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2章 DT、先生になる
46話 義理と人情の板挟みらしいです
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テツが、ずっと雄一を見つめながら泣くのを見ていたティファーニアはテツと同じように見つめて聞いて良いものやらと悩んでいる。
それにホーラも気付き、雄一をジト目で見つめてくる。
ホーラのジト目を頂いた雄一は、勿論、3人の視線に込められた思いを理解していたが珍しく躊躇していた。
「ユウ、どうするつもりかは、さておくとして、種明かしをして今の正直な思いを伝える必要があるんじゃない?」
ホーラから、いい加減に踏ん切りをつけろ、とケツを叩かれるように言われた雄一は、情けない気持ちと家の長女は頼りになるな、と親馬鹿な事を考えていた。
確かにホーラが言うようにこのまま黙っていても、いずれは知れる事であるし、知るのであれば、この場で教えたほうがいいだろう。
他人から知らされて知った時のティファーニアの気持ちを考えるとさすがに罪悪感に苛まされそうだ。
雄一は、頭をガリガリと掻きながらティファーニアから視線を反らしてつつも口を開く。
「そのなんだ? 俺達は王都の冒険者ギルドに呼ばれてダンガからやってきたんだ」
そう言う雄一の言葉に、「えっ?」と言うと固まるティファーニア。
それと同時にホーラに脛を蹴られて、雄一は脛を抑えながら飛び跳ねる。
「廻りくどいさ、ユウ! 自慢話をするような説明が必要があって、それが苦手なのは分かるけど……スパッと言わないで、どうするさ!」
見上げられているのに、見下される感覚に陥るというレアな体験をする雄一は手を合わせてと謝る。
ホーラに言われて少し凹み気味な雄一からホーラに目を向けるティファーニア。
「えっ、どういう事なんですか? ホーラさん」
「えっとね、その前に、さん付けはいらないさ。年も同じぐらいだろうし……アタイは11歳」
ホーラがそう言うと嬉しそうにティファーニアが「同じ年です」と手を取って笑いあう。
そうか、テツは、年上に初恋をしたか……と感慨深げに見つめる雄一を、キッと睨みながらホーラは口を開く。
「平たく言うと……ティファーニア、アンタが捜している探し人は目の前の大男ってことさ」
ティファーニアは時が止まったかのように雄一をジッと見つめて硬直する。
目をパチパチし出したと思ったら目を大きく見開き、肺に溜まっている息を全部吐き出すかのようにして叫ぶ。
「ど、ど、どういうことなんですか? えっ? 先生が、あのドラゴンを倒した方なんですか?」
頬を掻く雄一は、明後日に視線を反らしているのでホーラが代わりに頷く。
「ダンガの街を守る為に1人でドラゴンに立ち向かい、辛くも勝利を治められたという噂の人が?」
「さっき言って以外にも、そんな噂があるの?」
ホーラの言葉にティファーニアは頷き、これが一番、信憑性が高い噂だと言われてる事を伝える。
「事実は、もっと酷いさ……」
ホーラは、その言葉を鼻で笑うとテツに目を向ける。
すると、テツは頷き、ティファーニアに向き合う。
それを見た雄一は、テツが何をしようとしているか悟り、止めようとするとホーラに睨まれ、溜息と共に諦める。
「アリアとレイアとミュウが怖がったら……どう、落とし前付けるんだぁ!!!」
テツは空に向かい、右手を一閃する。
雄一が顔を手で覆うのを横目で見つめるホーラがティファーニアに説明する。
「街の外から目視で見える限界ぐらいの位置から、水魔法の初級魔法、『ウォータカッター』の一発で……」
ホーラは自分の首を手で切るジェスチャーを見せる。
ティファーニアは、ホーラに嘘ですよね? と聞き返すが、残念そうに首を横に振りながら伝える。
「アタイもテツも、その時、隣にいて見てるから……」
放心するように雄一を見つめるティファーニアは、目をキラキラさせながら頬を紅潮させてくる。
「ティファーニア? ちゃんと話を聞いてる? ユウは街を守った英雄じゃなくて、かなり残念な人って伝わってる?」
スイッチが入ったティファーニアに一生懸命に声をかけるホーラであるが、どうやら打つ手なしと判断したようで諦めた顔を雄一に向ける。
「後は、ユウに任せるさ……」
「おい、煽るだけ煽って丸投げかよ? 酷いだろ?」
スゥーと雄一から視線を逃がすホーラは距離を取って離れる。
追撃をかけようとする雄一だったが、声をかけられ止まる。
「先生……」
「えっ? あっ、はい」
言い知れない威圧感を放つ、ティファーニアに雄一は敬語ぽい返事を返す。
先程よりも目を輝かせたティファーニアが雄一の腕に縋りつき、嬉しそうに言ってくる。
「私を上げますので、大会に出てくださいっ!」
そう叫ぶとホーラはアチャーと呟き何やら思い出したようで赤面させ、テツは盛大に噴き出す。
雄一は返事をする前に、とりあえず、ティファーニアの頭に拳骨を落とす。
「ホーラと同じ事を言うな。もっと自分を大事にしろ」
雄一が断ってホッとしたテツは、
「ホーラ姉さんも言った事あるんですか?」
「うっさい、馬鹿テツは知らなくていい事さぁ!!」
テツの脛を蹴って屈んだところをガシガシと踏むように蹴るホーラにテツは、火種に油を注ぐ。
「そんな蹴り方してたら、パンツが丸見えですよ!」
「ユウのいらんところばかり似て……この馬鹿テツがぁ!!」
ホーラの蹴りが激化するのを横目で雄一は、馬鹿だな……と見ているが雄一も大差はないのに気付いていない。
「私では力不足ですか……?」
涙目なティファーニアに言われるが雄一は首を横に振る。
そしてティファーニアの頭を撫でながら、ゆっくりと染み込ませるように語る。
「いや、お前さんは充分に魅力的だ。将来が楽しみだと思わせてくれる。俺の持論で取り返しの付く無茶はいいが付かない無茶はするな、とアイツらにも口が酸っぱくなるほど言ってきてる」
未だに蹴り続けられるテツと蹴るホーラを眺めながら言う。
「まだ、あいつ等も、そして、ティファーニア、お前も無茶をする時じゃないと俺は思う。だから本当は、お前のコミュニティーの代表の件、2つ返事で受けてやりたいというのが俺の本音だ」
「では、どうして?」
雄一は、辛そうに目を閉じる。
情けない自分が嫌そうな顔をすると口を開く。
「細かい理由もあるが、それは目を瞑る事ができる……が、王都に来てるのが俺だけ、最悪、ホーラとテツだけであれば俺は悩まない。この大会には、金、思惑などが色々付き纏うだろう、その結果、容易に俺のウィークポイントを突いてくる事は分かり切っている」
苦悩する雄一の顔を見て、ティファーニアは、あっ! と声を上げる。
「そう、宿に残るあいつ等だ。だから、少し考えさせてくれ。だが、2つだけは、はっきりさせておく。1つは、例え、大金を積まれようとも、お前以外の交渉には応じない」
雄一の真剣な目に貫かれたティファーニアは瞳を潤ませて、神に祈るように雄一を見つめる。
「2つ目は、俺は報酬にお前を受け取る気はない」
涙目のティファーニアは拗ねる。
拗ねられようが、これはホーラ同様、受け取る気がないのは雄一のポリシーである。
「という訳で、即答はできない。スマンな?」
「いえ、落ち着いて状況を考えれば、これ以上の返答はないと思います。良い返答をお待ちしております」
シュンとするティファーニアを見て、頭をガリガリと掻く。
少し重くなった空気を話題転換をする事で、引に切り替える事にする。
「だいぶ話をして歩みを止めたから急いで向かおう。腹を空かせた家族がいるんだろ?」
そう言う雄一の言葉に、あっ! と再び声を上げるティファーニアは、はいっ! と慌てるように返事を返してくる。
雄一も頷き、ホーラ達に声をかけようと振り返る。
振り返った先では未だに蹴り続けるホーラの姿があった。
「いつまでやってんだ? ホーラ?」
呆れた声で呼ばれたホーラは我に帰るようにビクッと肩を弾かせる。
「つい、普段のストレスに火が点いたさ……」
肩で息をするホーラと地面に横たわりシクシクと泣き、足跡だらけのテツの姿があった。
その光景に冷や汗が流れる雄一は、手遅れかもしれないがホーラを怒らせないように心がけて生きて行こうと胸に刻む。
「じゃ、急ぐか! ティファーニア、道案内頼む」
「はい、分かりました、先生」
雄一とホーラはティファーニアの先導に従い、急ぎ足で歩き出しティファーニアの住む場所へと向かった。
地面で横たわり、シクシク泣くテツは遠くなっていく背中を見つめる。
「また、このオチですか? また僕は放置ですか?」
昨日同様に戻ってくる気配のない背中に昨日のようにイジケたままいると本当に放っていかれると学習したテツは、立ち上がる。
「ユウイチさん!、ホーラ姉さん、ティファーニアさん! 僕を放っていかないでくださいよぉ――――!!」
全力で走るテツの目元からテツに置いてけぼりにされる雫が地面に落ちる。
テツの声が聞こえた雄一が振り返る。
「今日は立ち直るのが早いな?」
「酷いですよ! ユウイチさん!!」
追いついたテツは、苦笑する2人の少女に見つめられながら輪に混じり、4人になり、メインストリートを外れた道を歩き続ける。
廃墟一歩手前の教会跡の前に着くとティファーニアは少し恥ずかしそうに、「ここが私が家族と共に住んでる場所です」と伝えてきた。
その建物からワラワラと子供が出てくる。
アリア達と変わらない年頃の子供達が出てくると、お腹が減ったと騒ぎ出すのを見て、雄一は苦笑する。
そして、雄一はテツのケツを蹴る。
蹴られたテツは目を白黒させる雄一を見上げてくる。
「ティファーニアに案内して貰って水を汲んでこい。俺はその間に下ごしらえをしてるから」
雄一は、ティファーニアから道具の場所だけ聞き出すと2人を送り出す。
ホーラには、腹を空かせた子供達の気を逸らせるように頼み、下ごしらえを始める為に腕まくりをする。
「さぁーて、頑張るかねぇ~」
そう言うと雄一は、包丁を片手にジャガイモに手を伸ばし調理を開始した。
それにホーラも気付き、雄一をジト目で見つめてくる。
ホーラのジト目を頂いた雄一は、勿論、3人の視線に込められた思いを理解していたが珍しく躊躇していた。
「ユウ、どうするつもりかは、さておくとして、種明かしをして今の正直な思いを伝える必要があるんじゃない?」
ホーラから、いい加減に踏ん切りをつけろ、とケツを叩かれるように言われた雄一は、情けない気持ちと家の長女は頼りになるな、と親馬鹿な事を考えていた。
確かにホーラが言うようにこのまま黙っていても、いずれは知れる事であるし、知るのであれば、この場で教えたほうがいいだろう。
他人から知らされて知った時のティファーニアの気持ちを考えるとさすがに罪悪感に苛まされそうだ。
雄一は、頭をガリガリと掻きながらティファーニアから視線を反らしてつつも口を開く。
「そのなんだ? 俺達は王都の冒険者ギルドに呼ばれてダンガからやってきたんだ」
そう言う雄一の言葉に、「えっ?」と言うと固まるティファーニア。
それと同時にホーラに脛を蹴られて、雄一は脛を抑えながら飛び跳ねる。
「廻りくどいさ、ユウ! 自慢話をするような説明が必要があって、それが苦手なのは分かるけど……スパッと言わないで、どうするさ!」
見上げられているのに、見下される感覚に陥るというレアな体験をする雄一は手を合わせてと謝る。
ホーラに言われて少し凹み気味な雄一からホーラに目を向けるティファーニア。
「えっ、どういう事なんですか? ホーラさん」
「えっとね、その前に、さん付けはいらないさ。年も同じぐらいだろうし……アタイは11歳」
ホーラがそう言うと嬉しそうにティファーニアが「同じ年です」と手を取って笑いあう。
そうか、テツは、年上に初恋をしたか……と感慨深げに見つめる雄一を、キッと睨みながらホーラは口を開く。
「平たく言うと……ティファーニア、アンタが捜している探し人は目の前の大男ってことさ」
ティファーニアは時が止まったかのように雄一をジッと見つめて硬直する。
目をパチパチし出したと思ったら目を大きく見開き、肺に溜まっている息を全部吐き出すかのようにして叫ぶ。
「ど、ど、どういうことなんですか? えっ? 先生が、あのドラゴンを倒した方なんですか?」
頬を掻く雄一は、明後日に視線を反らしているのでホーラが代わりに頷く。
「ダンガの街を守る為に1人でドラゴンに立ち向かい、辛くも勝利を治められたという噂の人が?」
「さっき言って以外にも、そんな噂があるの?」
ホーラの言葉にティファーニアは頷き、これが一番、信憑性が高い噂だと言われてる事を伝える。
「事実は、もっと酷いさ……」
ホーラは、その言葉を鼻で笑うとテツに目を向ける。
すると、テツは頷き、ティファーニアに向き合う。
それを見た雄一は、テツが何をしようとしているか悟り、止めようとするとホーラに睨まれ、溜息と共に諦める。
「アリアとレイアとミュウが怖がったら……どう、落とし前付けるんだぁ!!!」
テツは空に向かい、右手を一閃する。
雄一が顔を手で覆うのを横目で見つめるホーラがティファーニアに説明する。
「街の外から目視で見える限界ぐらいの位置から、水魔法の初級魔法、『ウォータカッター』の一発で……」
ホーラは自分の首を手で切るジェスチャーを見せる。
ティファーニアは、ホーラに嘘ですよね? と聞き返すが、残念そうに首を横に振りながら伝える。
「アタイもテツも、その時、隣にいて見てるから……」
放心するように雄一を見つめるティファーニアは、目をキラキラさせながら頬を紅潮させてくる。
「ティファーニア? ちゃんと話を聞いてる? ユウは街を守った英雄じゃなくて、かなり残念な人って伝わってる?」
スイッチが入ったティファーニアに一生懸命に声をかけるホーラであるが、どうやら打つ手なしと判断したようで諦めた顔を雄一に向ける。
「後は、ユウに任せるさ……」
「おい、煽るだけ煽って丸投げかよ? 酷いだろ?」
スゥーと雄一から視線を逃がすホーラは距離を取って離れる。
追撃をかけようとする雄一だったが、声をかけられ止まる。
「先生……」
「えっ? あっ、はい」
言い知れない威圧感を放つ、ティファーニアに雄一は敬語ぽい返事を返す。
先程よりも目を輝かせたティファーニアが雄一の腕に縋りつき、嬉しそうに言ってくる。
「私を上げますので、大会に出てくださいっ!」
そう叫ぶとホーラはアチャーと呟き何やら思い出したようで赤面させ、テツは盛大に噴き出す。
雄一は返事をする前に、とりあえず、ティファーニアの頭に拳骨を落とす。
「ホーラと同じ事を言うな。もっと自分を大事にしろ」
雄一が断ってホッとしたテツは、
「ホーラ姉さんも言った事あるんですか?」
「うっさい、馬鹿テツは知らなくていい事さぁ!!」
テツの脛を蹴って屈んだところをガシガシと踏むように蹴るホーラにテツは、火種に油を注ぐ。
「そんな蹴り方してたら、パンツが丸見えですよ!」
「ユウのいらんところばかり似て……この馬鹿テツがぁ!!」
ホーラの蹴りが激化するのを横目で雄一は、馬鹿だな……と見ているが雄一も大差はないのに気付いていない。
「私では力不足ですか……?」
涙目なティファーニアに言われるが雄一は首を横に振る。
そしてティファーニアの頭を撫でながら、ゆっくりと染み込ませるように語る。
「いや、お前さんは充分に魅力的だ。将来が楽しみだと思わせてくれる。俺の持論で取り返しの付く無茶はいいが付かない無茶はするな、とアイツらにも口が酸っぱくなるほど言ってきてる」
未だに蹴り続けられるテツと蹴るホーラを眺めながら言う。
「まだ、あいつ等も、そして、ティファーニア、お前も無茶をする時じゃないと俺は思う。だから本当は、お前のコミュニティーの代表の件、2つ返事で受けてやりたいというのが俺の本音だ」
「では、どうして?」
雄一は、辛そうに目を閉じる。
情けない自分が嫌そうな顔をすると口を開く。
「細かい理由もあるが、それは目を瞑る事ができる……が、王都に来てるのが俺だけ、最悪、ホーラとテツだけであれば俺は悩まない。この大会には、金、思惑などが色々付き纏うだろう、その結果、容易に俺のウィークポイントを突いてくる事は分かり切っている」
苦悩する雄一の顔を見て、ティファーニアは、あっ! と声を上げる。
「そう、宿に残るあいつ等だ。だから、少し考えさせてくれ。だが、2つだけは、はっきりさせておく。1つは、例え、大金を積まれようとも、お前以外の交渉には応じない」
雄一の真剣な目に貫かれたティファーニアは瞳を潤ませて、神に祈るように雄一を見つめる。
「2つ目は、俺は報酬にお前を受け取る気はない」
涙目のティファーニアは拗ねる。
拗ねられようが、これはホーラ同様、受け取る気がないのは雄一のポリシーである。
「という訳で、即答はできない。スマンな?」
「いえ、落ち着いて状況を考えれば、これ以上の返答はないと思います。良い返答をお待ちしております」
シュンとするティファーニアを見て、頭をガリガリと掻く。
少し重くなった空気を話題転換をする事で、引に切り替える事にする。
「だいぶ話をして歩みを止めたから急いで向かおう。腹を空かせた家族がいるんだろ?」
そう言う雄一の言葉に、あっ! と再び声を上げるティファーニアは、はいっ! と慌てるように返事を返してくる。
雄一も頷き、ホーラ達に声をかけようと振り返る。
振り返った先では未だに蹴り続けるホーラの姿があった。
「いつまでやってんだ? ホーラ?」
呆れた声で呼ばれたホーラは我に帰るようにビクッと肩を弾かせる。
「つい、普段のストレスに火が点いたさ……」
肩で息をするホーラと地面に横たわりシクシクと泣き、足跡だらけのテツの姿があった。
その光景に冷や汗が流れる雄一は、手遅れかもしれないがホーラを怒らせないように心がけて生きて行こうと胸に刻む。
「じゃ、急ぐか! ティファーニア、道案内頼む」
「はい、分かりました、先生」
雄一とホーラはティファーニアの先導に従い、急ぎ足で歩き出しティファーニアの住む場所へと向かった。
地面で横たわり、シクシク泣くテツは遠くなっていく背中を見つめる。
「また、このオチですか? また僕は放置ですか?」
昨日同様に戻ってくる気配のない背中に昨日のようにイジケたままいると本当に放っていかれると学習したテツは、立ち上がる。
「ユウイチさん!、ホーラ姉さん、ティファーニアさん! 僕を放っていかないでくださいよぉ――――!!」
全力で走るテツの目元からテツに置いてけぼりにされる雫が地面に落ちる。
テツの声が聞こえた雄一が振り返る。
「今日は立ち直るのが早いな?」
「酷いですよ! ユウイチさん!!」
追いついたテツは、苦笑する2人の少女に見つめられながら輪に混じり、4人になり、メインストリートを外れた道を歩き続ける。
廃墟一歩手前の教会跡の前に着くとティファーニアは少し恥ずかしそうに、「ここが私が家族と共に住んでる場所です」と伝えてきた。
その建物からワラワラと子供が出てくる。
アリア達と変わらない年頃の子供達が出てくると、お腹が減ったと騒ぎ出すのを見て、雄一は苦笑する。
そして、雄一はテツのケツを蹴る。
蹴られたテツは目を白黒させる雄一を見上げてくる。
「ティファーニアに案内して貰って水を汲んでこい。俺はその間に下ごしらえをしてるから」
雄一は、ティファーニアから道具の場所だけ聞き出すと2人を送り出す。
ホーラには、腹を空かせた子供達の気を逸らせるように頼み、下ごしらえを始める為に腕まくりをする。
「さぁーて、頑張るかねぇ~」
そう言うと雄一は、包丁を片手にジャガイモに手を伸ばし調理を開始した。
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