百々五十六の小問集合

百々 五十六

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毎日記念日小説(完)

あれって何色だっけ 6月14日は五輪旗制定記念日

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俺の部屋でみんなでくつろいでいた時のこと。
スマホを見ていた田中が急に叫びだした。
「五輪の色クーイズ!!」
急なことにあっけにとられていると、佐藤がパチパチと拍手を始めた。
なぜ急に拍手?!
それに、順応性高いな!!
俺もつられてぎこちない拍手をしておいた。
拍手が終わったタイミングで、田中が説明を始めた。
「皆さんは、オリンピックなどで使われる、五輪の色を全部ちゃんと正式な色で覚えていますか?皆さんの常識力を試す、一般常識クイズです!!」
田中が急にクイズ番組の司会みたいなテンションになった。
3人しかいないこの部屋で皆さんとは、随分大げさだなぁと思っているとクイズが始まってしまった。
「問題です。オリンピックなどで用いられる五輪の色右から順に答えよ」
すると佐藤が、ぴしっと手を挙げた。
「じゃあ、佐藤」
田中に指名されて佐藤が回答する。
「赤青黄色緑、あと、えーっっと、ピンク」
どうやら、赤青黄色緑までしか佐藤は考えていなかったらしい。
「残念、違います。それって何レンジャー?」
田中が緩急をつけて胸の前で大きなバツ印をした。
そして、残念という田中の顔はとても残念そうなものだった。
なんでお前が残念がるんだよ。
そういう演出なの?
普通回答側が残念がるもんなんじゃないの?
佐藤の方をのぞき込むと全く悔しそうにしておらずのほほんとしていた。
また佐藤が、ぴしっと手を挙げた。
よう、そんなに全力でできるな。
「またもや、佐藤」
「赤青黄色緑、あと、紫」
「残念、違います」
こっちもこっちでそんな全力でできるなぁ。
田中がまたもや全力でバツ印を出していた。
一人だけ蚊帳の外なのも寂しいし、俺も参加してみようかな。
俺は適当に手を挙げた。
「早かったのは、またもや佐藤」
どうやら同じタイミングで、佐藤も手を挙げていたらしい。
確かに同じタイミングで上げたのなら、ぴしっと本気で上げる佐藤の方が早いのだろう。
俺は、どうしたらいいのか、手を下げていいのかもわからず、とりあえず手を挙げたまま待機した。
「レット、ブルー、イエロー、グリーン、ピンク」
「残念、違います。言語の問題ではありません。回答は日本語で結構です」
正直、佐藤の回答が面白すぎて、次に言うのが少し怖くなった。
まぁ、でも内輪のノリだし、何言っても別に怒られはしないだろ。白けたら白けただ。
「じゃあ次は、手を上げっぱなしの斎藤」
ようやく俺に回答権が回ってきたらしい。
「赤青黄色緑、黒追加で」
「残念、でも惜しいです。順番が違います」
おぞ、どうやら色はあっていたらしい。
ということは、後119通り試せば確実に正解できるのか。
遠いな。
まぁ、記憶をたどってなんとなくそれっぽいのを言っていけば当たるだろう。
俺が”惜しい”の喜びを噛み締めている間に佐藤が手を挙げていたらしい。
「はい、佐藤」
「白黒ゴールドシルバーグレー」
「残念。さっきの言葉は聞いていなかったのかな?それにその配色のオリンピック嫌だな。色の追加メンバー感が強い」
話を聞いていなかった佐藤に当たりが強くなる田中。
いつも通りの光景だが、司会と回答者という立場になるとすごく辛らつに見える。立場って大事なんだなぁ。
佐藤に先を越されないためにも、俺も頑張るか。
「次、斎藤」
「赤、緑、黒、黄色、青」
「正解。なんで分かったのすごいね」
当てちゃったらしい。
なんとなく頭の中にあった順番を言ったら当たってしまった。
すごく微妙なタイミングで当ててしまった感が否めないが、田中は驚いて、褒めてくれた。
斎藤の方を見ると、割と本気で悔しがっているようだった。
ちょっとだけ睨まれた。
それから第二問に続くわけではなく、各々がまたスマホを見てだらだらしだした。
田中はどうやらクイズ大会がしたかったのではなく、あのクイズを出したかっただけだったらしい。
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