魔王がやって来たので

新しい若き王とともに

僕らと納得出来ない者たち

　後、いくつもの夜を越えない内に、僕たちは魔界へ行く事になる。

　魔界で育ったフィーナは厳しいその暮しをしてきたのだろうが、懐かし世界へ帰れる事で、笑顔の量が増えたように思う。

　旅慣れたぬいぬいは、自分の準備は終わったようだが、最近オリエラを見つめて悩む日々だ。

「ぬいぬいフィーナたちに聞くと、彼女はここへは残らず、僕らとともに行くようですよ」

「わかっている」と、彼は答える。どうやらウィッシュがオリエラが魔界に行くことで、どうでるか心配のようだ。
　
　しかしそれに関してを彼らを見てやきもきしてしまのは、ウィッシュを取り巻く側の人々も同じようで、ウッリマリアなんか露骨に「オリエラ姫はやはり魔界へいくのか？」と、僕に聞いて来た。

「そこら辺はオリエラか、ウィッシュに聞きなよ」

「しかし私は魔界は、危険だと思うのだ。う……ん」

「ウッリマリアはオリエラの年齢で、ウィッシュが魔界に行くことにしたらどうする？」

「行くに決まっている。しかし私は騎士だ！　王の剣であり、盾だ。彼女とは立場が違う」

「彼女は王族で、成り行きとはいえ王に選らばれた、勇者とともに歩むものだよ」

「お前の言う事は正しくはあるが、もう少し歩み寄りをもたないか？　ウィッシュ王の血族は、今や祖父のユメラ殿だけだ、王には誰か寄りそう者が必要なのだ」

「ウィッシュには君を置いて行くよ、ルイスはセリフを置いて行く。……ウッリマリア！！　ウィッシュを頼んだ」
　彼女は自分の名前を呼ばれると、気をつけをし、僕が最後に彼女の腕をひじを当てると、彼女は泣く。

「ハヤト、お前はずるい奴だ。そんな事言われたら私は頑張るしかなくなるじゃないか！　おまえは帰ったら覚えておけよ！」と、言って僕とは逆方向へ歩いて行った。
　――う……ん、忘れてたくれると、いいんだけど。と、まぁ、こんな事もあった。

　だからもちろんムーンドイルの人々の願いは、ぬいぬいにも届くようで、ここへ下手にオリエラを置いておけない。

　俺たちが居ない内に、周りから固められウィッシュと結婚させられてしまう。そう強く感じ、どうせなら自分のそばに置く事にした雰囲気はあった。

　ムーンドイルで目に見えて残る事を懇願されたのはオリエラだけではない。ルナもそんな感じではあった。

　最近は教会に立ち寄った時は、手作り感溢れる贈りものを抱えられないほど貰っていた。

　ふと見た少女の絵には『ルナ様、魔界など行かず我々を助けてください』って幼い字で書いてあって自分たちの事を我々て、書く少女か……とはなった。

「きれいに出来ていますね。私たちの旅が見えない救いであるよう頑張りますわ」と、少女に穏やかに伝えた。ルナの心は鋼で出来ているかの様で、そっちにもびっくりした。

　そして昨日、オリエラが言った。
「明日ウィッシュの温室に招待されたから行って来るね」

　――来た！？　と、僕は心の椅子から降りて立ち上がる。そして実際にぬいぬいは立ち上がっていた。

「俺も行ってやろう」

「師匠は招待されてないでしょう」

　そう言って次の日、彼女は温室に行き。夕方、彼女の部屋の前で待つぬいぬいと、「お前も来い」と、彼に言われた僕の前に彼女は現れた。きれいな花束を持って。

「王子に何か言われたか？」

「う……ん…………」

「帰りが遅い様なら迎えに行く。だって」

「それは無理だろう。それにこいつはきっと、現地でいらん事引き受けるぞ」

　――ぬいぬい？！

「それは言ったんだけどね」

　――オリエラ！？

「できるだけ早く帰って欲しいって、友達の頼みは断れないよね。　出来るだけ頑張ろうよ！」

「ああ、そうだな」ぬいぬいは、いい笑顔でそう言った。ウィッシュはどうかはわからないが、オリエラにとってはまだ彼は恋人未満らしい。

　ナリミアス王子に引き続き、ウィッシュまでやって来る可能性があるとは……異世界の王家の男性はフットワーク軽過ぎである。

　　　つづく