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『クランの町フラッグ』大観光 杖の品評
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杖を眺め終えローズが最初に言った。
「どれも良い杖ね」
そうだな。
どれも良い杖だ。
MAGが6で統一されている。
ちょうどMAGが倍になっているしな。
ローズはそう言いながら、かなり満足げな顔をしている。
どうやら、ローズのお眼鏡にかなったらしい。
どの杖が気に入ったのだろう。
やっぱり、木の杖かな。
でも、長杖とか短杖の可能性もあるな。
俺はそこが気になったので、ローズに聞いてみることにした。
「ローズは、次も杖にするのか? 長杖にしたり、短杖にしたりはしないのか?」
俺的には、長杖も良さそうに見えたんだけどな。
そこのところどうなんだろう。
ローズは、そんなの決まっているじゃないと言いたげな顔をしながら言った。
「基本は、杖にするつもりよ」
やっぱり杖なんだな。
長杖じゃないんだな。
長杖には、ダメージ15%の補正が付くから良いと思ったんだけどな。
長杖は、装備時移動不可っていうデメリットがあるけど、それ以外のデメリットがないから良さそうだと思ったんだけどな。
それに、ローズって、戦闘時に基本的に移動しないから、このデメリットもあまり関係なさそうでいいと思ったんだけどな。
まぁ、使うのはローズなんだし、ローズが杖と決めたならそれが一番良いんだろう。
そう思っていると、コルドがローズに向かって言った。
「戦闘中に移動することもないんだし、長杖でも良いんじゃないか?!」
コルドも俺と同じようなことを考えていたらしい。
それを聞くかどうかの差はあったみたいだけど。
そうだよな。俺もそう思う。
戦闘時に基本的に移動しないんだから、そこまでのデメリットではないように思えるんだけど。
なんか、この話、『始まりの町』の武器屋でもした気がするな。
そのとき何を話したかは全く覚えていないんだけどな。
と言うか、3日前とかの何気ない会話の記憶を持っている訳がないよな。
そんな化け物みたいな記憶力している訳でもないんだし。
そんなことを考えていると、ローズが言った。
「でも、とっさに戦えるようにするためにも、いつでも装備していたいわ。長杖だと、装備中は移動できないから、移動時は長杖をしまう必要があって、無防備になっちゃうじゃない」
移動時に無防備になるのがいやなのか。
確かに、装備時移動不可だから、移動時には装備することが出来ない。
移動するためには装備を外さなきゃいけないもんな。
そのときに無防備になるのがいやだと言うことか。
その考えも分かるな。
町中とかでならまだしも、町の外とかで移動中無防備になるというのは、パーティーメンバーがいるとしても避けたいよな。
信頼していないとかそういうことではなくて、ただただ本能的に。
なんとなく避けたいし、なんとなく嫌だよな。
それはそれでかなり分かるな。
ローズの意見に共感していると、シルさんが言った。
「それなら、移動時には今の初心者の杖を装備して、戦闘開始時に長杖と交換すれば良いんじゃない?」
確かにそうだな。
何でそれを思いつかなかったんだろう。
最近こういうことが増えてきている気がする。
いろいろ真剣に考えているのに、何かが抜けている。
そしてその抜けている意見が、とてもいい意見であることが多い。
キチンと気を引き締めていかないといけないな。
長々と考えた結果、50点60点の結論になってしまったら、時間の無駄だからな。
きちんと簡単で効果的な考えを見落とさないようにしていかないとな。
これは、反省だな。
反省反省。
移動時は今の武器を使うかぁ。
改めて良い考えだな。
移動時に不意打ちをされたとしても対処できて、安心できる。
それに、代替わりで使わなくなった装備の活用も出来る。
不意うちからガチガチの戦闘とか、ボス戦になるような場面も少ないだろうから、不意打ち程度なら初心者の杖でも対処できるだろうし。
何でこれを思いつかなかったんだろうな。
反省より先に不思議で仕方がない。
良い意見を思いつかず反省していると、ローズが言った。
「それは良いわね。なら、長杖にしようかしら?」
さっきまで杖派だったローズが長杖派に傾いた。
それぐらい良い案だったということだろう。
長杖になったら今よりどのぐらい強くなるんだろう。
MAGの倍増は、ATKの倍増とは違って、ダメージが倍になる訳ではなかったはずだ。
魔法の威力がある程度は上がるが、倍とまでは行かないはず。
ただ、15%のダメージアップと組み合わされると、かなりのダメージアップにつながるのは間違いないだろう。
コルドもローズもすごい強化がされるんだろうな。
負けていられないな。
俺も、物理も魔法もそれぞれ強化しないとな。
器用貧乏になりかけている気はするけど、どっちかに絞ることも出来ないしな。
どうしようもないんだよな。
どっちも頑張るしかない。
頑張ろう。
そう決意していると、今度はけんけんぱさんがローズに聞いた。
「属性系の杖にはしないの?」
属性系の杖か。
『始まりの町』の武器屋の時は、選択肢にも入っていなかったな。
属性系は、弱点属性に対してはめっぽう強いけど、それ以外に対しては踏んだり蹴ったりというイメージがあるんだよな。
それに、ローズの使う魔法が特定の属性に偏っている訳でもないから、あまり魅力的ではないんじゃないかな。
確か属性系の杖って、他の属性の魔法の威力が落ちるんじゃなかったっけ?
属性系の杖を使ってしまうと、単純にとれる戦術の幅が狭まってしまうんだよな。
だから、ローズは属性系の杖にはしないんじゃないかな。
少なくとも1本目にはならないだろうな。
そんなことを思っていると、ローズが言った。
「今はまだどの属性に特化したいと決めている訳じゃないから、属性系の杖にするつもりはないわ」
ローズのコメントは予想通りだな。
火の魔術師とか、水の魔術師みたいに、属性を決めている人にとっては、ありがたいのかもしれないけど、ローズは別にそういう魔術師ではないからな。
なんとなくだけど、ローズはどこにも特化していかないんじゃないかな。
手札がたくさんあるのも好きそうだし。
それに、いろんな魔法を使いたいっていつの日か言っていた気がするし。
コルドが少しだけ興奮気味に言った。
「敵の弱点属性ごとに杖を切り替えて戦ったらかっこよさそうじゃない?!」
それはすごくかっこいいな。
プロフェッショナルって感じがする。
弘法筆を選ばず系のかっこよさもあるけど、道具の1つ1つまでこだわっているというかっこよさもあるよな。
結局、すごいのは何でもかっこいいんだけどな。
弱点属性ごとに切り替えていくのか。
かなり金の掛かりそうな戦法だな。
今は、4属性だから、50万G×4本=200万G。
すごい額だな。
出せない額ではなさそうだけど、かなり頑張って金策をしないといけなさそうだな。
とりあえず、今出せる額ではないな。
コルドの話を聞いたローズの目はキラキラし出した。
そしてキラキラした目をしたまま言った。
「確かにそれはかっこよさそうね」
ローズもこの戦法に乗り気になってきたのかな。
乗り気なのは良いけど、かなりの金策が必要なのは気づいているのだろうか。
と言うか、そもそも、長杖と属性杖だとどのぐらいの差があるのか知っているのだろうか。
俺はそこら辺はまだ知らないんだけど。
もしかしたら、長杖の方が、補正値が高いのかもしれないよ。
もしそうだとしたら、わざわざ高い金を払って、わざわざ敵によって変えて、1本で済むものよりも非効率的なことをするかもしれないよ。
そこら辺のことをきちんと考えているのかな。
いなさそうだな。
敵によって杖を変えながら戦う自分しか見えていなさそうだな。
わくわくが目を輝かせるのは分かるんだけど、大丈夫かな。
心配になっていると、冷静なシルさんが言った。
「でも、そんなことをしたら、武器にかけるお金が単純計算で4倍になるよ」
その言葉を聞いて、ローズは冷静になった。
キラキラとしていた目を引っ込めて、真剣に検討する顔になった。
真剣に考えているのだろう、かっこよさを取るか、それとも、費用を取るか。
ローズが小声で独り言のように言った。
「これからさらに細かい属性が出たら、そのたびに阿呆みたいなお金が掛かるわね」
そうだな、今は4属性で済んでいるけど、ここから新しい属性が出てきたり、複合属性とか進化先の属性みたいなものまで出てきたりしたら、すごいことになりそうだよな。
それに、そういう追加される属性の杖って、元の属性の杖より高そうなイメージがあるよな。
そんなことを思っていると、けんけんぱさんが少し残念そうに言った。
「そう考えると現実的ではないかもしれないね」
「どれも良い杖ね」
そうだな。
どれも良い杖だ。
MAGが6で統一されている。
ちょうどMAGが倍になっているしな。
ローズはそう言いながら、かなり満足げな顔をしている。
どうやら、ローズのお眼鏡にかなったらしい。
どの杖が気に入ったのだろう。
やっぱり、木の杖かな。
でも、長杖とか短杖の可能性もあるな。
俺はそこが気になったので、ローズに聞いてみることにした。
「ローズは、次も杖にするのか? 長杖にしたり、短杖にしたりはしないのか?」
俺的には、長杖も良さそうに見えたんだけどな。
そこのところどうなんだろう。
ローズは、そんなの決まっているじゃないと言いたげな顔をしながら言った。
「基本は、杖にするつもりよ」
やっぱり杖なんだな。
長杖じゃないんだな。
長杖には、ダメージ15%の補正が付くから良いと思ったんだけどな。
長杖は、装備時移動不可っていうデメリットがあるけど、それ以外のデメリットがないから良さそうだと思ったんだけどな。
それに、ローズって、戦闘時に基本的に移動しないから、このデメリットもあまり関係なさそうでいいと思ったんだけどな。
まぁ、使うのはローズなんだし、ローズが杖と決めたならそれが一番良いんだろう。
そう思っていると、コルドがローズに向かって言った。
「戦闘中に移動することもないんだし、長杖でも良いんじゃないか?!」
コルドも俺と同じようなことを考えていたらしい。
それを聞くかどうかの差はあったみたいだけど。
そうだよな。俺もそう思う。
戦闘時に基本的に移動しないんだから、そこまでのデメリットではないように思えるんだけど。
なんか、この話、『始まりの町』の武器屋でもした気がするな。
そのとき何を話したかは全く覚えていないんだけどな。
と言うか、3日前とかの何気ない会話の記憶を持っている訳がないよな。
そんな化け物みたいな記憶力している訳でもないんだし。
そんなことを考えていると、ローズが言った。
「でも、とっさに戦えるようにするためにも、いつでも装備していたいわ。長杖だと、装備中は移動できないから、移動時は長杖をしまう必要があって、無防備になっちゃうじゃない」
移動時に無防備になるのがいやなのか。
確かに、装備時移動不可だから、移動時には装備することが出来ない。
移動するためには装備を外さなきゃいけないもんな。
そのときに無防備になるのがいやだと言うことか。
その考えも分かるな。
町中とかでならまだしも、町の外とかで移動中無防備になるというのは、パーティーメンバーがいるとしても避けたいよな。
信頼していないとかそういうことではなくて、ただただ本能的に。
なんとなく避けたいし、なんとなく嫌だよな。
それはそれでかなり分かるな。
ローズの意見に共感していると、シルさんが言った。
「それなら、移動時には今の初心者の杖を装備して、戦闘開始時に長杖と交換すれば良いんじゃない?」
確かにそうだな。
何でそれを思いつかなかったんだろう。
最近こういうことが増えてきている気がする。
いろいろ真剣に考えているのに、何かが抜けている。
そしてその抜けている意見が、とてもいい意見であることが多い。
キチンと気を引き締めていかないといけないな。
長々と考えた結果、50点60点の結論になってしまったら、時間の無駄だからな。
きちんと簡単で効果的な考えを見落とさないようにしていかないとな。
これは、反省だな。
反省反省。
移動時は今の武器を使うかぁ。
改めて良い考えだな。
移動時に不意打ちをされたとしても対処できて、安心できる。
それに、代替わりで使わなくなった装備の活用も出来る。
不意うちからガチガチの戦闘とか、ボス戦になるような場面も少ないだろうから、不意打ち程度なら初心者の杖でも対処できるだろうし。
何でこれを思いつかなかったんだろうな。
反省より先に不思議で仕方がない。
良い意見を思いつかず反省していると、ローズが言った。
「それは良いわね。なら、長杖にしようかしら?」
さっきまで杖派だったローズが長杖派に傾いた。
それぐらい良い案だったということだろう。
長杖になったら今よりどのぐらい強くなるんだろう。
MAGの倍増は、ATKの倍増とは違って、ダメージが倍になる訳ではなかったはずだ。
魔法の威力がある程度は上がるが、倍とまでは行かないはず。
ただ、15%のダメージアップと組み合わされると、かなりのダメージアップにつながるのは間違いないだろう。
コルドもローズもすごい強化がされるんだろうな。
負けていられないな。
俺も、物理も魔法もそれぞれ強化しないとな。
器用貧乏になりかけている気はするけど、どっちかに絞ることも出来ないしな。
どうしようもないんだよな。
どっちも頑張るしかない。
頑張ろう。
そう決意していると、今度はけんけんぱさんがローズに聞いた。
「属性系の杖にはしないの?」
属性系の杖か。
『始まりの町』の武器屋の時は、選択肢にも入っていなかったな。
属性系は、弱点属性に対してはめっぽう強いけど、それ以外に対しては踏んだり蹴ったりというイメージがあるんだよな。
それに、ローズの使う魔法が特定の属性に偏っている訳でもないから、あまり魅力的ではないんじゃないかな。
確か属性系の杖って、他の属性の魔法の威力が落ちるんじゃなかったっけ?
属性系の杖を使ってしまうと、単純にとれる戦術の幅が狭まってしまうんだよな。
だから、ローズは属性系の杖にはしないんじゃないかな。
少なくとも1本目にはならないだろうな。
そんなことを思っていると、ローズが言った。
「今はまだどの属性に特化したいと決めている訳じゃないから、属性系の杖にするつもりはないわ」
ローズのコメントは予想通りだな。
火の魔術師とか、水の魔術師みたいに、属性を決めている人にとっては、ありがたいのかもしれないけど、ローズは別にそういう魔術師ではないからな。
なんとなくだけど、ローズはどこにも特化していかないんじゃないかな。
手札がたくさんあるのも好きそうだし。
それに、いろんな魔法を使いたいっていつの日か言っていた気がするし。
コルドが少しだけ興奮気味に言った。
「敵の弱点属性ごとに杖を切り替えて戦ったらかっこよさそうじゃない?!」
それはすごくかっこいいな。
プロフェッショナルって感じがする。
弘法筆を選ばず系のかっこよさもあるけど、道具の1つ1つまでこだわっているというかっこよさもあるよな。
結局、すごいのは何でもかっこいいんだけどな。
弱点属性ごとに切り替えていくのか。
かなり金の掛かりそうな戦法だな。
今は、4属性だから、50万G×4本=200万G。
すごい額だな。
出せない額ではなさそうだけど、かなり頑張って金策をしないといけなさそうだな。
とりあえず、今出せる額ではないな。
コルドの話を聞いたローズの目はキラキラし出した。
そしてキラキラした目をしたまま言った。
「確かにそれはかっこよさそうね」
ローズもこの戦法に乗り気になってきたのかな。
乗り気なのは良いけど、かなりの金策が必要なのは気づいているのだろうか。
と言うか、そもそも、長杖と属性杖だとどのぐらいの差があるのか知っているのだろうか。
俺はそこら辺はまだ知らないんだけど。
もしかしたら、長杖の方が、補正値が高いのかもしれないよ。
もしそうだとしたら、わざわざ高い金を払って、わざわざ敵によって変えて、1本で済むものよりも非効率的なことをするかもしれないよ。
そこら辺のことをきちんと考えているのかな。
いなさそうだな。
敵によって杖を変えながら戦う自分しか見えていなさそうだな。
わくわくが目を輝かせるのは分かるんだけど、大丈夫かな。
心配になっていると、冷静なシルさんが言った。
「でも、そんなことをしたら、武器にかけるお金が単純計算で4倍になるよ」
その言葉を聞いて、ローズは冷静になった。
キラキラとしていた目を引っ込めて、真剣に検討する顔になった。
真剣に考えているのだろう、かっこよさを取るか、それとも、費用を取るか。
ローズが小声で独り言のように言った。
「これからさらに細かい属性が出たら、そのたびに阿呆みたいなお金が掛かるわね」
そうだな、今は4属性で済んでいるけど、ここから新しい属性が出てきたり、複合属性とか進化先の属性みたいなものまで出てきたりしたら、すごいことになりそうだよな。
それに、そういう追加される属性の杖って、元の属性の杖より高そうなイメージがあるよな。
そんなことを思っていると、けんけんぱさんが少し残念そうに言った。
「そう考えると現実的ではないかもしれないね」
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