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南海覇王為朝
交易圏との共棲は可能か
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講談師、見て来たように嘘を吐く。されど、真実混ざってこその嘘であります。
「庚寅」が難波へ向けて、出発した頃、トゥルーカ達が、再び春島へとやってきた。司ハルトゥが、一緒に来ていた。鳥の人マケマケが眷属が春島に居ないと聞くと、夏島への渡航を要望してきた。
紀平治と張節が迎えに出て、双胴白漆喰船にトゥルーカと司ハルトゥを乗せて、夏島へと向かっていた。
「戦となった時の備えはせねばならぬ、為朝、、、」
玲は、少し、言いよどむ
「どうした」
「為朝、妾の本性は、今の姿じゃ、されどな」
「竜に化生した姿があるのか」
「父ほど、大きくは無いが、女護島のミヅチよりは大きいぞ。試したことは無いが、おそらくは、この環礁を囲める程度の大きさではあろう」
「ほぉ、見たいというのは駄目か」
為朝が面白そうに言ってくる。
「そうじゃな、子が生まれたならば、そなたを乗せて、トゥルーカの島へ出てもよいな」
「玲。それは」
竜の化生は、大いなる意思の顕現と爺様に教わった。爺様はすでに竜宮を出ることはできない幻のようなものとなっていた。
「戦となれば、妾は化生して、この環礁全域を囲むこととなる。子が無事に生まれるかどうかはわからぬが、数百艘ともなれば、防げぬであろう」
玲にとって、戦力がわからぬことが問題であった。彼の国の戦のように、雑兵を合わせて数十万余が来るとは思わぬが、船が千を超えれば、さすがに上陸を阻止することはできない。その時は、玲自身の顕現を持って南方嵯峨諸島を封鎖することを考えていた。ただし。顕現すると、しばらくは戻れない、子が生まれてからならばともかく、産み月となればかなり危険な状況となる。
「玲。敵が百艘来ようと、俺が砕いて見せる」
「為朝、丸木舟は、矢では沈められぬ、大筒でもあれば別じゃがな」
「大丈夫だ玲。衝角鎚であれば、丸木舟であろうと叩き潰せる」
「為朝、無理をしてくれるな。妾が心配で顕現してしまうからの」
「任せろ、玲。顕現せぬように、しっかり敵を叩き潰してみせるから」
「わかった、しかし、手間どるようであれば、顕現するに、良いな」
「任せろ、玲」
戦となれば、自分の出番と、張り切る為朝でありましたが、玲の目から見ると、危なっかしい雰囲気で映るので、何かあれば、顕現することになるだろうなぁと思いつつ、為朝の言葉を嬉しく感じていた。
「庚寅」が難波へ向けて、出発した頃、トゥルーカ達が、再び春島へとやってきた。司ハルトゥが、一緒に来ていた。鳥の人マケマケが眷属が春島に居ないと聞くと、夏島への渡航を要望してきた。
紀平治と張節が迎えに出て、双胴白漆喰船にトゥルーカと司ハルトゥを乗せて、夏島へと向かっていた。
「戦となった時の備えはせねばならぬ、為朝、、、」
玲は、少し、言いよどむ
「どうした」
「為朝、妾の本性は、今の姿じゃ、されどな」
「竜に化生した姿があるのか」
「父ほど、大きくは無いが、女護島のミヅチよりは大きいぞ。試したことは無いが、おそらくは、この環礁を囲める程度の大きさではあろう」
「ほぉ、見たいというのは駄目か」
為朝が面白そうに言ってくる。
「そうじゃな、子が生まれたならば、そなたを乗せて、トゥルーカの島へ出てもよいな」
「玲。それは」
竜の化生は、大いなる意思の顕現と爺様に教わった。爺様はすでに竜宮を出ることはできない幻のようなものとなっていた。
「戦となれば、妾は化生して、この環礁全域を囲むこととなる。子が無事に生まれるかどうかはわからぬが、数百艘ともなれば、防げぬであろう」
玲にとって、戦力がわからぬことが問題であった。彼の国の戦のように、雑兵を合わせて数十万余が来るとは思わぬが、船が千を超えれば、さすがに上陸を阻止することはできない。その時は、玲自身の顕現を持って南方嵯峨諸島を封鎖することを考えていた。ただし。顕現すると、しばらくは戻れない、子が生まれてからならばともかく、産み月となればかなり危険な状況となる。
「玲。敵が百艘来ようと、俺が砕いて見せる」
「為朝、丸木舟は、矢では沈められぬ、大筒でもあれば別じゃがな」
「大丈夫だ玲。衝角鎚であれば、丸木舟であろうと叩き潰せる」
「為朝、無理をしてくれるな。妾が心配で顕現してしまうからの」
「任せろ、玲。顕現せぬように、しっかり敵を叩き潰してみせるから」
「わかった、しかし、手間どるようであれば、顕現するに、良いな」
「任せろ、玲」
戦となれば、自分の出番と、張り切る為朝でありましたが、玲の目から見ると、危なっかしい雰囲気で映るので、何かあれば、顕現することになるだろうなぁと思いつつ、為朝の言葉を嬉しく感じていた。
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