琉球お爺いの綺談

Ittoh

文字の大きさ
225 / 525
正義の殺人と言う話をした

戦争は、犯罪ですか? 帝国陸海軍は、非正規戦闘を嫌う

しおりを挟む
 日本の帝国陸海軍は、会戦主義が蔓延っているため、非正規戦闘では勝っても戦果にならない。シベリア出兵の中で、戦意が低下していくのは、赤軍パルチザンが民兵同然の状態で、戦闘能力としては低かったことに原因がある。

 戦闘環境そのものが、シベリアと言う劣悪であったこともあり、帝国陸海軍の戦闘能力は、徐々に低下していくことになる。

 帝国陸軍は、ウラジオストクに上陸し、満洲鉄道とシベリア鉄道を経由して、侵攻をおこなっていく。ソビエトは、敵軍を引き込むことと、冬のシベリアで戦闘することで帝国陸軍は、徹底した戦力低下に巻き込まれていく。

 バイカル湖畔まで攻め込んだのは、完全なソビエト軍の焦土戦術に嵌った、帝国陸軍の失態である。さらにいえば、「大一大万大吉」とも呼べる、一人はみんなのために、みんなは一人のためにという思想は、帝国陸軍の思想ともなっていたようである。包囲された、部隊を救出するために、次々と部隊が動き、すべて殲滅されていくという、悪しき戦い方までも実行している。

 また、史実におけるシベリア出兵は、第一次世界大戦の結果疲弊した他国から見れば、大軍を出兵させた日本だけが利権を保有していくため、許せるような状況では無かった。つまりは、旧ロシア帝国の利権を、日本が貪るような状況であった。

 尼港事件など、日本側の交渉は、相手が国際法を理解できる真っ当な組織であることが前提であり、共産主義指導者のような、国際法を守るつもりがない存在を相手にできるような結果では無かった。

 国際法の中でも、民兵のパルチザンは、正規軍ではないため、扱いは非常に厳しいところがあるが、日本はパルチザンを正規軍扱いしている。結果として、パルチザンへの対応は、最悪であり、日本軍の行動だけが制限されている。

 日本の外交は、理想主義の皮を被った、帝国主義のアメリカをこの時期誤解している。アメリカは、ソビエトは、民主政権と言う誤解をしている。イギリスは、外交交渉が可能な、政権と言う認識がある。1920年代は、共産主義国家そのものの理解が低く、国家組織として対応可能と言う誤解が、欧米諸国家にはあった。

 反共としては、国際連盟の中で、ある程度の合意がとれるが、交渉が可能であると判断することから、戦争については行き過ぎを認めない方向となっていた。



 if修正項目を決定する。

1.20世紀初頭のアメリカは、19世紀後半から続く、禁酒法に代表されるような、保守理想主義が拡大浸透する時期であり、小さな政府への移行が進められた時期でもある。このため、海外への対応についても、理想主義としての対応が求められている時期である。単純に利権獲得で動けるほどに、アメリカの状況は良くない。

2.第一次世界大戦にアメリカが参戦していると、シベリアへのアメリカ出兵は厳しくなるので、第一次世界大戦にアメリカが出兵をしないもしくは、義勇兵派遣を中心とした限定出兵で終了させる必要がある。このためには、日本も欧州への出兵が必要となる。ただし、日本の国力として1万程度が限界で在り、戦闘に参加しても、欧州への影響を大きくとることはできない。仲裁の武力介入として、徹底的に不戦対応を図る必要がある。

3.第一次世界大戦は、大国が崩壊していく大戦争として拡大した。大国の崩壊を目の当たりにすることで、大国の撤兵と休戦を図る形をとる。第一次世界大戦の終結は、フランスとドイツの関係で決定されている。つまりは、大国であったオーストリア=ハンガリー、ロシアが崩壊し、生き残ったドイツ、フランス、イギリスが手打ちをした形である。結果として、ドイツの降伏から賠償請求に持ち込んだのは、フランスの外交的な勝利である。日本としては、このフランス、イギリスとの手打ちを、休戦という形態で纏めた。ドイツを降伏させず、東部戦線で戦争を継続させるのが、日本としては外交勝利条件となる。
 長くなった戦争で疲弊した欧州は、アメリカと言うビジネス国家による、儲けたい病に巻き込まれていた。日本も稼いでいたが、19世紀末から巨大な工場と化していたアメリカは、欧州が疲弊すればするほどに、儲けを拡大させていったのである。
 だが、ビジネスと言うのは、暴走する奔流のように、諸国家を貪り喰らう。破滅しかけているのは、大戦に巻き込まれたすべての国家であり、国力を消耗しながら戦いを継続することとなっている。

4.戦争の長期化によって、第一次世界大戦の末期には、すべての参戦国家が破産デフォルト状態であり、参戦国家はアメリカの経済支配を受ける状況となっている。アメリカは、資産回収のための参戦となっている。この戦争参加に対する考え方は、第二次世界大戦でも、アメリカの態度は変わっていない。旧大陸である欧州の国々を破滅に追い込むことで、植民地であったアメリカを超大国へと押し上げることに成功している。この状況を、出来る限り抑えることが、日本の外交勝利となる。

5.帝国陸海軍は、パルチザンやゲリラとして活動することはできるが、パルチザンやゲリラを相手にするのは難しい。警察機構と憲兵隊を兼ねた組織を構築し、海上交易ルートや鉄道路線について、防衛する組織として編成する必要がある。

6.大陸について、国際連盟による委任統治領という形で、満洲・沿海州・アムール川流域を「特区」とする。満洲鉄道・シベリア鉄道・アムール川、駅や川港を中心に都市を建設し、自治都市として、市民から選挙によって選出された市長によって、統治される体制を構築する。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...