283 / 292
魔界の新たな闇
決め時
しおりを挟む
竹林の笹が、サワサワと音をたてて揺れている。しっかりとした小屋は今や、修羅場と化している。
それならその打開策を打つをべく行動を開始する。
スタートはルイスによる隠密魔法の解除をきっかけに、盛大に風の魔法を壁の魔法をぶっぱなす。
注目を浴びるように派手に!、しかし魔法の目標箇所身近に定め、撃ち込んだ魔法はクラッカーの様に「バシュツッ!!」と音をたてて壁の資材は弾けて飛び散った。
飛散した壁に白煙の視線が行っている間、「フィーナ、湊、こちらへ」玄関へ素早く回ったルイスが、二人に声をかけ誘導する。
同時進行で、僕は槍を発現化させ、フィーナの前へ出るべく壁をバリバリとこじ開けていた。
「いいえ、退きません!」
フィーナの返事に耳を疑ったが、里の命運を背負ったフィーナと湊は手を固く繋ぎ、老人を見据えている。
彼女はまだまだ狐の里の未来を諦めないらしい。そういう姿勢は大好きだが、握っている手が僕ではないのは大変良くない。良くないよー!
そんなフィーナの横へ僕が、ルイスはそんな僕の横へと立った。
明らかにこのメンバーの中で、白煙の中で一番敵対心の高い位置にいるのは僕だろう。
「お祖父様、どうしたらフィーナ達に向ける刃を、納めてくれますか? 私がお祖父様を殺し、私の汚名を晴らすまでですか?」
湊が前へ歩み出る。一歩一歩、彼の祖父を興奮させないように。
「湊さん、貴方は大手馬鹿ですよ。何故、わかっていながらそうしないのです。貴方の父、玄夜君に貴方はよく似ている。優しくて、そんな貴方たちは癒される存在ですが……、里の長として、それだけでは駄目なのです。だから、私はフィーナ様を殺そうと思っています。そうすれば、里の者も貴方に縋るしか道はなくなります。貴方は運命とともに歩みさえすれば道が開かれるはずです」
「おじちゃん、それはないんじゃない? 家族が大切なのはおじいちゃんだけじゃないんだよ」
いきなり飛び込んで来た声に慌てて、僕はフィーナと湊の二人を避難させようとすると「うぅっ」と言う声と共に白煙が腰を落とす。彼の胸の上に苦無が深く刺さっている。
辺りに漂う血の香り、そして矢の様に男の前に飛んで出たルイス。
彼が謎の男へと壁ごと、魔法を重ねた刀を打ち付ける。またもやバシャバシバギッと弾け飛ぶ壁。
しかし! そのルイスの刃を男は自ら腕を出し受け止める。腕に何かが入っているようで、折れも切れもしていないが、やはり無傷ではいかなかったようで、血は腕の服の継ぎ目から滴り落ち地面に赤い花を咲かせる。
「あれ!? なんで俺が、攻撃されてるの? やっかいなおじいちゃんを一時的に無力化してあげたのに!?」
「それは貴方に頼んでいないからですよ! 押し売りは執事として許せませんからね」
隙をみたのか、男が蹴りあげようとする足の動きを紙一重に避けるという、相手に最高にイラつかれる避けかたをしたルイスはすぐさま斜めに切りつけた。
ふたたび刀と今度は男の出した小刀が合わさる。二人の腕は微かに震える様に動き。刃を重ねた2つの刀が、ギギィィ――ィと、耳障りの悪い音を立てたと思うと、男は体を捻るようにしてルイスの刀をかわす。
「「ハヤト、危ない!」」
フィーナ達の声に後ろを向くと、白煙は狐に変わり図体はどんどん大きなる。尾は4つ、まだまだだな! って言っている間はもうない。
「ルイス、家から離れて、たぶんこの家崩壊する!!」
そう言うとルイス達、二人は飛びのくのが早い! 早い! 僕の方は世話の関わるじっ様が大きくなって、崩れた家の重さでおっちんじゃわないように、首根っこ捕まえて僕が壊した壁から放り投げた。
そして自分も急ぎ、壁の破壊し過ぎで、埃のまっている家から飛び出る。
「お祖父様!?」湊の声、「マジか、おじいちゃん!?」もー大きくなるおじいちゃんに、それしか言えない!
竹を押し倒しバキバキ! と折れた竹が体に刺さり、毛皮が赤く染まる。それでも狐がどんどん大きくなりながら、ブルブルしている。
狐を不安そうに見守る白銀の毛皮を身につけた二人、その二人の前に僕は躍りて彼女らに問う。
「フィーナ、湊の狐の里の当主候補の二人、この先どうする!? 早く決めて! 僕はフィーナの結婚相手ではあるけれど、今は、まだ狐の里については関わり知らぬ事ではある! 君たちだけが正解を出せる。たぶん! 正解は何て知らない!でも、決めて早く!!」
この際なので、僕の身分は結婚相手に昇格はした。
「私は貴方と共に生きます。だから一緒に連れて行ってどこにでも。だから、ごめんなさい湊、友として貴方がここに居るべき、貴方ならこの里を変えられると思い、貴方にこの里の未来を押し付けます! でも、嫌ならいつでも言ってくださいね」
うちの結婚相手は根はやさしいから、こんな時には押しが弱いな。少し、口元が緩む。
湊は下を向いている。こんな時は、謎の男は湊を見守る様だ。彼は刀を持ちながら、里の生末を彼なりに案じてはいるようだ。
ルイスは、殺気を漂わせて刀を握ったまま、男の後ろかから微動だにしない。
「僕は……、いえ、私は新しい当主として白煙、貴方に投降を命じます! そこの貴方にもです!」
湊は、そう言う甘いちゃあ、甘いけれど、それを望むなら付き合ってもいい。誰でも最初はそんなものだ。そして僕は今も甘い。
「湊様、当主ご就任おめでとうございます。しかしそれでは里の者が納得しないでしょう……。貴方は私を討ち取るべきなのです。そうでなければフィーナ様と忌々しい馬の骨は死ぬ事になります」
そう、狐が行った時にまわりの竹の多くは倒れてしまい、最悪の状況の前触れのようだった。
でも、どんな時でも光明はあり、僕の場合おもしろい事に、それは魔王らしい。
彼が姿を現すと、共に向日葵ちゃんや、僕のパーティーのみんな、そしてよしのさんが現れた。
しかし謎の男はそれを見るや否や、地面を深く蹴り上げ、ルイスに砂を浴びせると「ハハハハ、いい恰好だな色男」と言って逃げて言った。
ルイスは、「ハハハ、これはお恥ずかしい」と言って素敵な笑顔で笑っていたが、めちゃめちゃぶちぎれている様で、一瞬で空気が死んだ。
つづく
それならその打開策を打つをべく行動を開始する。
スタートはルイスによる隠密魔法の解除をきっかけに、盛大に風の魔法を壁の魔法をぶっぱなす。
注目を浴びるように派手に!、しかし魔法の目標箇所身近に定め、撃ち込んだ魔法はクラッカーの様に「バシュツッ!!」と音をたてて壁の資材は弾けて飛び散った。
飛散した壁に白煙の視線が行っている間、「フィーナ、湊、こちらへ」玄関へ素早く回ったルイスが、二人に声をかけ誘導する。
同時進行で、僕は槍を発現化させ、フィーナの前へ出るべく壁をバリバリとこじ開けていた。
「いいえ、退きません!」
フィーナの返事に耳を疑ったが、里の命運を背負ったフィーナと湊は手を固く繋ぎ、老人を見据えている。
彼女はまだまだ狐の里の未来を諦めないらしい。そういう姿勢は大好きだが、握っている手が僕ではないのは大変良くない。良くないよー!
そんなフィーナの横へ僕が、ルイスはそんな僕の横へと立った。
明らかにこのメンバーの中で、白煙の中で一番敵対心の高い位置にいるのは僕だろう。
「お祖父様、どうしたらフィーナ達に向ける刃を、納めてくれますか? 私がお祖父様を殺し、私の汚名を晴らすまでですか?」
湊が前へ歩み出る。一歩一歩、彼の祖父を興奮させないように。
「湊さん、貴方は大手馬鹿ですよ。何故、わかっていながらそうしないのです。貴方の父、玄夜君に貴方はよく似ている。優しくて、そんな貴方たちは癒される存在ですが……、里の長として、それだけでは駄目なのです。だから、私はフィーナ様を殺そうと思っています。そうすれば、里の者も貴方に縋るしか道はなくなります。貴方は運命とともに歩みさえすれば道が開かれるはずです」
「おじちゃん、それはないんじゃない? 家族が大切なのはおじいちゃんだけじゃないんだよ」
いきなり飛び込んで来た声に慌てて、僕はフィーナと湊の二人を避難させようとすると「うぅっ」と言う声と共に白煙が腰を落とす。彼の胸の上に苦無が深く刺さっている。
辺りに漂う血の香り、そして矢の様に男の前に飛んで出たルイス。
彼が謎の男へと壁ごと、魔法を重ねた刀を打ち付ける。またもやバシャバシバギッと弾け飛ぶ壁。
しかし! そのルイスの刃を男は自ら腕を出し受け止める。腕に何かが入っているようで、折れも切れもしていないが、やはり無傷ではいかなかったようで、血は腕の服の継ぎ目から滴り落ち地面に赤い花を咲かせる。
「あれ!? なんで俺が、攻撃されてるの? やっかいなおじいちゃんを一時的に無力化してあげたのに!?」
「それは貴方に頼んでいないからですよ! 押し売りは執事として許せませんからね」
隙をみたのか、男が蹴りあげようとする足の動きを紙一重に避けるという、相手に最高にイラつかれる避けかたをしたルイスはすぐさま斜めに切りつけた。
ふたたび刀と今度は男の出した小刀が合わさる。二人の腕は微かに震える様に動き。刃を重ねた2つの刀が、ギギィィ――ィと、耳障りの悪い音を立てたと思うと、男は体を捻るようにしてルイスの刀をかわす。
「「ハヤト、危ない!」」
フィーナ達の声に後ろを向くと、白煙は狐に変わり図体はどんどん大きなる。尾は4つ、まだまだだな! って言っている間はもうない。
「ルイス、家から離れて、たぶんこの家崩壊する!!」
そう言うとルイス達、二人は飛びのくのが早い! 早い! 僕の方は世話の関わるじっ様が大きくなって、崩れた家の重さでおっちんじゃわないように、首根っこ捕まえて僕が壊した壁から放り投げた。
そして自分も急ぎ、壁の破壊し過ぎで、埃のまっている家から飛び出る。
「お祖父様!?」湊の声、「マジか、おじいちゃん!?」もー大きくなるおじいちゃんに、それしか言えない!
竹を押し倒しバキバキ! と折れた竹が体に刺さり、毛皮が赤く染まる。それでも狐がどんどん大きくなりながら、ブルブルしている。
狐を不安そうに見守る白銀の毛皮を身につけた二人、その二人の前に僕は躍りて彼女らに問う。
「フィーナ、湊の狐の里の当主候補の二人、この先どうする!? 早く決めて! 僕はフィーナの結婚相手ではあるけれど、今は、まだ狐の里については関わり知らぬ事ではある! 君たちだけが正解を出せる。たぶん! 正解は何て知らない!でも、決めて早く!!」
この際なので、僕の身分は結婚相手に昇格はした。
「私は貴方と共に生きます。だから一緒に連れて行ってどこにでも。だから、ごめんなさい湊、友として貴方がここに居るべき、貴方ならこの里を変えられると思い、貴方にこの里の未来を押し付けます! でも、嫌ならいつでも言ってくださいね」
うちの結婚相手は根はやさしいから、こんな時には押しが弱いな。少し、口元が緩む。
湊は下を向いている。こんな時は、謎の男は湊を見守る様だ。彼は刀を持ちながら、里の生末を彼なりに案じてはいるようだ。
ルイスは、殺気を漂わせて刀を握ったまま、男の後ろかから微動だにしない。
「僕は……、いえ、私は新しい当主として白煙、貴方に投降を命じます! そこの貴方にもです!」
湊は、そう言う甘いちゃあ、甘いけれど、それを望むなら付き合ってもいい。誰でも最初はそんなものだ。そして僕は今も甘い。
「湊様、当主ご就任おめでとうございます。しかしそれでは里の者が納得しないでしょう……。貴方は私を討ち取るべきなのです。そうでなければフィーナ様と忌々しい馬の骨は死ぬ事になります」
そう、狐が行った時にまわりの竹の多くは倒れてしまい、最悪の状況の前触れのようだった。
でも、どんな時でも光明はあり、僕の場合おもしろい事に、それは魔王らしい。
彼が姿を現すと、共に向日葵ちゃんや、僕のパーティーのみんな、そしてよしのさんが現れた。
しかし謎の男はそれを見るや否や、地面を深く蹴り上げ、ルイスに砂を浴びせると「ハハハハ、いい恰好だな色男」と言って逃げて言った。
ルイスは、「ハハハ、これはお恥ずかしい」と言って素敵な笑顔で笑っていたが、めちゃめちゃぶちぎれている様で、一瞬で空気が死んだ。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
婚約破棄&濡れ衣で追放された聖女ですが、辺境で育成スキルの真価を発揮!無骨で不器用な最強騎士様からの溺愛が止まりません!
黒崎隼人
ファンタジー
「君は偽りの聖女だ」――。
地味な「育成」の力しか持たない伯爵令嬢エルナは、婚約者である王太子にそう断じられ、すべてを奪われた。聖女の地位、婚約者、そして濡れ衣を着せられ追放された先は、魔物が巣食う極寒の辺境の地。
しかし、絶望の淵で彼女は自身の力の本当の価値を知る。凍てついた大地を緑豊かな楽園へと変える「育成」の力。それは、飢えた人々の心と体を癒す、真の聖女の奇跡だった。
これは、役立たずと蔑まれた少女が、無骨で不器用な「氷壁の騎士」ガイオンの揺るぎない愛に支えられ、辺境の地でかけがえのない居場所と幸せを見つける、心温まる逆転スローライフ・ファンタジー。
王都が彼女の真価に気づいた時、もう遅い。最高のざまぁと、とろけるほど甘い溺愛が、ここにある。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる