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戦国に落っこった少年 その名は三好長慶
平成の日本から、異世界戦国へと転生した。でも、俺って何人目
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平成の日本から、異世界戦国へと転生した。でも、俺って何人目
追っ手を追い返した、蓮は、本当に侍女達に塩を撒かせていた。厄除けとばかりに盛り塩をしていた。
蓮は、俺が不安な様子を気にして
「どうした、長慶」
「いや、俺は本当にここに居ても良いのかなって」
「ほぉ、昨夜、妾へ語ってくれた愛は、嘘偽りであったかや」
俺の顔を覗き込んでくると、溢れるような蓮さんの胸乳が溢れるように谷間をつくる。
真っ赤になって俯く俺を、楽しそうに顎に手を添えてあげると、訊ねてくる。俯くのにかなり力が入っているハズだけど、軽く顎を上げられてしまう。
「嘘なのかや」
「違うッ」
俺は、叫んだ。意識が混濁していたけど、熱病の中で、看病してくれた蓮が好きだ。俺は、言葉をつなぐ、
「蓮が好きだ。でも、管領に追われている。父上は殺されたし、配下の者は、叔父上の下へ行った。そんな俺が、蓮に迷惑をかけるのは嫌だ」
そう言い切ると、蓮はにやりと笑って、
「ほほほ、可愛いことを言う。妾が夫としただけはある
ならば、ついてまいれ」
蓮は、すっと立ち上がると、廻廊に出て、使者とあった東対屋から、本殿へと入って行った。
御簾がかけられた奥座敷に蓮は座った。左手から太鼓の音が鳴り、控えの侍が声を上げる。
「おなーりー、おなーりー、おなーりー」
スルスルスルと御簾が上がっていくと、本殿一杯に、平伏する者達がいた。左手に警護の者達が並び、右手には、庭にも多くの者達が座って平伏していた。
蓮のよく通る澄み渡るような声が響く。
「皆の者、表を上げよ」
居並ぶ者達が表をあげる。何人いるか分からん。
「此度は、妾が檄に応じてよく来てくれた。感謝する。こちらの男が、阿波の守護職にして、摂津守護代三好元長が嫡子、長慶じゃ」
周囲から、どよめきがあがり、値踏みするような視線が痛い。
「三好政長が、細川元春と図り、恩義を忘れて、三好元長を討ち果たした。これは仁義に欠ける行為である」
「我ら、渡辺は、中央が世情は知らず、主上の宸襟を守る者なり。本義として、鎌倉ならばいざ知らず、京洛の室町が物言いに従う理由は無い」
そうだそうだ、同意の声があがるだけでなく、しかし、しかしと抑える者もいる。
「ただ、室町にも室町の言い分があろうし、妾とて、主上に命じられることあらば、この命差し出して従うこととなる」
おぉ、そこらそこらに同意の声があがる。
「良いか、主上が勅使ならば知らず、室町が風下に妾は立たぬ」
おぉッ、同意の声があがる。
「三好元長が後継は、三好長慶なり。阿波守護職、摂津守護代は、長慶が任。後見人は、妾渡辺蓮が務める。それを妨げるは、この難波の敵と知れ。良いなッ」
「「「「「ははぁッ」」」」」
声が重なるように大きく響くと共に、皆々が平伏した。
「今里、四天王寺には使者を送れ、この蓮が後見するに、摂津守護代を妾の夫長慶が務めると」
「はっ」
「岸和田にも使いを出せ、阿波守護職は妾の夫長慶が務めると、大船を出して阿波讃岐を抑えよ」
「はっ」
「待ちいッ。岸和田への使いはいらんで。姐御」
声だけがして、廻廊をどかどかと、180センチ120キロの巨躯が歩きよってくる。
「馨。来てくれたか」
にこやかに言う蓮に向かって、和泉松浦党、松浦馨が言い放った。
「姐御の旦那を見る機会を逃すかいな。和泉松浦は、既に三好に船を送った。阿波讃岐はこっちのもんや」
周囲に安堵の声が上がっていた。阿波讃岐は、三好家の本領であり、淡路を含めて、瀬戸内の要衝を抑える要であり、三好が持つ瀬戸内利権の大半は、阿波讃岐に集中していた。
蓮は、俺の名前を使って、阿波讃岐から摂津に三好が持つ利権を渡辺の物にするつもりだ。
庭に並んでいた男達から、一人の男が進み出た。あ、あれは、松永弾正久秀。混乱の中、必死で俺を逃がしてくれた男だ。史実では色々あるけど、なんか熱い男だ。
「若、お久しゅうございます。ご無事で何よりでございました。この弾正久秀、三好勢五千を束ねて、この難波に参りました。蓮殿。儂ともども、若のためにお使い下され」
少し前に出て、平伏した。
「見事じゃ、松永殿。長慶、労ってやると良い」
蓮が、背後の俺に声をかけた。記憶が奔流のように流れ込んで、涙が流れるのが止まらないで、廻廊に出て庭へ降りて、
「良く無事であった。そなたのおかげでこの命救われた。本当に、ありがとう」
久秀の前で膝をつくと、松永久秀が、
「なんのなんの、もったいない」
おいおいと、泣き出した。
松永久秀。史実だと、戦国の梟雄とか、裏切り放題って言うけど、俺にとっては、命懸けで、味方をしてくれる。三好の母様とか弟達と一緒に守んなきゃ。蓮は、俺の肩書きがあれば、難波を含めた摂津や阿波讃岐の権限が得られる。だから、蓮の配下は何も言わない。デメリットよりメリットが高い。でも、俺にできることって、なんだろう。蓮とイチャイチャしてるだけじゃダメだろうな。
追っ手を追い返した、蓮は、本当に侍女達に塩を撒かせていた。厄除けとばかりに盛り塩をしていた。
蓮は、俺が不安な様子を気にして
「どうした、長慶」
「いや、俺は本当にここに居ても良いのかなって」
「ほぉ、昨夜、妾へ語ってくれた愛は、嘘偽りであったかや」
俺の顔を覗き込んでくると、溢れるような蓮さんの胸乳が溢れるように谷間をつくる。
真っ赤になって俯く俺を、楽しそうに顎に手を添えてあげると、訊ねてくる。俯くのにかなり力が入っているハズだけど、軽く顎を上げられてしまう。
「嘘なのかや」
「違うッ」
俺は、叫んだ。意識が混濁していたけど、熱病の中で、看病してくれた蓮が好きだ。俺は、言葉をつなぐ、
「蓮が好きだ。でも、管領に追われている。父上は殺されたし、配下の者は、叔父上の下へ行った。そんな俺が、蓮に迷惑をかけるのは嫌だ」
そう言い切ると、蓮はにやりと笑って、
「ほほほ、可愛いことを言う。妾が夫としただけはある
ならば、ついてまいれ」
蓮は、すっと立ち上がると、廻廊に出て、使者とあった東対屋から、本殿へと入って行った。
御簾がかけられた奥座敷に蓮は座った。左手から太鼓の音が鳴り、控えの侍が声を上げる。
「おなーりー、おなーりー、おなーりー」
スルスルスルと御簾が上がっていくと、本殿一杯に、平伏する者達がいた。左手に警護の者達が並び、右手には、庭にも多くの者達が座って平伏していた。
蓮のよく通る澄み渡るような声が響く。
「皆の者、表を上げよ」
居並ぶ者達が表をあげる。何人いるか分からん。
「此度は、妾が檄に応じてよく来てくれた。感謝する。こちらの男が、阿波の守護職にして、摂津守護代三好元長が嫡子、長慶じゃ」
周囲から、どよめきがあがり、値踏みするような視線が痛い。
「三好政長が、細川元春と図り、恩義を忘れて、三好元長を討ち果たした。これは仁義に欠ける行為である」
「我ら、渡辺は、中央が世情は知らず、主上の宸襟を守る者なり。本義として、鎌倉ならばいざ知らず、京洛の室町が物言いに従う理由は無い」
そうだそうだ、同意の声があがるだけでなく、しかし、しかしと抑える者もいる。
「ただ、室町にも室町の言い分があろうし、妾とて、主上に命じられることあらば、この命差し出して従うこととなる」
おぉ、そこらそこらに同意の声があがる。
「良いか、主上が勅使ならば知らず、室町が風下に妾は立たぬ」
おぉッ、同意の声があがる。
「三好元長が後継は、三好長慶なり。阿波守護職、摂津守護代は、長慶が任。後見人は、妾渡辺蓮が務める。それを妨げるは、この難波の敵と知れ。良いなッ」
「「「「「ははぁッ」」」」」
声が重なるように大きく響くと共に、皆々が平伏した。
「今里、四天王寺には使者を送れ、この蓮が後見するに、摂津守護代を妾の夫長慶が務めると」
「はっ」
「岸和田にも使いを出せ、阿波守護職は妾の夫長慶が務めると、大船を出して阿波讃岐を抑えよ」
「はっ」
「待ちいッ。岸和田への使いはいらんで。姐御」
声だけがして、廻廊をどかどかと、180センチ120キロの巨躯が歩きよってくる。
「馨。来てくれたか」
にこやかに言う蓮に向かって、和泉松浦党、松浦馨が言い放った。
「姐御の旦那を見る機会を逃すかいな。和泉松浦は、既に三好に船を送った。阿波讃岐はこっちのもんや」
周囲に安堵の声が上がっていた。阿波讃岐は、三好家の本領であり、淡路を含めて、瀬戸内の要衝を抑える要であり、三好が持つ瀬戸内利権の大半は、阿波讃岐に集中していた。
蓮は、俺の名前を使って、阿波讃岐から摂津に三好が持つ利権を渡辺の物にするつもりだ。
庭に並んでいた男達から、一人の男が進み出た。あ、あれは、松永弾正久秀。混乱の中、必死で俺を逃がしてくれた男だ。史実では色々あるけど、なんか熱い男だ。
「若、お久しゅうございます。ご無事で何よりでございました。この弾正久秀、三好勢五千を束ねて、この難波に参りました。蓮殿。儂ともども、若のためにお使い下され」
少し前に出て、平伏した。
「見事じゃ、松永殿。長慶、労ってやると良い」
蓮が、背後の俺に声をかけた。記憶が奔流のように流れ込んで、涙が流れるのが止まらないで、廻廊に出て庭へ降りて、
「良く無事であった。そなたのおかげでこの命救われた。本当に、ありがとう」
久秀の前で膝をつくと、松永久秀が、
「なんのなんの、もったいない」
おいおいと、泣き出した。
松永久秀。史実だと、戦国の梟雄とか、裏切り放題って言うけど、俺にとっては、命懸けで、味方をしてくれる。三好の母様とか弟達と一緒に守んなきゃ。蓮は、俺の肩書きがあれば、難波を含めた摂津や阿波讃岐の権限が得られる。だから、蓮の配下は何も言わない。デメリットよりメリットが高い。でも、俺にできることって、なんだろう。蓮とイチャイチャしてるだけじゃダメだろうな。
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