14 / 16
13話 ネコ魔王とイヌの井戸端会議
しおりを挟む
ニャー様の居城がある村、既に村というより街規模になりつつある、この場所はネコにとって楽園と言って過言ではない。
しかし、だからと言ってネコしかいないかといえばそうでもなくイヌもネコ程ではないが生息はしていた。
住人もネコに愛らしさを感じているがイヌに感じなくなっている訳ではなく、単純にネコの方が好きだという住人が多数いるというだけである。
一応の棲み分けがなされ、特に大きな問題も起きずに日々を過ごしてきたがここにきて暗雲が漂い始めた。
指導者というべき謎の少女が現れ、時は大きく流れ始める。
打倒、魔王を胸に抱く謎の少女。
棲み分けされる壁をどうにかしたいイヌ達の両者の思いが重なる。
「さあ、今日こそ革命の時よ!」
ワンピースを翻す、金髪のショートヘアの謎の少女は腰に手を当てて胸を張りながら楽しそうに高笑いをした。
革命と聞いた瞬間、謎の少女の周りに集まっていたイヌ達が尻尾を股の間に隠すようにして耳を垂らす。
情けないクゥ~ンという鳴き声を聞き付けた謎の少女は手を横に力強く振る。
「情けない、情けない! イヌがそんな事でどうしますか! そんな方法で魔王からお姉ちゃんを取り戻せない!」
謎の少女に一喝されて更に情けない鳴き声と共に伏せをするイヌ達。
基本的に気の良いイヌ達だから棲み分けが出来ていただけあって、攻めの姿勢が強い謎の少女にイマイチ同調出来ていなかった。
仕方がないとばかりにウンウンと頷く謎の少女がイヌ達を睥睨するようにして言う。
「押して嫌われたら嫌だな~と腰が引ける気持ちは分かる! でも、そこに愛があるなら……」
ぐぐぐっ、と拳を握る謎の少女に注目するイヌ達。
「押して駄目なら押し倒せ! 私はこれでお姉ちゃんに愛が届いたと信じてるぅ!」
本当!? と言いたげに耳をピンと跳ねて興奮の為に舌を出すイヌ達に力強く頷く謎の少女だが、謎の少女の姉が今のセリフを聞いていたら「まったく届いてない」と言っただろうが聞かれなかった謎の少女の誤解はこれからも続く。
「さあ、私と一緒に頑張ろう!」
そういう謎の少女にイヌ達は突撃するようにぶつかり、顔をペロペロと舐めて友情を確認し合った。
▼
「あれ? 公園でイヌ達と戯れてるのはターニャ様じゃないですか?」
「ん? そうだな、あんなところで何をしてるやら」
串焼きを片手に食べながら歩く私が両手一杯に荷物を持たされるペーターと一緒に公園の横を通りかけるとターニャがイヌ達に舐め倒される所に遭遇した。
むむむ、顔中ベトベトにされているのに嬉しそうなターニャは変態なのだろうか?
私なら飛んで逃げてシャワーに突撃するがな……
「まったく見苦しい姿だな」
「そうですか? まだアレは微笑ましいレベルだと思いますけど? もっと性質が悪いのは……」
横目でジッと見つめてくるペーターに「何だ?」と問うと「ナンデモアリマセン」と棒読みで答えられ首を傾げる。
なるほど! ペーターが言いたい意味が分かったぞ!
「私は舐められたいんじゃない。私はニャー様を舐めたいんだ!」
「……レティス様、手遅れかもしれませんが病院行きましょ?」
し、失礼な事を言う!
そう思ってペーターを睨みつけようとしたが全てを許そうと考えているような労わりを感じさせる笑みを向けていて私は戸惑う。
後ずさるようにする私。
「どうしてそんな目で見る!」
「大丈夫です、レティス様が悪い訳じゃありません。レティス様で治るようでしたらターニャ様も治療が間に合いますね?」
優しさ100%の視線で見つめられる事に耐えられなくなった私は脱兎の如く、ペーターを置いて魔王城へと疾走した。
走り去った私だが、正直、追いかけて来て欲しい女心というやつであったが追いかけてやってきたのは白いモコモコのイヌ、ポチだけが私を追いかけてきた。
はっはは、と息を荒らげて私を見上げるポチにしゃがみ込み口をへの字にし、何かに耐えるようにして頭を撫でてやる。
「いつも邪険にしてごめんな? これから少しは優しくなるように気を付ける」
ワンと吠えるポチに友情の証に串焼きの肉一切れを投げて落とす隣に一滴の水が私の頬から落ちた。
しかし、だからと言ってネコしかいないかといえばそうでもなくイヌもネコ程ではないが生息はしていた。
住人もネコに愛らしさを感じているがイヌに感じなくなっている訳ではなく、単純にネコの方が好きだという住人が多数いるというだけである。
一応の棲み分けがなされ、特に大きな問題も起きずに日々を過ごしてきたがここにきて暗雲が漂い始めた。
指導者というべき謎の少女が現れ、時は大きく流れ始める。
打倒、魔王を胸に抱く謎の少女。
棲み分けされる壁をどうにかしたいイヌ達の両者の思いが重なる。
「さあ、今日こそ革命の時よ!」
ワンピースを翻す、金髪のショートヘアの謎の少女は腰に手を当てて胸を張りながら楽しそうに高笑いをした。
革命と聞いた瞬間、謎の少女の周りに集まっていたイヌ達が尻尾を股の間に隠すようにして耳を垂らす。
情けないクゥ~ンという鳴き声を聞き付けた謎の少女は手を横に力強く振る。
「情けない、情けない! イヌがそんな事でどうしますか! そんな方法で魔王からお姉ちゃんを取り戻せない!」
謎の少女に一喝されて更に情けない鳴き声と共に伏せをするイヌ達。
基本的に気の良いイヌ達だから棲み分けが出来ていただけあって、攻めの姿勢が強い謎の少女にイマイチ同調出来ていなかった。
仕方がないとばかりにウンウンと頷く謎の少女がイヌ達を睥睨するようにして言う。
「押して嫌われたら嫌だな~と腰が引ける気持ちは分かる! でも、そこに愛があるなら……」
ぐぐぐっ、と拳を握る謎の少女に注目するイヌ達。
「押して駄目なら押し倒せ! 私はこれでお姉ちゃんに愛が届いたと信じてるぅ!」
本当!? と言いたげに耳をピンと跳ねて興奮の為に舌を出すイヌ達に力強く頷く謎の少女だが、謎の少女の姉が今のセリフを聞いていたら「まったく届いてない」と言っただろうが聞かれなかった謎の少女の誤解はこれからも続く。
「さあ、私と一緒に頑張ろう!」
そういう謎の少女にイヌ達は突撃するようにぶつかり、顔をペロペロと舐めて友情を確認し合った。
▼
「あれ? 公園でイヌ達と戯れてるのはターニャ様じゃないですか?」
「ん? そうだな、あんなところで何をしてるやら」
串焼きを片手に食べながら歩く私が両手一杯に荷物を持たされるペーターと一緒に公園の横を通りかけるとターニャがイヌ達に舐め倒される所に遭遇した。
むむむ、顔中ベトベトにされているのに嬉しそうなターニャは変態なのだろうか?
私なら飛んで逃げてシャワーに突撃するがな……
「まったく見苦しい姿だな」
「そうですか? まだアレは微笑ましいレベルだと思いますけど? もっと性質が悪いのは……」
横目でジッと見つめてくるペーターに「何だ?」と問うと「ナンデモアリマセン」と棒読みで答えられ首を傾げる。
なるほど! ペーターが言いたい意味が分かったぞ!
「私は舐められたいんじゃない。私はニャー様を舐めたいんだ!」
「……レティス様、手遅れかもしれませんが病院行きましょ?」
し、失礼な事を言う!
そう思ってペーターを睨みつけようとしたが全てを許そうと考えているような労わりを感じさせる笑みを向けていて私は戸惑う。
後ずさるようにする私。
「どうしてそんな目で見る!」
「大丈夫です、レティス様が悪い訳じゃありません。レティス様で治るようでしたらターニャ様も治療が間に合いますね?」
優しさ100%の視線で見つめられる事に耐えられなくなった私は脱兎の如く、ペーターを置いて魔王城へと疾走した。
走り去った私だが、正直、追いかけて来て欲しい女心というやつであったが追いかけてやってきたのは白いモコモコのイヌ、ポチだけが私を追いかけてきた。
はっはは、と息を荒らげて私を見上げるポチにしゃがみ込み口をへの字にし、何かに耐えるようにして頭を撫でてやる。
「いつも邪険にしてごめんな? これから少しは優しくなるように気を付ける」
ワンと吠えるポチに友情の証に串焼きの肉一切れを投げて落とす隣に一滴の水が私の頬から落ちた。
0
あなたにおすすめの小説
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる