琉球お爺いの綺談

Ittoh

文字の大きさ
上 下
110 / 501
歴史と時代

歴史と時代第二稿 満州は、毒饅頭だった?

しおりを挟む
 第二次世界大戦で、日本は焦土と化した。
 様々な原因を描く方が多いが、個人的には、勝ちすぎた日露戦争という形である。日露戦争は、身の丈を弁えぬ勝利であった。日本は、古来より、中央より離れるほどに、中央の統制が効かなくなる。つまり、中央が地方の暴走を阻止したくても、地方の暴走を止めることはできない。その代表的な結果が、満州における日本の行動である。

倉山満著「国際法で読み解く、世界史の真実」の中で、
<引用>
 外務大臣の内田康哉という方が、
「たとえ日本が孤立しても、世界の声なんか無視します。満州国を承認します。日本が焦土となってもやり遂げます」
 と話したそうです。

 この演説は、有権者に大受けしたそうです。

 この問題は、外務大臣の発言が間違っている国民に大受けしたことです。日本国民は、日本が焦土となっても、満州国を認めると宣言したことを、許容したことになります。日本は焦土となりましたが、満州国は現在、承認されず、存在もしていません。だけど、日本は焦土となったのです。

  職責を担えない人が、職責に就くことで、大混乱をもたらすのは、政治ではよくあることかも知れません。発言そのものが、取り返しのつかないことであるかどうかは、後になってみなければわからないというのも、事実としてはあります。

 お爺ぃは、日本が道を誤ったのは、日露戦争を勝ち過ぎたことにあると判断しています。日露戦争を、勝ち過ぎたことで、今度もいけると判断してしまったのです。そして、日露戦争で手に入れたものが大きすぎて、取り扱うことができないほどに、国内に混乱を招いたということになります。

 また、日露戦争の戦訓には、非常に悪い面がありました。それは、総力戦の中で決戦主義が、実現可能であると、政治家にも軍人にも誤解させたことです。
しおりを挟む

処理中です...