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1章 DT、父親になる
8話 2人も3人?3人も4人も変わりません
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聞いてくれと言ってきたホーラであったが何から話したら良いやらと悩んでいるようで5分ほど沈黙を守っていた。
1度立ち止まった雄一であったが、身構えられると話し辛いのかと思い、歩くのを再開する。
思った通りだったのかタイミングがあったのか分からないがホーラが、意を決したようで話し始めた。
「アタイはね、ストリートチルドレン。ストリートチルドレンって言えば、聞こえがいいけど、身寄りのない捨て子なのさ」
淡々と語るホーラの言葉を聞きながら、雄一は、なるほどな……と心で思いながら黙って聞いて歩く。
出会った時の様子を思い出す限り、親のいる子で、泉で体を洗い流すだけで見違えるような子をあんな格好にしておくとは思えなかったからである。
「ストリートチルドレンのご多分漏れず、アタイも魔力が極端に少ないのさ」
「なんで、ストリートチルドレンは魔力が少ないんだ?」
振り返って聞いてくる雄一を呆れた顔したホーラが答えてくる。
「生まれた時にみんな魔力の含有量を調べられるだろ? それで少ない子は手をかける価値がないっと捨てる奴が多いのさ」
アンタ、そんな年で冒険者に初めて登録に来るだけあって、世間知らずなんだね? と嘆息される。
だが、雄一は、気にせず、心の内で、ストリートチルドレンが魔力が少ないのじゃなくて、魔力が少ないからストリートチルドレンになる子が多いのか……と納得したくないが理解はした。
「魔力主義の腐った考えの世の中、と言いたいところだけど、事実、魔力が多い奴ほどスタートラインが優遇される。確かに、周りがそうしてる事もあるけど、無くても実際に有利でスタートが切れるのさ」
悔しそうにするホーラを見て、きっとその壁に何度もぶち当たり、しんどい目を見てきたのだろうな……と分かってしまうほど滲み出ていた。
「ストリートチルドレンが無事生き残ったとして、ある未来は、極わずかの運に恵まれた者以外の人生は大抵、犯罪者さ。女の場合、見てくれが良ければ、情婦や娼婦という道があるぐらいの違いしかないのさ」
そういう意味じゃ、ホーラは将来、そうなる可能性が高いのか? と頭に過る。
それを見透かしたかのように、乾いた笑いを浮かべたホーラが呟くように言ってくる。
「そうさ、アタイも2年前から娼婦にならないかっと誘われているのさ」
そう聞いた雄一は、ブッ、と噴き出す。
思考がかなり良い感じに読まれた事ではなく、2年前、というフレーズにである。
雄一の目から見て、ホーラは大目に見積もっても中学生入学しました、といった年に見えたのに2年前って……と思ったのである。
「2年前って、お前、年いくつなんだよ?」
「女に年を聞くのって失礼なやつだね。でも、まあ、いいか。アタイの年は今年で11歳さ、多分ね」
捨てられてるから絶対じゃないけど、だいたい、それぐらいのはずだよ、と笑うホーラにスマンと謝りかけるが飲み込む。そんな言葉を欲しているとは思わなかったからである。
ホーラに見透かされたようで「ありがとうね……」と言われる。
しかし、9歳児に娼婦に勧める奴って頭おかしいんじゃねぇーか? と憤っているとシホーヌが与えた異世界知識が仕事をする気になったようで、伝えてくる内容を知って呆れる。
トトランタでは、男女ともに10歳から結婚が認められているようだ。つまり少しフライングした程度という事らしい。ちなみに冒険者も10歳から認められており、大抵の冒険者は10歳でなるのが普通で、16歳で冒険者になろうとしてた雄一はかなり異質な存在だったようである。
話の腰を折ってしまった雄一は「スマン、続けてくれ」と言うとホーラは頷いて話を再開する。
「でも、アタイはね。自分でも恥ずかしいんだけど、初めては惚れた相手に貰って欲しいのさ。命を繋ぐか繋がないかという瀬戸際なのに、何を乙女してんだって思うんだけどさ」
ホーラは笑えるだろ? 笑っていいんだよ? と言ってくるが雄一は「笑えるかよ……」と仏頂面で返す。
雄一の背中に額を当てて「ありがとう」と消え入りそうな声で言うが雄一にしっかり届いていた。だが、聞こえなかったように無反応を貫く。
「娼婦を断り続けているアタイにならどうやって生きて行く、と言う話になり、学もないし、知識を得る機会もない。で、冒険者になったワケ」
必死に冒険者ギルドが指示してくる二束三文のお手伝いクエストをやって、やっと5になれた時は嬉しかったな、と呟く。
「でもね、登録の時にミラーが言ってなかったみたいだけど、まあ、アンタの場合、その心配がなさそうだったから言わなかっただけかもしれないけどさ、住居がないものは冒険者として、マイナス評価されるってね」
別に家を買う必要はないし、宿でもいい。ここに行けば、おそらく会えるだろうという場所を持ってないのは責任問題上、駄目らしい。いくら、ここにいけばという場所でも路上とかだと、冒険者ギルドとしての面子上NGになるだとか。
理屈は分かるが、冒険者ギルドって言えば荒くれ者の巣窟っというイメージがあった雄一は、そんな細かいところまでか? と思い、家を用意しておいてくれたシホーヌに感謝した。
何やら、思い出す表情をしたホーラは溜息を吐く。
「お使いクエストじゃ、安宿屋と1食分の金にしかならないのさ。もう展開が見えたと思うけどさ。少しでもマシな生活がしたくて背伸びした結果、依頼を失敗しまくって、冒険者の資格剥奪間際ってオチさ」
もう笑うのもシンドイって言うのはこういう状態なんだろうね……と自嘲する顔は少女がするものではない、と雄一は口を真一文字に結ぶ。
「アタイは、勿論、自分の生き方を貫きたかった事もあるけど、同じストリートチルドレン達に魔力が乏しくても、こうやって真っ当に生きれるんだ、て示したかったのさ」
その言葉を聞いて、なるほど、と納得する。
どうして、ミラーがホーラに肩入れするのか? と思っていたが、おそらく、これが理由なのだろう。
だからこそ、手堅く生きて欲しいと願っていたが追い込まれて行くホーラに何もできず、僅かな期待を雄一にかけてきたのであろう。
街の入り口が見えてきて、それを雄一は見つめながら、独白するホーラの言葉に耳を傾ける。
「正直、諦めかけてた。安宿屋に払う金もなくなり、追い出されて、再び、ストリートチルドレンに戻って、今回の依頼もヤケクソで踏ん切りを付けるつもりでアンタを巻き込んだ。で、やっぱり失敗した」
確かにイレギュラーはあったけど、最初のゴブリンの時も成功したと思ってたけど、アンタが何かしたんでしょ? と聞いてくるが、雄一は、さぁ? と嘯く。
「でもね、でも! 諦められそうになった時、アンタがゴブリン達に立ち回る姿を見て、諦められなくなったのさ」
雄一の肩を掴むホーラの手に力が入る。
「アンタはあの戦いで魔力を使わずに戦ってた。間違いないよね?」
確かに使ってないので、素直に頷く。
「だったら、アタイにもできるようになる可能性はあるはずなのさ。頼むよ、アタイにその強さを与えておくれよ」
そうは言われても、雄一ができているのはシホーヌに与えられたチートの為であったから、与える事などできる訳ないし、ホーラもそういう意味で言ってる訳ではないだろう。
だが、教える事も鍛える事もできないと苦悩していると、チート? と引っかかり、記憶を漁ると思い出す。
与えられたチートのアレが機能しないだろうかと、説明された言葉を思い出す。
『指導する時に言葉で伝えられない思いを相手の心に響かせて正しく理解を促すアビリティ。説明下手なユウイチの為に用意してあげましたなのです。褒めていいのです』
そう、教育者である。
これがあるならどこまでできるか分からないが希望を捨てるには早いのではないかと感じさせる。
ここで了承して、下手に希望を抱かせて、失敗したらどうしたらいい……と苦悩しながら、シホーヌ達が待つ家へと歩きながら考える。
ホーラは悩む雄一をジッと見つめるだけで黙っている。
雄一は覚悟を決める。
ホーラを最後まで面倒を見よう……と。失敗を恐れる? 冒険者になろうとする者が、失敗を恐れて尻ごみしてどうする……
無謀と勇気を履き違えるつもりはないが、失敗したら、俺がホーラの面倒を見ると覚悟を決めればいいだけだと決めた雄一は、見えてきた家を見つめながら、ホーラを降ろす。
降ろされたホーラは見捨てられるのかと不安そうな顔をして雄一を見上げてくる頭に掌を置いて撫でる。
「ホーラの頼みを聞く上で1つ条件がある」
「なんだい? 頼みを聞いてくれるなら、あ、アンタにならアタイのはじめ……」
雄一は最後まで言わせるかと軽く拳骨をホーラの頭に落とす。
軽くのつもりだったが思ったより痛かったようで涙目のホーラに睨まれるが知らん顔を貫く。
「俺が出す条件は、今日からお前は家の子になれ。そう、俺と家族になれ、てことだ」
ホーラは涙を浮かべた顔のまま、表情が固まる。
多分、今、雄一のブレザーを脱がされて裸にされても反応がなさそうだと見てる雄一が思ってしまうほど、時間が止まったかのように放心していた。
しかし、徐々に言葉が浸透してきたようで、目が少しづつ見開いていって限界まで開いたと思ったら叫ぶ。
「あ、アンタ、何を言っているか分かってる?」
「勿論だ、俺がホーラの面倒を見ると言っている」
口の端を大きく上げて力強い笑顔で、雄一は家をバックにホーラに手を差し出す。
「俺と家族になろーぜぇ?」
「す、末永くよろしくお願いします」
顔を真っ赤にしたホーラがカミカミのセリフで言って、雄一の手を握ってくるのを見て、雄一は、んんっ? と不思議そうな顔をするが「よろしくな」と笑いかける。
「じゃ、家族に紹介しよう。新しい家族が増えたってな」
雄一はホーラの手を握り返して、ホーラを家へとエスコートするように歩き始めた。
1度立ち止まった雄一であったが、身構えられると話し辛いのかと思い、歩くのを再開する。
思った通りだったのかタイミングがあったのか分からないがホーラが、意を決したようで話し始めた。
「アタイはね、ストリートチルドレン。ストリートチルドレンって言えば、聞こえがいいけど、身寄りのない捨て子なのさ」
淡々と語るホーラの言葉を聞きながら、雄一は、なるほどな……と心で思いながら黙って聞いて歩く。
出会った時の様子を思い出す限り、親のいる子で、泉で体を洗い流すだけで見違えるような子をあんな格好にしておくとは思えなかったからである。
「ストリートチルドレンのご多分漏れず、アタイも魔力が極端に少ないのさ」
「なんで、ストリートチルドレンは魔力が少ないんだ?」
振り返って聞いてくる雄一を呆れた顔したホーラが答えてくる。
「生まれた時にみんな魔力の含有量を調べられるだろ? それで少ない子は手をかける価値がないっと捨てる奴が多いのさ」
アンタ、そんな年で冒険者に初めて登録に来るだけあって、世間知らずなんだね? と嘆息される。
だが、雄一は、気にせず、心の内で、ストリートチルドレンが魔力が少ないのじゃなくて、魔力が少ないからストリートチルドレンになる子が多いのか……と納得したくないが理解はした。
「魔力主義の腐った考えの世の中、と言いたいところだけど、事実、魔力が多い奴ほどスタートラインが優遇される。確かに、周りがそうしてる事もあるけど、無くても実際に有利でスタートが切れるのさ」
悔しそうにするホーラを見て、きっとその壁に何度もぶち当たり、しんどい目を見てきたのだろうな……と分かってしまうほど滲み出ていた。
「ストリートチルドレンが無事生き残ったとして、ある未来は、極わずかの運に恵まれた者以外の人生は大抵、犯罪者さ。女の場合、見てくれが良ければ、情婦や娼婦という道があるぐらいの違いしかないのさ」
そういう意味じゃ、ホーラは将来、そうなる可能性が高いのか? と頭に過る。
それを見透かしたかのように、乾いた笑いを浮かべたホーラが呟くように言ってくる。
「そうさ、アタイも2年前から娼婦にならないかっと誘われているのさ」
そう聞いた雄一は、ブッ、と噴き出す。
思考がかなり良い感じに読まれた事ではなく、2年前、というフレーズにである。
雄一の目から見て、ホーラは大目に見積もっても中学生入学しました、といった年に見えたのに2年前って……と思ったのである。
「2年前って、お前、年いくつなんだよ?」
「女に年を聞くのって失礼なやつだね。でも、まあ、いいか。アタイの年は今年で11歳さ、多分ね」
捨てられてるから絶対じゃないけど、だいたい、それぐらいのはずだよ、と笑うホーラにスマンと謝りかけるが飲み込む。そんな言葉を欲しているとは思わなかったからである。
ホーラに見透かされたようで「ありがとうね……」と言われる。
しかし、9歳児に娼婦に勧める奴って頭おかしいんじゃねぇーか? と憤っているとシホーヌが与えた異世界知識が仕事をする気になったようで、伝えてくる内容を知って呆れる。
トトランタでは、男女ともに10歳から結婚が認められているようだ。つまり少しフライングした程度という事らしい。ちなみに冒険者も10歳から認められており、大抵の冒険者は10歳でなるのが普通で、16歳で冒険者になろうとしてた雄一はかなり異質な存在だったようである。
話の腰を折ってしまった雄一は「スマン、続けてくれ」と言うとホーラは頷いて話を再開する。
「でも、アタイはね。自分でも恥ずかしいんだけど、初めては惚れた相手に貰って欲しいのさ。命を繋ぐか繋がないかという瀬戸際なのに、何を乙女してんだって思うんだけどさ」
ホーラは笑えるだろ? 笑っていいんだよ? と言ってくるが雄一は「笑えるかよ……」と仏頂面で返す。
雄一の背中に額を当てて「ありがとう」と消え入りそうな声で言うが雄一にしっかり届いていた。だが、聞こえなかったように無反応を貫く。
「娼婦を断り続けているアタイにならどうやって生きて行く、と言う話になり、学もないし、知識を得る機会もない。で、冒険者になったワケ」
必死に冒険者ギルドが指示してくる二束三文のお手伝いクエストをやって、やっと5になれた時は嬉しかったな、と呟く。
「でもね、登録の時にミラーが言ってなかったみたいだけど、まあ、アンタの場合、その心配がなさそうだったから言わなかっただけかもしれないけどさ、住居がないものは冒険者として、マイナス評価されるってね」
別に家を買う必要はないし、宿でもいい。ここに行けば、おそらく会えるだろうという場所を持ってないのは責任問題上、駄目らしい。いくら、ここにいけばという場所でも路上とかだと、冒険者ギルドとしての面子上NGになるだとか。
理屈は分かるが、冒険者ギルドって言えば荒くれ者の巣窟っというイメージがあった雄一は、そんな細かいところまでか? と思い、家を用意しておいてくれたシホーヌに感謝した。
何やら、思い出す表情をしたホーラは溜息を吐く。
「お使いクエストじゃ、安宿屋と1食分の金にしかならないのさ。もう展開が見えたと思うけどさ。少しでもマシな生活がしたくて背伸びした結果、依頼を失敗しまくって、冒険者の資格剥奪間際ってオチさ」
もう笑うのもシンドイって言うのはこういう状態なんだろうね……と自嘲する顔は少女がするものではない、と雄一は口を真一文字に結ぶ。
「アタイは、勿論、自分の生き方を貫きたかった事もあるけど、同じストリートチルドレン達に魔力が乏しくても、こうやって真っ当に生きれるんだ、て示したかったのさ」
その言葉を聞いて、なるほど、と納得する。
どうして、ミラーがホーラに肩入れするのか? と思っていたが、おそらく、これが理由なのだろう。
だからこそ、手堅く生きて欲しいと願っていたが追い込まれて行くホーラに何もできず、僅かな期待を雄一にかけてきたのであろう。
街の入り口が見えてきて、それを雄一は見つめながら、独白するホーラの言葉に耳を傾ける。
「正直、諦めかけてた。安宿屋に払う金もなくなり、追い出されて、再び、ストリートチルドレンに戻って、今回の依頼もヤケクソで踏ん切りを付けるつもりでアンタを巻き込んだ。で、やっぱり失敗した」
確かにイレギュラーはあったけど、最初のゴブリンの時も成功したと思ってたけど、アンタが何かしたんでしょ? と聞いてくるが、雄一は、さぁ? と嘯く。
「でもね、でも! 諦められそうになった時、アンタがゴブリン達に立ち回る姿を見て、諦められなくなったのさ」
雄一の肩を掴むホーラの手に力が入る。
「アンタはあの戦いで魔力を使わずに戦ってた。間違いないよね?」
確かに使ってないので、素直に頷く。
「だったら、アタイにもできるようになる可能性はあるはずなのさ。頼むよ、アタイにその強さを与えておくれよ」
そうは言われても、雄一ができているのはシホーヌに与えられたチートの為であったから、与える事などできる訳ないし、ホーラもそういう意味で言ってる訳ではないだろう。
だが、教える事も鍛える事もできないと苦悩していると、チート? と引っかかり、記憶を漁ると思い出す。
与えられたチートのアレが機能しないだろうかと、説明された言葉を思い出す。
『指導する時に言葉で伝えられない思いを相手の心に響かせて正しく理解を促すアビリティ。説明下手なユウイチの為に用意してあげましたなのです。褒めていいのです』
そう、教育者である。
これがあるならどこまでできるか分からないが希望を捨てるには早いのではないかと感じさせる。
ここで了承して、下手に希望を抱かせて、失敗したらどうしたらいい……と苦悩しながら、シホーヌ達が待つ家へと歩きながら考える。
ホーラは悩む雄一をジッと見つめるだけで黙っている。
雄一は覚悟を決める。
ホーラを最後まで面倒を見よう……と。失敗を恐れる? 冒険者になろうとする者が、失敗を恐れて尻ごみしてどうする……
無謀と勇気を履き違えるつもりはないが、失敗したら、俺がホーラの面倒を見ると覚悟を決めればいいだけだと決めた雄一は、見えてきた家を見つめながら、ホーラを降ろす。
降ろされたホーラは見捨てられるのかと不安そうな顔をして雄一を見上げてくる頭に掌を置いて撫でる。
「ホーラの頼みを聞く上で1つ条件がある」
「なんだい? 頼みを聞いてくれるなら、あ、アンタにならアタイのはじめ……」
雄一は最後まで言わせるかと軽く拳骨をホーラの頭に落とす。
軽くのつもりだったが思ったより痛かったようで涙目のホーラに睨まれるが知らん顔を貫く。
「俺が出す条件は、今日からお前は家の子になれ。そう、俺と家族になれ、てことだ」
ホーラは涙を浮かべた顔のまま、表情が固まる。
多分、今、雄一のブレザーを脱がされて裸にされても反応がなさそうだと見てる雄一が思ってしまうほど、時間が止まったかのように放心していた。
しかし、徐々に言葉が浸透してきたようで、目が少しづつ見開いていって限界まで開いたと思ったら叫ぶ。
「あ、アンタ、何を言っているか分かってる?」
「勿論だ、俺がホーラの面倒を見ると言っている」
口の端を大きく上げて力強い笑顔で、雄一は家をバックにホーラに手を差し出す。
「俺と家族になろーぜぇ?」
「す、末永くよろしくお願いします」
顔を真っ赤にしたホーラがカミカミのセリフで言って、雄一の手を握ってくるのを見て、雄一は、んんっ? と不思議そうな顔をするが「よろしくな」と笑いかける。
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