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8年前に、颯人に別れを言えずに親の仕事の関係で海外にまた住むようになった。
でもたった1年、隣に住んでいただけの颯人を忘れずにいたのだった。
8年前……
「すみません!今日から隣に越してきた要です」
ドアホンを鳴らし、家族みんなで隣に挨拶に行った。
「は~い」
明るい声とともにドアを開けたのは、若い女の人だった。
左指には、結婚指輪をはめている。
「今日から、隣に住む要と申します。よろしくお願いします」
父が挨拶をし、続けて母が話した。
「つまらない物ですが…。すみません、うち子供が沢山いてうるさいと思います。夫の仕事の関係で短期間になると思いますが、よろしくお願いします」
「あらあらっ、御丁寧にありがとうございます。うちにも子供がいるんですよ。颯人~!」
若い女の人に子供がいるらしく、子供の名前を呼んでいた。
そろっと奥から顔を覗かせたのは、小学生の男の子だった。
「颯人、こっち来て挨拶しなさい」
タッタッタッと走って来て若い女の人、つまり母親の背中から顔を出してお辞儀をした。
「…如月、颯人です」
「すみません、人見知りで…。父親は単身赴任していて、この子の他に兄が1人いるんですけど、今年、海外でホームステイで居なくて、寂しいんだと思います」
「そうだったんですか。なら颯人君、うちの子と遊んであげて?海外暮らしが長いから、日本に友達がいないのよ。4人もいるから、うるさいかと思うけど…」
「初めまして、要茉莉です。よろしくね」
当時15歳の茉莉は、そっと手を颯人に差し出した。
「…」
颯人は、茉莉の顔と手を見比べた。
そして…手を握った。
(野性の動物みたい…)
それが、可愛かった。
自分も含め、兄弟達は美形だと世界各地で言われてきた。
中にはもっと仲良くなりたいと媚びを売る人もいたり、後をつけてきたりと少し過剰な人もいた。
だが、目の前にいる男の子は純粋で壊れやすい感じだった。
「何歳?」
「8歳…です」
「あざみの2歳上なんだね」
あざみは兄弟の順番から言うと俺、百合(ゆり)の次で次男、俺と同じで名前で女の人だと間違われるが、れっきとした男だ。
6歳にして、ガールフレンドがいる。
イマドキの子は、何に対しても早いのだろうか…。
「木登りは?虫取りは?サッカーは?」
あざみはアウトドア派なので、出てくる遊びは外で遊ぶものばかりだった。
そして、少しせっかちだ。
「…どれも、遊んだ事ない」
颯人が首を横に降った。
「じゃあ、公園に行こうぜ!」
「あざみ、強引過ぎるよ」
颯人を引っ張っていくあざみの後を、茉莉が慌ててついていく。
百合は忙しい母の代わりに、2歳になる三男の蓮(れん)の世話をしなければならないので、手を振って見送られた。
(どうみても、外遊びしてない子を連れ回すのはヤバイだろ…弟よ)
しかし、あざみはお構いなしに颯人を引っ張って走って行く。
なんとか見失わないように、後を追って行った。
でもたった1年、隣に住んでいただけの颯人を忘れずにいたのだった。
8年前……
「すみません!今日から隣に越してきた要です」
ドアホンを鳴らし、家族みんなで隣に挨拶に行った。
「は~い」
明るい声とともにドアを開けたのは、若い女の人だった。
左指には、結婚指輪をはめている。
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父が挨拶をし、続けて母が話した。
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「あらあらっ、御丁寧にありがとうございます。うちにも子供がいるんですよ。颯人~!」
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そろっと奥から顔を覗かせたのは、小学生の男の子だった。
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「初めまして、要茉莉です。よろしくね」
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「…」
颯人は、茉莉の顔と手を見比べた。
そして…手を握った。
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それが、可愛かった。
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中にはもっと仲良くなりたいと媚びを売る人もいたり、後をつけてきたりと少し過剰な人もいた。
だが、目の前にいる男の子は純粋で壊れやすい感じだった。
「何歳?」
「8歳…です」
「あざみの2歳上なんだね」
あざみは兄弟の順番から言うと俺、百合(ゆり)の次で次男、俺と同じで名前で女の人だと間違われるが、れっきとした男だ。
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「木登りは?虫取りは?サッカーは?」
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(どうみても、外遊びしてない子を連れ回すのはヤバイだろ…弟よ)
しかし、あざみはお構いなしに颯人を引っ張って走って行く。
なんとか見失わないように、後を追って行った。
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