琉球お爺いの綺談

Ittoh

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琉球お爺ぃ小話

忘却の流れ、「昭和」からの回想(1)

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 久しぶりにチッソという会社の話が、ニュースに出ていて、株価を確認しようとしたら、株式市場の上場廃止となっていた。日本の環境破壊は、チッソに代表されるように、公害という形で、始まったように思う。

 私は子供の頃、大阪の海が見える場所に住んでいて、窓を開けると凄い嫌な臭いが漂い、窓を開けられない日々があったことを思いだしていた。
 昭和40年代の淀川水系は、近づくことも嫌なくらいに、本当に汚れた川だった。淀川ではイタセンパラという淡水魚が、絶滅危惧種となり、淀川の保護活動や淀川水系の浄化活動の象徴となっていた。1974年には、イタセンパラが天然記念物に指定されて、象徴に形が添えられた。

 日ノ本は、好い国ではあるが、人柱の国とも言われているのは、こういった環境破壊の話を調べていくと、実感してしまう。

 学校で警報が鳴れば、校庭から建物に入らなければならなかった、光化学スモッグは、淀川沿いに通っていた小学生であったお爺ぃにとっては、夏の風物詩だった。未だに気管支が強くないのは、警報の中でも遊んでいた、名残なのかもしれない。

 古代の淀川水系は、縄文海進期に生まれた河内湖、巨椋池、琵琶湖という湖水を含め、今では別れた大和川水系も、古来は淀川水系であった。

「夏彦迷惑問答 誰か「戦前」を知らないか」そんな話を書いたのは、山本夏彦氏である。

 お爺ぃからすれば、「誰か、「昭和」を知らないか」ということになるのだろう。それくらい、昭和という時代は、激動の時代であった。

 第二次世界大戦を含め、東西冷戦の流れが、戦争という化け物を生み出して、世界を破壊していった。大量生産と大量消費、倫理の無い大量消費が、戦争と言う行為であろう。昭和の63年間は、世界の環境が破壊されていく時代であり、必死で人間が自身を取り戻すために、足掻いていた時代であったように思う。

 相互確証破壊という、核の傘が、平和ではなく安寧の象徴になった時代が、「昭和」という時代であったのだろう。

 日本の「昭和」は、物理的な戦争は遠くなっていったが、受験戦争とまで呼ばれた、競争の時代であり、破れ脱落すれば、負け組とされた、そんな時代でもあった。

 「昭和」に生まれた、コカ・コ〇ラのCMは、勝ち組の象徴みたいに、ようつべで流されていて、そういう時代ではあったと感じていた。
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