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大正の終わり、昭和のはじまり
大正の終わり昭和の始まり04 満洲特区は、実験特区なり
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満洲と沿海洲およびアムール川流域は、アメリカ、イギリス、日本の占領地域であった。アメリカ、イギリス、日本は、占領はしていても、国家として占領対象とはしていなかった。
国際連盟は、旧ロシア帝国領土は、ロマノフ家から委託される形で、国際連盟による資産委託管理地域とされていた。国際連盟そのものが、管理地域を支配することはできないため、各地域の委託管理は、大雑把に満洲を日本、アムール川流域がイギリス、沿海州がアメリカという流れとなっていた。
「国際連盟特別委託地域」が、特区の正式名称であるが、「国際連盟保護区」という意味合いもあった。「特区」に攻撃をした場合、国際連盟諸国家へ攻撃したと見做され、国際連盟軍の攻撃を受けるとされた。
国際連盟軍とは、国際連盟事務局に登録された、義勇兵および傭兵集団であった。国際連盟事務局に登録された傭兵集団には、大規模な軍事組織を保有する、ロマノフ家の傭兵だけでなく、東欧に派遣された、オーストリア=ハプスブルグ家の傭兵、ソビエトの侵攻を受けた、ハンガリー王国軍やルーマニア王国軍が登録されていた。国家として滅亡した結果、登録は継続されていても、軍事規模は数十名といった、傭兵集団もあったのである。
旧ロシア帝国の周辺諸国家は、ボリシェビキ・ソビエト赤軍との果てしない抗争を続ける結果となった。赤に染まる国が、ソビエト連邦という、赤の傘下に入って、住んでいる人達にとって、苦難の歴史が始まることとなる。
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言葉は理解できても、交渉ができない国家、ソビエト連邦であった。国際法にしても戦時規定にしても、互いに護ることで、法や規定は遵守される。
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国際法や戦時規定というものは、ウェストファリア体制の中で生まれ、欧州諸国家の中で、一定の浸透をしている国際的な取り決めである。三十年戦争の中で、宗教戦争の中での殺し合いが、あまりにも陰惨な終わりなき血に塗られた戦争が、結果的には殺し合いにルールを持ち込む流れとなった。
しかしながら、国際法や戦時規定は、相互確証の取り決めで在り、戦力等で殺し合いが一方的勝利にならないという、前提があって初めて機能する。さらに言えば、互いに殺人を罪悪であるという、そんな前提が無ければならない。
「正義の殺人はあるか?」という話をした哲学者がいたが、現実に殺し合いをする両方の組織に対して、「正義の殺人を許容してはならない」ということを理解しているのだろうか?
自らの思想そのものを絶対視することは、従わない他者は「悪魔」であり、殺すことが「正義」ということになる。宗教戦争にせよ、東西冷戦にしても、虐殺を「正義」という形に昇華させてしまうのである。
最近のネット等の動画では、国際法を知ることが大切であり、国際法を利用してとかの話をしている方がおられる。考え方は理解できるし、日本人の場合は、「正義の殺人を許容しない」ので、日本では問題なく機能する話しである。
しかしながら、「正義の殺人を許容する」そんな国々にとって、国際法は論理構築建前であり、「正義」によっては、一切考慮せずに破ることになる。
大日本帝国が、世界大戦後の世界で受けたのは、理不尽なまでの諸国家が持つ本音であった。
「人種差別撤廃」という提案は、「世界平和」に向けた、最初の提案である。平和を求める時、建前であっても、相手を人として、対等の立場として扱うことを求めたものであるが、日本の提案は否決された。つまりは、パリ講和会議を含めて、国際連盟に参加していた諸国家にとっては、自国内の秩序や支持者が優先され、「世界平和」という考え方は、極めて低い優先事項であった。
20世紀の世界平和には、二つの思想背景があり、二つの思想背景が、東西冷戦を生み出したのである。レーニンの「平和に関する布告」とウィルソンの「十四か条の平和原則」は、相互確証破壊という手段を持った上で、東西冷戦という抗争を齎したのである。
東西冷戦は、互いに相手を人と認めない人間同士による、武力を中心とした抗争であった。相互確証破壊という制約から、互いの行動に制限がかかったが、手段を選ばない殲滅戦として、東西冷戦は進行していった。最終的に西側の経済戦を受けて、1989年のベルリンの壁崩壊から連鎖するように、東側の国家体制が崩壊し、西側の勝利となった。
2000年のゴア副大統領による、「情報スーパーハイウェイ構想」に始まる、インターネット戦略は「自由」「平等」「自律」という、パックス・アメリカーナの理念を確立すると共に、アメリカの欠点が露呈する結果となった。アメリカの欠点とは、理念を実現するのに、「アメリカ」自身を必要としていないことである。2021年現在のアメリカは、20世紀に主義主張は違っても、「アメリカ」に忠誠を誓っていた国民が、主義主張を違えることを認められなくなったようだ。
20世紀のアメリカは、主義主張は異なっても、アメリカの「国旗」に忠誠を誓うアメリカであった。19世紀の南北戦争を乗り越えて、主義主張を選挙で争う国家となり、チート国家アメリカ誕生の原点となった。
チート国家に「すきま風」が吹いたのは、アル・ゴアとジョージ・W・ブッシュの2000年に行われた選挙である。ブッシュ大統領が僅差で勝った選挙であるが、投票数ではアル・ゴアが上回っていた、選挙システムの結果としてブッシュが大統領となった。
21世紀が、アメリカ崩壊の世紀とすれば、アメリカ崩壊は、外患や外圧ではなく、「内憂」で分裂する結果となる。ちょうど、南北戦争の原因が、貿易に対する「自由貿易」を提唱する南部と、「保護貿易」を提唱する北部が、対立して戦争となった。
1860年に共和党のエイブラハム・リンカーンが、民主党のジョン・ブレッキンリッジ選挙に勝利した結果、民主党は在野となり、州が分裂して南北戦争が起きたのである。一つのアメリカが誕生したのは、この1860年の選挙からであり、アメリカ自身が「Civil War」を嫌ったのである。
21世紀は、大きく世界が変動する時代とすれば、目まぐるしく変化する世界は、厄介なまでに暴走しそうな気配を漂わせている。かつて著者は、平和と安定の時代であれば、個人が世界を変革してはならないと考えていた。では、平和と安定の時代が崩れたのであれば、個人が世界を変革する時代になったといえる。
新大陸に生まれた、実験国家「アメリカ」が、どのように興て、どのように崩れるのか?
国際連盟は、旧ロシア帝国領土は、ロマノフ家から委託される形で、国際連盟による資産委託管理地域とされていた。国際連盟そのものが、管理地域を支配することはできないため、各地域の委託管理は、大雑把に満洲を日本、アムール川流域がイギリス、沿海州がアメリカという流れとなっていた。
「国際連盟特別委託地域」が、特区の正式名称であるが、「国際連盟保護区」という意味合いもあった。「特区」に攻撃をした場合、国際連盟諸国家へ攻撃したと見做され、国際連盟軍の攻撃を受けるとされた。
国際連盟軍とは、国際連盟事務局に登録された、義勇兵および傭兵集団であった。国際連盟事務局に登録された傭兵集団には、大規模な軍事組織を保有する、ロマノフ家の傭兵だけでなく、東欧に派遣された、オーストリア=ハプスブルグ家の傭兵、ソビエトの侵攻を受けた、ハンガリー王国軍やルーマニア王国軍が登録されていた。国家として滅亡した結果、登録は継続されていても、軍事規模は数十名といった、傭兵集団もあったのである。
旧ロシア帝国の周辺諸国家は、ボリシェビキ・ソビエト赤軍との果てしない抗争を続ける結果となった。赤に染まる国が、ソビエト連邦という、赤の傘下に入って、住んでいる人達にとって、苦難の歴史が始まることとなる。
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言葉は理解できても、交渉ができない国家、ソビエト連邦であった。国際法にしても戦時規定にしても、互いに護ることで、法や規定は遵守される。
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国際法や戦時規定というものは、ウェストファリア体制の中で生まれ、欧州諸国家の中で、一定の浸透をしている国際的な取り決めである。三十年戦争の中で、宗教戦争の中での殺し合いが、あまりにも陰惨な終わりなき血に塗られた戦争が、結果的には殺し合いにルールを持ち込む流れとなった。
しかしながら、国際法や戦時規定は、相互確証の取り決めで在り、戦力等で殺し合いが一方的勝利にならないという、前提があって初めて機能する。さらに言えば、互いに殺人を罪悪であるという、そんな前提が無ければならない。
「正義の殺人はあるか?」という話をした哲学者がいたが、現実に殺し合いをする両方の組織に対して、「正義の殺人を許容してはならない」ということを理解しているのだろうか?
自らの思想そのものを絶対視することは、従わない他者は「悪魔」であり、殺すことが「正義」ということになる。宗教戦争にせよ、東西冷戦にしても、虐殺を「正義」という形に昇華させてしまうのである。
最近のネット等の動画では、国際法を知ることが大切であり、国際法を利用してとかの話をしている方がおられる。考え方は理解できるし、日本人の場合は、「正義の殺人を許容しない」ので、日本では問題なく機能する話しである。
しかしながら、「正義の殺人を許容する」そんな国々にとって、国際法は論理構築建前であり、「正義」によっては、一切考慮せずに破ることになる。
大日本帝国が、世界大戦後の世界で受けたのは、理不尽なまでの諸国家が持つ本音であった。
「人種差別撤廃」という提案は、「世界平和」に向けた、最初の提案である。平和を求める時、建前であっても、相手を人として、対等の立場として扱うことを求めたものであるが、日本の提案は否決された。つまりは、パリ講和会議を含めて、国際連盟に参加していた諸国家にとっては、自国内の秩序や支持者が優先され、「世界平和」という考え方は、極めて低い優先事項であった。
20世紀の世界平和には、二つの思想背景があり、二つの思想背景が、東西冷戦を生み出したのである。レーニンの「平和に関する布告」とウィルソンの「十四か条の平和原則」は、相互確証破壊という手段を持った上で、東西冷戦という抗争を齎したのである。
東西冷戦は、互いに相手を人と認めない人間同士による、武力を中心とした抗争であった。相互確証破壊という制約から、互いの行動に制限がかかったが、手段を選ばない殲滅戦として、東西冷戦は進行していった。最終的に西側の経済戦を受けて、1989年のベルリンの壁崩壊から連鎖するように、東側の国家体制が崩壊し、西側の勝利となった。
2000年のゴア副大統領による、「情報スーパーハイウェイ構想」に始まる、インターネット戦略は「自由」「平等」「自律」という、パックス・アメリカーナの理念を確立すると共に、アメリカの欠点が露呈する結果となった。アメリカの欠点とは、理念を実現するのに、「アメリカ」自身を必要としていないことである。2021年現在のアメリカは、20世紀に主義主張は違っても、「アメリカ」に忠誠を誓っていた国民が、主義主張を違えることを認められなくなったようだ。
20世紀のアメリカは、主義主張は異なっても、アメリカの「国旗」に忠誠を誓うアメリカであった。19世紀の南北戦争を乗り越えて、主義主張を選挙で争う国家となり、チート国家アメリカ誕生の原点となった。
チート国家に「すきま風」が吹いたのは、アル・ゴアとジョージ・W・ブッシュの2000年に行われた選挙である。ブッシュ大統領が僅差で勝った選挙であるが、投票数ではアル・ゴアが上回っていた、選挙システムの結果としてブッシュが大統領となった。
21世紀が、アメリカ崩壊の世紀とすれば、アメリカ崩壊は、外患や外圧ではなく、「内憂」で分裂する結果となる。ちょうど、南北戦争の原因が、貿易に対する「自由貿易」を提唱する南部と、「保護貿易」を提唱する北部が、対立して戦争となった。
1860年に共和党のエイブラハム・リンカーンが、民主党のジョン・ブレッキンリッジ選挙に勝利した結果、民主党は在野となり、州が分裂して南北戦争が起きたのである。一つのアメリカが誕生したのは、この1860年の選挙からであり、アメリカ自身が「Civil War」を嫌ったのである。
21世紀は、大きく世界が変動する時代とすれば、目まぐるしく変化する世界は、厄介なまでに暴走しそうな気配を漂わせている。かつて著者は、平和と安定の時代であれば、個人が世界を変革してはならないと考えていた。では、平和と安定の時代が崩れたのであれば、個人が世界を変革する時代になったといえる。
新大陸に生まれた、実験国家「アメリカ」が、どのように興て、どのように崩れるのか?
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