異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー

バイブルさん

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5章 DT、本気みせます!

135話 カミナリ様と勘違いされてるようです

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 激しい閃光を離れた位置で見ていた、ホーラとポプリ、それぞれの反応を示す。

 ホーラは、何が起きたかと考えるが、目の前で驚愕な表情を見せるポプリの姿見て、聞き出せば必要な情報は大抵、手に入る事を理解した。

「お兄様、2日待って頂けると約束しましたのに……状況が悪くなるにしても早すぎます。このタイミングだと味方も巻き込んでるのでは……」

 ポプリの呟きを聞いて、ホーラは自分の読みは間違ってなさそうだと判断して動揺するポプリにカマをかける。

「とある所から買った兵器があるって話、本当だったんだ?」
「ち、違う、火の精霊から譲渡……くっ」

 ポプリは、リオ王が何を考えてるのかを考えてしまい、一番、考えたくない理由に行き着いて拒絶してるところの間隙を突くように言葉を挟んできたホーラの言葉に素直に反応してしまう。

 ホーラは、「へぇ――」と見下すような目で見つめる。

 もう誤魔化せないと判断したポプリは開き直る。

「そうよ、私は、あの兵器を使わせない為に行動してる所なの! どいて、ホーラ!」
「はぁ? お断りさ」

 ポプリは、えっ、と呟くと事情が分からないとばかりに固まる。

 そんなポプリを呆れた顔をして見つめるホーラが言う。

「正直な話、この戦争がどちらが勝とうとアタイには関係ないさ。家の人間とそうだね、女王一家が無事ならどうでもいいさ」

 そんな事を言うホーラを凝視するポプリは、ホーラが本気で言ってると気付かされる。

「ホーラ、貴方、人の命をなんだと思ってるの?」

 憤ったポプリが激昂してくるが、それに冷めた目をしたホーラが応じる。

「ああ、大事なモノさ。それでも大事にしたい者の順序は存在するさ。家族を見捨てて他人を心配なんかする気はないさ。だいたい、そのセリフをポプリ、アンタが言うってどういう神経さ? アンタを大事に思ってくれる人を振り切って、ありもしない幻想に縋りつくアンタが言えたセリフじゃないさっ!!」

 怯むポプリを見つめて、ホーラは思う。


 ユウ、ありがとう。ユウがアタイに自分の我儘を通して、ポプリを超えろと言ってくれたからアタイはブレずにポプリと対峙してられる、と。


「さあ、御託はこれぐらいでいいさ。アンタをのしてから、アタイ達がその兵器とやらを止めてやるから、さっさとボコボコにされて気絶しちまいなっ!」

 ホーラは、パチンコでポプリに狙い定めて走り出す。

 そんなホーラに対応する為に、ポプリは手を翳して魔法に集中を始めた。







「あ―あぁ、あの馬鹿王、打っちまいやがったなぁ。あのタイミングだと自国の兵を逃がす気がなかったようだなぁ」

 胸糞悪いといった顔をした後、唾を吐き捨てる。

 セシルは、「おっさんを説得してあの王を見限る時だと言わねぇ―と駄目だな、こりゃ」とボヤキ、頭をガリガリと掻く。

 セシルの正面では、切り傷で血を流すテツが顔を顰めて剣を構えていた。

 それに引き換え、セシルは無傷の対照的な格好であった。

 そんなテツを残念なモノを見るようにセシルは見つめる。

「テツよ、正直、ちと残念だったわ。お前の体裁き、剣戟の鋭さ、スピード、ああ、まったく申し分ねぇ―さ……だがよ? お前の剣は良く言えば、綺麗過ぎるんだわ、どこの剣が来るか分かるから、流すのも、避けるのも簡単とくれば言っちゃえば、雑魚なんだよ」

 テツは悔しそうに顔を歪めるとセシルに斬りかかるが、余裕を持って避けられると剣の柄のお尻で頬を殴られて吹っ飛ばされる。

 脳震盪起こして立ち上がれないテツにセシルは近寄り、髪を掴んで顔を上げさせて見つめる。

「お前を鍛えた奴は無能かよぉ? お前ほどの素材を腐らせてるんだからなぁ?」
「ユウイチさんは無能なんかじゃないっ!」

 テツはセシルの手を振り払って、立ち上がると斬りかかるが逆に斬られてハーフアーマーに大きな亀裂を入れられて仰向けに倒れる。

 テツは何かを呟いたが言った本人ですら何を言ったか分からない状態になり、意識を手放しそうになる。

 現か、夢か分からなくなり、夢幻のを彷徨っていると雄一の声が聞こえてきた。


「テツ、確かに基本は常に磨き続ける、それは練習では大事な事ではあるが、お前の本質は型に嵌った戦い方じゃないと俺は思うぞ?」
「僕の本質って何なんですか?」

 雄一の言う言葉がさっぱり分からないテツは問い返す。

 雄一は顎に手を添えて、言葉を選びながら説明を始める。

「観の目強く、見の目弱くって言ってな? ああ、悪い、お前の頭じゃついてこれるように説明するのは時間がかかるな」

 雄一が少し困った顔をすると、言い直してくる。

「そうだな、空から見下ろすようにして戦いを見つめるんだ。戦いになると、ついつい、剣先などが気になって見つめるが全体を良く見るんだ。そして、相手がどう動こうとしてくるか、肌で感じるんだ。お前は考えればドツボに嵌るタイプだからな」
「ユウイチさん、酷いですよ。僕が馬鹿だと言ってるようなもんじゃないですか!」

 既に言われてるような事は済んでるが、この時点までそれを感じてなかったテツを見つめる雄一は笑みを浮かべる。

「それができるようになったら、俺がお前に撒いた種が芽吹き、お前は相当強くなるぞ?」


 雄一のその言葉を最後にテツの意識が現実に返ってくる。

 すると眼前ではセシルがテツにトドメを入れる為に剣を振り被っているところであった。

 テツは地面を転がる事でそれを避ける。

「せっかく苦しまずに楽にしてやろうと思ったのによぉ?」

 テツは震える足で立ち上がるとセシルの言葉を無視して、雨が強くなってきてる空を見上げ目を閉じる。

「目を瞑るとか舐めてんじゃねぇ―ぞぉ!」

 セシルは再び、剣の柄で殴る。

 だが、テツはふらつきはするが倒れずに耐える。

 テツを殴った時の感触に違和感を感じたセシルは、今度は拳で殴りかかると殴ってる感触はあるのに頼りない感触しか返ってこない。

 そう、干しているシーツを殴ってるような感覚である。

「テツゥ! お前、何をしたぁ!!」

 怒りに任せて、叩き切るように剣を振るうセシルの剣の風圧で舞う落ち葉のようにふらつくようにして避ける。

 さすがにおかしい事に気付いたセシルは二刀流の強みである連撃を打ち込む。これも舞う落ち葉のようにヒラリ、ヒラリと避ける。

 苛立ったセシルが連撃中に一瞬の溜めを作って強打しようとした瞬間を狙ったかのようにテツはセシルに大上段から打ち込む。

 それを慌てて防いだセシルが廻し蹴りをテツの腹に入れて、急勾配な斜面にテツを叩きつけようとする。

 だが、テツは斜面に両足で立つ。

 それに目を剥くセシルを無視して駆け上がるようにして走り出したテツが斜面からセシル目掛けてジャンプする。

 落下の力も込めてセシルを斬りつけよう飛びかかってくるが、セシルの口の端が上がる。

「馬鹿が、安易に飛び上がったら簡単に迎撃されて終わりだろうがぁ!」

 セシルはタイミングを合わせて、テツに斬りかかるが空を斬る。

「なっ!」

 唸るセシルの目の前で、テツは空中でもう一度ジャンプしたのである。

 テツはジャンプした勢いで通り過ぎるセシルの背中を斬りつけた。

 片膝着くセシルは脂汗を流しながらテツを睨みつける。

「だから、聞いてるだろうがぁ! 何なんだ、これはよぉ!!!」
「これは、僕が教えられてたのに忘れてた事ですよ」

 セシルは、立ち上がると吼える。

「お前が教えられてたのは曲芸かよっ!」

 離れた位置にいるテツを凝視すると、一瞬、テツを見失う。

 セシルは慌てて探そうとすると消えたテツが眼前に現れる。

 そして、セシルの真横をテツが通り抜けるとセシルの腹から胸にかけて線が走ったように見えるとセシルの軽装が真っ二つに斬りされ、胸から血が噴き出す。

 絶叫するセシルにテツは呟く。

「これは相手に距離を誤認させる歩行という曲芸ですよ」

 セシルは苦痛に顔を歪ませながら、胸に手を当てて回復魔法を行使する。

 そして、セシルは自分を見つめるテツに問いかける。

「お前を鍛えた頭のおかしい奴は誰だ!」

 テツはその言葉を聞くと同時に空に人差し指を立てて掲げる。

「最強のお父さんですよ。雨が酷くなってきたでしょ? そのお父さん、物凄く怒ってるんで、貴方なんかに負けたと知れたら怖いんですよ。だから、早々に勝たせて貰いますよ」

 雨が酷くなる中、テツはセシルに口の端を上げて笑って見せた。
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