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14話 ネコ魔王とブシ工場
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ドドンにブシ工場の通常稼働において問題が発生したと報せがあり、顔色を変えたニャー様と一緒に私もブシ工場に赴いた。
ブシ工場の会議室に飛び込んだニャー様は荒い息を隠さずにびっくりしているメンバーの中にいるドドンに詰め寄る。
「ブシ工場稼働に問題ありと聞いたにゃ!」
私はニャーなのかハァーなのか分からない息を洩らすニャー様に興奮して荒い息を持て余して身悶えをする。
そんな私を放置するニャー様とドドンは真面目に話を進める。
「申し訳ありません。最後のツメで問題が発生しました」
沈痛そうに言うドドンに「そんにゃ……」とふらつくのを抱き締めてお持ち帰りしたい衝動と戦う私。
もう駄目、弱ったニャー様を……押し倒す。
私の脳内ではエキサイトしているが表には出さないのが淑女。
「順を追って説明させて貰おうと思う訳じゃが……まずはそこの馬鹿女をなんとかせんとニャー様の毛並みに赤が混じる事になると思うんじゃが?」
「にゃ!?」
振り返ったニャー様が私を見ると本当にビックリしたように大きく口を開けるのを見て私の脳を直撃するような衝撃と共にふらつきを覚える。
「レティス、ここ最近で一番の血を流してるにゃ!」
言われて辺りを見るとちょっとした血の池が出来てるのを見て納得する。
道理でさっきからふらつくような気がしてたと思ってた。
そんな事を倒れゆく意識の中で私は考えていた。
▼
しばらく、中断してニャー様に鼻の詰め物をして頂いた私はドドンに案内されて工場を歩いていた。
「まず魚を捌いて、籠立てと呼ばれる方法で敷きつめていったものを煮熟、つまりお湯で煮るですな、これを一時間程します」
そう説明するドドンが次の場所へと案内するが、特に問題があるように見えない私は首を傾げる。
ニャー様も同じように思うようで首を傾げておられる。
「茹で上げたものを風通しの良い場所で茹でた時間と同じぐらいの1時間はど覚まします。その後に骨抜きをするわけですじゃ」
眺める私の目から見ても今、食べても美味しそうだな? と思っていると必死に涎を飲み込むニャー様の姿に私の息も荒くなる。
次、と言って案内された場所は先程までと比べるとかなり熱い場所であった。
「ここでは、いぶしをしておりますじゃ。整形などを経て無駄なものを削り、カビ入れをした後、本来なら天日干しとなるわけじゃが……」
困ったように頬を掻くドドンを見て遂に問題の話になる事をニャー様だけでなく私も気付く。
「もっと味を濃縮する為にこれ以上、水分を飛ばす方法はないと自負する方法、レッドドラゴンの息吹を運用した、のは良かったんじゃが」
こいつ等、その為にドラゴンを捕獲した? まさか雇ったとかはないだろうし……
いや、この馬鹿達ならやりかねないか?
疑惑の視線で見つめるが無視したドドンがサンプルのブシを持ってくる。
「ご覧ください。乾燥し過ぎて硬くなり過ぎたようでの……まともに刃が通らん」
「確かにかなり硬いにゃ」
コンコンと叩くニャー様が匂いが素晴らしいらしく、食べたら凄く美味しいだろうにと悔しそうに鳴かれる。
ドドンも色んな創意工夫をしているようだが満足いく結果を生み出せるか不安のようだ。
どんなものでも切れるようなヤツか……あっ!
「ニャー様、私にアイディアがあります!」
「本当にゃ!?」
驚くニャー様とドドンが見つめてくるにドヤ顔をしてみせる私には策ありであった。
▼
魔王城で漸く完成したブシを堪能する幸せそうなニャー様がいた。
私の膝の上でまったりされるニャー様に癒されながら、せっせとブシを口に運ぶ。
ああ、幸せだ……
私と同じように癒しも受けている気分のニャー様、思い出したように私を見てくる。
「しかし、レティス、本当に良かったにゃ?」
「えっ? ああ、アレの事ですか? 全然、問題ありません」
はい、アーンと私にブシを与えられて反射で食べるニャー様。
モグモグするニャー様が憮然としない表情を浮かべる。
「ニャーは魔王だけど、ちょっとだけ神に同情するにゃ」
ニャー様が気にされている件はこういう事だ。
硬過ぎて削れないと言われた私は神より与えられし聖剣、オルナ・ソラスをブシ削りに使う為に提供した。
「いえいえ、ニャー様達が喜ぶなら本望でしょう」
確認も取らずに言い切る私もブシを抓むと口に放り込む。
「うーん、ブシの風味が良い感じですね!」
「まあ、レティスさえ良ければ、ニャーが言う事はないにゃ」
私とニャー様は日向のポカポカを堪能しながらブシも堪能し続けた。
ブシ工場の会議室に飛び込んだニャー様は荒い息を隠さずにびっくりしているメンバーの中にいるドドンに詰め寄る。
「ブシ工場稼働に問題ありと聞いたにゃ!」
私はニャーなのかハァーなのか分からない息を洩らすニャー様に興奮して荒い息を持て余して身悶えをする。
そんな私を放置するニャー様とドドンは真面目に話を進める。
「申し訳ありません。最後のツメで問題が発生しました」
沈痛そうに言うドドンに「そんにゃ……」とふらつくのを抱き締めてお持ち帰りしたい衝動と戦う私。
もう駄目、弱ったニャー様を……押し倒す。
私の脳内ではエキサイトしているが表には出さないのが淑女。
「順を追って説明させて貰おうと思う訳じゃが……まずはそこの馬鹿女をなんとかせんとニャー様の毛並みに赤が混じる事になると思うんじゃが?」
「にゃ!?」
振り返ったニャー様が私を見ると本当にビックリしたように大きく口を開けるのを見て私の脳を直撃するような衝撃と共にふらつきを覚える。
「レティス、ここ最近で一番の血を流してるにゃ!」
言われて辺りを見るとちょっとした血の池が出来てるのを見て納得する。
道理でさっきからふらつくような気がしてたと思ってた。
そんな事を倒れゆく意識の中で私は考えていた。
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しばらく、中断してニャー様に鼻の詰め物をして頂いた私はドドンに案内されて工場を歩いていた。
「まず魚を捌いて、籠立てと呼ばれる方法で敷きつめていったものを煮熟、つまりお湯で煮るですな、これを一時間程します」
そう説明するドドンが次の場所へと案内するが、特に問題があるように見えない私は首を傾げる。
ニャー様も同じように思うようで首を傾げておられる。
「茹で上げたものを風通しの良い場所で茹でた時間と同じぐらいの1時間はど覚まします。その後に骨抜きをするわけですじゃ」
眺める私の目から見ても今、食べても美味しそうだな? と思っていると必死に涎を飲み込むニャー様の姿に私の息も荒くなる。
次、と言って案内された場所は先程までと比べるとかなり熱い場所であった。
「ここでは、いぶしをしておりますじゃ。整形などを経て無駄なものを削り、カビ入れをした後、本来なら天日干しとなるわけじゃが……」
困ったように頬を掻くドドンを見て遂に問題の話になる事をニャー様だけでなく私も気付く。
「もっと味を濃縮する為にこれ以上、水分を飛ばす方法はないと自負する方法、レッドドラゴンの息吹を運用した、のは良かったんじゃが」
こいつ等、その為にドラゴンを捕獲した? まさか雇ったとかはないだろうし……
いや、この馬鹿達ならやりかねないか?
疑惑の視線で見つめるが無視したドドンがサンプルのブシを持ってくる。
「ご覧ください。乾燥し過ぎて硬くなり過ぎたようでの……まともに刃が通らん」
「確かにかなり硬いにゃ」
コンコンと叩くニャー様が匂いが素晴らしいらしく、食べたら凄く美味しいだろうにと悔しそうに鳴かれる。
ドドンも色んな創意工夫をしているようだが満足いく結果を生み出せるか不安のようだ。
どんなものでも切れるようなヤツか……あっ!
「ニャー様、私にアイディアがあります!」
「本当にゃ!?」
驚くニャー様とドドンが見つめてくるにドヤ顔をしてみせる私には策ありであった。
▼
魔王城で漸く完成したブシを堪能する幸せそうなニャー様がいた。
私の膝の上でまったりされるニャー様に癒されながら、せっせとブシを口に運ぶ。
ああ、幸せだ……
私と同じように癒しも受けている気分のニャー様、思い出したように私を見てくる。
「しかし、レティス、本当に良かったにゃ?」
「えっ? ああ、アレの事ですか? 全然、問題ありません」
はい、アーンと私にブシを与えられて反射で食べるニャー様。
モグモグするニャー様が憮然としない表情を浮かべる。
「ニャーは魔王だけど、ちょっとだけ神に同情するにゃ」
ニャー様が気にされている件はこういう事だ。
硬過ぎて削れないと言われた私は神より与えられし聖剣、オルナ・ソラスをブシ削りに使う為に提供した。
「いえいえ、ニャー様達が喜ぶなら本望でしょう」
確認も取らずに言い切る私もブシを抓むと口に放り込む。
「うーん、ブシの風味が良い感じですね!」
「まあ、レティスさえ良ければ、ニャーが言う事はないにゃ」
私とニャー様は日向のポカポカを堪能しながらブシも堪能し続けた。
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