琉球お爺いの綺談

Ittoh

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正義の殺人と言う話をした

戦争は、犯罪ですか? 帝国陸海軍は、非正規戦闘を嫌う

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 日本の帝国陸海軍は、会戦主義が蔓延っているため、非正規戦闘では勝っても戦果にならない。シベリア出兵の中で、戦意が低下していくのは、赤軍パルチザンが民兵同然の状態で、戦闘能力としては低かったことに原因がある。

 戦闘環境そのものが、シベリアと言う劣悪であったこともあり、帝国陸海軍の戦闘能力は、徐々に低下していくことになる。

 帝国陸軍は、ウラジオストクに上陸し、満洲鉄道とシベリア鉄道を経由して、侵攻をおこなっていく。ソビエトは、敵軍を引き込むことと、冬のシベリアで戦闘することで帝国陸軍は、徹底した戦力低下に巻き込まれていく。

 バイカル湖畔まで攻め込んだのは、完全なソビエト軍の焦土戦術に嵌った、帝国陸軍の失態である。さらにいえば、「大一大万大吉」とも呼べる、一人はみんなのために、みんなは一人のためにという思想は、帝国陸軍の思想ともなっていたようである。包囲された、部隊を救出するために、次々と部隊が動き、すべて殲滅されていくという、悪しき戦い方までも実行している。

 また、史実におけるシベリア出兵は、第一次世界大戦の結果疲弊した他国から見れば、大軍を出兵させた日本だけが利権を保有していくため、許せるような状況では無かった。つまりは、旧ロシア帝国の利権を、日本が貪るような状況であった。

 尼港事件など、日本側の交渉は、相手が国際法を理解できる真っ当な組織であることが前提であり、共産主義指導者のような、国際法を守るつもりがない存在を相手にできるような結果では無かった。

 国際法の中でも、民兵のパルチザンは、正規軍ではないため、扱いは非常に厳しいところがあるが、日本はパルチザンを正規軍扱いしている。結果として、パルチザンへの対応は、最悪であり、日本軍の行動だけが制限されている。

 日本の外交は、理想主義の皮を被った、帝国主義のアメリカをこの時期誤解している。アメリカは、ソビエトは、民主政権と言う誤解をしている。イギリスは、外交交渉が可能な、政権と言う認識がある。1920年代は、共産主義国家そのものの理解が低く、国家組織として対応可能と言う誤解が、欧米諸国家にはあった。

 反共としては、国際連盟の中で、ある程度の合意がとれるが、交渉が可能であると判断することから、戦争については行き過ぎを認めない方向となっていた。



 if修正項目を決定する。

1.20世紀初頭のアメリカは、19世紀後半から続く、禁酒法に代表されるような、保守理想主義が拡大浸透する時期であり、小さな政府への移行が進められた時期でもある。このため、海外への対応についても、理想主義としての対応が求められている時期である。単純に利権獲得で動けるほどに、アメリカの状況は良くない。

2.第一次世界大戦にアメリカが参戦していると、シベリアへのアメリカ出兵は厳しくなるので、第一次世界大戦にアメリカが出兵をしないもしくは、義勇兵派遣を中心とした限定出兵で終了させる必要がある。このためには、日本も欧州への出兵が必要となる。ただし、日本の国力として1万程度が限界で在り、戦闘に参加しても、欧州への影響を大きくとることはできない。仲裁の武力介入として、徹底的に不戦対応を図る必要がある。

3.第一次世界大戦は、大国が崩壊していく大戦争として拡大した。大国の崩壊を目の当たりにすることで、大国の撤兵と休戦を図る形をとる。第一次世界大戦の終結は、フランスとドイツの関係で決定されている。つまりは、大国であったオーストリア=ハンガリー、ロシアが崩壊し、生き残ったドイツ、フランス、イギリスが手打ちをした形である。結果として、ドイツの降伏から賠償請求に持ち込んだのは、フランスの外交的な勝利である。日本としては、このフランス、イギリスとの手打ちを、休戦という形態で纏めた。ドイツを降伏させず、東部戦線で戦争を継続させるのが、日本としては外交勝利条件となる。
 長くなった戦争で疲弊した欧州は、アメリカと言うビジネス国家による、儲けたい病に巻き込まれていた。日本も稼いでいたが、19世紀末から巨大な工場と化していたアメリカは、欧州が疲弊すればするほどに、儲けを拡大させていったのである。
 だが、ビジネスと言うのは、暴走する奔流のように、諸国家を貪り喰らう。破滅しかけているのは、大戦に巻き込まれたすべての国家であり、国力を消耗しながら戦いを継続することとなっている。

4.戦争の長期化によって、第一次世界大戦の末期には、すべての参戦国家が破産デフォルト状態であり、参戦国家はアメリカの経済支配を受ける状況となっている。アメリカは、資産回収のための参戦となっている。この戦争参加に対する考え方は、第二次世界大戦でも、アメリカの態度は変わっていない。旧大陸である欧州の国々を破滅に追い込むことで、植民地であったアメリカを超大国へと押し上げることに成功している。この状況を、出来る限り抑えることが、日本の外交勝利となる。

5.帝国陸海軍は、パルチザンやゲリラとして活動することはできるが、パルチザンやゲリラを相手にするのは難しい。警察機構と憲兵隊を兼ねた組織を構築し、海上交易ルートや鉄道路線について、防衛する組織として編成する必要がある。

6.大陸について、国際連盟による委任統治領という形で、満洲・沿海州・アムール川流域を「特区」とする。満洲鉄道・シベリア鉄道・アムール川、駅や川港を中心に都市を建設し、自治都市として、市民から選挙によって選出された市長によって、統治される体制を構築する。
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