ファンタジー戦国記 三英傑の先を往く男 三好長慶

Ittoh

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戦国に落っこった少年 その名は三好長慶

難波の宴は、人外魔境<二日目> 火を付ける板

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 昨日は、なんかかおるの懐妊に持っていかれた感じで、宴が終わった感じだった。三好で考えていた、和三盆が売れるってわかって、少しほっとした。
 大体、戦国時代のはずなのに、たいていの食材は、完成しているっておかしくないか。和食って、江戸時代に完成したような話があるのに、鎌倉時代にほとんどの食材が完成している。

 味噌、醤油、みりん、唐辛子に七色唐辛子、山椒、生姜、山葵とかも造られていた。

 それに、鎌倉時代に、アメリカ大陸に竜胆の町が出来ているから、カボチャにジャガイモ、サツマイモ、トマト、キニーネなんかも、戦国の日本にあったりする。ジャガイモやサツマイモが、蝦夷で栽培されて、かなり大きな町も蝦夷にはできているらしい。

 乾物関係は、色んな場所で、いろいろと工夫されているから、なかなかに面白い。それに、甘葛や水飴。乳、酪、蘇、醍醐とかも、幻じゃなくて、普通に難波で生産されていた。ほんとにヨーグルトって日本にもあったんだ。天満や露天あたりでは、牛も普通に飼われていたから、牛乳も手に入った。

 二日目の昼間は、お茶会に始まった。
 知識チート料理なんだが、既に抹茶だけでなく煎茶や、桑葉茶とか笹葉茶なんかも出てきて、阿波讃岐の和三盆で作ったプリンの提供はできて、とっても好評だったんで、少し胸をなでおろした。酒が飲めない、かおるは、完全に、甘いのに嵌っていた。注意しとくようにライに言っておこう。なんといっても、和三盆を、難波に運ぶのは、かおるの船イカヅチだ。



 昨夜お披露目した、和三盆の落雁や、お茶会のプリンは、好評であった。
「ほぉ、長慶。そなた、料理もできるのかや」
「本職ではありません。工夫を凝らしてみただけです」
 天気が良かったので、庭にテーブルを置いて、椅子に座ってお茶を飲む形式でお茶会をやってみたが、受けが良かった。特に、アイルランドの侍女とかは、椅子に座って、懐かしそうにお茶を飲んでいた。
「キャスリーン。これは、あなたの国での飲み方なの」
「ハイ。オカタサマ。故郷では、椅子と机を使います」
「そう。椅子と机は、御厨で使うと良いわ。オヨノも机と椅子の方が楽そうね」
黒人の侍女オヨノが、答えた。
「ハイ。長くスワルト、アシ痛い」
湯屋御厨は、水桶と竈や湯釜があるから、土間になっている。そこに椅子と机を置こうってことなのだろう。
 女性陣の中で、重量級だったのは、鬼衆のかおるだったので、丸太を切って、そのまま椅子にした。



 今回は、侍女だけでなく、未申高櫓の鷺衆にも、和三盆で作った落雁やプリンを用意していた。とりあえず、機嫌は直してもらえたみたいだった。狐衆には、プリンが人気だった。
「長慶。あまり無理をするでないぞ」
「は、はい。大丈夫です」
二十三人が参加したお茶会で、お茶の用意とかは、かおると一緒に来たライが手伝ってくれたけど、ホストが俺一人だから、大変だったけど、なんとかお茶会を実施することができた。
 片付けは、侍女達にも手伝ってもらった。アイルランドも確か、イエスとかノーは一緒だったって話すと、キャスリーンが、びっくりして、
「コトバわかる。スゴイ」
「ちょっとだけ」
どこまで一緒で違うかとか、わかんないし。
「オイシイ、かし、ありがとう。ナガヨシ」
「あぁ、うれしいよ。キャスリーン」
御厨に片づけていると、釜に侍女狐が火を焚いているのを見て、
「ミンナ、スゴイ。火ヲツクルのに、イタをツカワナイ」
えっとぉ、火を付ける板って、火打石じゃないしな。
「火をつける。板を使うの?キャスリーン」
「ツカウ」
「俺もさ、火をつけられない。教えてくれる」
「ワカッタ」
緊急時用に用意されている薪から、一本取り出して、ナイフで削り、表面を平らにしていく。ナイフの刃を立てて、円を描く様に切れ目を入れていく、描いた円の円周に沿って文様を刻み込んでいく。
「ハハサマにならった、フタツつのこと。そのヒトツ」
一刻ほどかけて、刻み込んで完成させた薪に、何か唱えながら、握っていると、円と文様が焦げるように現れて、中心に炎が現れた。
「凄い。魔法陣。本物だ」
「じかんカカル。ツカエナイ」
「ねぇ、この木に彫り込んだ文様って、絵で描けるかな」
「ワカッタ。ヤッテミル」
机と椅子を運び込んだ、御厨で、キャスリーンと二人で、いろいろと試していると。地の底から響くように、声が流れた。いつのまにやら、御厨に蓮が入ってきていた。
「ほぉ、侍女に手をだすようになったか、長慶」
「へッ。蓮。ち、違う。ゴカイ。ナニモシテナイです」
「言葉がおかしいぞ、長慶。何をしていた」
「魔法陣の研究」
「なんじゃ、長慶。魔法陣とは」
「これ」
 食器を載せる、木製の高坏に、魔法陣の文様を墨絵で描いていた。
 キャスリーンが、何かを唱えるようにしながら高坏を握っていると、高坏に描かれた文様が焦げていった。
「ほぉ、これは、火も出せるのか」
「できました。でも高坏が使えなくなります」
宴のために、かなりの数を用意していた高坏だが、十数個すでに焦げたり、燃えたりしていた。
「ほほほ、高坏でなければならぬことではあるまい。キャスリーン」
「イタならダイジョウブ」
「炎以外には無いのか」
「もう一つが、こっち」
別の高坏に、違う文様が描かれていた。
 高坏を持って、キャスリーンが唱えるように高坏を握っていると、文様が焦げるのは変わらないが、中心から水が染み出てきた。
「キャスリーン。他にも知っているのか」
「しらない。フタツだけ」
「カイネ」
御厨で仕事をしていた、湯女狐カイネに声をかけると、
「はいさ。なにね、ゴミが増えてる」
積みあがった、高坏であったモノが散乱しているのを見て、カイネが応えた。
蓮は、
「ははは、許せ、カイネ。なぁ、御狐灯籠釜を焚くつもりで、この高坏に念を込めてもらえるか」
 火を付ける魔法陣を描いた高坏をカイネに渡すと、今まで炎が見える程度であった状態が、高坏に六十センチの火柱が立ち、あっという間に燃え上がってしまった。
「だ、大丈夫かカイネ」
「うん。ちょっと驚いたよ。ほとんど力を使ってないのに、火が生まれたヨ」
カイネは、滅びゆく、宋国から亡命した一族の末裔であった。狐の血を受けて、湯女狐ではあるが、狐火を上手く使えなかった。
「この文様は、火を増幅する陣ってことか」
「おそらくな。水の方はライに使ってもらおう。外でやった方がよさそうじゃな」
「うん」
なんか、本当に魔法が使える世界なんだ。この地球は、、、

 本当に異世界へ来たんだって思った。
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