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7日目
7日目 5
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咲は設定で、愁の白色スーツ姿をスマホの待ち受けにして、その画面を見ていた。
颯人が咲を見て言う。
「咲が喜んでる」
「はい!…すごく嬉しいです」
咲が嬉しそうなのを見て、他の3人は和んでしまう。
「やっぱり、愁のお目にかかる子は良いね」
茉莉は咲の頭を撫でた。
「自分が顧問をして何人も姫を見てきたが、咲が一番良い姫になると思うよ。癒し系だしね」
「良い姫になれるかは…わからないですけど、愁が考えている生徒会の仕事を、一緒にして行こうと思います」
咲は真っ直ぐに、茉莉に向かって言う。
茉莉が頷いたのを見て、颯人が時計を見た。
「さてと、これから愁と茉莉は、報道部と放送部と演劇部の打ち合わせがあるんだろ?咲の支度しとくから、行っていいよ」
「…うん」
愁は、少し名残惜しそうに咲を見た。
そんな愁を見て、胸がキュンっと鳴る。
「打ち合わせ通り、僕も頑張るね!」
そう言うと、愁は咲を抱きしめた。
「茉莉先生、就任式のとき咲の事をお願いします」
愁が茉莉に言った。
「大丈夫、ちゃんと連れてくるから」
茉莉は、咲の顔をまじまじと見た。
「この年で、ヴァージンロードを一緒に歩く父親役になるなんてなぁ」
「ヴァー?」
咲は聞きなれない言葉に、首を捻った。
「つまり模擬結婚式みたいなモノを、姫就任式でするんだよ」
愁が教えてくれた。
そして茉莉は酷い一言を言う。
「去年はやる気が出なかったから、適当に就任式をしたし」
「教師が、差別するなよ」
颯人に一喝されていた。
「因みに、生徒会長が卒業する時に姫も卒業をするから、そっちは本当の結婚式みたいに盛大にするのがしきたりなんだよ」
「え~っ!!!本当の結婚式みたいにするんですか!?」
確かに、この前の仮縫いの衣装は白色でふわっとしていて綺麗な感じの衣装だった…。
「あっ!」
あれは…
「ウェディングドレス!」
「うん、そう」
颯人が咲の着るドレスを持ってきた。
「今回もウエディングドレスにしたけど、卒業式のときは、もっと時間をかけてゴージャスに作るから!」
颯人が意気込んでいる。
「颯人先輩に任せます」
咲は、ふふっと笑った。
「じゃあ、2人は式の運営の裏方の方に行ってこい」
颯人は素っ気なく言った。
顔の表情は普通だが、咲の事で気持ちがウキウキしているのが見てわかる。
「お仕事モードになったな。颯人、また後でね」
茉莉が言うが、茉莉の方を見ずに颯人は手を上げた。
聞こえてはいるようだった。
それを見てから、茉莉が先に部屋を出ていった。
「じゃあ、行ってきます」
愁が咲に微笑みながら言う。
「いってらっしゃい」
咲も愁に微笑みながら手を振り、目の前のドレスに手を伸ばした。
颯人が咲を見て言う。
「咲が喜んでる」
「はい!…すごく嬉しいです」
咲が嬉しそうなのを見て、他の3人は和んでしまう。
「やっぱり、愁のお目にかかる子は良いね」
茉莉は咲の頭を撫でた。
「自分が顧問をして何人も姫を見てきたが、咲が一番良い姫になると思うよ。癒し系だしね」
「良い姫になれるかは…わからないですけど、愁が考えている生徒会の仕事を、一緒にして行こうと思います」
咲は真っ直ぐに、茉莉に向かって言う。
茉莉が頷いたのを見て、颯人が時計を見た。
「さてと、これから愁と茉莉は、報道部と放送部と演劇部の打ち合わせがあるんだろ?咲の支度しとくから、行っていいよ」
「…うん」
愁は、少し名残惜しそうに咲を見た。
そんな愁を見て、胸がキュンっと鳴る。
「打ち合わせ通り、僕も頑張るね!」
そう言うと、愁は咲を抱きしめた。
「茉莉先生、就任式のとき咲の事をお願いします」
愁が茉莉に言った。
「大丈夫、ちゃんと連れてくるから」
茉莉は、咲の顔をまじまじと見た。
「この年で、ヴァージンロードを一緒に歩く父親役になるなんてなぁ」
「ヴァー?」
咲は聞きなれない言葉に、首を捻った。
「つまり模擬結婚式みたいなモノを、姫就任式でするんだよ」
愁が教えてくれた。
そして茉莉は酷い一言を言う。
「去年はやる気が出なかったから、適当に就任式をしたし」
「教師が、差別するなよ」
颯人に一喝されていた。
「因みに、生徒会長が卒業する時に姫も卒業をするから、そっちは本当の結婚式みたいに盛大にするのがしきたりなんだよ」
「え~っ!!!本当の結婚式みたいにするんですか!?」
確かに、この前の仮縫いの衣装は白色でふわっとしていて綺麗な感じの衣装だった…。
「あっ!」
あれは…
「ウェディングドレス!」
「うん、そう」
颯人が咲の着るドレスを持ってきた。
「今回もウエディングドレスにしたけど、卒業式のときは、もっと時間をかけてゴージャスに作るから!」
颯人が意気込んでいる。
「颯人先輩に任せます」
咲は、ふふっと笑った。
「じゃあ、2人は式の運営の裏方の方に行ってこい」
颯人は素っ気なく言った。
顔の表情は普通だが、咲の事で気持ちがウキウキしているのが見てわかる。
「お仕事モードになったな。颯人、また後でね」
茉莉が言うが、茉莉の方を見ずに颯人は手を上げた。
聞こえてはいるようだった。
それを見てから、茉莉が先に部屋を出ていった。
「じゃあ、行ってきます」
愁が咲に微笑みながら言う。
「いってらっしゃい」
咲も愁に微笑みながら手を振り、目の前のドレスに手を伸ばした。
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