Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

文字の大きさ
96 / 397

『クランの町フラッグ』観光 家具屋 まずはソファでしょ!!

しおりを挟む
 立ち上がったマージュさんはこりらに顔を向け直し、言った。

「まず何から見ていきましょうか?」

 マージュさんの言葉に食い込むぐらいのタイミングで、コルドが言った。

「やっぱりソファだよな!」

 まぁ、ソファだよな。
 家具と言ったらソファだよな。
 椅子とかテーブルとかは、今後によっては、ほとんど使わないかもしれないけど、ソファは必ず使うからな。
 最初はやっぱりソファだろうな。
 かぶせるぐらいの勢いで言うことではないと思うけど、ソファなのは間違いない。
 ローズも肯定の意思を見せた。

「それでいいと思うわ」

 俺も当然という態度で頷きながら言った。

「ソファからだよな」

 マージュさんは、少し間を置いて、他の意見が出ないことを確認してから、言った。

「それでは、ソファから案内しますね」

 それからマージュさんにソファコーナーに案内された。
 ソファコーナーは、先ほどまでいた中央部と比較的近く、すぐにたどり着いた。
 マージュさんは、1つのソファの前に立っていった。

「クランバフ重視の方におすすめなのは、このソファです。ぜひ座ってみてください」

 マージュさんが俺たちにおすすめしたソファは、3人掛けぐらいのサイズ感のカバーリングソファだ。
 ストレートソファで両方に木製のアームがあり、高さも通常の高さのソファ。
 色合い的にはブラウンのソファ。
 俺たちは、そのソファに腰掛けた。
 座り心地はまぁよい。
 平均的なソファの座り心地だと思う。
 手触りも悪くはない。
 座った分には、良くも悪くもないいわゆる普通のソファ
 俺たちは、おすすめされたソファに腰掛けながらマージュさんの説明を聞いた。

「クラン家具のソファは、一般的に使用バフが強力なものが多いです。その中でも、座っている間に効果があるバフが強いものが多いです」

 へぇ、家具によってどんなバフがつきやすいとかあるんだ。知らなかったなぁ。まぁ、そもそも家具でクランバフが発生することも知らなかったんだし、知らなくても当たり前か。
 俺は、マージュさんの説明を真剣に聞いた。

「こちらのソファは、『使用時バフ:HP回復(微)』と、『使用時バフ:リラックス(小)』がついています」

 HP回復とリラックスができるのか。
 おもしろいな。
 クランバフ重視の方におすすめと言われて紹介されてきているのだから、良い方なのだろう。
 2つもバフが乗っているのはすごいことなのかな?
 まぁ、今のところ、このソファしか知らないから、通常だとどのぐらいのバフが乗っているのかわからないんだし、比べようがないけどな。
 比較は次のソファを見てからだな。

「良い効果だな!」

「座り心地も良いな」

「デザインも良いわね」

 しばらく、このソファの座り心地などを確かめた後、次のソファの元へと向かった。

「続いて、デザイン重視の方におすすめなのは、こちらのソファです。ぜひ座ってみてください」

 次に紹介されたのは、3人掛けぐらいのサイズ感のレザーソファだ。
 ストレートソファで、高さは通常、両方のアームも布で覆われたソファ。
 色合い的には、ホワイト系のソファだ。
 今度は、そのソファに腰掛けた。
 座り心地は、素材が違うから、先ほどのやつとはかなり違うけど、善し悪しで言うと先ほどのやつとあまり変わらない
 手触りの評価も同じような感じだな。
 総評も、レザーソファとして良くも悪くもない普通のソファ。
 デザインの良さは俺にはよくわからないけど、デザイン重視の方におすすめと言われて紹介されているから、良いのだろう。
 今度はこのソファに腰掛けながら、マージュさんの説明を聞いた。

「こちらのデザインは、最近の家具業界の流行に合わせたものになっています。このデザインに合った家具は、比較的流通量が多く、他の家具と合わせやすいのがポイントです。クランバフは、『使用時バフ:リラックス(微)』がついています」

 クランバフは、先ほどのソファよりは低いんだな。
 クランバフが1つしかついていないな。
 まぁ、クランバフ重視の方におすすめという紹介で出てきたソファよりクランバフが強かったら驚きだけどな。
 リラックスの効果も少し弱めなんだな。

「良いデザインね!」

「クランバフもついているんだな!」

「座り心地もある程度は良いんだな」

 こちらのソファもしばらく座り心地を確かめた後、次のソファに移った。

「続いて、座り心地重視の方におすすめのソファはこちらです。ぜひ座ってみてください」

 次のソファは、4人掛けぐらいの今までのものより大きめの張り込みソファ。
 1人分ぐらいのスペースが長めにできているカウチソファで、高さは少し低め、アームレスのソファ。
 色合い的には深めの青。
 今度はこのソファに腰掛けた。
 座り心地は最高。包み込まれるような座り心地をしている。
 生地の手触りも良い。
 これは良いソファだな。
 俺的にはかなり高得点。
 2人もかなり驚いた顔をした後、幸せそうな顔をしていた。
 このソファに腰掛けながら、マージュさんの説明を聞いた。

「老舗の家具屋の商品なので、デザインとしては最先端のものというわけではないのですが、座り心地は抜群に良いと思います。その家具屋の商品としては、比較的安価なものになっています。クランバフは、『使用時バフ:リラックス(小)』がついています」

 クランバフは1つか。
 さっきのデザイン重視のやつよりは良いけど、クランバフ重視のやつよりは低い。
 まぁ、この座り心地でバフもすごかったら、めちゃくちゃ高くなりそうだよな。
 3つを比較すると、最初のやつのクランバフはかなりよかったんだな。

「この座り心地はすごいな」

「さっきのやつよりは、バフが強力だな」

「デザインも流行のものではないようだけど、良いものって印象で、時代遅れ感はないわね」

「これで、安価な方って、高いやつはどんな座り心地なんだろうな?」

 しばらく、このソファの座り心地を確かめ続けた。
 ソファに座りながら俺はぽつりとつぶやいた。

「どれも良い商品だったから、どれにするか迷うな」

「これは迷うな」

「迷うわね」

 2人もかなり真剣に迷っているみたいだ。

「座り心地としては、最後のやつが最高だったけど、他の2つも悪くはなかったしな。というか、どちらかというと座り心地はよかったよな」

「バフとしても、最初のが2つもついていてすごいと思ったけど、後2つも1つはバフがついているからな! それで十分なのかもしれないしな! これは迷うな!」

「デザインとしても、真ん中のやつが流行で、あわせやすいものらしいけど、他2つが悪かったわけではないのよね。むしろ良いデザインではあったのよね」

 俺は座り心地をメインに話した。
 コルドは、クランバフをメインに話した。
 ローズは、デザインをメインに話した。
 みんな、どれも妥協点だと言った。
 だから迷うのだ。
 欠けている部分が欠けすぎていないからかなり迷う。
 とりあえず現状の多数決を取ることにした。

「とりあえず、多数決を取ろう」

「迷ったが、俺は、最後のやつがよかったな。座り心地が最高だったな」

「かなり迷ったけど、俺もギリギリ最後のやつが一番かな! 最初のソファとも迷ったけど、最後のやつの座り心地すごすぎて、ギリギリ最後のが競り勝ったな!」

「迷ったけど、私も、最後のやつかしらね。思ったよりもデザインが悪くなかったから。それと、あの座り心地をしったら他のやつが少しかすむわね」

 各々が重視しているところのソファに行くかと思ってたけど、まさか、全会一致になった。
 意見が割れて、話し合って決めていくものだと思ってたのに意外な結果になったな。

「じゃあ、満場一致で、最後のやつにするか」

「「そう(ね)(だな!)」」

 そういえば、ソファの値段を聞いていなかったな。
 もしかしたらめちゃくちゃ高かったりするのだろうか?
 ちょっと不安だな。
 というか大分不安だな。
 俺は、マージュさんに恐る恐る聞いた。

「ちなみにお値段ってどれぐらいですか?」




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件

夏見ナイ
SF
現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。 周囲の冷笑をよそに、蓮はプログラミング知識を応用してトラップを自動連携させる画期的な戦術を開発。さらに誰も見向きもしないダンジョンを丸ごと買い取り、24時間稼働の「全自動経験値工場」へと作り変えてしまう。 結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

最前線攻略に疲れた俺は、新作VRMMOを最弱職業で楽しむことにした

水の入ったペットボトル
SF
 これまであらゆるMMOを最前線攻略してきたが、もう俺(大川優磨)はこの遊び方に満足してしまった。いや、もう楽しいとすら思えない。 ゲームは楽しむためにするものだと思い出した俺は、新作VRMMOを最弱職業『テイマー』で始めることに。 βテストでは最弱職業だと言われていたテイマーだが、主人公の活躍によって評価が上がっていく?  そんな周りの評価など関係なしに、今日も主人公は楽しむことに全力を出す。  この作品は「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...