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お爺の一考
「胡蝶の夢」と歴史if 前編
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「胡蝶の夢」は、ライトノベルでは、とってもファンタジーな扱いを受けるであろう、漢詩である。Wikiペディアから参照
これは、形而上と形而下に分けて、形而上が同じ意識を持ちながら、形而下の体が人と蝶に分かれている。自分は、蝶であり人である。現実の意識としては、蝶であるか人であるかを区別することはできない。転生モノのライトノベルでは、異世界に存在している自分を、受け入れておりますから、胡蝶の夢であるように思います。
これは、形而上と形而下に分けて、形而上が同じ意識を持ちながら、形而下の体が人と蝶に分かれている。自分は、蝶であり人である。現実の意識としては、蝶であるか人であるかを区別することはできない。転生モノのライトノベルでは、異世界に存在している自分を、受け入れておりますから、胡蝶の夢であるように思います。
昔々に、転生モノを描いていた方々が、夢オチだったりたことが多かったのは、異世界転生そのものが、現実には起きないこと、在り得ない事という認識が強かったために、夢オチにしないと納得できない読者が多かったという流れがあったように思います。
自分で描く場合は、アシモフ先生(アジモフとも呼ぶそうな)の歴史が変わるにあたっての心理歴史学的考察をしなきゃぁとかを考えてしまう。結果的に偉く面倒な話となってしまいます。
歴史ifの場合、何故ifが起きたか、起きたことで何が変わるのかを推定すれば、時の流れを変革する因果律を考えることができます。ただ、ライトのベルトかで描く場合は、基本的に結果から、原因を変革する歴史ifとなります。これを注意しなければなりません。
例:織田信長が本能寺を生き残る
日本における歴史ifで一番多いテーマが、本能寺で信長が死んだことです。これは、非常に多くの書籍がありますから、いまさら言うこともありません。
しかしながら、歴史ifというのは、次代の描き方を読者へ提示することだと思っています。
つまりは、歴史ifは、描く側から想定した未来を、読者に提示することなのです。織田信長が、本能寺を生き残り、織田幕府を開いてオランダとの制限貿易を施行して、太平の世となりました。という史実どおりになる世界を読者に提供するために、歴史ifを描く人は、少数派ではないでしょうか。たいていの作者は、信長が本能寺を生き残ることで、日本が大航海時代に乗り出す未来ができたと主張しているように思います。
「宵闇シリーズの最終目標は、西暦2000年時点で、あやかしと人が共棲できる世界の構築です」
そのための歴史の転回点を、大江山酒呑童子まで遡行し、さらに起点を、「様々な薬樹やあやかしへの対処法を持って、幾度も日本渡航に失敗した上人様が、信太の白狐葛葉と九尾の白狐玉藻御前と一緒に日本に渡る」としました。その時に、上人様の日本渡航を妨害していた東海竜王と約定を交わす。そのくらい遡行して、歴史を変革できないと無理だろうという結論に至ったということです。
歴史的には、鎌倉時代末期より、十三世紀から十四世紀頃の倭寇は、本質的には西洋で言えば、私掠船に近い集団であったのではないかと思います。つまりは、公的には承認してないけど、(上納金が入るから)黙認していた海賊集団ということになります。これは、元寇によって、海外勢力と対抗する必要性が上がって拡大した海上武装勢力が、対外戦闘を勝手におこなっていたのが初期の倭寇であったように思います。
室町幕府による正規の交易ルートである、勘合貿易が進むことで、徐々に衰退していったという流れがそれを裏付けます。この正規ルート時代に、鄭和の大航海が始まり、東南アジア地域から、天竺、波斯といった地域までの交易が始まります。琉球は、安定した東南アジア流域からハワイあたりまでの中央から南太平洋領域へ通商範囲を拡大していきます。
特に、関東から南方航路は、日本による寡占状態となっていました。日本からすると中型船は、帆無八丈と呼ばれた規格船で、あやかしのミズチ六人が二人づつ交代で曳くことで、白漆喰の交易船は時速30km(16ノット)で航行する高速船で、下田から呂宋のダバオまでを南方諸島経由で二カ月で航行していました。年に一度の定期便を含めて、二カ月に一回の交易をおこなっており、ダバオには、香辛料等の欧州との交易品が中継される拠点となっていました。また、呂宋のダバオからは、難波から琉球、台湾を経由する南洋交易路ともなっていて、マニラを拠点としていたイスパニアに対して、日本側はダバオを太平洋を周回する交易拠点としていました。
室町幕府の足利義教殺害から権威失墜が始まれば、正規ルートでの交易が低調となって、密貿易を中心として倭寇が活発化していくのは、当たり前といえば当たり前なのです。正規ルートでの交易を基準としていた、琉球船の活動が低下するのは、海の安定が失われていったためです。交易が、駿河や伊豆からの南方交易ルートは賀茂斎宮家、東国より蝦夷までの伊勢斎宮家による大庭御厨の正規ルートであり、難波、博多から竜ヶ島を介した、琉球までの交易ルートは、大江御厨としての正規ルートで維持されましたが、倭寇による密貿易が拡大していくのは正規ルートの無い、大陸ルートということになります。
室町末期から始まる欧州との交易は、商業経済の発展と交易規模拡大を、日本にもたらします。マラッカから輸入された火縄銃等の生産も国内で始まっていきます。戦国期には、鋼の量産が拡大し、鍛造製だけでなく、鋳造製の鉄砲や大鉄砲が出回るようになりました。この時期に、湯女狐の誘拐から始まる人身売買から、邦人だけでなく、居留異邦人に対する、最初の「許状改め」の発布が、三好長慶の名前で行われています。
・日本は、八百万の神々があり、他神を認めなければならない
・天主教そのものについては、神のひとつであり、個人の思い次第である
・領主は強制して、教徒としてはならない
・人の売買を禁止する
・貿易は、商売によるもので、今後とも商売を続けること
・国法に従う限り、商人でなくても、訪れることは構わず
・国内にて、国法を破れば、いかなる国の者であれ、構わず国法にて罰する
この「許状改め」の発布から、イスパニアとの関係が悪化していきます。そして、今川幕府の成立によって、バテレン追放令が追加されて発布します。
これは、形而上と形而下に分けて、形而上が同じ意識を持ちながら、形而下の体が人と蝶に分かれている。自分は、蝶であり人である。現実の意識としては、蝶であるか人であるかを区別することはできない。転生モノのライトノベルでは、異世界に存在している自分を、受け入れておりますから、胡蝶の夢であるように思います。
これは、形而上と形而下に分けて、形而上が同じ意識を持ちながら、形而下の体が人と蝶に分かれている。自分は、蝶であり人である。現実の意識としては、蝶であるか人であるかを区別することはできない。転生モノのライトノベルでは、異世界に存在している自分を、受け入れておりますから、胡蝶の夢であるように思います。
昔々に、転生モノを描いていた方々が、夢オチだったりたことが多かったのは、異世界転生そのものが、現実には起きないこと、在り得ない事という認識が強かったために、夢オチにしないと納得できない読者が多かったという流れがあったように思います。
自分で描く場合は、アシモフ先生(アジモフとも呼ぶそうな)の歴史が変わるにあたっての心理歴史学的考察をしなきゃぁとかを考えてしまう。結果的に偉く面倒な話となってしまいます。
歴史ifの場合、何故ifが起きたか、起きたことで何が変わるのかを推定すれば、時の流れを変革する因果律を考えることができます。ただ、ライトのベルトかで描く場合は、基本的に結果から、原因を変革する歴史ifとなります。これを注意しなければなりません。
例:織田信長が本能寺を生き残る
日本における歴史ifで一番多いテーマが、本能寺で信長が死んだことです。これは、非常に多くの書籍がありますから、いまさら言うこともありません。
しかしながら、歴史ifというのは、次代の描き方を読者へ提示することだと思っています。
つまりは、歴史ifは、描く側から想定した未来を、読者に提示することなのです。織田信長が、本能寺を生き残り、織田幕府を開いてオランダとの制限貿易を施行して、太平の世となりました。という史実どおりになる世界を読者に提供するために、歴史ifを描く人は、少数派ではないでしょうか。たいていの作者は、信長が本能寺を生き残ることで、日本が大航海時代に乗り出す未来ができたと主張しているように思います。
「宵闇シリーズの最終目標は、西暦2000年時点で、あやかしと人が共棲できる世界の構築です」
そのための歴史の転回点を、大江山酒呑童子まで遡行し、さらに起点を、「様々な薬樹やあやかしへの対処法を持って、幾度も日本渡航に失敗した上人様が、信太の白狐葛葉と九尾の白狐玉藻御前と一緒に日本に渡る」としました。その時に、上人様の日本渡航を妨害していた東海竜王と約定を交わす。そのくらい遡行して、歴史を変革できないと無理だろうという結論に至ったということです。
歴史的には、鎌倉時代末期より、十三世紀から十四世紀頃の倭寇は、本質的には西洋で言えば、私掠船に近い集団であったのではないかと思います。つまりは、公的には承認してないけど、(上納金が入るから)黙認していた海賊集団ということになります。これは、元寇によって、海外勢力と対抗する必要性が上がって拡大した海上武装勢力が、対外戦闘を勝手におこなっていたのが初期の倭寇であったように思います。
室町幕府による正規の交易ルートである、勘合貿易が進むことで、徐々に衰退していったという流れがそれを裏付けます。この正規ルート時代に、鄭和の大航海が始まり、東南アジア地域から、天竺、波斯といった地域までの交易が始まります。琉球は、安定した東南アジア流域からハワイあたりまでの中央から南太平洋領域へ通商範囲を拡大していきます。
特に、関東から南方航路は、日本による寡占状態となっていました。日本からすると中型船は、帆無八丈と呼ばれた規格船で、あやかしのミズチ六人が二人づつ交代で曳くことで、白漆喰の交易船は時速30km(16ノット)で航行する高速船で、下田から呂宋のダバオまでを南方諸島経由で二カ月で航行していました。年に一度の定期便を含めて、二カ月に一回の交易をおこなっており、ダバオには、香辛料等の欧州との交易品が中継される拠点となっていました。また、呂宋のダバオからは、難波から琉球、台湾を経由する南洋交易路ともなっていて、マニラを拠点としていたイスパニアに対して、日本側はダバオを太平洋を周回する交易拠点としていました。
室町幕府の足利義教殺害から権威失墜が始まれば、正規ルートでの交易が低調となって、密貿易を中心として倭寇が活発化していくのは、当たり前といえば当たり前なのです。正規ルートでの交易を基準としていた、琉球船の活動が低下するのは、海の安定が失われていったためです。交易が、駿河や伊豆からの南方交易ルートは賀茂斎宮家、東国より蝦夷までの伊勢斎宮家による大庭御厨の正規ルートであり、難波、博多から竜ヶ島を介した、琉球までの交易ルートは、大江御厨としての正規ルートで維持されましたが、倭寇による密貿易が拡大していくのは正規ルートの無い、大陸ルートということになります。
室町末期から始まる欧州との交易は、商業経済の発展と交易規模拡大を、日本にもたらします。マラッカから輸入された火縄銃等の生産も国内で始まっていきます。戦国期には、鋼の量産が拡大し、鍛造製だけでなく、鋳造製の鉄砲や大鉄砲が出回るようになりました。この時期に、湯女狐の誘拐から始まる人身売買から、邦人だけでなく、居留異邦人に対する、最初の「許状改め」の発布が、三好長慶の名前で行われています。
・日本は、八百万の神々があり、他神を認めなければならない
・天主教そのものについては、神のひとつであり、個人の思い次第である
・領主は強制して、教徒としてはならない
・人の売買を禁止する
・貿易は、商売によるもので、今後とも商売を続けること
・国法に従う限り、商人でなくても、訪れることは構わず
・国内にて、国法を破れば、いかなる国の者であれ、構わず国法にて罰する
この「許状改め」の発布から、イスパニアとの関係が悪化していきます。そして、今川幕府の成立によって、バテレン追放令が追加されて発布します。
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