琉球お爺いの綺談

日ノ本、二大政党制

日ノ本、二大政党への道 地方分権と中央集権

　日本で、二大政党とする場合、可能な政党条件は、それほど幅は無いと考えている。

　地方分権を推進し、小さな政府を目指す政党。国家の収益を各地に分散し、帝都への一極集中を排除する。小さな政府と権限の地方移譲を目指す政党として、政友会を考える。

　明治以来の中央集権を推進し、大きな政府を目指す政党。国家の収益を帝都に集中し、帝都への一極集中を確立する。大きな政府と中央への一極集中を目指す政党としては、民政党を考える。





　日ノ本では、明治以来の中央集権を推進し、大きな政府を目指す形が取られていた。欧米列強から日本の自主独立を維持し、対等に交渉を行う列強の一角を担うには、国家の総力を挙げて対応する必要があったからである。

　日清、日露、第一次世界大戦を勝ち抜いた結果、一等国の一角に達することができた。

　明治以来の国家目標は、第一次世界大戦を勝者で迎え、戦後の国際組織である、国際連盟でイギリス、アメリカ、日本、フランス、イタリアと並び、常任理事国となれたことで達成した。中央政府への集権体制の確立と、資本の帝都への一極集中は、明治以来の国家目標を達成するための必須事項でもあった。

　国家目標を達成した後、史実の中で、原敬が、「我田引鉄」を実行し、中央から地方へと金を流したのは、中央に集中する資本や資金を地方へ分散する動きである。明治以降の日本政府には、地方官僚というのは、基本的に存在しない、すべて国家公務員である。軍事費の削減についても、明治以来の国家目標が達成された結果である。

　廃藩置県の中で、大名が知事となったことで、知事の権限は高いモノであったが、日本の地方自治は、真っ当に機能するような構造になっていない。これは、史実における戦後の流れまで変わらぬ結果となっている。

　史実での「我田引鉄」に代表される、地方への資本投下は、地方議員の票集めという側面が強いモノである。これを、地方への資本投下と国家から地方への権限移譲として進める形をとる。さらに、「我田引鉄」によって、地方へ鉄道を誘致することで、鉄道の維持や運用に必要な、技術者の育成を開始するため、陸軍および海軍の駐屯地に工兵学校の建設を進めた。

　明治大正期の日本は、基本的には、農業国家である。地方には、圃場が多く、農作業の機械化による、生産性向上を図ることができる。各地で、独自に車両開発ができるように、エンジンを統制型という共通規格化することと、各歩兵師団の駐屯地近くに、工兵学校を設立し、各師団より工兵隊の抽出と機械・電気・土木について研修しつつ、統制型エンジンの整備に始まり、組立や調整ができる人材育成を開始した。

　また、統制型エンジンを搭載した、作業車両の開発や、地域の農家や鉄工所と一緒に製作した農業車の改善や、耕耘機や草刈り機等の開発を進めていた。農業生産性向上を図ると共に、大正期に岡山で作られた「はねくり備中」に工夫を加えて生産するといった、機械加工、板金、溶接といった製作作業にも対応していた。カラクリ技術を加えた、耕耘機や草刈り機の改良や改善も進められていた。