異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー

バイブルさん

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10章 DT、マリッジブルーを味わう

286話 アクアさんでも、ユウイチさんでもなく、僕は……らしいです

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 先日まで人が住んでいて、すぐに掃除しないと住めない状態ではなかったので、家探しや先程の女の子が倒れてる出来事などでバタバタして夕方になってしまったので夕飯の準備をする事にした。

 慣れない台所で今からするより、冒険に来てる感覚で外での料理にしたほうがやり易いと判断したアリア達は外でする事になった。

 そして、レイアとミュウが合流する。ミュウ1人で大小合わせて10匹以上釣ってきた。

 ちなみに予想に違わずレイアはボウズであった。

 大きな魚はミュウが興奮気味に串刺しにして焚き火に当てながら焦がさないようにせっせと廻していた。

 それを横目に見ていたダンテが、他の事にもこれぐらいやる気を出してくれたら、と切実に思っているが本人は一切届いてないようだ。

「ダンテ、こっちは鱗取り済んで、ぶつ切りしたけど鍋の方はどう?」
「うん、これから野菜を入れようと思ってる所だけど、身に付いてる血は洗った?」

 ヒースに声をかけられたダンテがそう答えると「あっ!」と声を上げるのを見て微笑む。

「そこの海で洗っておいでよ。ついでに塩味がついていいかも?」
「あはは、それ面白いね? 早速行ってみるよ」

 そう言うとフットワーク軽く近場の海へと駆けていくのを見送る。

 ダンテは必死に魚を焼くミュウをジッと見つめる役立たずの2人に声をかける。

「えっと、2人は何をしてるのかな?」
「勿論、配膳準備中なの!」

 スゥがそう答えてくるが配膳と言っても今、鍋にかけているアラ汁の器ぐらいで準備する程の事ではない。

 言ってるスゥも理由として弱いと思っているようだが、器を抱え込んで口を一文字にする。

 先程からボゥと焚き火を見つめるアリアに声をかける。

「ねぇ、アリアは何を?」
「んっ、私は食べる人」

 迷いのない言葉を吐くアリアが1周廻ってカッコイイと思ってしまうダンテであったが被り振ると爆弾を投下する。

「そんなんで、よくユウイチさんのお嫁さんになるって言ったよね?」

 ダンテの言葉を受けたアリアとスゥの表情がピシリッという音が聞こえたかのように固まるのを見た気がして、これ以上は触れてはいけないと本能が訴える。

 最初に復活したアリアが頭に三角巾を巻いて髪を纏める。

「ダンテ、私は何をしたらいい?」
「そうだね、とりあえず、ツマミ食いしようとしてるミュウを阻止してくれる?」

 任された! と呟くアリアがミュウを抑えに行く。

 それを見たスゥも負けてられないとばかりに参戦するとミュウが叫ぶ。

「ミュウ、ツマミ食いしない! 火が通ったか確認する為に半身をどけるだけ!」
「さすがミュウ。食べる事には手を抜かないね? で、どけた半身はどこに置くつもりだったの?」

 ニコニコするダンテが褒めながら聞くと気分を良くしたミュウが自分のお腹をポンと叩いてみせる。

「ミュウのお腹の中」
「アリア、スゥ、その魚の串焼き取り上げてミュウを拘束しておいて?」
「がぅ! ダンテ、やっぱり頭良い、でも、性格最悪!」

 罠にかけられた、と叫びながらも抵抗するミュウであったがアリアとスゥの2人にかかられては抵抗も碌にできずに魚の串焼きを奪われる。

 縛られたミュウが「ミュウの串焼き、今、一番いいところ!」と情けなく遠吠えをする。

 やれやれ、と肩を落とすダンテは家の方から歩いてくるレイアに気付いて声をかける。

「あっ、レイア。女の人の様子はどうだい?」
「ダメダメ、アリアの回復魔法が弾かれる時点でそうじゃないかな、とは思ったけどアタシも駄目だったよ。色々試したけどな」

 家で発見された修道女のような人はアリアの魔法を弾いたのでどうしようもなく、素人判断で確認した限りでは寝ているだけ、とダンテ達も判断していた。

 そこで気を使った回復法に着目した訳だがヒースは自分と武器には気を使えるがどうやら他人にはできないようなので、意外と器用なレイアの出番になった訳であった。

 しかし、結果はこの通りであった。

 勿論、ダンテもその可能性は考えていたので、とりあえずの判断を下す。

「明日は、家にアリアを残して看病を頼もう。僕達が仕事が終わった時点でまだ起きてないようだったら、お医者さんを捜してみよう」
「まあ、それしかねぇーだろうな」

 焚き火にあたるように座るレイアに水の入ったコップを渡すと「ありがと!」と言うと飲み干す。

「しかし、あの姉ちゃん何もだろうな?」
「そういえば、ヒースがあの人の気配がないって言ってたね?」

 ダンテにそう言われたレイアだったが考え込む素振りを見せるが首を振るとダンテを見つめてくる。

「それがな? アタシも最初はそう思ったんだけど、近くで気を送ろうとしてた時に、僅かなりに気配を感じたような気がするんだ」

 レイアの言葉を聞いて、考え込むダンテにレイアは続ける。

「あの姉ちゃんに近い感覚にさせられた相手に心当たりがあるんだけど?」

 ダンテがレイアを見つめてくると少し自信がなさそうではあるが口を開く。

「なんとなく、アクアの傍に居る時の感覚に近いんだよな?」
「そうなんだ? 僕は近くに居る時には気付かなかったよ」

 レイアにそう答えたダンテに帰ってきたヒースが声をかける。

「洗ってきたよ。もう入れても大丈夫?」

 言われたダンテが鍋の様子を確認してから頷いてみせる。

 入れ始めたヒースの横に緊張した様子のレイアが近寄り、お玉を片手に咳払いをする。

「灰汁取りは任せろ! アイツに何回か手伝わせて貰った事がある」
「そうなのかい? じゃ、僕は火の番するね?」

 肩に力が入り過ぎてるレイアがお玉で必死の形相で灰汁取りするのを見て、ユウイチさんを手伝った事ないだろう、と思うがレイアの必死のアプローチを邪魔する程ダンテは性格は悪くはないので苦笑するだけで留める。

 そんな2人を見つめるダンテは先程のレイアのアクアに似ているという言葉を思い出していた。

「僕の感覚ではアクアさんじゃなく、ユウイチさん……ううん」

 アクアに魔法の練習をすると言って連れて出かけさせられた場所で偶然に会った剃髪の修行僧のような二枚目の男を思い出す。

「僕は火の加護を持つ、ホーエンさんに一番近いと感じる」

 そう口にするがダンテ自身、何の根拠もない。

 ヒースが番をする焚き火で弾ける木の音を聞きながらダンテは家で眠る少女の正体を考え続けた。





 早朝、アリア達は夕食が済んだ後、日が落ちた為、みんなで同じ部屋で雑魚寝をしたので1人起きると数珠繋ぎで目を覚ましていった。

 いつも通りの早朝訓練をこなして目も頭を覚めたアリア達だったが、朝食を用意するのを忘れた為、レイアに市場にパンを買って来て貰う。

 ミュウも行こうと名乗り出たが満場一致で却下された。

 買い物から帰ったレイアが珍しく気が付いたのか、パンだけでなく牛乳も忘れずに買ってきた。

 それを褒められて照れるレイアであったが、パンを売るおばちゃんに牛乳を勧められて思い出しただけであったが当然のようにレイアは黙秘を貫いた。

 食事を取りながら、ダンテはアリアにこれは食事代と言って銅貨を20枚渡す。

「アリア、今日は悪いけどあの人の様子を見ててくれない? 目を覚ましたらお腹を空かせてると思うから消化の良さそう物を買ってきて」

 頷くアリアに、空き時間に掃除も頼む。

 朝食を食べ終えたダンテ達は後はアリアに任せて、ペーシア王国でする初めてのお仕事をする為に冒険者ギルドを目指して出発した。
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