キメラスキルオンライン

百々 五十六

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幕話

キメラスキルオンラインのスタートダッシュイベントCM ※CM回 ※リアル回?

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《フルバージョン》

 壮大なBGMとともに、現実の景色よりも綺麗な映像が流れ始める。
 突如、『キメラスキルオンライン』のロゴが出た。
 その後は、再び様々な綺麗な景色の映像が流れては切り替わっていく。
 そして、急に謎の声が入ってきた。


「人類の繁栄というのは、常にダンジョンとともにあった。科学技術や文明が進化するよりも激しく劇薬のようにダンジョンというのは人類を繁栄させた。人類が爆発的に増えたり、急に生活のレベルが変わったりするとき、常にダンジョンで大きな事が起こっていた」

 謎の声の発言に合わせて、様々な映像が流れていく。
 ゲートのようなところから、ドラゴンのような物が運ぶ出される映像。
 急激に町が大きくなっていく様子を空から見たような映像。
 ゲートのようなところから、謎の植物が運び出される映像。
 町を歩く人々の服装が良い物に変わっていく映像。
 ゲートのような場所から、謎の機械が運び出されていく映像。
 急に町に明かりが灯るようになる映像。
 どの画像も、リアルの世界よりも綺麗な映像だ。
 様々な映像が流れているなか、謎の声が言う。

「劇的な変化というのは、副作用をよぶ。変化に取り残された人もいた。変化の狭間で損害を受けた人もいた。なにより、人類は、ダンジョンからの産出物でしか、発展しなくなってしまった。そして、ダンジョンからの産出物に依存するようになった。もちろん、食べ物や、衣類、住居などの生活レベルの依存ではない。成長を依存してしまったのだ。科学の進化も、文化の進化も止め、ダンジョンが変化をもたらしてくれるのを待ち続けた」

 また、謎の声に合わせて様々な映像が流れていく。
 寂れた研究所のような場所の映像。
 古びれた本しか並んでいない本棚の映像。
 いつまでも中世的な町並みをしている映像。

「金持ちは資金のほとんどをダンジョンに関する投資に利用した。これもまた様々な物の停滞の要因になっていたのだろう。その結果、ダンジョン探索は、飛躍的に進歩していった。ただ、その進歩も一時的なものだった。ここ数十年数百年、ダンジョン探索は、人類は、停滞をしてしまった。お金だけでどうこうできるレベルはとうに終わってしまった。そして、人々は願った。ダンジョンからダンジョン探索が進歩するような物が出土されますように。自分たちの生活がより良くなるような物が、ダンジョンから産出されますようにと。人類は、他人任せというかダンジョン任せな願いをするようになった」

 ダンジョン産業にどんどん資金が投入されていく映像。
 どんどんと世界が成長していく映像。
 だんだんと停滞していく映像。
 画像かと見間違おうほど停滞していく映像。
 変わらない日々を同じように繰り返していく映像。

「そこで、神は人類に与えた。新しき人類を。プレイヤーという新しき人類を。停滞した人類に。ダンジョンをより効率的に探索してくれるプレイヤーを。ダンジョン以外の産業も技術も活性化してくれるだろうプレイヤーを。人類の繁栄を、そして、人類の認識を変えてくれることを願いプレイヤーを世界に与えた」

 様々な人たちが急に町中に現れる映像。
 プレイヤーらしき人物が、ダンジョンで暴れまわる映像。
 ダンジョンの外で研究や産業に従事して、別の観点から人類を繁栄させていくプレイヤーの映像。


 突然画角が切り替わった。
 今までも代わる代わる映像が流れていたが、それとは違い視点がきりかわった事を感じた。
 どこからかの視点かは分からないが、謎の手から、しずくが落ちて、星にあたり、それが波紋のように広がっていく。
 再び画角が切り替わった。
 今度は、神々しさだけが分かる、よく分からない空間に出た。
 その空間で、先ほどまでの謎の声とは違い、男女様々な声が重なったような声が聞こえた。

「見せてほしい! 自由という楽しさを」

「伝えてほしい! 冒険という幸福を」

「思い出させてほしい! 成長という喜びを」

「君たちが自由に動くたび、世界は大きく変わっていく」

「神達は大いに期待している、君たちに」



 場面が切り替わる。
 教会の中、祈りを捧げていた少女が立ち上がり言った。

「神託が下りました」

「新人類が、この世界に降り立ったそうです」

「複数の都市に別れて活動を始めたそうです」

「神が使わした新しい人類が、ようやく来たと言うことですね」

「そうですね。ようやく来ました。彼らが、この世界を変えてくれることを祈りましょう」


 彼らは、バルコニーに出る。
 そして、広場に集まる新都に向かって言った。


「聖女様が、新人類の登場を宣言なされた」

「「「「「うぉおおおおお」」」」」

「神が使わしてくださった、新人類の方々を歓迎しようではないか」

「「「「「「うぉおおお」」」」」

「その前に、神様に感謝の祈りを捧げることにしよう」

「祈りましょう。神様への感謝を。祈りましょう。新人類の活躍を願って。祈りましょう。この世界の変化を望んで」



 薄暗い部屋。
 1人の人らしき影がある。
 その影がゆっくりと話した。

「この鼓動……ようやく来たか。新しい人類。歓迎しよう。ダンジョンも喜んでいる」




 謁見の間。
 王座に座る中年の男。
 その正面には跪く男。
 男は顔を上げて言った。

「国王、どうやら、新人類が続々と誕生しているようです」

「そうかそうか」

「めでたいことですね」

「これでさらに、ダンジョンが開拓され、さらに国が繁栄していく」

「よきことですね」

「そうだ。ギルドの方に言って、何か新人類を歓迎するようなイベントを開かせられないか?」

「出来ると思いますが、そこまでする必要がありましょうか?」

「この国のために働いてくれる人々が来たのだ、歓迎してやるのが礼儀というものだ。それに、これは、恩赦でもなければ、ただの歓迎の宴ではない。これは投資なんだよ」

「国王がそう言うのなら、そうなのでしょう。すぐに、ギルドに指示を出しましょう」

「頼むぞ」

「ははぁ」


 無骨な執務室。
 気品や優雅さはなく、実用性と無骨さに特化したような部屋。
 そこに、がっしりとした体型の中年の男が1人。
 そんな部屋に慌ただしく1人の職員が入ってきた。

「ギルド長! ダンジョンの活性化を確認しました!」

「新しい人類が来るという忙しい時期に、ダンジョンの活性化だと?! 事務的に忙しいところに、実働的に忙しい者を重ねるなよ!」

「文句を言っていてもどうしようもありません。どうやって対処しましょう」

「ダンジョンの活性化は、どんな活性化なんだ?!」

「観測できている範囲ですと、表層を中心とした活性化です。表層から上層にかけて、モンスターの数が通常の倍程度に増えているようです」

「表層から上層か。上級の冒険者を動かすような案件じゃないな。よし、じゃあ、それの対処を新しい人類の冒険者にやらせよう」

「良いんですか? 新しく来る人類って戦闘に関しては初心者なんじゃなかってでしたっけ?」

「それなら、ランク制限で、冒険者ランク5以上とかにしておけ」

「分かりました、そのように調整します」

「ギルド長! 本部より連絡です!」

「どうした?!」

「ダンジョンの活性化を新人類強化に使用せよということです」

「そうか、本部の連中も同じようなことを考えるんだな」

「ということは、ギルド長は既に、ダンジョン活性化の活用方法を考えていたのですか?」

「あぁ、そうだな」

「さすがギルド長ですね。ただ、申し訳ないんですけど、本部からイベントクエストのパッケージごと来ているので、独自のを取りやめて、こちらにあわせるようにしてください」

「そうか、さすが本部だな。仕事が速い。じゃあ、さっき言っていたのは取りやめだ。本部から来たパッケージ通りに動いてくれ!」

「分かりました」

「表層上層でも、一応、活性化だからな。何人か上級冒険者をギルドに待機させておけ」

「はい」

「よし、活性化と、新人類到来を乗り切るぞ!」

「「はい!」」

「待ってろ新人類!」

 そして、スッと消えていった。
 そして、数秒の時間を取った後、画面には、『キメラスキルオンラインスタートダッシュイベント開催中』と表示され、CMが終わる。





《超ロングバージョン》


 教会の中、祈りを捧げていた少女が立ち上がり言った。

「神託が下りました」

「新人類が、この世界に降り立ったそうです」

「複数の都市に別れて活動を始めたそうです」

「神が使わした新しい人類が、ようやく来たと言うことですね」

「そうですね。ようやく来ました。彼らが、この世界を変えてくれることを祈りましょう」


 彼らは、バルコニーに出る。
 そして、広場に集まる新都に向かって言った。


「聖女様が、新人類の登場を宣言なされた」

「「「「「うぉおおおおお」」」」」

「神が使わしてくださった、新人類の方々を歓迎しようではないか」

「「「「「「うぉおおお」」」」」

「その前に、神様に感謝の祈りを捧げることにしよう」

「祈りましょう。神様への感謝を。祈りましょう。新人類の活躍を願って。祈りましょう。この世界の変化を望んで」



 薄暗い部屋。
 1人の人らしき影がある。
 その影がゆっくりと話した。

「この鼓動……ようやく来たか。新しい人類。歓迎しよう。ダンジョンも喜んでいる」




 謁見の間。
 王座に座る中年の男。
 その正面には跪く男。
 男は顔を上げて言った。

「国王、どうやら、新人類が続々と誕生しているようです」

「そうかそうか」

「めでたいことですね」

「これでさらに、ダンジョンが開拓され、さらに国が繁栄していく」

「よきことですね」

「そうだ。ギルドの方に言って、何か新人類を歓迎するようなイベントを開かせられないか?」

「出来ると思いますが、そこまでする必要がありましょうか?」

「この国のために働いてくれる人々が来たのだ、歓迎してやるのが礼儀というものだ。それに、これは、恩赦でもなければ、ただの歓迎の宴ではない。これは投資なんだよ」

「国王がそう言うのなら、そうなのでしょう。すぐに、ギルドに指示を出しましょう」

「頼むぞ」

「ははぁ」


 無骨な執務室。
 気品や優雅さはなく、実用性と無骨さに特化したような部屋。
 そこに、がっしりとした体型の中年の男が1人。
 そんな部屋に慌ただしく1人の職員が入ってきた。

「ギルド長! ダンジョンの活性化を確認しました!」

「新しい人類が来るという忙しい時期に、ダンジョンの活性化だと?! 事務的に忙しいところに、実働的に忙しい者を重ねるなよ!」

「文句を言っていてもどうしようもありません。どうやって対処しましょう」

「ダンジョンの活性化は、どんな活性化なんだ?!」

「観測できている範囲ですと、表層を中心とした活性化です。表層から上層にかけて、モンスターの数が通常の倍程度に増えているようです」

「表層から上層か。上級の冒険者を動かすような案件じゃないな。よし、じゃあ、それの対処を新しい人類の冒険者にやらせよう」

「良いんですか? 新しく来る人類って戦闘に関しては初心者なんじゃなかってでしたっけ?」

「それなら、ランク制限で、冒険者ランク5以上とかにしておけ」

「分かりました、そのように調整します」

「ギルド長! 本部より連絡です!」

「どうした?!」

「ダンジョンの活性化を新人類強化に使用せよということです」

「そうか、本部の連中も同じようなことを考えるんだな」

「ということは、ギルド長は既に、ダンジョン活性化の活用方法を考えていたのですか?」

「あぁ、そうだな」

「さすがギルド長ですね。ただ、申し訳ないんですけど、本部からイベントクエストのパッケージごと来ているので、独自のを取りやめて、こちらにあわせるようにしてください」

「そうか、さすが本部だな。仕事が速い。じゃあ、さっき言っていたのは取りやめだ。本部から来たパッケージ通りに動いてくれ!」

「分かりました」

「表層上層でも、一応、活性化だからな。何人か上級冒険者をギルドに待機させておけ」

「はい」

「よし、活性化と、新人類到来を乗り切るぞ!」

「「はい!」」

「待ってろ新人類!」

 そして、スッと消えていった。
 そして、数秒の時間を取った後、画面には、『キメラスキルオンラインスタートダッシュイベント開催中』と表示され、CMが終わる。







《ロングバージョン》

 教会の中、祈りを捧げていた少女が立ち上がり言った。

「神託が下りました」

「新人類が、この世界に降り立ったそうです」

「複数の都市に別れて活動を始めたそうです」

「神が使わした新しい人類が、ようやく来たと言うことですね」

「そうですね。ようやく来ました。彼らが、この世界を変えてくれることを祈りましょう」

 彼らは、バルコニーに出る。
 そして、広場に集まる新都に向かって言った。

「聖女様が、新人類の登場を宣言なされた」

「「「「「うぉおおおおお」」」」」

「神が使わしてくださった、新人類の方々を歓迎しようではないか」

「「「「「「うぉおおお」」」」」

「その前に、神様に感謝の祈りを捧げることにしよう」

「祈りましょう。神様への感謝を。祈りましょう。新人類の活躍を願って。祈りましょう。この世界の変化を望んで」



 薄暗い部屋。
 1人の人らしき影がある。
 その影がゆっくりと話した。

「この鼓動……ようやく来たか。新しい人類。歓迎しよう。ダンジョンも喜んでいる」




 謁見の間。
 王座に座る中年の男。
 その正面には跪く男。
 男は顔を上げて言った。

「国王、どうやら、新人類が続々と誕生しているようです」

「そうかそうか」

「めでたいことですね」

「これでさらに、ダンジョンが開拓され、さらに国が繁栄していく」

「よきことですね」




 無骨な執務室。
 気品や優雅さはなく、実用性と無骨さに特化したような部屋。
 そこで、がっしりとした体型の中年の男が言った。

「本部から来たパッケージ通りに動いてくれ!」

「分かりました」

「表層上層でも、一応、活性化だからな。何人か上級冒険者をギルドに待機させておけ」

「はい」

「よし、活性化と、新人類到来を乗り切るぞ!」

「「はい!」」

「待ってろ新人類!」

 そして、スッと消えていった。
 そして、数秒の時間を取った後、画面には、『キメラスキルオンラインスタートダッシュイベント開催中』と表示され、CMが終わる。







《ショートバージョン1》

 教会の中、祈りを捧げていた少女が立ち上がり言った。

「神託が下りました」

「新人類が、この世界に降り立ったそうです」

「複数の都市に別れて活動を始めたそうです」

「神が使わした新しい人類が、ようやく来たと言うことですね」

「そうですね。ようやく来ました。彼らが、この世界を変えてくれることを祈りましょう」

 彼らは、バルコニーに出る。
 そして、広場に集まる新都に向かって言った。

「聖女様が、新人類の登場を宣言なされた」

「「「「「うぉおおおおお」」」」」

「神が使わしてくださった、新人類の方々を歓迎しようではないか」

「「「「「「うぉおおお」」」」」

「その前に、神様に感謝の祈りを捧げることにしよう」

「祈りましょう。神様への感謝を。祈りましょう。新人類の活躍を願って。祈りましょう。この世界の変化を望んで」

 そして、スッと消えていった。
 そして、数秒の時間を取った後、画面には、『キメラスキルオンラインスタートダッシュイベント開催中』と表示され、CMが終わる。



《ショートバージョン2》



 薄暗い部屋。
 1人の人らしき影がある。
 その影がゆっくりと話した。

「この鼓動……ようやく来たか。新しい人類。歓迎しよう。ダンジョンも喜んでいる」


 そして、スッと消えていった。
 そして、数秒の時間を取った後、画面には、『キメラスキルオンラインスタートダッシュイベント開催中』と表示され、CMが終わる。



《ショートバージョン3》



 謁見の間。
 王座に座る中年の男。
 その正面には跪く男。
 男は顔を上げて言った。

「国王、どうやら、新人類が続々と誕生しているようです」

「そうかそうか」

「めでたいことですね」

「これでさらに、ダンジョンが開拓され、さらに国が繁栄していく」

「よきことですね」

 そして、スッと消えていった。
 そして、数秒の時間を取った後、画面には、『キメラスキルオンラインスタートダッシュイベント開催中』と表示され、CMが終わる。



《ショートバージョン4》



 無骨な執務室。
 気品や優雅さはなく、実用性と無骨さに特化したような部屋。
 そこで、がっしりとした体型の中年の男が言った。

「本部から来たパッケージ通りに動いてくれ!」

「分かりました」

「表層上層でも、一応、活性化だからな。何人か上級冒険者をギルドに待機させておけ」

「はい」

「よし、活性化と、新人類到来を乗り切るぞ!」

「「はい!」」

「待ってろ新人類!」

 そして、スッと消えていった。
 そして、数秒の時間を取った後、画面には、『キメラスキルオンラインスタートダッシュイベント開催中』と表示され、CMが終わる。


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