to be Continued  ~ここはゲームか異世界か~

秋乃ヒダマリ

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2章 ソレガシとナニガシ

『彼女は』

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 《ウロンギネスの森》に入ったオレは、現れる魔物を片っ端から倒していった。

 この森には、カエルに似た“カエルルン”や狼に似た“コマウルフ”などがいる。
 この森の推奨レベルは確か120だった筈だ。LV:950のオレはこんなモンスターでは相手にもならないが、途中見かけた冒険者らしきパーティーも余裕で倒していたところを見ると、この世界の人間も案外レベルが高いのかもしれない。


「これで半分くらいか……」

 『マップ』で確認すると、丁度森の半分くらいの場所だった。このまま順調にいけば予定通り夕方には“エリュンバラ峠”に着くだろう。
 秋山は、小腹が減ったのでお昼ご飯を食べる事にした。

 適当な気の幹に腰掛ける

 サンドイッチ――と言うよりはホットドックみたいな黒パンon干肉で軽食を取ることにした。(味付けは塩のみ)

 少し味気ないが仕方ない、『インベントリ』に時間停止機能など付いていないのだから、普通のご飯だと三日間も持たないのだ。
 持ってきた飲み水も温くなっていて気持ち悪い――思った以上に旅は大変のようだ。

 ふと、気配を感じた。

 オレは気配を察知するような特殊な能力は持っていない。言うなれば、あの“黒い悪魔G”を見つけるときのような感覚だ。


 刹那――背筋に悪寒が走る


 られる――


 “本能”だろうか、秋山は反射的に振り返ると同時に飛びのいた。
 秋山の顔があっただろう場所を白い刃物が通りすぎる。

 あと、ほんの数瞬遅れていたら、確実に切られていた。
 HPはすぐに回復するだろうが、精神的に立ち直れなかったかもしれない。


 もっとも、そんな事など考える余裕は今の秋山には無かったが。

 間一髪のところで回避した秋山の、眼前に映る人物には全く見覚えがなかった。
 と言うより所々、“認識出来なかった”

「流石ね、やっぱり本物だわ!」

「だ、誰だ……」

 焦りから、押し殺したような声で尋ねる。

 そのオレの言葉に、目の前の人物は、信じられない!とでも言いたげに目を見開いて
 次の瞬間――この世の終わりのような、これ以上無いほどの悲しい表情を浮かべていた。


「本当に忘れてしまったのね……ソレガシ……」

「――え、いま……なん…て」

 なんで『ソレガシ』の名前を――

「さよならソレガシ……いつか……また」

「ま、まて!!」

 しかし、彼女・・は――文字通り消えてしまった。

 嵐のような、ほんの数秒の出来事。
 
 後に残ったのは、混乱したままの俺だけだった。


 襲撃者の姿は恐らく女だ、だけど見たこともない女だった。オレがこの世界に来てまだ一ヶ月も経っていない、オレの名前を知っている奴は少ないだろうし、ましてや、この世界に来て一度も『ソレガシ』と名乗った事などなかった。

 そう、、誰も知る筈の無い名前――『ソレガシ』と女は言った。








 何がどうなっているのか、秋山は混乱している頭で考え続けた――


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