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君の世界へ僕が来て
僕のまわりの風景
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「お義父さん、お義母さん、僕たち結婚することになりました!」
そんなイメージトレーニングをしてみると、よしのさんが『どっちがお義母さんだ!? お前には誰がお義母さんに見えているんだ! 言え! 言わなきゃ切る』まで、想像出来た。
僕は旅館の布団で、そんな事を考えている。
もう、遅い時間なのに何度、今日の事を思い出してまるで夢みたいだ。
☆
僕がフィーナにプロポーズした事で起きる、最大の心配だったウンディーネは、僕らが旅館へ戻ると、僕とフィーナを女性陣の部屋へ連れて行った。
やはり落ち着かないが、今日とウンディーネには誠心誠意、寄り添わなくてはいけない気がし彼女に従った。
畳の上に足を伸ばすように、フィーナと僕を離れて座らせる。
よくわからないが、そうするとフィーナに膝枕をさせて、僕の膝に足を乗せて、その間に座布団を入れてお気に入りのひざ掛けの畳んだもので顔を隠す。
「寝るの?」
「寝てない」と少し機嫌が悪いように言っていたけど、目が赤かったし僕らは彼女の気の済むまで、付き合った。
そのままみんなにまじり、比較的小さな声で雑談をする。
「もう眠い」と言ったウンディーネをフィーナが「お風呂に入らないと」と、言って眠そうなウンディーネの温泉の用意を、手伝うために立ったところで帰って来た。
僕ら男性陣の部屋へ帰ると、ミッシェルがやって来て「参考にしますから1から10まで話してください」と言ったところで、胴の横側に手を突っ込んで冷やしてたらギャーッと言って飛びのいた。
ミッシェルも、フィーナに負けず反射速度が速かった。
「僕のために知識の肥やしになってください!」って言うミッシェルと冷気の手で、距離を測る僕。
その二人を様子をみてやや呆れながら、ルイスが熱いお茶を持って来た。
そして彼は笑顔で、「結婚式は洋式にしますか? 和式にしますか? アルトの家の力を持ってすればだいたいの事は出来ます。参考程度に資料をおつくりしました」
そう言って彼の描いた絵を僕に手渡した。
絵は芸術的にうまく素晴らしかった。フィーナの白無垢姿やお姫様の様な、素晴らしい姿の横の僕は盛大に歌舞いていた。
顔が赤く隈取りされている。着物も歌舞伎風だが、横のフィーナとの違和感はない。何? この技術……。
「あっちの世界の結婚式なんか、アートチックですね。ハヤトさんもこんな格好するんですか?」
「いや、やらないよ!? 歌舞伎は、芸術、文化として素晴らしいだろうけど、披露する場は僕の結婚式じゃないよ!?」
そこまで言うとと盛大に浴衣姿のルイスが、腹を抱えて笑っていた。マンゾク、イタダケマシタカ?
その後、もー。と思いながらも、正直とても芸術的に素晴らしいし、フィーナは可愛いしで……。
「ルイス、この絵貰っていいの?」
「どうぞ、ご自由にお使いください」
「わぁーありがとう! 面白いし、綺麗だから複写して、引き出物に入れようかな……魔王コピー機持ってないかな……」
「温泉には行かないのですか?」
「せっかく、ルイスが描いてくれたんだし、全部見てから行くよ」
そう言い、絵を持ち窓際の椅子に腰かけて見てみる。
ーーしかしよく隈取りって技術を知ってたな……。そしてよくラフ画といえ短時間にここまで書き上げたな……。
そうして3枚目で、手が止まる。
階段を降りて来る、ウェディング衣装のフィーナは、片手でドレスの裾を持ち、もう一方の片手はタキシードで彼女のブーケ持つ、僕につながれている。
見つめ合い幸せそうに笑っている、二人。
その下には、おめでとういつまでもお幸せにと言う言葉が、ルイスのサインと共に添えられている。
「ルイス……」
「貴方が怒っても捨てる事はない、とは、わかって居ましたが、気に入ってしまうのは想定外でした。いつか見つけて貰えれば、そう思っていたのですが……」
彼はそう困った様に笑う。
「ありがと凄く、嬉しい……、どれくらい嬉しいかと言うと……」
僕は気持ちに適切な言葉を探す。
「えっと、これから行く温泉でお気に入りの歌を熱唱してしまうくらい嬉しい」
僕のたどたどしく出した、言葉に彼はクスッと笑い。
「それは風情がなくなるので、絶対にやめて下さい」
と、常識的にいった。
「その通りですね」
ミッシェルも腕ぐみしながら、ウンウンという感じでうなずく。
「えっ……。ルイス、絵本当にありがとう。温泉行ってきます。静かに……」
そう言って、大人だから疲れて眠るのが早いのか、子供のだから眠るのがいのか、とにかく平常時に眠るのが早いぬいぬいの近くの僕の鞄から荷物を取り出し「「いってらっしゃーい」」の声に背中を押され温泉に行く。
体を綺麗にし、誰も居ない温泉へとゆっくり入る。
今日の僕は世界一の幸せ者だ。
ほど良い温かさ、香る硫黄の匂い。温泉を出たら冷たい物を飲もう。
空には雲に隠れた月。木々を揺らす風の音。
ーーあり過ぎる。 そんな風情を破壊するのか、僕の歌は?
つづく
そんなイメージトレーニングをしてみると、よしのさんが『どっちがお義母さんだ!? お前には誰がお義母さんに見えているんだ! 言え! 言わなきゃ切る』まで、想像出来た。
僕は旅館の布団で、そんな事を考えている。
もう、遅い時間なのに何度、今日の事を思い出してまるで夢みたいだ。
☆
僕がフィーナにプロポーズした事で起きる、最大の心配だったウンディーネは、僕らが旅館へ戻ると、僕とフィーナを女性陣の部屋へ連れて行った。
やはり落ち着かないが、今日とウンディーネには誠心誠意、寄り添わなくてはいけない気がし彼女に従った。
畳の上に足を伸ばすように、フィーナと僕を離れて座らせる。
よくわからないが、そうするとフィーナに膝枕をさせて、僕の膝に足を乗せて、その間に座布団を入れてお気に入りのひざ掛けの畳んだもので顔を隠す。
「寝るの?」
「寝てない」と少し機嫌が悪いように言っていたけど、目が赤かったし僕らは彼女の気の済むまで、付き合った。
そのままみんなにまじり、比較的小さな声で雑談をする。
「もう眠い」と言ったウンディーネをフィーナが「お風呂に入らないと」と、言って眠そうなウンディーネの温泉の用意を、手伝うために立ったところで帰って来た。
僕ら男性陣の部屋へ帰ると、ミッシェルがやって来て「参考にしますから1から10まで話してください」と言ったところで、胴の横側に手を突っ込んで冷やしてたらギャーッと言って飛びのいた。
ミッシェルも、フィーナに負けず反射速度が速かった。
「僕のために知識の肥やしになってください!」って言うミッシェルと冷気の手で、距離を測る僕。
その二人を様子をみてやや呆れながら、ルイスが熱いお茶を持って来た。
そして彼は笑顔で、「結婚式は洋式にしますか? 和式にしますか? アルトの家の力を持ってすればだいたいの事は出来ます。参考程度に資料をおつくりしました」
そう言って彼の描いた絵を僕に手渡した。
絵は芸術的にうまく素晴らしかった。フィーナの白無垢姿やお姫様の様な、素晴らしい姿の横の僕は盛大に歌舞いていた。
顔が赤く隈取りされている。着物も歌舞伎風だが、横のフィーナとの違和感はない。何? この技術……。
「あっちの世界の結婚式なんか、アートチックですね。ハヤトさんもこんな格好するんですか?」
「いや、やらないよ!? 歌舞伎は、芸術、文化として素晴らしいだろうけど、披露する場は僕の結婚式じゃないよ!?」
そこまで言うとと盛大に浴衣姿のルイスが、腹を抱えて笑っていた。マンゾク、イタダケマシタカ?
その後、もー。と思いながらも、正直とても芸術的に素晴らしいし、フィーナは可愛いしで……。
「ルイス、この絵貰っていいの?」
「どうぞ、ご自由にお使いください」
「わぁーありがとう! 面白いし、綺麗だから複写して、引き出物に入れようかな……魔王コピー機持ってないかな……」
「温泉には行かないのですか?」
「せっかく、ルイスが描いてくれたんだし、全部見てから行くよ」
そう言い、絵を持ち窓際の椅子に腰かけて見てみる。
ーーしかしよく隈取りって技術を知ってたな……。そしてよくラフ画といえ短時間にここまで書き上げたな……。
そうして3枚目で、手が止まる。
階段を降りて来る、ウェディング衣装のフィーナは、片手でドレスの裾を持ち、もう一方の片手はタキシードで彼女のブーケ持つ、僕につながれている。
見つめ合い幸せそうに笑っている、二人。
その下には、おめでとういつまでもお幸せにと言う言葉が、ルイスのサインと共に添えられている。
「ルイス……」
「貴方が怒っても捨てる事はない、とは、わかって居ましたが、気に入ってしまうのは想定外でした。いつか見つけて貰えれば、そう思っていたのですが……」
彼はそう困った様に笑う。
「ありがと凄く、嬉しい……、どれくらい嬉しいかと言うと……」
僕は気持ちに適切な言葉を探す。
「えっと、これから行く温泉でお気に入りの歌を熱唱してしまうくらい嬉しい」
僕のたどたどしく出した、言葉に彼はクスッと笑い。
「それは風情がなくなるので、絶対にやめて下さい」
と、常識的にいった。
「その通りですね」
ミッシェルも腕ぐみしながら、ウンウンという感じでうなずく。
「えっ……。ルイス、絵本当にありがとう。温泉行ってきます。静かに……」
そう言って、大人だから疲れて眠るのが早いのか、子供のだから眠るのがいのか、とにかく平常時に眠るのが早いぬいぬいの近くの僕の鞄から荷物を取り出し「「いってらっしゃーい」」の声に背中を押され温泉に行く。
体を綺麗にし、誰も居ない温泉へとゆっくり入る。
今日の僕は世界一の幸せ者だ。
ほど良い温かさ、香る硫黄の匂い。温泉を出たら冷たい物を飲もう。
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