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1章 スタートダッシュ
さらに新しいモンスターとミニクエスト
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俺達は、新しい反応が何なのかを見るために移動した。
ギリギリ、肉眼で見ることのできる範囲に入った。
反応のものとを凝視しながら言った。
「オオカミだな」
今度は狼だった。
前回の、鹿に続き、新しいモンスターが出てきた。
3層目は、2種類も新しいモンスターがいるんだな。
2種類いたと言うことは、探せばもっといるのかもしれないな。
「な」
見つけた狼は、鹿を引き連れている。
狼が鹿を引き連れいているという構図に違和感しかない。
鹿って、狼とか肉食の動物に食われる側なんじゃないの?
俺は首をかしげながら言った。
「オオカミが、非捕食者であろう鹿と一緒に行動しているな」
「な」
もしかして、モンスターって動物の形をしているだけで、動物ではないのかもな。
だから、食生活とか修正とかが、俺の知っている動物たちとは違うのかもしれない。
そう考えれば、狼が鹿を引き連れていても違和感がないのかもしれないな。
まぁ、現実世界出身の俺からすると違和感でしかないんだけどな。
俺は、そんなことを考えながら言った。
「もしかして、モンスターのオオカミは、肉食じゃない?」
「なぁ、なぁ」
なーさんは、俺の言葉に相槌を打つように鳴いている。
なーさんは優しいな。
俺が適当に言っていることにいちいち反応して鳴いてくれるのだから。
俺は気持ちを切り替え、考察とかそういう思考から、戦闘モードになった。
俺は気合いを入れて言った。
「オオカミがどのぐらいの強さか分からないし、ここは2人で協力していこう」
「なぁ!」
なーさんも気合いを入れて鳴いた。
よし、じゃあ、後は戦うだけだな。
俺は、狼に気づかれないように、声量に気をつけつつ、居合いを入れて言った。
「じゃあ、行くぞ」
「なぁ!」
なーさんは、狼目指して飛び立った。
前衛はなーさんに任せよう。
危険な役割だけれど、なーさんにしか任せられないからな。
俺がやると火力が減ってしまって、戦闘時間が長くなり余計に危ないからな。
ここは、なーさんに頑張ってもらおう。
適材適所というやつだ。
そういう思いで言った。
「なーさん、前衛は任せた」
「なぁ!」
なーさんは任せろと言いたげな、気合いの入った声で鳴いた。
俺は、飛んで行くなーさんに向かって、具体的な作戦を言っていった。
「敵を引きつけておいてくれ! 俺は、その間に、取り巻きの鹿2匹を倒す」
多分、聞こえているとしても、俺達の会話の内容を理解するほどの知性はないはずだから、大丈夫か。
俺の声が届いていたとしても、狼にこちらの存在を気づかれ、不意打ちが決まらないぐらいのデメリットしかない。
そのぐらいのデメリットなら、作戦を言った方が良いだろうという判断だ。
「なぁ!」
なーさんが、狼たちの元にたどり着き戦闘が始まった。
なーさんは、時間を稼ぐような動きと、守ることを優先に戦っている。
俺はなーさんが時間を稼いでいる間に、どうにかして、取り巻きの鹿2匹を倒さないといけない。
俺は、緊張感をもって、1匹目の鹿を狙った。
深呼吸をして気持ちを落ち着けて、矢を放つ。
ヘイトを取っているなーさんに夢中になっていた、鹿の1匹に当たった。
212ダメージ
俺の攻撃を受けて、攻撃の当たった鹿はヘイトを俺に向け出した。
それに釣られて、もう1匹のしかもこっちにヘイトが移った。
これは、俺と鹿達の2対1、なーさんと狼の1対1と言う構図になるのかな。
こんなにすぐにヘイトが移っちゃうなら、作戦を変更しようかな。
俺は、鹿のヘイトがこっちに向いちゃってどうしようと焦っているように見えるなーさんに言った。
「なーさんは、狼だけを抑えておいてくれ。鹿2匹はこっちでなんとかするから」
「なぁ!」
なーさんは、力強く鳴いて、狼との戦闘に集中していった。
お互い頑張ろうなと思いながら、俺は意識をなーさんの方から、鹿2匹の方に戻す。
鹿達は、とりあえず俺との距離をつめようと前に動く。
鹿達には、遠距離攻撃がないみたいだな。
なーさんみたいに遠距離攻撃ができる訳ではないんだな。
俺は、後ろに少しずつ下がりながら矢を放った。
233ダメージ
最初に攻撃した方の鹿に狙い通り当たった。
それにしても堅いな。
新しい弓矢にして、このダメージなのか。
装備更新をする前に来なくて良かったな。
来ていたら、痛い目に遭っていただろうな。
それと、なーさんが生まれる前に来なくて良かったな。
なーさんがいなかったら、さらにここから、狼とも戦わなければ行けなかったのか。
そう思いながら,後ろに下がりつつ矢を放つ。
241ダメージ
俺は、矢を放てるぐらいのスピードで後ろに下がっている。
鹿達は、俺が後ろに下がるペースよりも早く距離をつめてくる。
走って突撃してきている訳ではないが、じりじりと距離が詰まってくる。
このままでは、そのうち、あちらの間合いになってしまう。
矢の攻撃を受けている方は、HPが後3割弱程度。
あちらの間合いになる前に仕留められるだろう。
ただ、もう1匹の方は、どうしたもんかな。
この攻撃を続けていたら、もう1匹の方を攻撃し出す頃には、あちらの間合いになってしまうだろう。
どうしたもんかと思いながら、後ろに下がりつつ矢を放った。
322ダメージ
とりあえず、1匹は倒しきった。
この後どうしよう。
後1射分ぐらいしか距離がないな。
そう思いながら、とりあえず、なーさんに言った。
「なーさん1匹倒した。後1匹倒すまで耐えられるか?」
「なぁ!」
なーさんは、声から余裕そうだと言うことが伝わってくる。
それなら、多少時間がかかっても大丈夫そうかな。
そう思いながら言った。
「じゃあ、任せるぞ」
俺は、弓を構えるのをやめて走り出した。
目を離すと突撃してきそうなので、バックステップで動く。
と言うか、この鹿達は、なんでダンジョンボアみたいに突撃を仕掛けてこなかったのかな。
ただ、そこそこの速度で前進して、距離をつめることしかしなかったんだろう。
もしかして、足でも怪我をしていたのかな?
あぁ、あれか。
地面が固いから、気をつけて進んでいるのかもな。
でかい岩に突撃しないようにとか、鋭い石を踏まないようにとか。
そう考えると腑に落ちる。
俺は、頑張って距離を稼いだ。
岩を盾にしたり、岩に登ったりと、障害物を工夫して利用することで距離を取ることが出来た。
時間はかかってしまったが、これで、安全に鹿を倒せる。
俺は、1匹目と同じように、後ろに下がりながら矢を放つ。
344ダメージ
良いところに当たったみたいだ。
良いところに当たってもこんなもんなんだな。
かなり堅いな。
堅いと、クリティカルのダメージも減るのかな。
そう思いながらさらに矢を放つ。
266ダメージ
続けざまに矢を放つ。
221ダメージ
俺は、最後は冷静に呼吸を整えてから矢を放った。
255ダメージ
よし、これで2匹とも倒すことが出来た。
後は、狼をなーさんと一緒に倒すだけだな。
そう思い、意識を鹿からなーさんたちの方に移しながら言った。
「じゃあ、そっちと戦うか」
「なぁ!」
なーさんの方を見ると、狼が、燃え上がって倒れていた。
どうやら、狼をなーさんだけで倒したらしい。
すごい。
よくやった。
そう思う反面、肩透かしを食らった気分になった。
ここからが本番だと気合いを入れ直したタイミングで、メインの敵が倒れてしまったのだから仕方がないな。
心の中でブツブツ文句を言っていると、ウィンドウが現れた。
ダンジョンディア×2、ダンジョンウルフを討伐しました。
素材は、直接ストレージに入れられました。
獲得素材:鹿角×2、狼牙×1
経験値を得ました。
レベルが上昇しました。
NPを5獲得しました。
SPを10獲得しました。
職業レベルが上がりました。
MPが1上昇しました。
なーさんのレベルが上昇しました。
なーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
なーさんが獲得したSPは、HPに10割り振られました。
なーさんが獲得したNPは、STRに5割り振られました。
なーさんのAGIが1上昇しました。
なーさんのDEXが1上昇しました。
なーさんのHPが1上昇しました。
なーさんの『魔術』のレベルが上昇しました。
なーさんの『爪術』のレベルが上昇しました。
あの狼の名前は、ダンジョンウルフだったんだな。
予想通りの、ど真ん中の名前。
ダンジョン〇〇系は、モンスターの基本形か何かなのかな。
応用が出るような階層ではないから、こんなシンプルな名前のやつばかり出てくるのかな。
あ、レベルが上がってる。
なーさんの方も、レベルが上がっているみたいだ。
これで、レベル6か。
なーさんは、レベル4か。
また1つ強くなったな。
なーさんの方もいろいろと数値が上がっているな。
スキルのレベルの方も上がっているみたいだ。
そのうち俺よりも強くなりそうだな。
そううならないように、もう少し頑張らないとな。
とりあえず戦闘が終了したんだな。
ウィンドウを眺めていると、なーさんが戻ってきた。
俺はなーさんに向かって言った。
「俺がダンジョンディアに手こずっている間に倒しちゃったんだな」
「なぁ!」
なーさんは誇らしそうに鳴いた。
なーさんだけで倒したのだから誇らしいのだろうな。
俺も、なーさんだけでダンジョンウルフを倒せたことを誇りに思うぞ。
俺は純粋になーさんを褒めた。
「さすがなーさんだな」
「なぁ」
「頼りになる」
「な」
ただ、なーさんが強いのは分かったけど、ダンジョンウルフがどのぐらい強いのかが分からないんだよな。
戦闘中のなーさんとダンジョンウルフの姿を見ていた訳でもないし、実際に対峙して強さを感じ取った訳でもない。
ただ、なーさんが倒した敵という情報量しか得られていないんだよな。
俺は、少し困った声で言った。
「ただ、なーさんに任せちゃったから、ダンジョンウルフの強さが分からないな」
「な?」
困っているのと首をかしげながらなーさんは鳴いた。
まぁ、別にダンジョンウルフは、あの1匹しかいない訳じゃないんだし、また倒せば良いか。
俺は、そう思いながら言った。
「まぁ、また見つけて倒せば良いか」
「なぁ!」
俺は、戦闘の感想から話を変えた。
「レベルアップもしたな」
「なぁ!」
レベルアップで得たSPとNPは何に使おうかな。
どこを強化しようかな。
なーさんは、自動で振り分けてくれるから良いな。
自分で決めなくて良いのが羨ましい。
俺は笑顔で言った。
「なーさんがまた1つ強くなったな」
「なー」
なーさんは誇らしそうに鳴いた。
レベルアップしたことがうれしいんだろう。
なーさんがうれしそうにしているのに釣られて上機嫌になって言った。
「俺もレベルアップしたから、SPとNPを割り振らないとな」
「な」
俺は、ステータスを確認しながら考えた。
結果、俺は、HPを10,STRを5あげることにした。
敵が堅くなってきたから、そろそろ、火力がほしくてな。
火力が出そうなSTRに振ることにした。
命中精度とかは安定してきたし、これ以上早く動く必要性は今のところ感じていないから、消去法でもSTRになっていただろうな。
そうやって、戦闘後の処理をしていると、平べったい岩を見つけた。
話まりを見ると、尖っていたり、ゴツゴツしていたり、丸くなっている岩はいるけど、平べったく上に何かをのせられそうな岩は珍しいようだ。
俺は、ぺしぺしとその岩を叩きながら言った。
「なんかこの岩だけ平たいな」
「なぁ」
なーさんも確かにと言いたげに鳴いた。
何でもないんだろうけど、珍しいものを見つけられるのってうれしいよな。
それに、こんだけ平べったくて、大きすぎず高さもあまりない岩だと、椅子みたいだな。
そう思っていると急にウィンドウが現れた。
ミニクエスト《ミニケルンを作ろう》
ミニケルンを作成しましょう。
意思をいくつか、この岩の上に重ねてください。
満足のいく高さになったら、最後に、この岩のそばにある赤い石を上に置いてください。
赤い石を置いた時点でクエストは終了になります。
重ねた石の数や、重ねた高さ、安定性などを加味して、完成度によって報酬があります
ミニケルン作りを頑張ってください。
どうやら、勝手に、クエストが始まってしまったようだ。
今までのフィールドクエストや、チュートリアルクエストのように、事前に開始するのかについてのウィンドウがなかったな。
新しいスタイルだな。
今回は、ミニクエストという分類なんだな。
今までのものに比べると規模の小さなクエストと言うことなのかな。
だから、断るという選択肢がなかったのかな。
考えるのはこれぐらいにしておこう。
とりあえず、ケルンというものを作れば良いんだな。
じゃあ、作ろうじゃないか。
俺は少しずつやる気のエンジンをかけながら言った。
「こういうのもあるんだな」
「なー」
もしかして、ミニクエストって、1層とか、2層にもあったのかな。
俺がただ見落としていたり、出会っていなかったりするだけで。
そうだとしたら、なんかもったいないな。
プラスはないだけで、何もマイナスはないのに、なんだか損をしたような気分になるな。
何でだろう。
そう思いながら言った。
「3層からの新しいものなのかな? 2層まででも、フィールドクエストとかはあったし、見つけられなかっただけで、1,2層にもミニクエストがあるのかもしれないな」
「なぁ」
俺は、平べったい岩の隣に、鮮やかではないけれど、赤であることは分かるぐらいの石を見つけた。
その石を手に持って言った。
「これが最後にのせる赤い石か」
「な」
俺は、石を眺めながら言った。
「これだけおいたら、どんな報酬なんだろうな。気になるけど止めておくか」
「なぁ、なぁ」
検証をするためだけに、クエストのチャンスを棒に振るのはなんだか気に食わない。
だから止めておくとしよう。
俺は、改めて気合いを入れて言った。
「じゃあ、ケルン作り頑張ってみるか」
「なぁ」
「まずは、この岩の上に最初にのせる、安定性の高そうな石を探そう」
「なぁ!」
なーさんが、羽でどこかを指しながら鳴いた。
条件に合う石がそっちの方向にあると言うことなのかな。
それなら、なーさんに案内してもらおうかな。
そう思いながら言った。
「あっちの方にあったのか? じゃあ、その石のところまで連れて行ってくれ」
「なぁ」
なーさんについて行き、移動する。
元の岩の場所が分からなくならないように、定期的に順路を思い出しながら進んだ。
それほど進んだ訳ではないけれど、気にしていなかったら、完全に元の場所を忘れていただろう。
それぐらいの距離を移動した。
そこにはちょうど良さそうな石があった。
俺は、石を持ち上げながら言った。
「これか。ちょうど良さそうだな。じゃあ、これを持って行くか」
「なー」
行きの倍以上の時間をかけて、石を抱えながら元の場所に戻ってきた。
俺は、その石を1段目として、平べったい岩の上に置いた。
俺は、声に出すことで少しでもやる気を出そうと思いながら言った。
「よし、これで1つ置けた。次からはこれより小さくて安定性のありそうな平べったい石を重ねていく作業だな」
「なー」
「飽きずに頑張ろう」
「な!」
2段目以降の石は、近場から集めることにした。
視界に入るぐらいの範囲で、石を探し、良い感じに詰んでいった。
一度大きくタワーが崩れたが、ふてくされずに作業を続けて、なんとか形になった。
俺は、達成感を胸に抱きながら言った。
「これぐらいで良いかな。これで、石が7つか」
「なー」
「これに、赤い石をそっと置くとしよう」
「な」
俺は、集中して、最後の赤い石を上に置いた。
これで完成だな。
俺は、達成感を全身で感じながら言った。
「これで完成だ!」
「なぁ!」
達成感が良い感じに引いてきたところで、ウィンドウが現れた。
《ミニクエスト》《ミニケルンを作ろう》をクリアしました。
作成したミニケルンの評価は、B+です。
報酬、アクセサリー『石の意思』を獲得しました。
以上で《ミニクエスト》《ミニケルンを作ろう》は終了です。
お疲れ様でした。
ミニクエストはこれで終わりみたいだ。
ギリギリ、肉眼で見ることのできる範囲に入った。
反応のものとを凝視しながら言った。
「オオカミだな」
今度は狼だった。
前回の、鹿に続き、新しいモンスターが出てきた。
3層目は、2種類も新しいモンスターがいるんだな。
2種類いたと言うことは、探せばもっといるのかもしれないな。
「な」
見つけた狼は、鹿を引き連れている。
狼が鹿を引き連れいているという構図に違和感しかない。
鹿って、狼とか肉食の動物に食われる側なんじゃないの?
俺は首をかしげながら言った。
「オオカミが、非捕食者であろう鹿と一緒に行動しているな」
「な」
もしかして、モンスターって動物の形をしているだけで、動物ではないのかもな。
だから、食生活とか修正とかが、俺の知っている動物たちとは違うのかもしれない。
そう考えれば、狼が鹿を引き連れていても違和感がないのかもしれないな。
まぁ、現実世界出身の俺からすると違和感でしかないんだけどな。
俺は、そんなことを考えながら言った。
「もしかして、モンスターのオオカミは、肉食じゃない?」
「なぁ、なぁ」
なーさんは、俺の言葉に相槌を打つように鳴いている。
なーさんは優しいな。
俺が適当に言っていることにいちいち反応して鳴いてくれるのだから。
俺は気持ちを切り替え、考察とかそういう思考から、戦闘モードになった。
俺は気合いを入れて言った。
「オオカミがどのぐらいの強さか分からないし、ここは2人で協力していこう」
「なぁ!」
なーさんも気合いを入れて鳴いた。
よし、じゃあ、後は戦うだけだな。
俺は、狼に気づかれないように、声量に気をつけつつ、居合いを入れて言った。
「じゃあ、行くぞ」
「なぁ!」
なーさんは、狼目指して飛び立った。
前衛はなーさんに任せよう。
危険な役割だけれど、なーさんにしか任せられないからな。
俺がやると火力が減ってしまって、戦闘時間が長くなり余計に危ないからな。
ここは、なーさんに頑張ってもらおう。
適材適所というやつだ。
そういう思いで言った。
「なーさん、前衛は任せた」
「なぁ!」
なーさんは任せろと言いたげな、気合いの入った声で鳴いた。
俺は、飛んで行くなーさんに向かって、具体的な作戦を言っていった。
「敵を引きつけておいてくれ! 俺は、その間に、取り巻きの鹿2匹を倒す」
多分、聞こえているとしても、俺達の会話の内容を理解するほどの知性はないはずだから、大丈夫か。
俺の声が届いていたとしても、狼にこちらの存在を気づかれ、不意打ちが決まらないぐらいのデメリットしかない。
そのぐらいのデメリットなら、作戦を言った方が良いだろうという判断だ。
「なぁ!」
なーさんが、狼たちの元にたどり着き戦闘が始まった。
なーさんは、時間を稼ぐような動きと、守ることを優先に戦っている。
俺はなーさんが時間を稼いでいる間に、どうにかして、取り巻きの鹿2匹を倒さないといけない。
俺は、緊張感をもって、1匹目の鹿を狙った。
深呼吸をして気持ちを落ち着けて、矢を放つ。
ヘイトを取っているなーさんに夢中になっていた、鹿の1匹に当たった。
212ダメージ
俺の攻撃を受けて、攻撃の当たった鹿はヘイトを俺に向け出した。
それに釣られて、もう1匹のしかもこっちにヘイトが移った。
これは、俺と鹿達の2対1、なーさんと狼の1対1と言う構図になるのかな。
こんなにすぐにヘイトが移っちゃうなら、作戦を変更しようかな。
俺は、鹿のヘイトがこっちに向いちゃってどうしようと焦っているように見えるなーさんに言った。
「なーさんは、狼だけを抑えておいてくれ。鹿2匹はこっちでなんとかするから」
「なぁ!」
なーさんは、力強く鳴いて、狼との戦闘に集中していった。
お互い頑張ろうなと思いながら、俺は意識をなーさんの方から、鹿2匹の方に戻す。
鹿達は、とりあえず俺との距離をつめようと前に動く。
鹿達には、遠距離攻撃がないみたいだな。
なーさんみたいに遠距離攻撃ができる訳ではないんだな。
俺は、後ろに少しずつ下がりながら矢を放った。
233ダメージ
最初に攻撃した方の鹿に狙い通り当たった。
それにしても堅いな。
新しい弓矢にして、このダメージなのか。
装備更新をする前に来なくて良かったな。
来ていたら、痛い目に遭っていただろうな。
それと、なーさんが生まれる前に来なくて良かったな。
なーさんがいなかったら、さらにここから、狼とも戦わなければ行けなかったのか。
そう思いながら,後ろに下がりつつ矢を放つ。
241ダメージ
俺は、矢を放てるぐらいのスピードで後ろに下がっている。
鹿達は、俺が後ろに下がるペースよりも早く距離をつめてくる。
走って突撃してきている訳ではないが、じりじりと距離が詰まってくる。
このままでは、そのうち、あちらの間合いになってしまう。
矢の攻撃を受けている方は、HPが後3割弱程度。
あちらの間合いになる前に仕留められるだろう。
ただ、もう1匹の方は、どうしたもんかな。
この攻撃を続けていたら、もう1匹の方を攻撃し出す頃には、あちらの間合いになってしまうだろう。
どうしたもんかと思いながら、後ろに下がりつつ矢を放った。
322ダメージ
とりあえず、1匹は倒しきった。
この後どうしよう。
後1射分ぐらいしか距離がないな。
そう思いながら、とりあえず、なーさんに言った。
「なーさん1匹倒した。後1匹倒すまで耐えられるか?」
「なぁ!」
なーさんは、声から余裕そうだと言うことが伝わってくる。
それなら、多少時間がかかっても大丈夫そうかな。
そう思いながら言った。
「じゃあ、任せるぞ」
俺は、弓を構えるのをやめて走り出した。
目を離すと突撃してきそうなので、バックステップで動く。
と言うか、この鹿達は、なんでダンジョンボアみたいに突撃を仕掛けてこなかったのかな。
ただ、そこそこの速度で前進して、距離をつめることしかしなかったんだろう。
もしかして、足でも怪我をしていたのかな?
あぁ、あれか。
地面が固いから、気をつけて進んでいるのかもな。
でかい岩に突撃しないようにとか、鋭い石を踏まないようにとか。
そう考えると腑に落ちる。
俺は、頑張って距離を稼いだ。
岩を盾にしたり、岩に登ったりと、障害物を工夫して利用することで距離を取ることが出来た。
時間はかかってしまったが、これで、安全に鹿を倒せる。
俺は、1匹目と同じように、後ろに下がりながら矢を放つ。
344ダメージ
良いところに当たったみたいだ。
良いところに当たってもこんなもんなんだな。
かなり堅いな。
堅いと、クリティカルのダメージも減るのかな。
そう思いながらさらに矢を放つ。
266ダメージ
続けざまに矢を放つ。
221ダメージ
俺は、最後は冷静に呼吸を整えてから矢を放った。
255ダメージ
よし、これで2匹とも倒すことが出来た。
後は、狼をなーさんと一緒に倒すだけだな。
そう思い、意識を鹿からなーさんたちの方に移しながら言った。
「じゃあ、そっちと戦うか」
「なぁ!」
なーさんの方を見ると、狼が、燃え上がって倒れていた。
どうやら、狼をなーさんだけで倒したらしい。
すごい。
よくやった。
そう思う反面、肩透かしを食らった気分になった。
ここからが本番だと気合いを入れ直したタイミングで、メインの敵が倒れてしまったのだから仕方がないな。
心の中でブツブツ文句を言っていると、ウィンドウが現れた。
ダンジョンディア×2、ダンジョンウルフを討伐しました。
素材は、直接ストレージに入れられました。
獲得素材:鹿角×2、狼牙×1
経験値を得ました。
レベルが上昇しました。
NPを5獲得しました。
SPを10獲得しました。
職業レベルが上がりました。
MPが1上昇しました。
なーさんのレベルが上昇しました。
なーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
なーさんが獲得したSPは、HPに10割り振られました。
なーさんが獲得したNPは、STRに5割り振られました。
なーさんのAGIが1上昇しました。
なーさんのDEXが1上昇しました。
なーさんのHPが1上昇しました。
なーさんの『魔術』のレベルが上昇しました。
なーさんの『爪術』のレベルが上昇しました。
あの狼の名前は、ダンジョンウルフだったんだな。
予想通りの、ど真ん中の名前。
ダンジョン〇〇系は、モンスターの基本形か何かなのかな。
応用が出るような階層ではないから、こんなシンプルな名前のやつばかり出てくるのかな。
あ、レベルが上がってる。
なーさんの方も、レベルが上がっているみたいだ。
これで、レベル6か。
なーさんは、レベル4か。
また1つ強くなったな。
なーさんの方もいろいろと数値が上がっているな。
スキルのレベルの方も上がっているみたいだ。
そのうち俺よりも強くなりそうだな。
そううならないように、もう少し頑張らないとな。
とりあえず戦闘が終了したんだな。
ウィンドウを眺めていると、なーさんが戻ってきた。
俺はなーさんに向かって言った。
「俺がダンジョンディアに手こずっている間に倒しちゃったんだな」
「なぁ!」
なーさんは誇らしそうに鳴いた。
なーさんだけで倒したのだから誇らしいのだろうな。
俺も、なーさんだけでダンジョンウルフを倒せたことを誇りに思うぞ。
俺は純粋になーさんを褒めた。
「さすがなーさんだな」
「なぁ」
「頼りになる」
「な」
ただ、なーさんが強いのは分かったけど、ダンジョンウルフがどのぐらい強いのかが分からないんだよな。
戦闘中のなーさんとダンジョンウルフの姿を見ていた訳でもないし、実際に対峙して強さを感じ取った訳でもない。
ただ、なーさんが倒した敵という情報量しか得られていないんだよな。
俺は、少し困った声で言った。
「ただ、なーさんに任せちゃったから、ダンジョンウルフの強さが分からないな」
「な?」
困っているのと首をかしげながらなーさんは鳴いた。
まぁ、別にダンジョンウルフは、あの1匹しかいない訳じゃないんだし、また倒せば良いか。
俺は、そう思いながら言った。
「まぁ、また見つけて倒せば良いか」
「なぁ!」
俺は、戦闘の感想から話を変えた。
「レベルアップもしたな」
「なぁ!」
レベルアップで得たSPとNPは何に使おうかな。
どこを強化しようかな。
なーさんは、自動で振り分けてくれるから良いな。
自分で決めなくて良いのが羨ましい。
俺は笑顔で言った。
「なーさんがまた1つ強くなったな」
「なー」
なーさんは誇らしそうに鳴いた。
レベルアップしたことがうれしいんだろう。
なーさんがうれしそうにしているのに釣られて上機嫌になって言った。
「俺もレベルアップしたから、SPとNPを割り振らないとな」
「な」
俺は、ステータスを確認しながら考えた。
結果、俺は、HPを10,STRを5あげることにした。
敵が堅くなってきたから、そろそろ、火力がほしくてな。
火力が出そうなSTRに振ることにした。
命中精度とかは安定してきたし、これ以上早く動く必要性は今のところ感じていないから、消去法でもSTRになっていただろうな。
そうやって、戦闘後の処理をしていると、平べったい岩を見つけた。
話まりを見ると、尖っていたり、ゴツゴツしていたり、丸くなっている岩はいるけど、平べったく上に何かをのせられそうな岩は珍しいようだ。
俺は、ぺしぺしとその岩を叩きながら言った。
「なんかこの岩だけ平たいな」
「なぁ」
なーさんも確かにと言いたげに鳴いた。
何でもないんだろうけど、珍しいものを見つけられるのってうれしいよな。
それに、こんだけ平べったくて、大きすぎず高さもあまりない岩だと、椅子みたいだな。
そう思っていると急にウィンドウが現れた。
ミニクエスト《ミニケルンを作ろう》
ミニケルンを作成しましょう。
意思をいくつか、この岩の上に重ねてください。
満足のいく高さになったら、最後に、この岩のそばにある赤い石を上に置いてください。
赤い石を置いた時点でクエストは終了になります。
重ねた石の数や、重ねた高さ、安定性などを加味して、完成度によって報酬があります
ミニケルン作りを頑張ってください。
どうやら、勝手に、クエストが始まってしまったようだ。
今までのフィールドクエストや、チュートリアルクエストのように、事前に開始するのかについてのウィンドウがなかったな。
新しいスタイルだな。
今回は、ミニクエストという分類なんだな。
今までのものに比べると規模の小さなクエストと言うことなのかな。
だから、断るという選択肢がなかったのかな。
考えるのはこれぐらいにしておこう。
とりあえず、ケルンというものを作れば良いんだな。
じゃあ、作ろうじゃないか。
俺は少しずつやる気のエンジンをかけながら言った。
「こういうのもあるんだな」
「なー」
もしかして、ミニクエストって、1層とか、2層にもあったのかな。
俺がただ見落としていたり、出会っていなかったりするだけで。
そうだとしたら、なんかもったいないな。
プラスはないだけで、何もマイナスはないのに、なんだか損をしたような気分になるな。
何でだろう。
そう思いながら言った。
「3層からの新しいものなのかな? 2層まででも、フィールドクエストとかはあったし、見つけられなかっただけで、1,2層にもミニクエストがあるのかもしれないな」
「なぁ」
俺は、平べったい岩の隣に、鮮やかではないけれど、赤であることは分かるぐらいの石を見つけた。
その石を手に持って言った。
「これが最後にのせる赤い石か」
「な」
俺は、石を眺めながら言った。
「これだけおいたら、どんな報酬なんだろうな。気になるけど止めておくか」
「なぁ、なぁ」
検証をするためだけに、クエストのチャンスを棒に振るのはなんだか気に食わない。
だから止めておくとしよう。
俺は、改めて気合いを入れて言った。
「じゃあ、ケルン作り頑張ってみるか」
「なぁ」
「まずは、この岩の上に最初にのせる、安定性の高そうな石を探そう」
「なぁ!」
なーさんが、羽でどこかを指しながら鳴いた。
条件に合う石がそっちの方向にあると言うことなのかな。
それなら、なーさんに案内してもらおうかな。
そう思いながら言った。
「あっちの方にあったのか? じゃあ、その石のところまで連れて行ってくれ」
「なぁ」
なーさんについて行き、移動する。
元の岩の場所が分からなくならないように、定期的に順路を思い出しながら進んだ。
それほど進んだ訳ではないけれど、気にしていなかったら、完全に元の場所を忘れていただろう。
それぐらいの距離を移動した。
そこにはちょうど良さそうな石があった。
俺は、石を持ち上げながら言った。
「これか。ちょうど良さそうだな。じゃあ、これを持って行くか」
「なー」
行きの倍以上の時間をかけて、石を抱えながら元の場所に戻ってきた。
俺は、その石を1段目として、平べったい岩の上に置いた。
俺は、声に出すことで少しでもやる気を出そうと思いながら言った。
「よし、これで1つ置けた。次からはこれより小さくて安定性のありそうな平べったい石を重ねていく作業だな」
「なー」
「飽きずに頑張ろう」
「な!」
2段目以降の石は、近場から集めることにした。
視界に入るぐらいの範囲で、石を探し、良い感じに詰んでいった。
一度大きくタワーが崩れたが、ふてくされずに作業を続けて、なんとか形になった。
俺は、達成感を胸に抱きながら言った。
「これぐらいで良いかな。これで、石が7つか」
「なー」
「これに、赤い石をそっと置くとしよう」
「な」
俺は、集中して、最後の赤い石を上に置いた。
これで完成だな。
俺は、達成感を全身で感じながら言った。
「これで完成だ!」
「なぁ!」
達成感が良い感じに引いてきたところで、ウィンドウが現れた。
《ミニクエスト》《ミニケルンを作ろう》をクリアしました。
作成したミニケルンの評価は、B+です。
報酬、アクセサリー『石の意思』を獲得しました。
以上で《ミニクエスト》《ミニケルンを作ろう》は終了です。
お疲れ様でした。
ミニクエストはこれで終わりみたいだ。
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