいい気がするけど、持って行けないけないだろうな……」

時治ときじのお土産は、どうしましよう……」フィーナはれくちもとに人差し指を当てて考えこんでいる。ついつい見入ってしまう可愛さだ。

「ちょっと大きめ洋服でいいんじゃない? 動き易くて丈夫なやつ、後、靴下とか、魔王には靴下の概念が無さそうだし……」

「あっそうですね。靴下か……」

 ーー僕の彼女はちょっと慌てていた。狐の里では当主の一人娘、そして魔王のもとで暮らしていた彼女はコーディネートされた服を、そのまま買っていたような感じが少しする。

 そしてここへ来てからは、庶民の暮しを持ち前の勉強熱心さでこなしている。そんな気がするけれど気のせいだろうか?

「では、魔王様もお揃いにしますか! 」 

 そう言って彼女の見ているのは、遊牧民の衣装だった。とっても格好いいデザインだが、全体的に色合いが明るい。

「魔王はどれを着ても似合うけど、ずいぶん明るいイメージだけど大丈夫? お客さんが来て気まずくならない?」 

「そうですね。では、よしのさん用にします?」

「そういうのはだめよ。魔王様は結構繊細だから」

「そう言われるとそうですね。魔王様は毎回おみあげを買ってくださるのに、いざ買ってみると難しいですね。」

「僕の世界は、お土産用の商品が売っているしね。この世界より購入は楽かもしれない」
 
 しかし一般的に美味しいものは、魔王は食べつくしいるはず、やはり背負っていくか。絨毯!

「ハヤト、砂糖を買いましょうか。砂糖は砂糖でありますがコーヒーに適した砂糖や、紅茶にあう砂糖もあります。それを少しずつ何種類か買っていきましょうか」

「それにしますか。この世界でのお土産購入は、僕にはちょっと難し過ぎるので」

 こうして、購入する品物の銘柄などはルイスとフィーナが選んだ。この2人さすがダブル補佐官で、これと決まったらスイスイ決まる。

 こうして僕らはお土産を購入のミッションは終わった。
 しかし出発前には、他にやるべき事あるような気がしてくる。 インターネットと魔界の歩き方ってサイトがあれば楽なのに……。

    つづく

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